腐った世界で腐り目の男は生き延びられるか。 作:ぴよぴよひよこ
陽乃さんの操る巨大な車が、道を塞ぐ打ち捨てられた自転車や、時には動く動かないを問わず
広大な敷地を、総武高校のものよりも豪奢な柵が覆っている。普通ではないこのサイズの車でも悠々とくぐれる大きさの門が自動で開いて、その屋敷の車庫らしき場所へ入った。
「ふうっ」
「お疲れ様です、陽乃さん」
さしもの陽乃さんでも緊張続きだったのか、車を停めた瞬間に大きな吐息が零れた。俺が労いの声をかけると、少しだけ意外そうな目をして「ありがと」と返してくる。
労ったのが意外だったのか、名前呼びが意外だったのか。だが彼女には多大な恩ができてしまったし、これから世話になるのは雪ノ下家だ。姉妹で呼び方が似てしまうのも面倒だったため名前で呼んだが、別に深い意味はない。……まあ妹の方を名前で呼ぶつもりはないけども。
「おかえりなさいませ、陽乃様。雪乃様も、よくぞ御無事で」
車庫のシャッターが閉まり、陽乃さんが一度だけ短くクラクションを鳴らすと、屋敷へとつながっているらしきドアから使用人が二人飛び出してきた。しっかり危機管理ができているな。陽乃さんたちは現状がきちんと理解できていて、対策も取っているようだ。
「ええ、ありがとう」
「とりあえず紅茶か何かを……あ、比企谷くんはご飯食べてないのかな?」
「あ、はい」
俺が頷くとそれだけで指示も待たずに使用人の一人が戻っていった。仕事できる人ってすげぇな。残った一人が雪ノ下たちが持つ袋を片手で持ち上げ、小町と由比ヶ浜が驚愕の表情でそれを見ている。俺が持っていた猟銃も顔色一つ変えずに受け取り、屋敷へと先導してくれた。
案内された部屋は、雪ノ下のマンションのリビングを二倍に広げて三倍豪華にしたような広々とした空間だった。靴のまま絨毯を踏みつけるのは気が引けたがそれがこの家の普通らしい。巨大なスクリーンのようなテレビの前に、これまた巨大なソファが誂えられており、そこへ腰を下ろすと包まれるように身体が沈んだ。
「はあぁ……」
「雪乃さんの部屋もすごかったけど、ここはもっと凄いね、お兄ちゃん」
「そうだなー……」
兄妹でソファに沈みながら益体のない話をする。なんてことのないことが、これ以上ないくらい心を落ち着かせてくれる。由比ヶ浜は気まずそうに立っていたが、何かを決したように俺の隣に座った。
「ヒッキー……さっきはごめんね」
「……気にすんな」
由比ヶ浜はやはり優しい女の子だ。自分が悪いと思ったらちゃんと謝れる。きっと深いところまでは理解できていないのかもしれないが、それは俺が勝手に決めたことなのだ。彼女の気持ちを無駄にすることもない。
使用人さんから紅茶を載せたおぼんを受け取った雪ノ下が、それを俺たちに配りながら複雑な顔をしていた。こいつも薄らと気付いているのだろう。俺がまた勝手なことをし始めていることを。きっといつものように正論を述べたいのかもしれない。けれどそれが通用しないことも理解してしまって、言葉が紡げないのだ。
「……とにかく、あなたが……生きていてくれて嬉しいわ」
言いたいことを飲み込み、しかし次に出てきたのもきっと本音だったのだと俺にも分かった。口の端が優しく上がりかけ、しかし素直に笑みを浮かべることができていない。
聞きたいことがたくさんある、と言外に語っていた。
「ああ。一色は、……っ」
残酷な事実を言いかけ、俺も言葉にできずに詰まってしまう。だが彼女たちも分かっていたようで皆顔を伏せて一色を悼んだ。
思い出すと今も涙が溢れて止まない。あのあざとくも可愛らしい後輩の姿を二度と見ることができないだなんて。そして、死んでいった他の人たちも。
平塚先生、葉山、三浦、大志……。全員に対して仲が良かったなんて言えはしないけれど、それでも。死んでほしいなどと思ったことは一度とてない。三浦や大志は俺の日常には少ししか関わりがなかったかもしれないのに、喪われたとなると胸に穴が開いたような虚しさを感じてしまう。
それから、俺が目覚めた後のことを聞かせた。といっても陽乃さんに拾われたことぐらいだが。
