運命を覆す伐刀者   作:蒼空の魔導書

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落第騎士のアニメが面白くて思わず原作を購入して読んで調子に乗って二次創作小説まで書いてしまった蒼空の魔導書(ぶれいぶるー)です!

もう一つの作品のこともあるので不定期更新になると思いますがよろしくお願いします。




《学内選抜戦編》イメージOP『JAP』

TVアニメ戦国BASARA OP
PSPゲームソフト戦国BASARAバトルヒーローズ メインテーマより


学内選抜戦編
運命が変わる戦いの幕開け


《伐刀者(ブレイザー)》、自身の魂を武装《固有霊装(デバイス)》として顕現させ、魔力を用いて異能のチカラを操る千人に一人の異能力者であり、最高クラスならば時間の流れを意のままに操り、最低クラスでも身体能力を超人の域に底上げできる。

 

とはいえ大きなチカラには相応の責任が伴う。その一つが《魔導騎士制度》である。

 

魔導騎士制度とは国際機関《国際魔導騎士連盟》の認可を受けた伐刀者の専門学校を卒業した者にのみ免許として《魔導騎士》という社会的立場を与え能力の使用を認めるというものだ。

 

この日本にはその伐刀者の専門学校は七つ存在する、九州沖縄地方の《文曲学園》、中国四国地方の《廉貞学園》、近畿中部地方の《武曲学園》、北海道の《禄存学園》、東北地方の《巨門学園》、北関東の《貪狼学園》、そしてここ南関東の《破軍学園》である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕の勝ち、だね」

 

「・・・・・」

 

『き、決まったぁぁあ!あっけなく決まってしまったぁああ!学園【序列第五位】の《速度中毒(ランナーズハイ)》をもあっさりと下して黒鉄選手は土つかずの九連勝!いよいよ史上初のEランク以下での七星剣武祭代表抜擢が現実味を帯びてきました!』

 

現在ここ破軍学園の第五訓練場では年一回開催される最強の学生魔導騎士を決める武闘大会《七星剣武祭》の代表選手六名を決める為の《学内選抜戦》の真っ最中であり、たった今黒髪の男子生徒———《黒鉄一輝(くろがね いっき)》がバトルフィールド上の石板の地面に叩き付けられて仰向けに倒れているナックルダスター型の霊装を装備したブルマ姿の女子生徒《兎丸恋々(とまる れんれん)》の喉元に自身の黒い日本刀型の霊装《陰鉄》の切っ先を突き付けて試合を決していたところだった。

 

実は破軍学園は昨年まで代表選手の選抜は【能力値】で選抜をする【能力値選抜】だったのだが、今年新しく就任した理事長の【完全実力主義】の方針により能力値選抜は廃止となりこのような戦闘力がはっきりと出る学内選抜戦をする事となり、破軍の学生の誰もが七星剣武祭に出場するチャンスが与えられたのである。

 

その為、極稀に低ランクの学生から一輝のような能力値だけでは計れない隠れた実力者が頭角を現すこともあるのだった。

 

そして今また一人、運命を覆し得るであろう低ランク伐刀者が頭角を現す——————

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よっ!姫ッチ、団が潰れて以来だな」

 

観客スタンド最上階にて手摺りに両手を置いて無言で観戦をしているピンクブロンドのショートボブの髪で身長は平均より低めだがスタイルがまあまあ良く何故か左腕に多数の手拭いを巻いて身に着けている不機嫌そうな雰囲気の女子生徒《佐野涼花(さの りょうか)》に長身痩躯の黒髪で鼻筋に横一本の傷痕がある男子生徒《風間重勝(かざま しげかつ)》が歩み寄って来て気さくに声をかけた。

 

「久しぶりね《漆黒の剣聖》・・・いや、それともこの学園で付けられた《裏切り者の序列一位(エース・オブ・ビトレイアー)》と呼んだ方がいい?」

 

「ハハハハハッ!まったく随分と不名誉な二つ名を付けられっちまったもんだな、おかげで俺は序列一位なのに学園中の嫌われ者だぜ、ハハハハハッ!」

 

「去年の七星剣武祭を無断でサボったって聞いたわよ、学園中の期待を責任感も無く裏切ったんだから嫌われて当然ね」

 

「ハハハハ、手厳しいな」

 

二人はどうやら知り合いのようだ、涼花が今年入学したばかりの一年生で重勝が三年生ということや今の会話から破軍に来る前からの知り合いのようである。

 

「それよりも次の試合、【幸斗】の番だろ?相手はあの《紅蓮の皇女》サマみてーじゃねーか」

 

「そうね・・・まあ、幸斗なら問題ないわね」

 

「Aランクが相手だというのに即答だな・・・」

 

「《落第騎士(ワーストワン)》との摸擬戦の動画を見たのよ、あれなら幸斗の敵じゃないわ、幸斗は油断はできないって言っているけれどね」

 

伐刀者の最高ランクはAランクだ、このクラスはもう十年に一人の天才と呼ばれ歴史に必ず名を遺す英雄になるという規格外なランクで今重勝が言った紅蓮の皇女《ステラ・ヴァーミリオン》は保有する魔力が通常の三十倍でしかも使った先からすぐに魔力が回復するという怪物伐刀者だ。

 

そんな相手に対して涼花は【問題ない】と即答したのだ、つまりそれほど幸斗という伐刀者の実力を涼花は評価しているということだ。

 

