ジョジョの奇妙な冒険~episodeofhighschool~   作:DJトッティー

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戦闘開始

俺は今、自宅に居た

 

 

時計を確認すると時刻は午後の四時を少し過ぎたくらいだ。

 

今、家にいるのは俺とミッテルトだけ

他の奴は近くの自分の家にいるか

どっか出掛けている

と言っても、この駆王地区の中だけどな

 

 

ミッテルト『ジョジョ~アイス食べるっすか?』

 

ミッテルトが冷蔵庫の中を漁りながら訊いてくる。

 

ジョシュア『おー、いるいる』

 

俺も何か口に入れたかったのでそう答えた。

 

ミッテルトがアイスを包んでいた袋を開けて、俺に手渡してくれた。

ちなみにアイスは抹茶バーだ。

 

季節はもう秋だが、たまに冷たいものが欲しくなる。

 

ジョシュア『なんか、あれだな。と二人になるのって久しぶりだ』

 

俺の言葉にミッテルトもアイスを食べながら頷く。

 

ミッテルト『いつもは部員の皆と一緒にいるかっすからね。皆といるのは楽しいけど、こうして二人で過ごせて嬉しいっす。ジョジョを独占してるって感じで』

 

ニヤッと笑いながらそんなことを言ってくる。

 

独占って………

 

………こうして二人でいるとミッテルトを初めて家に連れてきた時のことを思い出す。

 

 

…………あれからもう半年以上が経ったんだな。

 

早いもんだ。

 

ミッテルトもすっかり家の生活に慣れて、今では家事も一人で出来るほどになった。

 

大したことじゃないと思うだろ?

でも、昔と比べると大きな進歩なんだぜ?

 

ミッテルト『どうしたっすか?さっきからウチの顔を見てるっすけど……』

 

俺の視線に気づいたミッテルトが尋ねてきた。

 

ジョシュア『いやぁ、おまえを家に連れて来た時のことを思い出してたんだよ。あれからもう半年以上が経ったんだぜ?』

 

ミッテルト『あー、もうそんなになるっすか。あっという間だった気がするっす』

 

 

俺は食べ終わったアイスのバーをゴミ箱に捨て、ミッテルトが入れてくれたお茶を飲んだ

 

その時だった――――

 

 

 

「「――――――!!」」

 

俺とミッテルトは顔を見合わせる。

 

ミッテルト『い、今のって………』

 

ジョシュア『ああ。何か大きい力が現れたな。禍の団………じゃねぇな。しかも気配は人間じゃない』

 

かと言って悪魔でも堕天使でも天使でもない。

俺が知っている中で一番近い者があるとすれば………

 

オーディンの爺さん。

 

だけど、この気は爺さんのものじゃない。

だとすれば、今のはいったい………?

 

俺の後ろにイミテイトが現れる。

 

イミテイト『相棒、気を付けろ。今現れたのは―――――神だ』

 

神………

 

なるほど、どうりで。

 

並のやつならここまで大きな力は持ってないだろうからな。

神と言われれば納得だ。

 

なんで、神がこんなところに?

 

イミテイト『この気配から察するに相手は北欧の神の一角、ロキ……とか言う奴だろう。奴がこの地を訪れた理由は考えずとも出てくるだろう?』

 

オーディンの爺さんか………

 

イミテイト『そうだ。先日、オーディンは厄介な者に自身のやり方を非難されていると言っていた。恐らく―――――』

 

なるほどね………

そういうことかよ。

 

とりあえず、会いに行くか?

 

イミテイト『それならば、イッセー達を呼んでおけ。それと眷属達もな』

 

わかってるよ。

 

俺は魔法陣を開いて眷属達を呼び出す。

 

魔法陣が光輝き、ユウゴ達が姿を現した。

 

ジョシュア『急に呼び出して悪いな』

 

ユウゴ『気にすんな』

 

ミサ『それで私達を呼んだ理由は……』

 

ソラ『……なーるほどね』

 

 

 

三人は窓から空を見上げて目を細める。

俺が言う前に神の気配を感じ取ったようだ。

 

ユウゴ『神が現れたか………。しかも、この感じ。ロキ………。だとしたら厄介だな』

 

