ジョジョの奇妙な冒険~episodeofhighschool~   作:DJトッティー

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アークの過去

ナレーションside

 

現在、セラフォルー・レヴィアタンは

アーク・オルフェノク、デスイマジン、カテレア・レヴィアタンと戦っていた

 

セラフォルー『ハァ……ハァ……』

 

灰神『なんだ?その程度か?セラフォルー・レヴィアタン』

 

セラフォルー『やめて!私はマモ君とは戦いたくない!』

 

灰神『ッ!その名で俺を呼ぶな!』

 

アーク・オルフェノクはセラフォルーに魔力弾を放つ

 

セラフォルー『くっ!』

 

灰神『デスイマジン、カテレア、下がっていろ。雑魚共の相手は任せた』

 

カテレア『はっ!』

 

デスイマジン『ちっ!雑魚の相手かよ』

 

カテレアとデスイマジンはその場から離れ、他の悪魔達を片付けに行った

 

灰神『………二人っきりだな。これで思う存分、貴様をなぶり殺せる!』

 

セラフォルー『ッ!』

 

アーク・オルフェノクは魔力弾をセラフォルーに放った

 

しかし

 

ジョシュア『呼ばれてないけどジャジャジャジャーン!』

 

ジョジョがやって来た

 

セラフォルー『ジョジョ君!?』

 

灰神『まさか貴様が出てこようとはな!』

 

ジョシュア『まぁ、知り合いのねぇちゃん殺されそうって時に来ないのはダチ失格だからな』

 

灰神『………貴様はどちらが悪というのを知らないようだな』

 

ジョシュア『あ?』

 

灰神『せっかくだから教えてやる。その女と俺の因縁をな……』

 

ナレーションsideout

 

灰神side

 

俺はごく普通の子供だった

 

ただ、違うのは宗教だけ

 

ある少年が両親に連れられて教会に来ていた

少年の名は灰神守

つまりは俺の事だ

 

父に手を引かれた守は教会の中へと入って言った 

するとまるで守達を待っていたかのように教会の中の人々が『おぉ!』と言う驚嘆の声が聞こえてきた

 

男性A『あの子供こそが!』

 

男性B『そうだ!新たなる「王」の素体だ!』

 

その時の俺は幼すぎて奴らが何を言っているのか全く分からなかった

 

守『父さん、あの人たちはなんて言ってるの?』

 

父『大丈夫、お前が気にする事じゃない、さぁ、さっき話したろ?あの台の所まで行くんだ、さぁ。』

 

守『う、うん』

 

俺は父と母の顔を見てから大人たちが開けてくれた道をゆっくりと

歩いていく 

俯きながら歩いていると十字架の下にいる神父の前まで来ていた

 

守『あの、神父様、僕は何を?』

 

神父『気にしなくていいよ。さぁ、その寝台の上に横になって。』

 

守『はい………』

 

俺は靴を脱いで神父の前の寝台の上に横になった

格好としては頭の左側に十字架が、右側に人々が来る感じだった

寝台を回り込んだ神父が前に出て何かを話し始めた

 

神父『諸君!今日は集まってくれた事を感謝する!そして今日、我らは新たなる王の誕生をこの目に焼き付けるのだ!かの者や我らを糧として、今日ここに人類の王が生誕する!』

 

もしこの時、俺に少しでも言葉に関する知識があったのなら状況を理解できていただろうがその時の俺はまだ6歳

 

神父の言葉の意味は理解できないでいた

 

神父『さぁ!儀式を始めるぞ!』

 

すると、俺の寝ていた寝台が光り出した

俺には見えてはいなかったがさらに床には大きな魔法陣が出現していた

そしてその魔法陣から緑の触手のような物が伸びてきた

 

守『な、なにこれ!?』

 

幼い守は恐怖で動けずただ寝台の上で震えていた

 

神父『大丈夫だ守君!君はそれを受け入れるんだ!』

 

神父が何かを言っているみたいだが、よく聞こえない

 

怖くて何も聞こえない

 

そして、ゆっくりと触手が守に近づくと、触手は俺の腕や足、胴体に突き刺さった

だが、不思議な事に俺は痛みを感じてはいなかった それでも、痛覚の無さが、俺を更なる恐怖へと陥れた 

 

だが、本当の恐怖と後悔は始まったばかりだった

やがて俺の胸から今度は別の触手が現れた そしてその触手は俺の近くにいた

神父の胸に突き刺さった

 

