ジョジョの奇妙な冒険~episodeofhighschool~   作:DJトッティー

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承太郎とユウゴの冒険その3

承太郎side

 

 

俺達は廃墟の奥に向かって進んでいく。

 

 

 

承太郎『……ご丁寧にさっきからなんの罠もねえな』

 

 

ユウゴ『気配を感じる……』

 

 

ユウゴが悪魔の気配を察知する

 

しかし、何のアクションと起こしてこない。この施設のトップはもういなくて部下か何かがいるのか?

 

ユウゴ『ここからだ…』

 

どうやら一番奥にまで来たらしい。目の前にはかなりでかい扉がある。デザインはあまりいい趣味とはいえないな。

 

 

カーシャモラル『ようこそ私の実験施設へ』

 

承太郎『……何者だてめぇは』

 

カーシャモラル『おっと失礼。まずは挨拶からかな?私の名前はカーシャモラル・グラシャラボラス。どうぞお見知りおきを』

 

カーシャモラルと名乗った男は話す時は演劇の舞台に立つ主役の様に大袈裟な身振り手振りで話す。

 

やれやれ鬱陶しいな。

 

 

花京院『へぇ、じゃああのキメラはお前が?』

 

 

カーシャモラル『そうとも!見てくれたかい?私の作品達を』

 

 

ユウゴ『ああ、かなり悪い気分になったぜ』

 

 

カーシャモラル『ハハハ!それは残念だ!』

 

チッ、全く残念そうにしてねぇぜ。

 

むしろ楽しそうな印象だな

 

 

承太郎『で?子供をさらったのもお前か?』

 

 

カーシャモラル『攫ったとは人聞きの悪い。ただ私の実験の為に協力して貰おうとしただけだよ』

 

 

承太郎『実験?まさかガキ共をキメラにしようってんじゃねぇだろぉな』

 

 

カーシャモラル『それも考えには入れていたさ。しかし私の実験はもっと違うものさ』

 

 

やっぱり、ガキ共をキメラにって考えてやがったか…

 

早めにゼファードルと協力して見つけられて良かったぜ。

 

 

ユウゴ『どんな実験だ?教えてくれよ』

 

カーシャモラル『魔剣だよ』

 

花京院『魔剣?』

 

 

カーシャモラル『そう!魔剣だ!教会では聖剣を適正者ではないものが扱う為に実験していたらしいではないか。それの魔剣バージョンだよ』

 

木場の時の聖剣計画のことか?

 

だがあれはエクスカリバーを扱う為に強引に聖剣の因子を取り出すだけの筈だ。

 

 

花京院『まさか!魔剣を扱うにも因子がいるのか!』

 

カーシャモラル『exactly!しかし世間で名の通った魔剣ではなければそんなものは必要ではない』

 

 

花京院『必要ないなら何故魔剣の研究を?』

 

 

カーシャモラル『人工的につくる為だよ。様々な形!様々な能力!私の理想の魔剣の為に!』

 

やれやれ……マッドサイエンティストって奴か。

 

理解できないな、パルパー・ガリレイとか言う奴と同じか……

 

 

ユウゴ『だがそれだと神器の魔剣創造と似たようなもんだろ?』

 

 

カーシャモラル『確かにね。ただの魔剣を創るだけならね。だがこれならどうだい?』

 

カーシャモラルは指をパチンと鳴らす。すると通気口だと思っていた穴から無数の剣が俺達に向かって飛んでくる。

 

 

承太郎『スター・プラチナ!オラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!』

 

 

飛んでくる魔剣をスター・プラチナで弾き飛ばし、なんとかかわす

 

 

カーシャモラル『すまないね。それよりもこれが私の研究成果だ』

 

 

承太郎『……マジかよ…』

 

剣だと思っていたものが鳥の様な姿になる。

翼が刃になっていやがるのか?

剣にも鳥にもなる……と言うことか?