ユウゴはそのまま何やら呟いた。

 

ミサが窓を開けてこちらを向く。

 

ミサ『行くわよ。放っておくのはマズいし』

 

 

 

 

 

 

三人に促され、外に出た俺はイミテイトを使って上空を目指す。

 

後ろにはユウゴ、ミサ、ソラとミッテルトが続いていた。

 

俺は飛びながらミッテルトに言う。

 

ジョシュア『おまえまで来る必要はなかったんだぞ?』

 

ミッテルト『四人だけを危険な目に合わせられないっす!』

 

ジョシュア『危険って………。まだそうなるとは決まってねぇぞ?』

 

俺の意見にミサが首を横に振った。

 

ミサ『いえ、ミッテルトちゃんには来てもらった方が良いわ。相手はロキ。しかもファントムじゃなくオリジナル……だったらミッテルトちゃんの力も必要になる』

 

ミサがそこまでいうのか………

 

飛んでから数分。

町の遥か上空に二つの影を確認した。

 

若い男性と女性が浮遊していて、女性が男性と腕を組んでいた。

男性は黒を基調としたローブ、女性は黒いドレスを着ている。

二人とも顔立ちが良くイケメンと美女だ。

どちらも相当の実力者のようだ。

 

目の前の二人がこちらに気づいて視線を向ける。

 

男性の方が俺達を見て、笑みを浮かべた。

 

あいつがロキか

 

ロキ『ほう。そのオーラ、人間か』

 

俺達のことを知っているみたいだな。

 

ソラが尋ねる。

 

ソラ『これはこれは、北欧の悪神ロキさん、そしてヘルヘイムの女王ヘル殿さん。このようなところで会うとは奇遇だねぇ。態々北欧からこんな町に来たのは観光かな?』

 

あの男性がロキ、女性がヘルって名前なのか。

 

イミテイト『そうだ。確かロキは北欧の悪神と謳われる狡猾の神だ。そしてヘルはその娘。北欧における死者の国、ヘルヘイムを治めている。どちらも強大な力を持った神だ。相棒でも真正面からやり合うのは難しい。三人を呼んだのは正解だったな』

 

マジか。

そんなヤバイ奴が二人も現れたってのかよ。

 

ソラの問いにロキが答える。

 

ロキ『残念ながら観光ではない。我らはこの地を訪れている主神オーディンに物申しに来たのだよ』

 

ミサ『なるほど、オーディンのお爺ちゃんに文句を言っていたのはあなただったのね』

 

ロキ『そういうことだ。我らが主神殿が、北欧から抜け出て他の神話体系に接触しているのが耐えがたい苦痛でね』

 

そう言うとロキは体から黒いオーラを発する。

 

ユウゴ『物申しに来た、か………。話し合いをするにしては纏うものが穏やかじゃねぇな』

 

ユウゴの言葉にロキは口の端を吊り上げた。

 

ロキ『話し合いだと?我らは端からそのつもりはない。オーディンの首を取るつもりでここに来ている』

 

こいつ……!

オーディンの爺さんを殺す気で来てやがるのか!

 

そんなことすれば大騒ぎなんてもんじゃねぇ!?

分かって言ってんかよ!?

 

その言葉を聞いて三人のオーラが変化した。

 

ソラ『なるほど……「神々の黄昏」を迎えるのが君の悲願だったっけ。けど、そんなことをさせると思う?』

 

ロキ『グレムリン風情が三大勢力の肩を持つと?』

 

ミサ『私達は今の生活に満足してる。それを乱されるのが許せないだけ。私の生活を乱そうとするなら、神である貴方にも牙を向ける』

 

ミサがその身に濃密なオーラを纏ってロキを睨み付ける。

 

ロキ『面白い。ならばオーディンを屠る前に貴殿らを相手にするとしよう』

 

ロキとヘルが禍々しいオーラを纏った。

 

離れているのに肌をビリビリと刺激してきやがる。

これが神か……。

 

俺も即座にドライバーを召喚し、戦闘体勢に入る。

相手は神だ。

油断は出来ねぇ。

 

