ヤンデレ系短編集。   作:異論反論は許すが無言低評価は許さん!

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この原作は結構珍しいやつですぜ。
でも正直エフォールちゃんが可愛いがほぼメインだと思ってるんだよね。
ちなみに今回は続くタイプ。二、三話でまとめてみますぜ。

つー訳で殺殺殺!(意訳:本編へゴー!)


殺殺殺。(フェアリーフェンサーエフ、エフォール)

「殺」

 

「私と組め、とエフォールは申しております」

 

彼女との出会いは突然で、一方的なものだった。

別にどこかに属する訳でも、誰かと交わるわけでもなく、ただちょっとだけフェンサーの中でも強いからと酒場で依頼を受けてはこなし、危険もなければ変化もない、そんな日々を過ごしていた俺にとって、その言葉は爆弾のようなものであった。

 

……まぁ、喉元に刃を突きつけられた状態だったので俺は有無を言う暇すら与えられず、強制的に組んだのだが。

「……殺殺」

 

「仲間になるなんて思わなかった。とエフォールは申しております」

 

しかしそのしばらくあと、別に断っても何も無かったことが判明するのはちょっとした事件だ。割愛するがそれはもう、酷く落ち込んだものだよ。

何せそれが判明するまでに、何度か死にかけたし、その上他のフェンサーとぶつかって俺が死にかけた。

しかし逃げても殺されるんじゃなぁ、とか思っていて逃げられなかった。

だがそれは俺の幻想だったのだ。

実は逃げられた。むしろもう逃げてると思ってたと言われ、そこで珍しいと言うか一生に一度見れるか見れないか、と言えるほど滅多に見れないであろう彼女の笑みを見てしまったのが運の尽き。

……逃げられなくなった。

無愛想で、無口で、誤解されやすくて、そんな彼女を放っておけなくなって、気付けば1年。

 

色々あって、しかし俺とエフォールはまだコンビを組んでいた。

特に仲が進展したでも、別れた訳でもなくただ二人で戦う日々。

それでも俺は満足していられたよ。

1年も一緒に居る内に僅かな表情が読めるようになったし、意思疎通もそこまで通訳に頼らず出来るようになった。

……通訳をしている本人は何やら悶々としているようだが。

「殺、殺殺殺?(訳:今日、何か予定ある?)」

 

……どしたね、藪から棒に。

いつもは何かあっても話しかけて来ないくらいがデフォルトだと言うのに……ハッ。

まさかこれはエフォールに好きな人が出来たとかか!?

だとすれば俺は相棒としてお前の恋を全力で応援するぜ!

 

つまりはあれだろう。

自分には微妙にセンスが足りてないから服を選んでほしいとかその辺。

安心するが良いさ、なんたってファッションについては俺たちの中で一番詳しいであろう奴の協力さえあればどうにかなるはず……痛い。

何をするんだエフォール。

「……殺」

 

なんだろう、この『殺』には本当にくたばれ的な意味が隠されてる気がする。

マジもんの死ねは初めてですぞ。そこそこ傷付いちゃったぜ俺さんは。

「……くたばれこの(検閲により削除)野郎。とエフォールは申しております」

 

あ、ありがとうね果林ちゃん。でもその答えは知りたくなかった。相棒にそう思われたらいくら俺でも辛いものがある。

特に相手がそれなりに美少女だと、ね。

というか普通に凹むぞ俺は。1年も連れ添ってきたパートナーに死ねと言われるのはかなり苦痛なんだからな!

1年って意外と長いんだからなー?

その間に距離を縮めたと思ったのに突然の死ねは流石に……orz。

 

ってエフォール、ちょっ、なんでお前がorzして……死んでる!?

orzの体勢のまま体が冷たくなって……あぁそうだこんなときは……どうすれば良いんだコンチクショウ!

「殺……殺……(意訳:一緒に居れて……良かっ……た……)」

死ぬなぁぁぁぁぁ!!!(※死んでません)

 

 

 

「いい?マスター、女の子はデリケートなんだよ?もっとていちょーに……」

 

丁重、の意味分かってるか?

いや使ったタイミング的に分かってるんだろうけどさ、シルフィスよ。

とりあえず説教はもうやめてくれませんかね。俺が悪いってのは充分理解しましたから。

「マスター?エフォールちゃんはあんまりこういうのに慣れてないんだから、虐めちゃダメだよ?」

 

わーってますよ。俺は影ながらエフォールを応援するぜ。

大丈夫、エフォールのポテンシャルがあれば落とせない男はいない!

色気の少ない暗殺者風のフードでもかなり魅力的なんだから、服装に気を使えばもっと良くなる筈なのさ!