守『あ、ああ……あぁぁ』

 

声にならない声がただ口から洩れていた

やがて神父の体から何かが吸いだされ、触手を通して俺の体に流れてきた

そして触手が離れると同時に神父は灰になって衣服を残して消えた

今度は胸から更なる触手が無数に現れ、人々の胸に突き刺さっていった

 

守『何で……どうして』

 

俺には理解できなかった人々が恍惚とした表情で我先にと触手を受け入れ、灰になって消えていった

そして俺は思った。これをしているのは自分なんだと。

自分のせいで人が灰になって、人々を狂わせているんだと。

だが、そこにいる奴らは自ら死ぬ覚悟でそこにいたらしい

 

まぁ、俺には知る由もなかったがな

 

やがて触手の牙は、俺の両親にも向かっていった

 

守『ダメ、止まって、お願い、やめて』

 

俺の声も届かず伸びていく触手

 

守『お願いだから、止まって、止まってよ!やめて、逃げて!お父さん!お母さん!』

 

その母と父も恍惚とした表情で触手を見ていた

 

守『やめて!お願いだからやめてください!止まって!止まっ――』

 

ブスッ!

 

触手が2人の胸を貫いた 

 

守『あ、あぁぁ……』

 

その瞬間が俺の目に焼き付き、彼にとって永遠とも言えるような時間が流れた

 

だが、次の瞬間、2人も同じように、何かを吸い出され、灰と服だけを残して、

消滅した

 

守『……うぅぅ……うわぁぁぁぁ!!!』

 

幼い俺の泣き叫ぶ悲鳴が教会の中に虚しく響く 

そして触手は教会内の全ての人間を喰らうまで、消滅しなかった

 

しかし、そこにある男がやって来た

 

ジオティクスとセラフォルーの父親であるアクアリウム・シトリーだった

 

 

そして二人が近づいてくるのを知ると俺は二人を拒絶した

 

守『来ないで!来ないでください!もう、誰も死なせたくありません!来ないで!』

 

それを聞いて立ち止まる二人

 

ジオティクス『ねぇ君、ここで一体何が有ったの?私たちに教えてくれないか?』

 

守『よく、わかりません。僕は寝台に寝かされて…儀式と言うのが、始まって変なうねうねが現れて、それで…みんなを……

お父さんも、お母さんも。…う、うぅ、うぅぅ、うあぁぁぁぁぁ!』

 

俺は再び泣き始めてしまった

 

アクアリウム『…そういう事か。』

 

ジオティクス『どういう事だ?』

 

アクアリウム『あの男の子が、アークオルフェノクだ。おそらく、この灰はその復活のために生贄になった人間の成れの果てなんだろう。その中には彼の両親も……』

 

ジオティクス『彼らはなぜ、そこまでしてオルフェノクの王の復活を?』

 

アクアリウム『さぁな、聞こうにも主犯たちは灰となり、おそらくあの男の子は自分が何をされたのかすら理解していないだろう。ともかく、今は彼をどうにかしないと。』

 

ジオティクス『わかった、とりあえず、あの子と話をしよう。』

 

二人はいまだに泣いている俺の元へと歩いてきた

 

ジオティクス『君、もう大丈夫だ。さぁ、こっちにおいで。』

 

守『ダメです!そんな事したらまた!』

 

ジオティクス『大丈夫、我々は人ではない。「悪魔」だ。』

 

守『え?』

 

ジオティクスは俺に微笑みかけながら背中の黒い翼を広げる

 

守『悪魔……。本当に…』

 

ジオティクス『だから心配ない、こっちへ来なさい』

 

もう手が届くと言う距離まで近づくと俺は震えながらジオティクスの服を掴んだ 

そして

 

守『その悪魔に、お願いがあります。』

 

ジオティクス『何だい?』

 

この時のジオティクスは助けてほしいと言う言葉が出るものと思っていたみたいだが……

 

守『僕を……殺してください』

 

「「!!??」」

 

涙ながらに発せられたのは『殺してくれ』と言う願いだった

 

ジオティクス『……本気で言っているのかい?』

 

守『今の僕は、もう化け物なんです。……僕は誰かの命を奪ってしまう。僕は誰も傷つけたくないんです!…だから、殺してください。』

 

その時、ジオティクスの中には、怒りと悲しみが渦巻いたみたいだな

こんな子供を化け物に変えてしまった人間への怒りと他人を傷つけるくらいなら殺してくれと言う、少年の優しすぎる心が

 

守『僕を……殺してください……お願い、します』

 

年端もいかない少年が殺してくれと懇願している

何故、世界はこうも残酷なのだろうか

ジオティクスは、ゆっくりと俺に手を伸ばす

 

後ろではアクアリウムが苦々しい顔をしている

当然だ、こんな何の罪もない子供が自らの死を望み、まだ生きたいと言う感情を

必死に抑え、他人のために自らの命を捧げると言う子供を殺してどこがいい気分になれるというのだ?