ジョシュア『ミッテルト、おまえは町に被害がいかないように結界を頼む』

 

ミッテルト『分かったっす!』

 

ミッテルトは手元に魔法陣を展開すると、俺達を囲むように結界が広がった。

 

いつの間にこんな魔法を……

まぁ、いい

ひとまず、これで町の人に気付かれることはないし、被害がいくこともねぇだろう。

 

といっても、相手は神クラス二人だ。

俺達が本気を出してしまえばミッテルトの結界は……というよりこの程度の結界は砕け散るだろうな……

 

家を出る前にアザゼルに報告を入れておいたからもうすぐ来るはずだ。

追い払うのは無理でも援軍が来るまでなら保つだろうさ

 

ユウゴ『ジョジョ、てめぇはロキをやれ。俺達はヘルを相手する』

 

ジョシュア『了解だ。気をつけろよ、ユウゴ』

 

ユウゴ『おいおい、誰に言ってんだよ……んじゃ、殺ろうか!』

 

そう言って、俺はロキ

ユウゴ、ミサ、ソラがヘルの前に立つ。

 

それを見てロキが言う。

 

ロキ『私の相手は人間か。相当の実力を持っているようだが………。貴殿一人で我に届くとでも?』

 

ジョシュア『さぁな。俺としては事を荒立てたくないから、てめぇらにはこのまま帰ってほしいんだが………』

 

ロキ『そうはいかん。我の目的を達するまではな』

 

ジョシュア『そうかよ。だったら、強制的にお帰り願うぜ!』

 

[カイガン!オレ!レッツゴー!覚悟!ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!]

 

 

俺は仮面ライダーゴーストに変身する

 

ジョシュア『神が相手なんだ。出し惜しみは無しだ』

 

イミテイトも戦闘体勢に入る

 

そして、俺は今の最強フォームに変身する

 

 

ジョシュア『スタンド変身!』

[カイガン!スペシャル!行こう!最高!スペシャルなゴースト!]

 

 

ロキはこの形態を見て少し感心しているようだった。

 

ロキ『それが貴殿の力か。流石は我の前に立とうとするだけはある!』

 

この形態を見ても余裕の表情だな、こいつ。

 

だったら、その余裕を無くさせてやるまでだ!

いくぜ、イミテイト!

 

イミテイト『おう!』

 

[スタープラチナ!ザ・ワールド!]

 

格闘戦はこいつらで、まずは軽く拳を交えてみる!

 

ジョシュア『おおおおおおおおおっ!!!』

 

スタープラチナとザ・ワールドでとりあえずラッシュ!

 

拳がロキの顔面に届く前に障壁のようなものが展開され、俺の攻撃を阻んだ。

ロキの魔法か!

 

でも、これくらいなら破れる!

 

ジョシュア『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!』

 

一気にラッシュをぶち込む

 

そして―――――

 

俺の攻撃に耐えかねたロキの障壁にヒビが入る。

 

ロキ『軽くやってこれか。よもや我の障壁を崩すとは。だが、甘い』

 

ロキがそう言うと、俺を囲むようにあたり一面に魔法陣が展開された。

そして、魔法陣からは鎖のようなものが伸びてきた!

 

俺の動きを止めようってのか!

 

俺は咄嗟にその場を離れるが、大量の鎖は俺を追いかけてくる。

それをさらに避けても、鎖は大きなカーブを描いて俺のところに戻ってきた。

 

追尾機能もあるのかよ!

 

ロキ『その鎖から逃れられると思うな。貴殿をどこまでも追いかけて、締め上げるぞ』

 

ちぃ!

早速厄介なやつを出してきたな!

だったら溶かすまで!

 

ジョシュア『クロス・ファイヤー・ハリケーン・スペシャル‼』

 

炎で出来たクロスが俺を追いかけていた大量の鎖を包み込み、全て消滅させた。

 

そして、炎のクロスはそのままロキの方へと突き進む。

しかし、ロキの展開した障壁によって軽々と防がれてしまった。

 

まぁ、今のくらいじゃあいつには届かないよな。

 

ロキ『フフフ、流石に今の程度なら対処できるか』

 

ジョシュア『舐めんなよ。あれくらいでやられるかっての』

 

ロキ『いや、貴殿を侮ってなどいない。むしろ、その逆だ。貴殿は警戒すべき人物だからな。…………ではこれならどうだろうか?』

 

ロキはそう言うと手元に一つの魔法陣を展開した。

 

召喚用か・・・・・?