 

と、言うわけで頼んだぜ。シルフィス。全てはお前のセンスに掛かっている。

「……なんだろう、この違和感。物凄く認識にズレがあるような、重大な見逃しがあるような感じ」

 

気のせいじゃないか?

まぁ、とにかくよろしく頼むぞ。シルフィス。

全ては本当の本当の本当にお前のセンスに掛かっているんだからな。

俺にセンスは無いし、果林については何故かメイド服ばっか数十着だし……俺たちの中でマトモに服を選べるのはお前だけなんだ。

 

ちなみに参考までに言っておくが、俺が服を選ぶと完全に俺自身のズレた好みでしか選ばないからあんまり良くないと思うぞ。

俺のセンスに共感できるような稀少な奴が居るなんて思えないし……な。

「例えばどんなやつ選ぶんだい?」

 

そうだな、髪を降ろしてメイド服+ネコミミとか、裸ワイシャツとかジーンズ+Tシャツとかだな。

あとあえてシンプルに黄色のワンピースと帽子とかでも可愛いかもしれない。

ただ個人的にはネコミミメイド服をおすすめ……へぶしっ。

何故殴ったシルフィス。

「終盤2つ以外ただの性癖だよね?アホなの死ぬの?」

 

……ひでぇ。あくまで聞かれたから答えただけなのに。

一切の嘘偽りなくそれが可愛いと思うのだよ。俺はね。

エフォールのスレンダーな体を活かすのなら、ガーターベルトも忘れるなよ。

あ、ボーダーのニーハイって手もあるな。ミニスカニーハイは個人的にロマンが……痛いっ!?

鳩尾やめて!?

「ホント、参考にならなかったよ?」

 

……しかも話聞いてねぇ。

なんだ、反抗期かよ。チクショウ。

 

だがそれでも鳩尾はやめてもらいたかったな……人外による鳩尾は流石に……効いた……

俺は気を失った。

 

 

 

……ここはどこだ?

目が覚めたときに場所が変わってると混乱するよな。俺だ。

なんか気付いたらベッドに放り込まれてた。

誰がやったんだかは知らんが、まぁ誰であれ感謝だ。固い床の上で寝たら今頃首の辺りが痛くなってるだろうからな……

俺が自分の首をさすっていると、不意に布団から伸びている何者かの手を見付ける。

綺麗な手だ。一体誰のものだろうか?

「殺殺……」

 

……あ、なるほどエフォールだな。

殺殺言っててエフォールじゃない奴を俺は見たことないし、とりあえずこの声だけでエフォールと判断できるぞ。

 

だが、寝てると流石になに言ってるか分からないんだよな。ほぼ寝言だから意思から察することが出来ないというかなんというか。

「殺殺殺殺……殺殺殺殺殺殺殺……好き……」

 

いや待てなにげに今初めてエフォールが『殺』以外の言葉を喋った!?

というか、好きってなんだよ好きって……一体誰に言ってるんだよ……気になるだろ……訳が分からん。

 

俺はその後数分の熟考ののち、理解を諦めたのであった。

 







今回はキャラの説明付けてみました。
あんま分からんでしょうし、とりあえずざっくりと。

エフォール
虎の穴的な育成機関で育てられ、ゴタゴタの際に脱出。
ただしそんな機関で育ったためコミュ力が死ぬほど低く、『殺』だけで会話している。
機関を脱出してしばらくの間はパートナーであり武器でもある妖聖(フューリーという武器の中に存在している)の果林と共にあっちへこっちへ色々やってた。
食いぶちは依頼とかをこなして稼いでいる。
この話においてはある日二人以上限定(ただし妖聖は含まない)の依頼を受けるために主人公と一時的にパーティを組んだ結果、謎の甲斐性を発揮してしまった主人公を優良物件と考えた果林のごり押しにより1年以上ずっとパーティを組んでいる。

果林
エフォールのパートナー兼、エフォールが殺殺殺と言ったときに通訳してくれる人。
狐耳。
エフォールのお母さんというか保護者で、あまりに普通の同年代に馴染めないエフォールを心配していた。
この話においては偶然パーティを組んだ時に出会った主人公が謎の甲斐性を発揮したため、これは(エフォールを普通の少女っぽくするためには)優良物件だと思い、色々ごり押しして現在までパーティを続けさせている。
ちなみにこう見えて肝心なところで常識を知らなかったりする……が、それも全部機関のせい。

シルフィス
妖聖。そこそこ強い。
原作においては最初に手に入れる妖聖だが、この話においては主人公が手に入れた模様。
パーティ内女子で唯一、女子力が高い。



なお主人公の設定は全部テキトー。しかしいわゆる主人公体質の、ちょっと弱い版だと思っていただければ大体いいです。

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