「・・・まあ、アイツは落第騎士よりもランク詐欺と言ってもいいくらい人間やめているとしか思えない奴だからな・・・この数年間でどれだけ実力をつけたかお手並み拝見とさせてもらうぜ、幸斗」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当に調べなくていいのステラ?」

 

「いいの、結局のところ、この戦いも、そして七星剣武祭も、全てアタシ達が強い魔導騎士となるための訓練のようなものでしょ?テロリストの伐刀者と相対したとき敵の能力がわかってることなんて事ほぼあり得ない、だから相手がどんな能力を持っていようと戦えるようにならないと駄目なのよ」

 

フィールドから引き上げた一輝を青ゲート前で出迎えた鮮やかな赤髪の少女ステラが次の試合の為にバトルフィールドに向かおうとした時に一輝にそう尋ねられるがステラは拒否し一輝は心配そうな表情で黙った。

 

「心配しなくても大丈夫よイッキ、相手は【Eランク】、もうランクで相手を侮るような事はしないけれどそうそう負ける相手じゃないわ」

 

ステラは以前一輝との摸擬戦の際に【FランクがAランクに勝てる訳がない】と一輝を侮り結果敗北した為に二度とランクの低さで油断をするようなことはなくなったが、それでもランクを基準にしてしまうのだろうし目の前の落第騎士のような常識外の存在がポンポンと現れる事などないだろうとも思っているのだろう。

 

「アタシは絶対に七星剣武祭に出場して貴方との約束を果たすわ、だから絶対に勝つ」

 

「ステラ・・・」

 

この二人、実は一ヶ月前に恋人同士になり七星剣武祭の決勝でもう一度戦おうと約束をしていたのだ、ステラはそれに向かって勝ち続けると意気込んでいた。

 

「それじゃあ行ってくるねイッキ!」

 

そしていつも通りの自信に溢れる声でそう言い、バトルフィールドに歩き出して行った。

 

————————やっぱり凄いよステラは・・・・・でも今回はなんだか胸騒ぎがする、何でだ?

 

バトルフィールドに向かって行くステラを心配そうに見つめる一輝、ステラの実力を信頼している一輝はいつもなら特に心配もせずに笑顔で見送るのだが、剣士としての感か何故か嫌な予感がしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『さあ興奮さめやらぬなか続いて本日の第八試合開始だ!燃えるような髪を揺らしてリングに現れたのは破軍学園唯一のAランク騎士!紅蓮の皇女ステラ・ヴァーミリオン選手だぁああ!ルームメイトの落第騎士と同じくヴァーミリオン選手もここまで八戦八勝無敗!無傷どころかまともに試合すらせず威圧だけで勝ち抜いてきた脅威の超新星(スーパールーキー)だ!』

 

青ゲートから歩いて来たステラが毅然とバトルフィールド上に立った。

 

 

 

 

 

 

 

そして、赤ゲートから運命を覆す為に進み続ける男が姿を現す—————

 

—————!!?・・・・何、この身体を吹き飛ばされたかのような感覚!?

 

ステラは現れた男子生徒と目が合った瞬間、自分が巨大な鬼の一撃によりカッ消される幻覚を見た。

 

170cmと少しくらいのあまり高くない身長で燃えるような夕焼け色の髪で前髪に朱色のメッシュが入っていて両頬に二重三角を模したタトゥーが彫られていて日本人としてはかなり異質な外見で燃えるような灼熱色の瞳は燃え尽きる事の無い意志を感じさせた。

 

『続いて灼熱色の眼差しでリングに現れたのはEランク騎士《真田幸斗(さなだ ゆきと)》選手だぁああ!真田選手はヴァーミリオン選手と同じく一年生にしてここまで八戦八勝無敗!しかもいままでの試合全てで《伐刀絶技(ノウブルアーツ)》を使わずに一撃で相手をKOしてきて未だに能力は謎のまま!果たして今回その能力の全貌が明らかとなるのか!?期待が高まります!』

 

赤ゲートから歩いて来た幸斗がステラの20m前に立ちお互いに睨み合う。

 

「少しはやりそうねアンタ、今回はまともに試合ができそうじゃない」

 

幸斗が現れた時は一瞬動揺したステラだったが彼女は一流の伐刀者、向かい合うとすぐに気を引き締めていて今はむしろ目の前の伐刀者に期待をしていた、今までの試合全てで相手の棄権して勝ってきたためにステラは疼いていたのだ強敵との戦いというやつに。

 

「へっ!そう言うアンタこそガッカリさせないでくれよ・・・そして勝つのはオレだっ!!」

 

それに対して幸斗は不敵な笑みで自信たっぷりにそう言い返し————

 

「運命を切り拓け!!《鬼童丸(きどうまる)》!!!」

 

自身の霊装である朱い太刀を顕現させてそれを下段に構えた。

 

「臨むところよ!傅きなさい!!《妃竜の罪剣(レーヴァティン)》!!!」

 

そしてステラも自身の霊装である炎を纏う大剣を顕現させて構えた、これで両者戦闘準備は万端だ。

 

『さあ、両選手霊装を出して睨み合う!それでは・・・LET's GO AHEAD(試合開始)!!』

 

そして試合開始の宣言がされた————この日、運命は変わる!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




幸斗VSステラの試合は次回に回します。

ご視聴ありがとうございました。




《学内選抜戦編》イメージED『アーティスト』

TVアニメ遊戯王ZEXALⅡ ED1より




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