一体何を―――――

 

ロキの手元に現れたのは一振りの剣。

柄から刀身まで真黒な両刃の剣が現れた。

 

ロキ『――――いくぞ』

 

ロキは剣を握った次の瞬間―――――

 

俺との間合いを一瞬で詰めてきた。

 

ジョシュア『なっ!?』

 

俺は驚きながらも咄嗟に上体を後ろに反らし、斬戟を回避する。

 

しかし、避けたと思えば、ロキは剣を逆手にして更に斬りかかってきた!

 

ロキ『ほらほら、どうした?隙だらけだぞ』

 

ロキは笑みを浮かべながら高速で剣を振るってくる。

 

クソッ!

こいつ、格闘戦もこなせんのかよ!

 

とにかく、今は崩れた体勢を立て直さないと、やられる!

 

ジョシュア『っ!』

[シルバーチャリオッツ!アヌビス神!]

 

シルバーチャリオッツとアヌビス神を使って、全力で後方に下がろうとするが、その度にロキに間合いを詰められる。

恐らく、行動する瞬間に何かしらの魔法を使ってやがるな………。

 

それなら―――――――

 

俺は防御甲冑を解除する。

スタンドによる残像を作りだし、ロキの認識を僅かにずらす。

 

こいつは目で俺の動きを追っているそれなら――――

 

すると、ロキの剣は残像を捉えて空を切った。

 

思った通りか。

 

ロキ『ほう………。我から逃げ切るとは。やるではないか』

 

ジョシュア『そりゃどーも。………なぁ、その剣はなんなんだ?かなりヤバそうに感じるだけど』

 

俺が尋ねると、ロキは手に持った剣を俺に見せつけるかのように天に掲げた。

 

ロキ『楽しませてくれている礼だ。特別に答えてやろう。この剣は我が創り出し神剣レーヴァテイン!!これに斬られたものはレーヴァテインの炎によってすべて燃やし尽くされる!』

 

すると、ロキが手にしている剣、レーヴァテインから炎の渦が生み出された。

かなりの熱量だ。

 

神剣レーヴァテイン。

なるほど……

 

イミテイト『剣の力としてはアヌビス神の方が遙かに上だろう。だが、あの剣も十分危険だ』

 

だな。

斬られたらダメージは免れない。

 

北欧の魔術に神剣。

更にはそれを駆使する戦闘技術。

 

正直、今の俺では勝つのはキツイな。

万全の状態でも難しい。

 

せめて、あと一人。

あと一人、俺と同レベルの奴がいれば―――――

 

見れば、あの三人はヘルの相手をしてるし、ミッテルトも町に被害が出ないよう結界を維持するので精一杯だ。

 

ここは俺が何とかして持ちこたえるしかないな。

 

まいったな……

 

ロキが口を開く。

 

ロキ『何やら考え事をしているところ悪いが、我はそろそろオーディンの首を取りに行きたいのでな。貴殿との戦い、ここで終わらせるのは惜しいが、仕方があるまい』

 

ロキは再び召喚用の魔法陣を展開する。

 

なんだ?

次は何を呼び出すつもりなんだ?

 

ロキ『貴殿に紹介しよう。我が息子を』

 

息子?

娘の次は息子かよ………

 

魔法陣が輝き、そこから灰色の何かが現れた。

あれは…………?

 

狼の赤い相貌が俺を捉えた。

 

 

ぞくっ・・・・・

 

 

身体中に悪寒が走った。

ロキやヘルよりも遥かに危険な感じがする。

 

まさかっ!

 

 

ミサ『神喰狼フェンリル!?ジョジョ!ミッテルトちゃん!奴には近づかないで!』

 

普段、冷静なミサが焦りの表情で叫ぶ。

 

ジョシュア『やっぱフェンリルか!』

 

神を確実に殺す牙

かなりヤバイ狼

 

ロキの野郎、なんつーもんを召喚しやがる!

