ジョジョの奇妙な冒険~episodeofhighschool~   作:DJトッティー

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注意!
このepisodeofhighschoolに黒歌は一度しか出てきません!
すいません!


強さと能力と恐怖

俺はものすごい爆音の中にいた

 

何で爆音の中にいるのかって?

 

イッセーの修行を見に来たんだが……

 

イッセー『うわぁぁぁぁ!』

 

ドラグレッダー『どうした!貴様の力はそんなものか!』

 

タンニーン『まだまだ行くぞ!赤龍帝!』

 

うわぁ…

 

ドラグレッダーとタンニーン、そしてティアマットがイッセーに襲いかかる

 

鬼かよ……

 

ジョシュア『オーイ、タンニーン!ドラグレッダー!ティア~!』

 

俺は見かねて

三体のドラゴンを呼ぶ

 

タンニーン『おぉ!ジョジョか!』

 

ティア『どうした?』

 

ジョシュア『いや、イッセーに弁当をな』

 

ドラグレッダー『ならば、少し休憩だな』

 

すると、そこにアザゼルもやってきた

 

アザゼル『よぉ!イッセー!』

 

どうやら

アザゼルも弁当を持ってきたらしい

 

ジョシュア『んじゃ、飯にするか!』

 

俺たちは弁当を食うことにした

つってもイッセーだけなんだけどな

 

イッセー『うまい!これ誰が作ったんですか?』

 

ジョシュア『今イッセーが食ってるのはリアスのだ。ちなみに、右から朱乃、アーシア、ゼノヴィアだ』

 

イッセー『この旨さなら全部食えます!』

 

それはよかった

 

ジョシュア『そーいや修行の方はどうだ?』

 

タンニーン『さすがはドラグレッダーとドライグが選んだだけではあるな。逃げることもさることながら、俺達三人に対して真っ向から挑もうと努力している』

 

じゃあ、最終フォームになるのも近いな!

 

ジョシュア『そうか、努力するのは良いがオーバーワークはやめとけよ?後で後悔するから』

 

イッセー『はい!』

 

アザゼル『そうだ!お前ら、しばらくイッセーを借りるが言いか?』

 

ジョシュア『どうしたんだ?』

 

アザゼル『ま、後で話すわ…それに、今は小猫の方だな……』

 

イッセー『何かあったんですか?』

 

アザゼル『今朝、倒れた…オーバーワークでな…今はベッドで安静にしてる』

 

マジか……

 

あいつらが居て何やってんだよ

 

ジョシュア『じゃあ俺が治す、仗助は観光楽しんでるみたいだし、波紋で気を整えりゃあ少しはマシになるだろ』

 

アザゼル『それもそうだな。丁度、お前ら二人を連れ戻すように言われてたし』

 

ジョシュア『誰に?リアスか?』

 

アザゼル『……の母上殿だ』

 

おぉっと

まさかのヴェネラナさんからの呼び出しか

 

俺達はグレモリー邸へ戻ることになった

 

 

 

 

イッセーが目の前で踊ってる

 

ヴェネラナさんに教わりながら

ビックリだよな

 

最初にリアスのお姉さんかと思ったら

お母様って聞いた時はさすがにはっ!?ってなった

 

ヴェネラナ『はい、そこでターン。ダメね、キレが悪いわ。ほら一誠君、ボケッとしてる暇はありませんわ』

 

……思ったけど大分スパルタだな

 

ま、のちのち必要になってくる技術だろうし

ドラゴン三体と鬼ごっこよりか楽だろうさ

 

ヴェネラナ『少し休憩しましょう』

 

やっと解放されるイッセー

 

イッセー『あ、あの…なんで俺だけなんですか?』

 

ヴェネラナ『木場祐斗さんは既にこの手の技術を身に付けていますわ。ギャスパーさんは吸血鬼の名家の出。頼りない振る舞いですがそれ相応の作法は知っていますわ。問題は貴方です。人間界の平民出とは言え、一定以上の作法を身に付けていただかないと困ります。貴方はリアスと共に何れ社交界に顔を出さねばならないのですから。冥界滞在中に少しでも習わしを覚えねばなりません』

 

なーるほど

要はリアスとの交際を前提としたことか

 

イッセー『でもジョジョ先輩は?それに絋汰先輩達も』

 

ヴェネラナ『ジョジョさんはもはや完璧としか言えないでしょう、絋汰さん達はさすがは元ダンスチームと言ったところです』

 

この俺をなめるなよ!

って台詞が出てきた俺は悪くない

 

ジョシュア『つーか、小猫は大丈夫なんですか?』

 

ヴェネラナ『えぇ、只のオーバーワークです。二日も休めば大丈夫でしょう…彼女なりに戦っているんでしょう…力と存在に…』

 

ジョシュア『力と存在?』

 

ヴェネラナ『そういえばまだ二人には話していませんでしたね…話しましょう…三人の猫の話を……』

 

ジョシュアsideout

 

 

ヴェネラナside

 

これは

三人の猫の物語です

 

 

三匹の兄妹猫はいつも一緒でした

 

寝るときも、遊ぶときも

親とは死別し、頼るものも居ない三匹の兄妹猫はある日、とある悪魔に拾われました

 

兄猫と姉猫が悪魔の眷属になることですむ場所を手に入れ、やっとマトモな生活が出来るようになりました

 

しかし、その生活も長くは続きませんでした

 

兄猫の成長が思いの外早く

ごく一部の者しか使えない波紋を使えるようになり

また姉猫も同じように仙人しか使えない仙術が使えるようになりました

 