 

 

カーシャモラル『キメラだよ。魔剣の因子によって創られたね』

 

 

花京院『悪趣味だな』

 

俺達はカーシャモラルの野郎を睨み付ける

 

カーシャモラル『ふぅ、残念。君達とは趣味が合わないらしいね』

 

ユウゴ『みたいだな』

 

……キメラか……

 

魔剣との合成……

 

胸くそ悪いぜ

 

 

カーシャモラル『それよりも一つ聞かせてくれないか?』

 

ユウゴ『あん?』

 

 

カーシャモラル『何故、私を探したのかな?街での事件のことなら普通は街に出た派手な服の男を怪しまないかい?』

 

 

ユウゴ『ああ、それね。じぃさんの話と俺の推理と勘だ』

 

 

ユウゴの言った言葉が余りにも予想外だったらしくカーシャモラルの野郎はしばらく口をポカンと開けて固まっていた。

 

 

カーシャモラル『ふ、フフフ…ハハハ!勘か!まさか勘で私を探すとはね!全く…ますます気に食わないね』

 

 

ユウゴ『オイオイ、そんなに熱い視線をおくるなよ。まぁ俺的には次期当主様だし独自で調査しているのかと思いたかったんだが……てめぇが犯人だったとはな』

 

 

カーシャモラル『意外だったかい?』

 

 

ユウゴ『ま、そこそこな。それよりも聞かせてくれよ。わざわざハーメルンの笛吹きの伝承に似せたのは何でだ?』

 

 

カーシャモラル『ああ、それはその方が目をくらましやすいだろ?君達のせいで台無しだがね』

 

ユウゴはカーシャモラルが独自で調査して事件解決でもするのかと思ってたらしいが、俺としてはハーメルンの笛吹きの伝承に似せるのはいいがまだ分からない事がある。

 

 

承太郎『ガキ共が消えたのはてめぇの家の特性か?グラシャラボラスは魔犬の姿になる他に人を透明にする能力があるらしいじゃあねぇか』

 

 

カーシャモラル『君は中々博識だね。そうだよ集団での移動は見つかりやすいからね。転移もバレる可能性があるしね』

 

 

花京院『へぇ、ハーメルンの笛吹きは神器か?』

 

 

カーシャモラル『あぁ、とある筋からね。神器使いを借りたんだよ』

 

 

ユウゴ『なんで次期当主様がテロリストに?地位なら十分だろ?金も貴族なら持っているはずだ』

 

 

カーシャモラル『君達には関係のないことだね』

 

 

ユウゴ『オイオイ、つれないな』

 

 

カーシャモラル『それに君はもうここで死ぬのだから。関係ないだろう?』

 

カーシャモラルの言葉の後に鳥の様な形の魔剣が無数に俺めがけて飛びかかってくる。

 

 

承太郎『チッ、やれやれだぜ……』

 

 

俺達は無数に飛んでくる鳥型の魔剣を避ける。

やれやれ、結構めんどくせぇな

 

 

カーシャモラル『良く避けるね。ではもっと追加だ』

 

 

ユウゴ『まだ少ないぜっ!…とぉ!』

 

カーシャモラルの言葉を後に鳥型の魔剣の数が増える。そして地面から鮫の背ビレのようなものが二本突き出てきた。

 

 

花京院『へぇ。今度は魚と魔剣のキメラか?』

 

背ビレの所が剣にでもなっているのかかなりの切れ味だ。

 

 

カーシャモラル『そうだよ。とりあえず二匹だ』

 

 

承太郎『まるで魔剣の水族館だな。スター・フィンガー!』

 

俺はスター・プラチナの指を伸ばして魔剣を打ち砕く

 

花京院『エメラルド・スプラッシュ!』

 

 

カーシャモラル『な⁈私の魔剣が!?無茶苦茶だな!?』

 

ユウゴ『うるせぇよっとぉ!』

 

ユウゴもさらに魔剣を破壊する

 

カーシャモラル『無茶苦茶だね本当に。更に追加だ』

 

 

承太郎『やれやれ、まだ増えんのかよ』

 