 

ロキがフェンリルを撫でる。

 

ロキ『我が息子は全盛期の二天龍も手こずるレベル。その息子の牙で噛まれた者はたとえ神であろうと死に至る。貴殿とて容易に屠ることができる。貴殿らはここで死ぬのだ』

 

クソッ…………!

ロキとヘルだけでも手が一杯なのに………!

 

どうする?

どうすれば、この状況を切り抜けられる?

 

俺が頭をフル回転させて、現状の突破口を探っているとロキが笑みを浮かべた。

 

ロキ『まずはそこの娘……そいつを食らえばフェンリルの糧となる、か?』

 

なん……だと……?

 

ロキがスーッと指先をミッテルトに向ける。

そして、一言。

 

ロキ『――――――――やれ』

 

 

フェンリル『オオオオオオオオオオォォォォォォォオオオオオンッッ!!!』

 

 

闇の夜空で灰色の狼が透き通るほどの遠吠えをした。

そして、その赤い相貌がミッテルトに向けられる。

その瞬間、眼前の狼が俺の視界から消えた―――――。

 

くそったれ!

そうはさせるかよ!

 

ジョシュア『スタープラチナ!ザ・ワールド!時よ止まれぇぇぇ!』

 

ブゥゥゥン!カチッ!

 

時を止めて、フェンリルの前に先回る

 

 

ジョシュア『俺の仲間に手ぇ出したら殺す!』

 

俺はミッテルトの前に立ち、突っ込んでくるフェンリルの顔面をラッシュで殴り飛ばす!!

拳がフェンリルの顔に命中するが、ここから更に力を上げる!!

 

ジョシュア『スタープラチナ!ザ・ワールド!ストレングス!うぉぉぉおおお!』

 

 

ドガァァァァァァァァァアン!!!!!

 

 

激しい衝撃が上空を揺るがし、ミッテルトの張っていた結界までも破壊してしまった。

 

ジョシュア『ミッテルト!無事か!?』

 

ミッテルト『だ、大丈夫っす。ジョジョが守ってくれたから…………』

 

ジョシュア『そうか………。良かった………』

 

危なかった。

あと一瞬でも遅れれば―――――

 

フェンリルは殴られた衝撃でロキのところまで飛んでいくと、見事な着地を決めていた。

流石は最悪最大の魔物。

顔から血を流しているが思ったよりダメージは少ねぇ。

それでも、動きを止めるくらいにはダメージを与えられたか。

 

だが―――――

 

 

ジョシュア『っ!』

 

 

俺は口から血を吐き出す。

腹部を見れば、腹には大きな穴。

 

そう、俺が時間を動かした瞬間にあの狼もそれに合わせてその大きな爪で俺の腹を抉ったんだ。

ったく、あの時止めに合わせるとかとんでもねぇな・・・・・。

 

あまりの激痛に体がよろめく。

体勢を崩した俺をミッテルトが支えてくれた。

 

ミッテルト『ジョジョ!?しっかりするっす! 今、治療するっす!』

 

ミッテルトが手元に魔法陣を展開して俺の腹部に手を当てる。

 

だけど、ロキはそれをさせまいとフェンリルに指示を出す。

 

ロキ『回復か。そうはさせん。赤龍帝はフェンリルに追い付くばかりかダメージを与えた。恐るべきことだ。今のうちに始末するに限る。―――――フェンリル』

 

この状態で襲われたら、次は間違いなくやられる!

そうなればミッテルトもあいつに殺されてしまう!

 

ユウゴ『やらせるかよ!!』

 

ユウゴが俺を守ろうとフェンリルに攻撃を仕掛けようとする。

しかし、ヘルが間に入ってそれを阻止する。

 

ヘル『行かせると思って?お父様の邪魔はさせませんわ』

 

ユウゴ『邪魔だ!!どけぇぇぇぇぇぇええええ!!!!』

 

マズい!

 

ユウゴ達がヘルに足止めされている以上、俺が何とかするしかねぇ!

 

ミッテルトは………いや俺の仲間は何が何でも守ると決めた。

こいつはやらせねぇ!

