ヤンデレ系短編集。   作:異論反論は許すが無言低評価は許さん!

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なんか疲れて気が迷ったのかこんな物を書いてしまった。
まぁ久しぶりに書いた緋アリだし何より微妙にヤンデレ要素が薄く薄ーく混ざっているのであえて投稿。
このヤンデレ要素を後書き抜きで見抜けたあなたはヤンデレ大好き人間。

あ、ちなみにこの話は最初に投稿したレキの奴とほぼ同じ世界線なんですよ。実は。まぁ意味は無いけれども。


世話焼きと偶然とハッピーエンド(緋弾のアリア、アリア)

なぁ、吊り橋効果って知ってるか?

まぁ要約すると極限状態を共にすると惚れやすいって効果なんだがな?

俺はつい先日、その吊り橋効果の典型例とも取れるような事件に逢ってしまった。

俺の一時的相棒が乗ってる飛行機が爆破されかけたので救いにいって、どうにかこうにか今まで生きてる。

まぁその代わりなのかは知らんが足の骨を折って全治1年弱…

お陰で治るまで武偵活動停止で通院生活だよ。

ただまぁ、その時の一時的相棒が時々やってくるから退屈はしてない。そして幸いにして手はなんともないので簡単なアルバイト程度は出来る。

だが………ちょっと流石に一時的相棒…アリアが過保護気味なのはちょっとなぁ。

理由は知らんが世話を焼いてくれるし、家事能力も中々に悪くないから困ってる訳じゃ無いが少し女性関係に過敏というかなんと言うか。

正直面倒になって散歩とアルバイトと買い出し以外は外に出ない生活になっちまったほどだしな。

 

さて、そんな俺なのだが別にこの状況を嫌と思っている訳ではない。

何故かって?簡単さ、例えビジネスパートナーのような関係だとしても美少女との半ば同棲生活を嫌がる男がどこにいるだろうか。居たとしたらそれはホモか人間嫌いか奇特な趣味の持ち主だ。

そして確実に奇特な趣味のない俺はこの生活を楽しんでいるのだが、正直周りが囃し立ててくることもあって最近はちょっと様子がおかしい。

アリアはこれまで淀みなく家事をこなしていたのだが、時々ボーッとして居ることが多くなり、大丈夫かと思って声を掛けると顔を真っ赤にし、時には気絶することも。

一体何があったんだろうか?

そう思って聞いてみてもアリアは答えない。ただ『やっぱ遺伝なのかしらね』と言われたりしたが………なんだ?じいさん辺りとの共通点でもあるのか?

いや、だとしたらじいさんから『孫の顔は早く見たい』的な内容の電話が掛かってきてもおかしくはないよな。あのじいさんだし。

だとしたら誰だ?兄さん…は怪しいな。可能性としては同じSランク武偵だからありえなくもないけど。

 

あぁ、話が逸れたな。

とにかく最近のアリアはちょっと変なんだ。それがどういうものか良く分からなくて女性の心の機微に詳しそうな知り合いに聞いても『それは自分で気づかないとダメな物だよ?』と言われて取りつく島もない。

 

しかも時々車を借りる(一応免許は持ってる。いや、そもそも武偵免許を見せればこの近辺では警官も顔パス出来るけどな)もう一人の知り合いには『末永く爆発しろよ。末代まで祝ってやる』とよくわからんコメントをもらう始末…………一体なんだ?

こうなってくるとこういう事に詳しくて俺が話を聞けるような奴なんて俺の知る限りじゃもう弟だけなんだが…アイツはアイツで『農家に弟子入りするわ』とか言ってたからな。うん。

だから下手に電話を掛けて迷惑を掛けるわけにもいかない。

 

ならばどうするべきかね?

