やはり俺のゲーム攻略は間違っている。   作:湊眞 弥生

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今回はついにあの人が登場します!

基本的には原作に沿ってやりたいと思っていますが、やはり一部変わることがあるのでそこは理解して頂きたいです。

では、感想待ってます!


第3話 そして比企谷八幡はある少女と出会う。

 

 

外が明るくなり、朝になる。まだ10時か。もう少し寝ていよう、うんそうしよう。

 

「おーい、ハチ。迷宮区行くぞ。起きろって」

「うーん…あと1日寝かせろ…」

「1日寝てたら次の日になっちゃうだろ」

「仕方ねーなー…。じゃ、迷宮区行くか」

 

なんで朝っぱらから野郎の顔を見なきゃいけねーんだよ。起こすなら戸塚や小町を連れて出直してこい。あ、この世界にはいませんでしたね、はい。

しばらくモンスターを倒しながら迷宮区に入ると他のプレイヤー達が何人かいた。こんなデスゲームでよく頑張るな。

 

「じゃ、マッピング頑張ろうぜ、ハチ」

「ここまで来たら開き直ってやるしかないわな」

 

キリトにパーティ申請をされ、俺はそれを受け入れる。すると右側にある俺のHPバーの下に小さくキリトという名前とHPバーが追加される。これじゃあ俺もぼっちとは言えねーな。

 

しばらくマッピングをしていると、フードを被ったプレイヤーがモンスター相手に戦っていた。だが、やり方が少々強引だ。ソードスキルを使っては追撃、という戦い方を繰り返していた。

それを見かねてキリトが声を掛けようとしていたので俺は止めた。

 

「おい、お前あのプレイヤーを助ける気か?」

「ああ、あのままじゃ絶対に危ないし、続くわけがない」

「あれがあのプレイヤーのやり方なら俺達が声を掛けてまで変えさせる必要は無い」

「βの時から思ってたけど、なんでハチはいつもそうなんだよ。俺は行くぜ」

「あ、おい!…ったく、あの野郎」

 

なんで声を掛けちゃうの?少しはぼっちである俺の身にもなろうぜ。ぼっちの風上にも置けないやつだな。あんなやつはもうぼっちじゃねえ!

 

「なあ。アンタそのやり方ずっと続けてたらいつかやられるぞ」

「別にいいじゃない。これが私のやり方なの。他のところに行っててもらえない?」

「そういう訳にもいかないよ。俺はアンタを見捨ててはいけない」

「なんでそこまでして私に関わろうとするのよ。ほっといてよ」

「まあまあ、落ち着け二人とも」

 

これ以上ほっとくとほんとにやばそうだったので見かねて俺は声をかけた。相手を思いやって声かける俺まじ優しいわー。超空気読めるわー。

 

「それと、アンタって呼ぶのやめてもらえない?」

「ああ、悪い。俺の名前はキリト。で、こっちがハチマンだ」

「どうも…」

「そう。私はアスナ。よろしく」

 

アスナってことはこの人は女か。怒らせると怖そうだな。

 

「あのさ、一人だと何かと不便だし、俺らとパーティ組まないか?それなら安定してここのモンスターとも戦えるだろ?」

「別にいいけど。でも、パーティ組むの初めてだからやり方知らないわよ」

「じゃあ、俺から申請するよ」

 

そうしてキリトはアスナにパーティ申請をする。え、なにこれ?俺超空気じゃん。俺いる意味ないよね?帰っていいかな。

 

「おいキリト。お前、アスナをパーティに入れる気か?」

「え?ああ、そうだけど、何か悪いことでもあったか?」

「いや、そうじゃねーけどよ、別に一人でやりたいって言ってるしほっといて良いだろ」

「そういう訳にもいかないよ。このままじゃホントに死ぬかもしれないだろ」

 

こいつ、ほんとお人好しだな。こいつこそ、そのうち死ぬ気がするんだが。え?人のこと言えねーだろって?俺はほら、アレがアレするから平気なんだよ。

 

「アスナ、スイッチ!」

「…ねえ、キリト君。聞きたいことがあるんだけど」

「ん?なに?」

「その…スイッチって何?」

「あれ?知らない?」

「いや、当たり前だろ。アスナは初心者だぞ。俺らβテスターとは違うんだし、見たところパーティ組むのも俺らが初めてっぽいし」

「そっか。じゃあ、教えとくよ。スイッチって言うのは…」

 

それからキリトによるパーティでの戦い方講座が始まった。アスナはそれに耳を傾け、キリトの言われた通りに動いていく。

その間俺が何やってるのかって?いやほら、俺は空気読んで後ろで見守ってるんだよ。それに、俺が人に教えるとか柄じゃないし。…自分で言ってて悲しくなってきた。

少しして、アスナはキリトに教えてもらったことを大半はこなせるようになっていた。こいつ、ホントに初心者か?って思うくらいの動きだった。俺なんかすぐに抜かれちゃうんじゃね?

アスナがスイッチなど、パーティでの戦い方を覚えて、今日の迷宮区攻略は終わりになった。

 

その日の夜、俺がコーヒーを飲みながら乾パンを齧っていると、フードを被ったアスナが隣に座ってきた。思ったんだけど、なんでずっとフード被ってんの?顔を見たら石にでもなっちゃうゴーゴンなの?

 

「ねえ、なんで貴方はこの世界に来たの?」

「ん?俺か?…まあ、こういう世界に1度でいいから行ってみたいって気持ちがあってな。それに…いや、何でもない」

「ふーん…」

 

興味なかったのか、普通に聞き流された…。聞かれたから答えたのにこの子酷くない?泣いていい?

…なんかさっきから肩が重いなと思ったら、隣から寝息が聞こえてきた。こいつ人の肩で寝てやがる…。寝るなら宿屋行けよ。男は狼なんだぞ。襲っちゃうぞ。まあ、俺にそんな度胸は無いけどね。

仕方ないのでアスナをお姫様抱っこし、宿屋で借りておいた俺の部屋に連れていき、ベッドに寝かせた。

フードが邪魔だろうと思って取ってみたら、栗色のスラッと真っ直ぐ伸びた綺麗な髪に、整った顔立ちが姿を現した。危ない危ない。ついうっかり惚れちゃうところだったわー。告白して振られちゃうところだったわー。結局振られちゃうのかよ…。

 

「おやすみ、アスナ」

 

布団を掛けてやり、俺はソファの上で寝始めた。

 

 


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