 

でもどうすれば………

 

 

 

するとミッテルトがフェンリルを囲むように魔法陣を展開すると、そこから光の槍が無数に飛び出してフェンリルに突き刺さる。

だけど、あれじゃあフェンリルは止められねぇ!

 

フェンリルは自分に向かってくる槍を前足ですべて薙ぎ払う。

 

ミッテルト『まだっす!』

 

ミッテルトはフェンリルの足元に巨大な魔法陣を展開させる。

魔法陣には六芒星が描かれていて、それはフェンリルが中央に立ったと同時に激しく輝いた!!!

 

魔法陣から発せられた光はフェンリルを覆い尽くすと天まで伸びる光の柱となった。

 

ミッテルト『これで少しは時間を稼げるはずっす!今のうちに治療するっす!』

 

ミッテルトの狙いは時間を稼ぐことか。

ミッテルトも自分の力ではフェンリルを止められないことは分かってんだな。

 

確かに俺が回復できれば、もう少しだけなら何とかなるはずだ。

 

ミッテルトの掌が俺の腹部に再び当てれられ、傷を癒していく。

 

ミッテルト『アーシアほどの治療は出来ないっすから、応急処置にしかならないっすけど今はこれで!』

 

ジョシュア『ああ、サンキュー、ミッテルト』

 

よし、このまま傷がある程度塞がってくれれば…………

 

 

しかし―――――

 

 

突然、フェンリルを封じていた光の柱が砕け散った。

 

ロキ『フェンリルの動きを止めるとは驚いたぞ…………』

 

見ればロキがレーヴァテインで魔法陣を破壊していた。

 

やられた…………!

もう少しだったのに………!

 

ロキは俺達にレーヴァテインの切先を向ける。

 

ロキ『案ずるな。楽に死なせてやろう』

 

二ィと笑みを浮かべるロキ。

 

俺は中途半端に傷が塞がった状態で立ち上がり、ミッテルトを押しのける。

 

ジョシュア『ミッテルト、少し下がってろ』

 

ミッテルト『ダメっす!そんな傷で動いたら……………!』

 

ミッテルトは俺を制止しようとするが、俺はそれを聞き入れなかった。

 

左腕を突出し、その名を呼ぶ。

 

ジョシュア『マジシャンズ・レッド!シルバーチャリオッツ!』

 

手元に銀色のレイピアと赤い炎が集まる。

 

マジシャンズ・レッドの能力によって周囲の温度が急激に上昇する。

 

ロキ『!?その剣は一体!?』

 

初めてロキが驚愕したな。

 

まぁ、こいつにスタンドを教える義理なんて俺にはない

 

俺はレイピアでロキに斬りかかろうとした。

その時だった。

 

 

ジョシュア『っ!てめぇら!伏せろ!』

 

 

俺は四人に向けて叫ぶ。

 

それと同時に無数の光の槍、雷光、滅びの魔力、聖なるオーラがロキとフェンリルに襲いかかった。

その攻撃が放たれた方向を確認すると、オカ研メンバーにアザゼル、バラキエルさん、ロスヴァイセさんにオーディンの爺さんが駆けつけてくれていた。

 

皆の登場でロキ達の動きも止まり、三人と戦闘を行っていたヘルもロキのところに合流していた。

 

アザゼルとバラキエルさんが黒い翼を羽ばたかせて、俺の横に寄って来た。

 

アザゼル『すまん、遅くなった。アーシア、ジョジョを治療してやってくれ!』

 

アーシア『はい!ミッテルトさん、イッセーさんを!』

 

ミッテルト『はいっす!』

 

俺はミッテルトに抱えられ、アーシアの元に運ばれた。

今のアーシアなら遠距離からの治療も可能だけど、一旦俺を後退させる意味もあるんだろうな。

 

アザゼルが怒気を含んだ声で言う。

 

アザゼル『よう、ロキ。よくも俺の生徒をやってくれたな。おまえがここに来た目的は聞かなくても分かってる。オーディンの爺さんの首だろ?』

 

