Call Elite SAS the Admiral -私たちが戦い抜いた日々- 作:03-Moonlight
照月side
「最近元気ないじゃん。どうしたの?照月」
秋月姉の声だ。
言葉にできない過去が、自分の心を侵食している気がした。
「なんでだまってるの?」
何も言えない。何も。
「てーるーづーき!」
「もううるさい!」
始めて怒った。秋月姉に。
「なんで怒ってるの?説明してよ!」
「なんでよ!なんで説明しなきゃいけないのよ!」
私は嫌になってきたのか、目的を告げて寮の部屋から出た。
「・・・提督のところ行ってくる」
それだけを残して、走りながら行った。
side out
side infinity
「任務あるまで暇すぎる・・・眠い」
書類の山&出撃準備終了で疲れている。仮眠したいけど寝過ごすのも嫌だから、起きてるしかない。
「ったく・・・涼しく感じるな」
窓を開けて海を見ながらつぶやいた。この海が平和であったら、どれだけ素晴らしいか・・・
「足音か・・・?」
普通ならこの時間に誰かが来るはずなんてない。しいて言えば夜戦馬鹿こと川内(たいてい足音立てないで来る)か定時報告に来る艦娘か、MobiusとPixyくらいだ。
ドアの前で立ち止まって、すぐ開けてきた。この時点で川内は絶対違うし、Mobiusとかは用件を伝えて入るため絶対違うことが確定。じゃあ誰なんだ・・・?
「照・・・・月・・・・?」
照月はドアを開けてすぐ俺に向けて一直線で抱きつき離れようとしなかった。
「・・・そうか。」
言葉には形にならない思いが伝わってきた気がする。
「ごめんなさい・・・こんな私で。」
照月がか弱い声で必死に思いを伝えようとして喋った。
「いいよ・・・お前は、それでいい。」
「・・・え?」
照月が頭に?マークを浮かべていた。
「お前が今伝えたかった気持ちはそれなんだろ?それが伝わったんだから謝らなくていいんだ。」
そうだ、それでいいんだって伝えたかった。
伝わったのかは分からないけど。
「あり・・が・・とう。」
少し言葉が詰まってたけど、自分の精一杯の気持ちが詰まってるなら、たとえどんな時でもいい。
それから少しの間、照月と俺はいろいろなことを話し合った。
なんとなく、だけど幸せなような気がした。
でも、何かが伝わった気がした。自分の言葉で伝えたかったことが分かった。
『幸せ』という2文字に、どれだけ思いが込められるのかはわからない。
でも、その込められた思いは、たどり着いてからわかる。
「こんな時間なのに、話し合ってくれて、ありがとうございます。」
執務室から出るとき、照月は何か1つ答えを得たような笑顔で去って行った。
戦いがない日というのがどれだけ幸せなのか、自分にも分った。
「提督~、ちょっと休憩したほうがいいと思うよ~?」
出撃準備を終えたしおいが執務室に入って言った。
「そ、そうだな。」
「だって提督にたくさん任せたくないから。私に任せたくないって見えてるんだもん」
「なんだか、心を見透かされたような気がするなぁ・・・」
しおいがドヤ顔して俺を見つめたら、無邪気に笑った。まさか俺は何を考えてるのかわかってんのか。
「だって提督は私の物なんだから!」
おいおいおいおいおいおいおい今何と言った・・・マジで廊下とかその辺から殺気のこもった視線が向きそうなんですけど!
「だって言っていいじゃないですか!ほとんどいつも一緒にいますし!」
あっ・・・この内容漏れたらパーフェクトアウトや・・・ネクロに素手で挑めって言われたほうがましや。え?耐久力高すぎるって?知るかそんなもん!
「んなことより、後1時間半で出撃だぞ・・・」
はぁ・・・相変わらずやな・・・喜怒哀楽がめちゃくちゃわかりやすいのは。
「あ・・・雨か・・・だいぶ強いね。」
しおいが窓越しで外を見て呟いた。
「そうか・・・哨戒部隊を帰投させろ。そして作戦変更、両部隊沿岸部から2手にわかれる方法へ。イオナに乗船する準備をして待機準備。」
「わかった。伝えるね」
嫌な予感がする。それは、航路だ。
仮に流されたとしても立て直せるのだが、なんせ横須賀鎮守府の警戒線を突破する航路なのだから、危険なのは承知だ。
この出撃で、二度とこの地に戻ることはなかった。
次回千葉バイオテロ鎮圧に移行します。
そして、鎮圧終了でChapter2は終了です。
ちなみに、以降から艦娘の戦闘方法にアルペジオ方式とアニメ形式両方を使うことにしています。
あと
無 言 で 低 評 価 は 入 れ な い で も ら え ま せ ん か ?