だが、ジオティクスは殺しはしなかった

 

奴は小さな魔法陣を作り出し、俺にに睡眠の魔法をかけた

やがて俺は目を閉じ倒れた

 

時は流れて二日後

 

 

深い眠りから覚めた俺はシトリー家に世話になることになった

 

そこで出会ったのが当時のセラフォルー・シトリーだ

 

セラフォルー『あなた名前は?』

 

守『……灰神…守…』

 

セラフォルー『よろしくね!マモ君!』

 

守『ま、マモ君?』

 

セラフォルー『うん!守だからマモ君!よろしくね!』

 

セラフォルーは俺の手を激しく振る

 

そして月日は流れ

 

俺とセラフォルーは誰もが認める最強のコンビになった

 

何度かセラフォルーから眷属にならないかと誘いがあったが

 

俺は自身の暴走を恐れ、断っていた

 

そしてまた数年の歳月が過ぎ

 

セラフォルーは超越者として魔王を襲名する事となった

 

だが、その時だ

 

セラフォルーが裏切ったのは

 

俺は追手に終われることになった

 

守『ハァ……ハァ……』

 

追手1『居たぞ!こっちだ!』

 

守『貴様ら!俺が誰なのかわかっているのか!』

 

追手2『知っている。アーク・オルフェノクこと、灰神守だろ?』

 

守『ならばなぜ俺を消そうとする!』

 

追手1『セラフォルー・レヴィアタン様からの命令だ』

 

守『セラフォルー……?嘘だ!適当な事を言うな!』

 

追手2『これは事実だ。死ね!アーク・オルフェノク!』

 

俺は……力を使った

 

守『うぁぁぁあああ!』

 

そして、姿を消した

 

灰神sideout

 

ジョシュアside

 

アーク『そして、俺はセラフォルー・レヴィアタンに復讐を誓ったという訳さ』

 

ジョシュア『ふーん……めんどくせぇ奴だな』

 

アーク『なに?』

 

ジョシュア『それってさ、セラフォルーさんに確認とかしてねぇだろ?』

 

アーク『確認?する必要がどこにある!』

 

ジョシュア『追手だけ来たのならそれはお前がはめられた可能性がある』

 

アーク『黙れ!ならばなぜ俺を陥れる必要がある!』

 

ジョシュア『俺には理由も聞かずに一方的にやってるようにしか見えねぇけどな』

 

アーク『黙れ!黙れ!黙れ!』

 

アークは俺に魔力弾を放つが俺はそれを全て暗黒空間に送り込む

 

アーク『ッ!貴様ぁぁぁ!』

 

ジョシュア『スタープラチナ、ザ・ワールド』

 

ブゥゥゥン、カチッ!

 

俺が二つのスタンドの能力を使い、時間を止めた

 

ジョシュア『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!……そして時は動き出す』

 

アーク『ぐあっ!』

 

アークはその場から吹っ飛ぶ

 

ジョシュア『これ以上、事を荒立てるつもりはない』

 

アーク『ッ!貴様は今、自分自身の死刑執行のサインをしたぞ!』

 

アークは俺に特大の魔力弾を放とうとしたその時

 

デスイマジン『おいアーク!』

 

デスイマジンが横槍を入れる

 

デスイマジン『盛り上がってるところ悪いがサーゼクスとミカエル、アザゼルがこっちに向かってるらしい』

 

アーク『っち!致し方ない、一旦退くぞ』

 

そう言って、アーク達はその場を後にした

 

ジョシュア『……』

 

とりあえず俺はセラたんを抱えて、サーゼクスさん達と合流

 

サーゼクスさんの指示で俺達は駆王学園に戻ることになった

 

しかし、俺の中でもやもやしたものが残っていたのは言うまでもない


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