ロキ『これはこれは堕天使の総督殿。いかにも。我の目的はオーディンの首。他の神話勢と和議を結ぼうなどと愚かな考えを持つ主神を粛清しに来たのだ。貴殿らにも我が粛清を受けてもらおう』

 

アザゼル『そのためにフェンリルまで呼ぶとはな。しかも人間界に。正気の沙汰とは思えんね』

 

ロキ『我は目的のためなら手段は選ばん。オーディンよ、今一度だけ聞く!まだこのような愚かなことを続けるおつもりか!』

 

ロキはオーディンの爺さんの方に視線を移して尋ねる。

 

爺さんはリアス達の前に立ち、顎の長い白髭をさすりながら言った。

 

オーディン『そうじゃよ。少なくともお主らよりもサーゼクスやアザゼルと話していたほうが万倍も楽しいわい。だいたいのぉ、黄昏の先にあるのは終末。つまりは滅びじゃ。それを自ら引き起こそうとするなど、それこそ愚かな行為じゃと思わんか?』

 

それを聞いたロキのオーラが変質した。

明らかな殺意が爺さんへと向けられる。

 

ロキ『了解した。……………我は止まらん。ここで貴様を殺し、黄昏を行うとしよう。いかにオーディンがいるとはいえ、フェンリルがいては前に出てこれまい』

 

その言葉に同調するように、ヘルとフェンリルからも凄まじいプレッシャーが放たれる。

 

ロキとヘルはともかくフェンリルがヤバすぎる。

 

だか………一度、戦ってみて分かった。

あいつはこの場にいるメンバーだけじゃ止められない。

 

ライダーの力が無かったらな

 

 

すると―――――

 

 

ヴァーリ『悪いが、ジョジョ先輩をやらせる訳にはいかないな』

 

 

俺達の前に白い鎧が舞い降りる。

 

 

ヴァーリ『やぁ、ジョジョ先輩。無事か?』

 

ジョシュア『ヴァーリ!?』

 

俺達の前に現れたのは白龍皇であり仮面ライダーファイズの資格を持っているヴァーリだった

 

ウルフ『つか、よくその出血で動けるな』

 

横から灰色の狼の怪人、ウルフオルフェノクこと乾巧だった。

 

ジョシュア『うるせーよ。今にも倒れそうなんだよ、俺は。もう少し気遣え』

 

ミッテルトとアーシアの治療で傷は塞がりつつあるとは言え、流した血の量は多い。

今にも気を失いそうだ。

 

俺がそう言うと乾は皮肉を言う

 

ウルフ『そんなこと言う元気があるんなら、気遣う必要もないと思うぜ?』

 

この野郎

先輩ライダーじゃなかったらぶっ倒してたぞ

 

つか、そんなことよりも何でこいつらがここにいるんだ?

 

ロキ『―――――!白龍皇か!』

 

ロキがヴァーリの登場に嬉々として笑んだ。

 

ヴァーリ『始めましてだな。悪神ロキ殿。俺はヴァーリ・ルシファー。―――――貴殿を屠りに来た』

 

ロキ『白龍皇が人間の味方をするか』

 

ヴァーリ『俺はバトルマニアではあるが平和に行きたいのでね』

 

ヴァーリの答えにロキは口の端を吊り上げる。

 

ロキ『ふはははははは!なるほど!実に面白い!まさか二天龍が人間の味方をするとは!!――――今日は引き下がるとしよう』

 

ロキがそう言うとヘルが尋ねた。

 

ヘル『よろしいのですか?』

 

ロキ『流石に白龍皇まで来られてはこちらも不利だ。赤龍帝もいる。この場は一時退くとする……それにこちらにはあの二人もいる……』

 

ロキがマントを翻すと、空間が歪みだし、ロキとヘル、フェンリルを包み込んだ。

 

ロキ『だが、この国の神々との会談の日! またお邪魔させてもらう!オーディンよ、次こそはその喉笛を噛みきってみせよう!』

 

そう言い残すと、ロキ達は姿を消した。

それを確認したと同時に俺も意識を失った。

 

 

 

 

 

 

気づくと、俺はラビットハウスの部屋で横になっていた。

 

あー、失血で気を失ったのか。

 

ミサ『気が付いた?』

 

