Call Elite SAS the Admiral -私たちが戦い抜いた日々- 作:03-Moonlight
どうぞ
サブタイ関係ない
「目標地点まで、もう少し。エンジンの出力を80%カット、静穏潜航する」
船内も一気に静かになる。聞こえるのはほとんどないといってもいいようなレベルまで。
出来る限り追手を撒くにはこうするしかない。ただアクティブソナーに限っては電波の吸収で何とかするしかないが。
「…どうして、深海棲艦以外と戦うことになってしまったのかしら…。」
加賀はそっと呟く。
「…それは仕方ないことなのかもしれないのよ。今私たちは、殺さなければ殺される世界にいるんだもの」
大鳳は言葉を返す。
するとしおいが
「何でだろうね、私たちは今までと環境が違う。でもその違う環境下で生き延びることこそが今まで死んでいった仲間たちへの、弔い?」
みんなに向けて語る。
彼女たちにとってそうであろう。
――――――自分にとっては、もう慣れた環境に突っ走ってることだが
「この先、また俺の世界と同じことになるのか…それとも…」
頭を抱える。
いずれ、銃を向ける先が艦娘同士になるかもしれない。
この世界にとって、彼女たちは存在が大きすぎた。
現れたことによって、対等に渡り合う力は手に入れている。
だが戦争が終わったらどうなるのだろうか。
略奪、殺しあい、恐喝、騙し合い。
醜い争いが続くだけだ。
それを艦娘を介して行えば、所詮殺し合いをするための兵器にしかなりえない。
テラ・ウィルスも兵器の1つでしか過ぎない。だが、この世界にはそれの存在が大きすぎる。
だから消すしかないんだ。
「間もなく浮上ポイントに到着する。準備を怠らないように」
――――――――――――時間か。
「………行くぞ」
ハッチの方へ向かう。
「あなたは一人じゃないんだから、抱え込まないほうがいいわよ?」
加賀が言う。
「…まあな。」
そう返すとハッチの方へ向かった。
吹雪side
「どうしてでしょうね。」
司令官が行った後、私はつぶやきました。
「私たちは今までにないことに身を投じています。ですけど、それが司令官にとっての戦いだってようやく気付いたんです。」
愛銃のRonson 50を2丁とも握りしめて、私は言いたいことを吐く。
「もう引き返せません。私には覚悟があります。」
そう言って司令官のあとを追おうとしました。
「一人で背負いこまない。わかるでしょ?私たちはチームなんだから。」
しおいちゃんが私の肩をそっと触れて言うと、
「そうだよ、もう孤独なんかじゃない」
しおいちゃんの言葉に続けて、隣に響ちゃんも並んできました。
「ありがとう…。行こう」
みんなで歩き出す。
加賀さんや大鳳さんも、いつの間にか後ろに並んで。