しかし、兄猫は突如、主を殺害

姉猫もそれに協力したとして

三人の兄妹猫は追われる身となった

 

兄猫と姉猫ははぐれとなったのである

 

しかも、兄猫は超SSS級、姉猫はSSS級のはぐれ悪魔として

 

それこそ、一部隊を一人で潰せるほどの力で

 

上層部は妹猫に責任をなすりつけた

 

『兄猫と姉猫が暴走したんだ!妹猫も暴走するに違いない!』

 

しかし、サーゼクスがそれを阻止した

 

しかし、妹猫の心の傷は深く、生きる希望を失っていました

 

サーゼクスはリアスと妹猫を会わせ、生きる希望を与えました

そしてリアスは妹猫に名を与えました

 

――小猫と

 

ヴェネラナsideout

 

ジョシュアside

 

―――

 

今の話は小猫の話か……

 

繋がった…

 

小猫のオーラに違和感を感じてたんだが

転成悪魔だったのか

 

しかも猫系妖怪の上位種である猫魈からの

 

ジョシュア『んじゃ、ヴェネラナさん。後はお願いします』

 

ヴェネラナ『わかりました』

 

イッセー『へ?ちょっとジョジョ先輩!?』

 

俺はそのまま、医務室へ向かう

 

医務室には事前に入ってもいいっていってたけど

その前にドアをノックしてから入る

 

ベッドの横に朱乃が待機していた

ベッドには猫耳を生やした小猫の姿が

 

ほんとに妖怪なんだな……

 

自分の予想が当たって内心驚いてる

 

朱乃『ジョジョ君これは…』

 

ジョシュア『大丈夫だ、話は聞いてる』

 

ま、怪我だけならアーシアに治してもらってんだろ

それか仗助にな

 

ジョシュア『よ!調子どうだ?』

 

小猫『……何しに来たんですか?』

 

おおっと

かなりご立腹なようで

 

ジョシュア『心配だから来たって言ったら怒るか?』

 

小猫『……』

 

ジョシュア『色々聞いたけどよ、オーバーワークは……』

 

小猫『……りたい』

 

ジョシュア『?どうした?』

 

俺が聞き返すと、小猫は目に涙を貯めながら

ハッキリとした口調で言った

 

小猫『強くなりたいんです…祐斗先輩やゼノヴィア先輩、朱乃さん…………そして、ジョジョ先輩の様に、心と体を強くしていきたいんです。ギャー君も強くなって来てます。アーシア先輩の様に回復の力もありません。…………このままでは、私は役立たずになってしまいます……。グレモリー眷属の『戦車ルーク』なのに、私が一番…弱いから…………。お役に立てないのは、イヤです……。だけど、内に眠る力を…猫又の力は使いたくない……。使えば私は……姉様の様に……。もうイヤなんです…………もう、あんなのはイヤ…』

 

なるほど……

やっぱり心に残った傷は深いって訳か

 

……俺は思わず

過去の自分……いや小猫を前世の自分と重ねていた

 

ジョシュア『気持ちはわかる……けど、あえて言わせてもらうぞ?…自分の調子もわかんねぇ奴がいくら頑張っても強くはなれねぇぞ』

 

小猫『っ!』

 

 

小猫は更に悲しそうに顔を歪める。

でも、今のこいつに必要なのは中途半端な同情じゃない。

 

ジョシュア『それに、お兄さんが暴走したからと言って小猫まで暴走するとは限らねぇだろ?』

 

小猫『……先輩に、何が分かるんですかっ!?私はジョジョ先輩の様に、強くなんてないからっ!!」

 

ジョシュア『他人と自分を比べて弱いと理由付けて!何時までも力から逃げても、強くなんてなれる訳ねぇだろっ!?』

 

俺は一度、深く深呼吸して

静かに言葉を紡ぐ

 

ジョシュア『小猫。お前は嫌でも何時か猫又の力と向き合わなきゃならねぇ。ここで地団駄踏んでても、ただ遠退けてるだけだぞ?』

 

小猫『…………』

 

ジョシュア『それに、お前は皆が強いって言うけどよ、強くなんてねぇよ。皆、心では弱さを抱えてる物さ。お前の様にな』

 

小猫『…弱さを』

 

ジョシュア『弱さを抱えるのは、悪いことじゃねぇ。けど、その弱さを乗り越えなきゃ、ずっと弱いままだ。体も、心も」

 

俺だってそうだった

昔も…いや、今はこの話はまた今度にしよう

 

ジョシュア『お前が味わってきた苦しみは、お前にしか分からねぇ。でも、何時までもそれに阻まれてるんじゃ、本当の意味でお前はリアスの足枷になる。それでも良いのか?』

 

小猫『…………ッ』

 

足枷と言う言葉に、悔しそうに目尻に涙を浮かべる小猫。

 

ジョシュア『それに、皆思い思いに、自分にしか出来ないことをやってる…………。弱さに挫けて、泣きたくなっても、進まなきゃ何も始まらねぇんだ。………………これだけは、伝えたかったんだ。小猫ちゃんも朱乃も、それだけは覚えててくれよ?」

 

 

俺はそこで言葉を切り、部屋を出ていった。

 

部屋を出ると、カザリが待っていた

 

カザリ『いいの?あんなこと言って…下手したら嫌われるかもだよ?』

 

ジョシュア『別にいいよ。嫌われても、守りてぇもん守れりゃそれで……』

 

それに……逃げたってなんも変わらねぇ…

 

カザリ『君も、なんだかんだでお人好しだね』

 

ジョシュア『よく言われるよ』


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