やはり俺のゲーム攻略は間違っている。   作:湊眞 弥生

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初めまして!
SAOと俺ガイルのクロスオーバーSSを読んでいて、書きたくなってしまってつい投稿してしまいました

それと、作者は二次創作を書くのはこれが初めてなので処女作です。変なところがあるかもですが、そこはお許しください。



第1話 地獄の始まり

VRMMORPG。それはフルダイブシステムが搭載された世界初のゲーム。

その中でもつい最近、予約開始して約1時間で売り切れになったゲームがある。そのゲームの名前は"ソードアート・オンライン"、通称SAOだ。

βテスト版が配信され、そこから全世界で話題になった大人気ゲームで、俺はそのβテスト版が当選したβテスターだ。

当選した時は勿論とても嬉しかったね。なんせ、βテスト版は極僅かの人間しか当選されないからな。

そして今日、そのSAOの本サービスがいよいよ配信される日だ。

βテストぶりの、待ちに待ったSAOがようやく出来るのか。と楽しみにしていて気が気でなかったからなのか、部活中に雪ノ下や由比ヶ浜に「何をそわそわしてるのかしら、そこのヒキガエル君は、目障りだから辞めてもらえないかしら?」「ヒッキー、キモイ…」といつものように罵倒された。だって仕方なくね?あのSAOがやっと出来るんだよ?これが落ち着いてなんかいられるか!…え、仕方ないよね?

下校時刻のチャイムが鳴ると、奉仕部の活動が終わったので玄関で靴を履き替える。そこから俺はすぐにマイ自転車に乗って帰宅した。帰宅すると小町がエプロンを着けて夕飯の支度をしていた。やっぱり小町は世界一可愛いな、うん。異論は認めん!

 

「ただいまー小町ー」

「あ、お兄ちゃんおかえりー。今ご飯の支度してるから適当に待っててー」

「おう、じゃそれまで部屋にいるからな」

「はいはーい、7時になったら降りてきてねー」

 

今現在の時刻は夕方の5時半。

俺は部屋に戻るとすぐにナーヴギアを被り、一言宣言した。

 

「…リンクスタート」

 

…目を開けるとそこにはβテスト以来の第一層の始まりの街の噴水広場にいた。

 

「戻ってきたんだな、俺は。この世界に」

 

ウィンドウを開くと、プレイヤーネームである俺の名前のハチマンがステータス画面に出ていたことを確認し、今現在のステータスと装備、それからアイテムが何かあるかをチェックする。

まあ、流石にβテスト時の装備やアイテムはねーわな。感覚を取り戻すがてら俺は始まりの草原に向かって走り出す。

 

始まりの草原に出ると、沢山のプレイヤーがここら一帯で戦っていた。

さて、俺もそろそろ始めるとしよう。

俺は初期装備の片手剣を抜き、始まりの草原に出てくるモンスターである猪型のモンスターであるフレンジーボアと対峙した。

剣を構え、俺はβテストの時の感覚を取り戻すように攻撃を繰り出す。すると、システムによって俺の繰り出した攻撃はスーッとフレンジーボアに吸い込まれていく。

 

「これだよ、これ。この感じがいいんだよな、SAOは。この調子で少し頑張るか」

 

攻撃されたフレンジーボアは俺に向かって突進をしてくる。身体を捻るように避け、避けたことで隙の出来たそいつに俺は剣を振り下ろす。

それを敵のHPが0になるまで繰り返していくと、HPバーが0になったフレンジーボアはポリゴンとなって砕け散った。

 

こんな感じでフレンジーボアを狩っていくこと1時間ちょっと経過した頃に後ろから肩をトントンと叩かれた。誰だよ、俺は今ようやくSAOができてテンションMAXなのによ。むしろ高すぎて発狂するレベル。…気持ち悪いですね、はい。

 

「よう、ハチ。お前もやっぱり来てたんだな」

「そりゃあな。本サービス配信日だからな。やらない手はないだろ。お前もこの時間に来てるあたりそうなんだろ?お互い様だ。…ところで気になってたんだが、後ろにいるやつは誰だ?」

「あぁ、そうだ。紹介するよ。この人はクライン。ついさっき始まりの街で声を掛けられて、戦い方を俺に教えてくれって頼まれてさ、さっきまでレクチャーしてたんだ」

「そういうことか。なんつーか、相変わらずお人好しだな、お前」

「その台詞、ハチには言われたくないかな」

 

おい、俺には言われたくないってどういうことだ。俺は誰かに教えるほどお人好しじゃねーよ。むしろ影薄すぎて誰からも声掛けられないから。…自分で言ってて悲しくなってきた。

俺に声を掛けてきた男の名前はキリトだ。俺がβテスト時に知り合ったやつで、βテストの時から何かとこいつとは連絡を取ったりしてた。決して友達ではない、ただの知り合いだ。本当だよ?ハチマンウソツカナイ。

クラインと呼ばれた男は見た感じ、20代の兄ちゃんぐらいに見える人だな。

 

「えーっと、ハチマンだったよな?よろしくな!俺はクラインってんだ。見たところお前らって知り合いなのか?」

「まあな。色々あってこいつとはちょっとした縁がある」

「てことは、ハチもやっぱりβテスターだったんだろ?キリトもそうだって言うしよ」

「ああ、そうだが。つーか、キリト。お前、この人に元βテスターだってこと話したのか?」

 

俺がじーっとキリトを見ていると、アハハ…と苦笑いをして誤魔化された。そんな風に笑っても許してやらねーからな。お前のせいで俺まで元βテスターだっていうのがバレたんだから。

 

「まあまあ、別にいいだろ。ところで、こんな所で1人でやってるなら久しぶりにパーティ組まないか?βテスト時以来だしさ」

「あー、悪い。俺そろそろ落ちるんだわ。妹が夕飯作ってくれてるしな」

 

それを聞いたクラインが大声をあげて思い出したかのようにメニューを開き始めた。いきなり大声あげないでくれませんかね。耳がもげるかと思っちゃっただろ。

 

「そーいや、俺も今日夕飯にピザ頼んでるんだった。わりぃな、キリトよ。俺もそろそろ落ちるぜ。色々と教えてくれてありがとよ。あとは、自分でなんとかしてみるわ」

「ああ、大して教えてやれなかったけど、頑張れよ。じゃあ、俺もそろそろ落ちようかな」

 

そこで俺達はある異変に気づく。先程からメニューを開いてログアウトボタンを探してるのだが、あるべき所にそのログアウトボタンが存在していなかった。

 

「おいおい、流石にサービス開始初日からやばいだろ、これは。ログアウトボタンないとか笑えないぞ。クラインとキリトはログアウトボタン見つかったか?」

「いや、見つからないな。これ、そろそろ他のプレイヤー達も気づき始めてる頃だぞ」

「おいおい、なんだってんだよ!早くしねぇとピザが来ちまうってのによ」

 

俺達が必死になってログアウトボタンを探しているといつの間にか始まりの街に俺達は戻ってきていた。

そして、これから始まるオープニングセレモニーが地獄の始まりだとは予想もしていなかった。

 

 


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