 

カーシャモラル『まあね。君達も退屈しなくてすむだろう?』

 

 

ユウゴ『サービス精神が多くてありがたいなぁ!オイ!』

 

鳥型の魔剣、魚型の魔剣をさばいていく。スタンドで対処できないものは脚を使ったり、身を捻って避けたりする。

 

承太郎『めんどうだ、オラァ!』

 

カーシャモラル『なっ!チイッ!』

 

捕まえた魚の剣をカーシャモラルに投げつける。あいつも上級悪魔なだけあって少しは驚くが難なく避ける。

 

 

承太郎『まだだぜ!オラァ!』

 

 

カーシャモラル『ガッ!』

 

もう一つ魔剣を捕まえ、先ほどよりも強く投げると今度はカーシャモラルの腕にかする様にあたった。少々抉れているから中々に痛そうだ。

 

するとカーシャモラルがものすごい形相で睨んできた。

 

 

カーシャモラル『貴様ぁぁぁぁぁぁ!?私に傷をつけたなぁ!!』

 

 

花京院『やれやれ、丁寧だった口が汚れてきたな?』

 

ユウゴ『びっくりだぜ』

 

 

こんな風に花京院達とまた話しているとカーシャモラルがまた怒りだしてきた。

 

 

 

カーシャモラル『舐めているのか貴様らはっ‼︎もういい君の死体はサンプルにしようと思ったがここで跡形もなく消すっ‼︎』

 

 

承太郎『ふう、直ぐに怒りすぎじゃねぇか?最近の若者は短気でしょうがないぜ』

 

 

ユウゴ『やーねー』

 

 

カーシャモラル『こ、のっ‼︎……まあ良いこれが私の最高傑作だ』

 

かなり怒っていたが少し落ち着いたのかまた芝居がかったような喋り方に戻ってきた。情緒不安定か?カーシャモラルの言葉の後に魔法陣が現れる。魔法陣は大きい、その中から出てきたのは…

 

 

 

承太郎『やれやれ、ドラゴンか……』

 

ドラゴン。

 

それもただのドラゴンじゃなさそうだ。翼や背ビレが剣の後になっており鋭く生物的な感じがしなねぇ。爪や牙も剣の様な輝きをしている。そして気に入らないのが目が既に死んでいることだ。

 

 

 

カーシャモラル『ハハハ、このドラゴンはね。捕まえるのに苦労したよ。子供のドラゴンを人質にとったりしてね。まぁ、その子供もいいサンプルになったよ』

 

 

ユウゴ『へーすごいすごい。わーすごいなぁ。すごすぎてすごいしか言えねぇや。すごいすごい』

 

 

カーシャモラル『貴様はっ⁈どれだけ私をっ』

 

 

ユウゴ『んじゃあ、無視して始めますか』

 

とりあえずあのカーシャモラルは無視の方向でいいだろう……

 

 

ドラゴン『グガァァァァォ‼︎』

 

 

花京院『吼えることはできるのか』

 

魔剣のドラゴンは俺達を噛み砕こうとして口を大きく開いてくる。

 

承太郎『オラァ!』

 

ドラゴン『グオッ⁈』

 

大きく開いた口を閉じさせるように顎の下を蹴り上げる。口を閉じると同時にスター・プラチナの蹴りの威力により上体も仰け反る。

 

 

承太郎『そら!追加だぜ!』

 

上体が仰け反った状態のドラゴンに向かって飛び上がり殴ることにより追い打ちをかける。見事にスタープラチナのパンチはジャストヒットしてドラゴンは壁に向かって吹き飛ぶ。いいあたりだったぜ?