あの出会いは本当に僥倖だった。あとマッカンを買おうとしてピンチになったことは黙っておいた。あれがなければ拾われなかったかもしれないし、風評被害には気を付けないとな。
「はーい、比企谷くんご飯だよ~」
「あ、ありがとうございます」
俺と、雪ノ下たちのこともあらかた話しあったところで、陽乃さんが料理を運んできてくれた。分厚いステーキを目の前に置かれて、金持ちって本当に毎日こんなもん食ってんのかと思いかけたが、日持ちしない食材を優先的に使ったのだと気付いた。まあ俺としてはありがたい。
正直に言うと良く焼いてくれてはいるものの肉は精神的にキツイものもあったが、食料は無駄にはできない。それに温かい食事はそれだけで疲れて冷えた身体に活力を与えてくれるのだ。
「うまっ」
「お兄ちゃんよくお肉食べられるね……」
「いやお前それ言うなよ……俺も考えないようにしてたんだから」
「あ、ご、ごめん」
今日の出来事を一旦頭の隅においやって肉にかぶりつく。口に含めば芳醇な旨味が広がって細かいことを忘れられそうだった、が、小町の一言によってまた現実に引き戻されてしまった。食事中のお喋りはマナー違反よ。そんな子に育てた覚えはないわ! どちらかと言うと育てられたの俺じゃん。
素直に謝った小町に追及することはせず、無心で料理を食べきった。肉の後に紅茶というのもどうかと思ったが、ハーブティーだったようで存外さっぱりとひと心地つけることができた。
「ごちそうさまでした、ありがとうございます」
「はーいおそまつさま。綺麗に食べてくれたねー」
「残すわけにはいきませんし……特に俺は」
「そうだね」
空になった食器を陽乃さんが持ち上げ、すぐに飛んできた使用人さんが持って行った。仕事が早い。
「どういうこと?」
俺と陽乃さんの会話を不思議に思った由比ヶ浜がきょとんと首を傾げて聞いてくる。
何から言うべきか。俺も自分のことがよく分かっていないから、何からというよりどこから話すべきかも分からない。
「あー……。俺は噛まれたけど、"奴ら"みたいにはなってないだろ?」
「……うん」
「でも、なってないだけで感染はしてるかもしれないってことだ」
「感染……ね、意味は分かるけれど」
雪ノ下がこれまでの出来事を振り返りながら唸った。まあそれも仮の表現なんだがな。
「奴らに噛まれるなりなんなりして、いずれ同じような状態になることを『感染する』と仮称する。そうした時、問題は、俺はその原因の何かに打ち勝ったのか、取り込んでいるのか、ってことだ」
「どう違うの?」
由比ヶ浜も分かっていなさそうだが、小町もまだ理解できていないようだ。
「打ち勝って完全に無効化ならいいんだ。だが発症していないだけで原因となる『何か』がまだ俺の中にあるとしたら。例えば俺がさっきのステーキを残して、誰かがそれを食べたら感染してしまうという可能性がある、ってことだ」
自我があるというだけで、俺はゾンビと変わらない存在なのかもしれない。だとしたら俺はいろいろ注意する必要がある。まずは不用意に誰かに触れないようにしなければならない。うっかり爪を引っかけてしまって、なんて冗談にもならないのだから。
「経口摂取による二次的な……だとしたら空気感染の可能性は?」
「分からん。だが空気感染ならもう誰も生きちゃいねぇはずだ。もしかしたら俺たち全員もう感染自体はしてるかもしれんが、それだと引っ掻かれただけでアウトになる理由が分からんしな……」
雪ノ下の問いも一理ある。仮に俺が触れたものが危険ならば、くしゃみなどで飛散する可能性もあるかもしれない。考えれば考えるほど俺の危険性が上がってくな……。ここにいていいのかなマジで。
「そ、っか……。じゃ、じゃあさ、あの中学校はその、ゾンビ? 少なかったけど」
由比ヶ浜がおずおずと質問した。小町にも配慮しているのだろうが、たしかにあそこでは襲われたものの、ゾンビの数自体は少なかった。というより、死体が多かった記憶がある。明らかに噛まれた痕があった死体。あれはどうして動き出さない?
