ジョジョの奇妙な冒険~episodeofhighschool~ 作:DJトッティー
俺はアナウンスにホッとする。
匙『何を息ついてんだよ?お前の相手は……俺だっ!!』
[Elek!elek!ON!]
匙は今度は此方の番だと言わんばかりに高出力の雷球の塊を放つ!
この威力は、強制変身解除!ーーーーそう判断した俺は、
イッセー『ドラグシールド!』
[guardvent]
俺はカードを読み込ませ、シールドを召喚する
匙『……っ!?』
イッセー『相手の一撃を無効にし打ち消す事ができる!』
でも同じ力にするのは、俺の魔力量に比例する。
相手の一撃が俺の魔力量を大きく上回る物或いは、俺の魔力が枯渇してるとこの技は効果がない。
防御用だけど、相手によっては瞬時に相殺できる訳だ。
匙『……へっ。俺の命懸けの一撃も、無意味って訳かよ』
……命懸け?
俺は不意に匙の胸部を見るとーーーーッ!?
普段のフォーゼの胸元にはオレンジの線が入っているが、今のフォーゼの線がオレンジから黒になっている
イッセー『お前…………まさか自分の命を!?』
匙『そうだ!俺はお前と同じで魔力は低い……高威力で撃ち出すには、こうするしかないのさ』
イッセー『その行為、分かってるのか?お前ーーーー死ぬ気かっ!?』
匙『そうだ!!!』
匙の眼はーーーー真剣だった。
匙『俺達は、命懸けでお前達を倒す。ーーーーお前に、夢を馬鹿にされた俺達の悔しさが分かるか?夢を信じる必死さが分かるか?…………この戦いは、冥界全土に放送されてる。俺達をバカにした奴等の目の前で、シトリー眷属の本気を見せなきゃ行けないんだッ!!』
俺はふらつきながらも向かってくる匙の一撃をかわし、膝蹴りを叩き込む!
血を吐く匙に構わず、俺は肩を掴み頭突きをお見舞いする!!
匙は勢いよく倒れるが…………まだ、立ち上がる。
イッセー『やっぱり、お前は俺に似てるよ…………匙』
匙『兵藤ォォォォォッ!!』
死に物狂いで雷撃を俺に向けて放つ。
俺は一撃一撃をドラグシールドで消しながら、直接ーーーー
イッセー『ドラグセイバー!』
匙『ガハァッ…………!!!』
俺はドラグセイバーのミネを匙にお見舞いする!!
同時に、匙の心臓に直結していたラインも消え去る!
が、匙は倒れる体を無理矢理止め、後ろに飛び、俺の足にラインを飛ばす!
…………身動きさせない気か!!
何とかもがく俺の隙を見計らって、匙は再び心臓にラインを繋いだらしく、ソフトボール程の大きさの雷撃弾を手元に浮かしていた。
匙『これで……ハァ、ハァ…………周囲に影響は出さずっ!お前だけを……ハァ、破壊できるッ!!』
小猫『イッセー先輩!加勢しまーーーー』
イッセー『来るな小猫ちゃん!!』
俺は鋭い声で制止する。
イッセー『これは匙とのーーーー男と男の戦いだ』
小猫『……今はチーム戦です。協力してこそ』
イッセー『分かってるよ。でも、これは理屈じゃない。その気になればコイツは、小猫ちゃんの力も吸えたんだ。なのにそれをしなかった。どうしてだと思う?』
小猫ちゃんは答えられなかったが、匙が笑う。
匙『……ゴメンな、塔城小猫ちゃん。俺は、兵藤に、赤龍帝に勝ちたいんだ。『兵士』の俺が!同じ『兵士』である赤龍帝、兵藤一誠に、勝つことが!!俺は赤龍帝に勝つ!勝って、先生になるッ!!差別のない学校を、築くとッ!!』
イッセー『……てな訳さ、小猫ちゃん。俺はコイツの、匙元士郎の挑戦を受けたい。そして、コイツを真正面から、本気で倒さなきゃ、いけないんだっ!!』
不器用なバカーーーーそう呼ばれても良い。
俺達は、何処までも似てるんだから。
小猫ちゃんはそれを聞くと、拳を下ろし、距離を取った。
イッセー『サンキュ、小猫ちゃん。…………来いよ、匙。お前の全力、見せてみやがれッ!!』
匙『…………へへっ、やっぱ、お前は大きいよ。兵藤』
唐突に、匙は語り出した。
匙『俺さ、お前が羨ましかった…………龍騎の力を持つ赤龍帝。俺は……同時期にお前と同じ悪魔になったのに、何もなかった……何も無かったんだよ!!だから、手に入れる。何もない俺でも、赤龍帝であるお前を倒せるんだって、自信をッ!!ヴリトラとフォーゼの力でッ!!』
お前、そんな風に俺を見ていたんだな……匙。
でもーーーー俺は、俺達は、お前達の夢を乗り越えるッ!
部長には部長の夢がある!俺は…………それを守るッ!!
匙『これで終わりだ、兵藤ォォォォォォォォォォッ!!!!!』
[rocket!ON!drill!ON!limitbreak!]
匙は渾身の力を込めて必殺技を放つ
イッセー『来いやぁぁぁあああ!』
[finalvent]
匙に合わせ、俺も必殺技を放つ
ーーーーガンッ!!!
匙『……………………ぐぁ……』
手応えは、あった。
だけど、俺はまだ立ち上がる。そう思っていた。
が、匙は意識を失っていた。
俺に向かって構えて立ったまま
ーーーーそして、
『ソーナ・シトリー様の『兵士』一名、リタイア』
匙は消えていった。
けど、俺の脚の力は、抜けることはなかった。
俺はーーーー愚直に夢を語り、挑んできた男を、最後まで見届けた。
目を反らせば、また復活するーーーーそう思えた。
小猫『…………イッセー先輩』
匙との一騎討ちが終わった俺は、何故だか拳が震えていた。
そんな情けない俺を、小猫ちゃんは手を握ってくれた。
イッセー『……何でだろな?分かってるのに、さ』
小猫『先輩にしては珍しくカッコ良かったです。イッセー先輩は自慢の先輩です』
イッセー『有難う』
…………さて、
イッセー『小猫ちゃん、感じるかい?』
小猫『………………はい』
匙…………今回は、悪いが勝たせてもらう。
お前にも、会長にも。
けど、タイマンなら何時でも受けて立つぜ。