 

 

さらにユウゴが起き上がろうとしているドラゴンに向かって走りだす。

 

 

ユウゴ『行くぜ!はああああっ!』

 

ユウゴはドラゴンの首を切断することに成功した。勢い良く血が出るので直ぐにその場から離れる。

 

 

承太郎『やれやれだぜ……それよりもカーシャモラルの奴は…ガッ!?』

 

突然、俺の背中が斬られた。咄嗟に身体をズラしたので致命傷にはならなかったのが幸いだ。斬った奴の姿が見えなかった。

 

 

花京院『グラシャラボラスの悪魔の力か…』

 

 

 

カーシャモラル『ハハハ!ドラゴンが倒されるのは予想外だったよ。でもどうせ君はここで消す!それに変わりはない!』

 

チッ、声のする方向にずっと留まってはいないか。直ぐに移動してやがる。

 

 

承太郎『チイッ!』

 

剣が体に触れた瞬間に避けることはできるが、浅く傷つけられていく。あと周りの魔剣共も鬱陶しいぜ。

 

 

承太郎『オラァ!』

 

 

カーシャモラル『ハハハ!何処を狙ってるんだい?』

 

魔剣を捕まえ、投げつける。しかし俺の攻撃はカーシャモラルには当たらず飛んでいる魔剣に当たる。その魔剣は俺の投げた魔剣ごと粉々になって地面に散らばる。

 

承太郎『オラァ!』

 

地面にいた魚型の魔剣を二匹共引っこ抜き振り回しながら鳥型の魔剣を壊していく。カーシャモラルには当たった感じはしない。

 

 

カーシャモラル『驚いたよ。この部屋にある魔剣全てを壊すなんてね。でも私には当たっていないよ?』

 

 

 

承太郎『黙ってな。すぐ終わらせてやる』

 

そして俺はその場で立ち止まり目をつぶる。

 

 

カーシャモラル『目をつぶってなんだい?諦めたのかい?今すぐに殺してやるよ!』

 

 

 

 

パキッ

 

 

 

承太郎『スタープラチナ!︎オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!』

 

 

 

カーシャモラル『ガアッ!』

 

スタープラチナのラッシュは今度こそカーシャモラルに当たり、奴を壁にまで吹き飛ばす。姿がはっきりと見えるようになったな。やれやれ、スッキリしたぜ。しかしどうしようかこのボロボロの制服。

 

 

 

カーシャモラル『何故、私の場所が…』

 

 

承太郎『俺が考えなしに魔剣を粉々に砕いた訳ねぇだろ?』

 

壁際でうずくまってこちらを睨んでいるカーシャモラルに近づいていく。そう睨むなよ。

 

 

カーシャモラル『足音か…』

 

 

承太郎『あぁ、もうちょっと早く気付けばよかったな。じゃあもう寝てな。後はゼファードルに任せるからよ』

 

 

カーシャモラル『クソッ』

 

カーシャモラルの顎を蹴る。奴はぐったりとして意識を失ったようだった。

 

 

 

承太郎『ああ、いい暇つぶしになったぜ。とりあえずグラシャラボラス領にまで帰るか。』

 

 

色々と話しあったが結局俺の肩から降りることはなく、カーシャモラルの足を掴み引きずりながらグラシャラボラス領にまで帰った。

 

 

 

 

 

 

 

ユウゴside

 

 

 

 

 

ゼファードル『アニキ達、もう行くんですか?』

 

 

ユウゴ『まあな、もうここに用はねぇしな』

 

廃屋からグラシャラボラス領に帰った後は直ぐにグラシャラボラスの屋敷まで行きゼファードルを探した。その際、承太郎がカーシャモラルを引きずっていた為に領民達からはビビられていた。ペストを筆頭とする子供達のおかげで誤解は解けたと思いたい。

 

 

 

ゼファードル『そうっすか…。アニキ』

 

 

ユウゴ『なんだよ』

 

 

ゼファードル『俺、強くなるっす。もっともっと強く。だから俺が強くなったら今度は真面目に俺と戦ってくれますか?』

 

 

ユウゴ『当たり前だ、いつでもこい』

 

 

ゼファードル『うす!』

 

ゼファードルの返事を後に俺はグラシャラボラス領から出て行く。

 

 

いつか、あいつと戦り合う日がくればいいな

 

 

 

 

 

 


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