兄貴と俺が共通してて、自分で気付かなきゃいけなくて、爆発して祝われる………うーむ…

本当に分からん。

こうなりゃヤホー辺りで聞いてみるかね?流石にノーヒントだと分からん。

一般教科に関しちゃ知り合いでも一番だったのに負けてるからもうなりふり構っていられない。

俺はパソコンを開き、ヤホーをごーgぇ(何故かこんな名前なんだ。おかしくないか?言葉として)で検索して起動。

そして知恵袋にこう書き込んだ。

『なんか最近同居人の様子がおかしいです。急にボーッとすることがあったり声を掛けると気絶したり。

諸事情で家事を任せているため同居人が怪我などをすれば不味いため、誰かどうすれば良いのか教えてください』と。

ちなみに全部ホントの事である。嘘は言ってない。

 

なお、この日はアリアが久しぶりに平常運転だったため飯が美味い。

ちなみに車を借りてる方の知り合いからは『蟲毒と丑の刻参り、どっちが良い?』なんてメールが来たが人を呪わば穴二つとだけ言って返信してやったらしばらくして大量のムカデの画像を送られた。『んじゃ、精神攻撃にしとく』とかマジふざけんな。吐きかけたぞゴルァ。

 

 

 

んで、翌日。

とりあえず今日は朝からアリアが平常運転ではなかったため調子悪い?と聞いてみた。

何故か盛大に溜め息。ダメだ理由が分からん。

一応朝食はいつも通りのものだったので問題は無いだろう。

だがやはり心配なので『無理はするなよ』と言い含めてから送り出した。

さて、そのあとの俺の行動は単純だ。

室内での移動は足を引き摺って腕で移動するしか無いため床を清潔にしておかないと服が簡単に汚れていくので清掃をしたり、武偵校のレベルはそれほどでも無いとは言え勉強に送れないように一人で勉強したり、趣味から始めた小物作りをしたり、ネットを適当に回って時間を潰したりだ。

これに時々アルバイトが三、四時間ほど入るのが俺の生活である。

ただ、やはりどうしても足で移動できないと行動範囲を縛られてしまうので生活はインドアになる。

だから基本的に何かを楽しみにするなんて事は少なくなってしまうのだ。

 

だがしかし、今日は違う。

昨日知恵袋に上げた例の質問に対する解答があるかもしれないのだ。しばらくアリアの様子が変だった理由が分かるとなってワクワクが止まらない。

どれ………お、解答が3つも。

ちょい長いから要約すると…

『いや、アンタラノベの主人公?(笑)その子絶対惚れてるよ』

 

『え?これ釣り?まぁ真面目に答えるならその同居人はアンタに惚れてるね逆に気付かないアンタを尊敬するよ。とりあえずアンタから告ってみりゃ治るんじゃね?』

 

『盛大に爆発しろ。末代まで祝ってやる。これしか言えんぞ。てかアンタ鈍感って言われたことない?』

 

だそうだ。

感想?聞くなよ。マジか。の一言に尽くすしかないさ。

確かに吊り橋効果の典型例をやった上一年弱世話してもらってるけどさ…まさかアリアが俺に惚れるなんて………

しかも厨坊の頃に罰ゲームで告白された俺がだ。

あー、でも今アリアが俺に惚れていた前提で自惚れも含めまくって考えればアリアがボーッとしてたのは俺の事を考えてたからで俺が話し掛けると顔を真っ赤にして倒れてたのは何か考え込んでた時不意にその内容に関わる俺に突如声を掛けられたからで、今朝呆れてたのは俺の鈍感さに対して………

 

うわぁ、気付けば完全に俺ラノベの主人公じゃん。どっからどう見ても鈍感だ。

い、いや言い訳をさせてもらうと今年は色々あってだね………って言い訳にもならん!