「そのまま死んで動き出さない場合もあるのよね?」
「そこの違いはなんなんだろうな……。小町、あんまり思い出したくないだろうが、事の始まりの辺り、覚えてるか?」
「……うん、大丈夫。えっと、まず放送で不審者が侵入してきたから、今いる教室に待機してなさいって言われて……」
嫌な顔をしつつ小町が記憶を探るように唸る。口に拳を当てて、濃すぎる一日のワンシーンを思い出そうとしていた。
「警察に電話が通じなくて、先生が取り押さえに行ったみたいだったんだけど、悲鳴が聞こえて……ちょっとやんちゃな男子たちが様子を見に行ったけど、やっぱり戻って来なくて、今度は学級委員の子が見に行って、青い顔して戻ってきて」
そしてパニックが始まったらしい。しかし小町たちがいたのは二階より上の階層。降りられる階段は二か所にあるが、そこで犠牲となった教師や生徒がゾンビと化して起き上がっていたのだ。
「逃げようとして噛まれた子がいて、どうにか戻って来れたんだけど、外と連絡がつくまで教室に鍵をかけて立てこもろうってなって……」
「そいつも、ってことか」
「うん……」
その後はきっとパニックなんて言葉では表わしきれなかったことだろう。しっちゃかめっちゃかになり、小町は大志と一緒に生徒会室へ逃げ込んで息をひそめていたが、けが人を受け入れてしまって事が起こり、やっと俺がそこへたどり着いたようだ。
「あと少し早ければ……」
「……私のせいだわ。ごめんなさい……」
「お前は悪くねぇよ。誰も悪くないんだ、謝る必要なんかない」
雪ノ下が俯くが、こいつに責任なんてありはしないだろう。仮に雪ノ下に体力があったとして、行動が早くなったからこそ危険な目にあっていた可能性だってある。あの時、何が起こるかなんて誰にも想像すらできなかったはずだ。
「そうです、雪乃さんのせいなんかじゃないですよ」
「でも結局感染? する人としない人の違い分かんないね」
やはり根本的な原因が分からないと取るべき対策にも具体性を持たせられないな。世界的に有名になったあのゲームは兵器として開発されたウイルスの流出が原因とされているが、今起きている現象は似てはいるものの差異もちらほらとうかがえる。
まず一つに感染から発症までが早い。あのシリーズではすでに荒廃した街からスタートするが、作中で日記を読めば分かるとおり発症までに数日かかるケースもあったはずだ。昨日までは特にニュースにも挙がらなかったし、登校途中の町並みはいつも通りの日常と変わらなかったのに。
そして次に、規模が大きすぎる。雪ノ下たちに聞いたところこの現象はすでに日本全国に広がっており、世界中でも起きている可能性があるということだった。余りにも早く広まりすぎだ。
「今のところ噛まれて無事っていうのは比企谷くんだけみたいだね」
陽乃さんがいつの間にか持ってきていたノートPCを操作していた。まだネット回線は生きているのか。だとしたら重要な情報が拾えるかもしれない。
「何を見ているんですか?」
「ん、Facebookだよ。会ったことはないけど『お友達』なら世界中にいるからね」
「さすがっすね……」
俺なんて英語すら怪しいんだが。陽乃さんはその友人たちとやらがSNSにアップしている情報をまとめていきながら、だんだんと顔色が悪くなっていっている。
「中国、ロシア、アメリカ、オーストラリア。他もだけどこれだけ距離も環境も違う国で同様の事態が起こってる。人為的なものを感じなくもないけど、そんなことができる組織も方法も思いつかないな」
「時間はどうですか? 全くの同時になのかどこからか始まったのか」
「ちょっとまってね……。うん、ほぼ同時だね。日本時間の正午すぎ辺りから猟奇事件があったっていう記事の投稿が始まってる。向こうは夜中とか夕方でも」
どこからともなく始まったというのか、世界各国で同時に。陽乃さんの言う通り、これが人の手によるものだとしたらそんなことができる組織も方法も思いつかない。なおかつ世界中の治安維持組織や軍隊にも見つからずに何かしらを散布するなど不可能だ。
だとしたら自然発生? それもおかしいと感じる。オーストラリアなんかは分かりやすいが、日本とは季節が真逆で環境が違いすぎる。自然に生まれたウイルスなのだとしたら流行る条件なんかがあっても不思議ではない。
「はあ、ダメだ、さっぱり分からん」
「とりあえず今日は休みましょう。いろいろありすぎて整理もできないわ」
「そう、だね」
雪ノ下が空になったティーカップをトレーに戻していき、それを控えていた使用人さんに渡す。代わりに救急箱を受け取って俺の前に置いた。ありがたい、肩の傷から出た血が固まっているらしく気持ち悪いと思ってたところだ。
「比企谷くんは怪我もしてるし、今日はお風呂は我慢してちょうだい」
「まあ水も貴重だし構わねぇよ」
その言葉に承諾を返しながら、制服の上を脱いで包帯が巻かれた上半身を晒す。そういえば目が覚めてから怪我の状態を確認してねぇんだよな。見たら痛みがぶり返してきそうで怖いが仕方ないか。
「っ、痛々しいけれど、ちゃんとふさがり始めているわね」
「うわぁ痛そう……。大丈夫、ヒッキー?」