声がした方を見ると、ミサとアーシア、小猫がいて俺を治療してくれているところだった。

温かい緑色のオーラが俺を包み、腹部の痛みを消してくれていた。

小猫も俺の体に手を当てて気の巡りを良くしてくれている。

自然治癒能力を高めてくれているんだ。

 

ジョシュア『三人とも、ありがとう。俺はもう大丈夫だ』

 

俺は上体を起こして三人にお礼を言う。

すると、六人程、涙ぐんでいた

 

ココア『もう!心配したんだから!』

 

リゼ『ジョジョ!良かった!』

 

小猫『・・・・・先輩、無茶しないでください』

 

そして

ガバッと三人が抱きついてきた。

 

あははは・・・・・

また心配かけちまったな。

俺って毎回同じことを繰り返しているような気がする。

 

俺は三人の頭を撫でてやる。

 

ジョシュア『心配かけてごめんな』

 

さて、俺のケガも治ったことだし、あいつにも礼を言わないとな。

 

俺は三人を連れてラビットハウスを出た。

 

向かった場所は駒王学園旧校舎の前にある小さな広場だった。

夜間のため、人の気配はない。

それでも、念のためだろう、周囲には何やら結界が張られていた。

 

リアス達が集まっている場所に歩を進める。

そこには部長や先生、オーディンの爺さん以外にもメンバーがいた。

 

ヴァーリと乾がいた。

 

俺に気付いたヴァーリが声をかけてきた。

 

ヴァーリ『気が付いたか、ジョジョ先輩。傷の具合はどうだ?』

 

ジョシュア『ああ。お陰さまで今は完全に塞がっている。ありがとな、ヴァーリ。あの時、おまえが来てくれなかったら誰かが死んでいた』

 

ヴァーリ『気にするな。言っただろう?俺は平和にいきたいと』

 

ヴァーリは笑みを浮かべながらそう返してくる。

 

 

まぁ、何にしてもヴァーリのお陰で助かったのも事実だ。

素直に感謝するしかねぇな。

 

アザゼルがヴァーリに声をかける。

 

アザゼル『ジョジョの無事も確認できたことだし、話を戻すぞ。ヴァーリ、なぜ戻ってきた?』

 

ヴァーリ『心配するなアザゼル。そちらに害を及ぼす気はないさ』

 

アザゼル『答えになってないぞ』

 

アザゼルの言葉にヴァーリは苦笑する。

そして、俺達を見渡してから言った。

 

ヴァーリ『そちらはオーディンの会談を成功させるために、何としてでもロキを撃退したい。そうだろう?』

 

その問いにアザゼルが答える。

 

アザゼル『ああ、そうだ。だが、このメンバーだけではロキとヘル、そしてフェンリルを退けるのは至難の技だ。禍の団のテロ活動のせいで、どこの勢力も大騒ぎ。とてもじゃないが、こちらにこれ以上人員を割くことは出来ん』

 

ヴァーリ『だろうな』

 

しかも相手は神クラス。

面倒なんてレベルじゃないぞ。

 

アザゼル『それで?おまえはこの後、どうするつもりなんだ?おまえがロキ達を倒すのか?』

 

アザゼルの問いにヴァーリは肩をすくめる。

 

ヴァーリ『そうしたいところだが、今の俺にやつらを同時に相手するのは不可能だ。フェンリルだけでも厄介だと言うのに』

 

まぁ、そうだろうな。

いくらヴァーリが強いと言ってもあのレベルを相手にするのはな・・・・・

 

俺が万全の状態だったとしても無理だ。

一人一人のレベルが高すぎる。

 

 

ヴァーリ『―――――だが、二天龍が手を組めばそれも不可能じゃない』

 

 

その言葉にこの場にいる全員が驚愕した

まぁそうだろうな

 

ジョシュア『それに、仮面ライダーの力は絶大だ。油断は出来ねぇが、倒せない相手じゃない』

 

そして、俺達は

ヴァーリと乾、

そしてオカルト研究部はロキへの対策として、とある伝説を甦らせる事になった

 

 

しかし、俺達はまだ気が付かなかった……

 

この後に起こる悲劇を……


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