「ああやっぱり傷見たらまた痛くなってきた気がするわ……」
噛まれた部分は青黒く変色していた。平塚先生の腕の傷みたいに噛み千切られてはおらず、どっちかというと噛みつぶされたという方が近い。歯型ではあったが貫通していたのは前歯あたりのみで出血はそこまでひどくはなかった。
「小町が助けてくれてなかったらちっとヤバかったかもな」
「あの時は頭がカッとなって……」
「ありがとな」
相手がゾンビとはいえ妹に手を上げさせた俺に落ち度はあれど、小町が落ち込む必要はない。自責の念に小さくなっていた小町に礼を言って消毒液をかけて包帯を巻きなおす。多少沁みたがこれもまた生きている証だ。甘んじて噛みしめよう。
「……っはあ。陽乃さん、外から鍵がかけられる部屋ってありますか?」
「あるけど……まさか自分から言い出すなんてね」
「そりゃ、自分以外が
陽乃さんはやはり理解が早かった。
つまり俺がこれから発症する可能性も考えて、もしゾンビ化したらそのまま閉じ込められる部屋で寝泊まりさせてもらおうという話だ。
「とりあえずは朝まで。もし発症、そうでなくても悪化し始めていたら……」
「そん時は、頼みます」
「お兄ちゃん!?」
ようやく話の流れを理解した小町が叫んだ。
「まあ保険みたいなもんだよ。お前らは不測の事態に備えて一か所に集まっていてもらったほうがいいが、俺は放置しておくだけでも危険になりかねないしな」
「やだ! だったら小町もお兄ちゃんと一緒の部屋で寝るから!」
「ダメだ。小町、分かってくれ」
一度死に別れのような経験をしたからか、小町は俺のそばを離れようとはしなかった。そりゃそうか。もし立場が逆だとしたら俺はきっと小町を抱きしめて離さない自信があるぞ。
愛しい妹のわがままをどう落ち着かせようかと考えあぐねていると、ふとポケットに入った携帯が震えはじめた。……電話、か!
「ちょっとすまん……川崎か! ――――もしもし!」
『……比企谷。やっとつながった、か』
「川崎、無事か!」
画面に表示されていたのは総武高校の前で別れた川崎沙希の名前だった。彼女に託された依頼は達成できずに、どう話せばいいかも分からないがとにかく無事であってほしかった。
『京華は……ダメだった。大志、は?』
「……すまん。すまん、川崎……」
『……そ、か』
「お前は無事なのか? 今どこにいるんだ。今から迎えに――」
無理もないが明らかに気落ちしている川崎の声に、慌てて言葉をかける。ちらりと陽乃さんを見てみるも、彼女は首を横へと振っていた。車は出せない、と。そうだよな、陽乃さんにとってはつながりもない他人でしかない。そのために危険は冒せないか。
だが川崎もそのつもりはなかったらしい。
『いや、いいよ。あたしは大丈夫』
「大丈夫ってお前……!」
『最後に声を聞けてよかったよ』
「何言ってんだ、おい、何するつもりだ!」
『じゃあね、比企谷。……あんたは生きて』
「川崎!! 切るな! 川崎!」
それきり、電話は途切れて不通を示す音声しか流れてこなかった。
「……っ!」
「お、お兄ちゃん……」
くそ、くそ、くそっ! 何度俺は自分の無力さを味わえばいいんだ。俺に、俺に何ができるっていうんだ……!
『みんなを頼む』という葉山の言葉が頭の中にリフレインする。葉山、お前ならどうしていた……。俺には、やっぱり荷が重いよ。
「比企谷くん、部屋に案内するよ」
「……お願いします」
肩を落とした俺に陽乃さんが変わらない調子で声をかけてくれた。下手に慰められるよりもありがたい。今はどんな言葉も素直に受け取れる気がしない。
「あ、こ、小町も……」
「すまん、今は……一人にしてくれないか」
追いすがるように俺の袖を取った小町をやんわりと引きはがして陽乃さんの後に続く。広々とした廊下を歩いて行き、とある扉の前で立ち止まった。見た目は普通の部屋の扉だし、実際に開けてみてもそれなりの広さの部屋だった。この屋敷にしてみれば狭いと表現してもいいのかもしれないが、俺の部屋より少し狭い程度で内装もなかなかのものだ。
「あんまり人様に言うことじゃないけど、ここはいわゆるお仕置き部屋ってやつでさ。子供のころ何回か入れられたんだー」
「はは……陽乃さんにもそんな時代があったんですね」
「そうだよ、私のことなんだと思ってるのかな? まあここはさ、防音もしっかりしててどんなに泣きわめいても開けてもらえなかったんだよね」
「そう、ですか。ありがとうございます」
「んじゃ、明日の朝にノックするから、同じ回数を返してくれる? そしたら開けてあげる」
「分かりました。……おやすみなさい」
「ん、おやすみ」
バタンと重い音を立てて扉が閉まる。本当にありがたい。まさしく今の俺に必要な部屋だな。
もう使われていなさそうな部屋なのにしっかりと掃除が行き届いていて、ベッドにもホコリなどは微塵も見られない。靴を脱いでうつ伏せに倒れ込み、思いっきり枕を殴りつけた。
「――――くっそぉおおおおおおおお!!!」
誰にも届かない慟哭をあげながら、長すぎる一日の終わりを迎えた。
――――――
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