てか俺、めっちゃ恵まれてるよな…普通の武偵なら世話焼いてくれるやつなんて居ないだろうし、それが美少女とか………

これは完全に俺がダメなやつだわ…なんか自分を嫌いになりそう。

俺はとりあえず、具体的な解決法を書いてくれた二番目のやつをベストアンサーに選び、ヤホー知恵袋を閉じた。

 

………よし、じゃあ今日はアリアが帰ってきたら明日に重要な仕事があるなんて事じゃなければ告白しよう。

なに、俺もアリアの事は好きだし、アイツが本調子じゃないのが俺のせいならどうにかしてやらないとな。

よし、決めた。明日アリアに重要な仕事がなけりゃ告白。もう確定。覆さない。

俺は覚悟を決めて告白することにした。

だとしたらまず、ジャージ姿じゃ駄目だよな…まぁせめて普通の服にしておくか。

変にカッコつけすぎるのもあれだし………

結果的にこの服選びには数時間は掛かったため、ようやく服を決めた時にはいつもアリアが帰宅する時間のちょっと前になっていた。

アイツ、しょっちゅう日帰りでやれるからとか言って銀行強盗潰して来るんだよな…ちなみに潰してというのは間違った表現ではない。主にシモの方で。

そんな訳でアリアの帰宅時間は5時~6時くらいと言った具合になるのだが、疲れている筈なのに帰宅してから料理までしてくれるのだ。

まったく持って感謝する他ない。

これも、今思えば俺を想って故の………てかこんな事言っているとナルシストにしか見えないので自重。

 

ガチャ

 

お、そんなこんなしている内にアリアが帰ってきたみたいだな。

とりあえず玄関まで行くとしよう。

俺は腕の力で足を引き摺りながら無理矢理玄関の方まで行こうとする。

だがしかし、ここはあくまで学校の寮。そもそも健常者の利用を考えているため………

「あがっ」

 

そんな移動をしていれば当然のごとく体のどこかをしこたま打ち付ける。

やべぇ。ドジ踏んだ。

しかも今回は打ち所が悪い。肩を打った。

俺の移動法では肩に負担が掛かるからこれはキツい。

「ただいま………ってキンジ!?何してるのよアンタ!自分の状態分かってるの!?」

 

あ、まずった。

どうやら玄関に迎えに行くつもりが逆に廊下で無様な状態で見られてしまったようだ。

しかもアリアに心配かけちまったなぁ………

「いや、すまん。ちょっと大事な話があるからさ、玄関まで迎えに行こうと」

 

とりあえずこの状況をどうにかするため話題を変えようと、ひとまず謝って本題への道筋を作る。

「だからって無茶な事して良いわけが無いでしょ!もしもアンタが怪我したりしたら私がどれだけ心配するか分かってるの!?」

 

だが失敗した。どうやらアリアの気分は収まりきらないらしい。

まぁいつもは基本的に慎重に動いてるからな。いつもより急ぎすぎてしまった。と反省する。

とりあえずここは素直に謝るべきだろう。どうせ慣れない事をした俺が悪いんだし。

俺はすぐに平謝りし、事なきを得た。というか基本俺達の場合喧嘩が大きくなりはしないんだがな。主にコミュニティが狭くて頼る相手が居ないとか物理的に移動が大変だとか。

お互いにお互いが欠かせないってのがある。

うーむ、俺はアリアに頼りすぎなのか?

いや、ここで考えても仕方ないか。とりあえず告白………って、アリアはもう料理に取り掛かってるな。

流石に料理中は駄目か。常識的に。

ならいつ言うか………俺の場合いつって決めとかないとすぐに先送りしそうだし、決めておこう…………夕食の途中にするか?

適度にリラックスしてて、特に忙しい訳でもないタイミング。

俺はひとまずいつ告白するかを確実に定めると、その時を待つことにした。

 

 

 

と、言うわけで約45分後。

なんか今日のアリアの料理はいつもより気合い入ってるように感じる。

なんだろう。見た目に変わりは無いのに良く分からない………想い?的な物が伝わってくる。

もしかしてアリアから告白する予定だったりするのかもな…まぁこっちからさせてもらうが。

告白なんて男子からするものと相場が決まってるからな!女子から?二次元の中だけだろ?

「ほら、早く食べなさいよ。冷めちゃうでしょ?」

 

おっと、アリアから早く食べるよう催促が来た。

ならちょっと心の準備が終わってないが言ってしまおうか。

これで玉砕したらこの1年近い関係がぶっ壊れるだろうが…それでも言おうじゃないか。

「あぁ、そうだな…と言いたい所だが、その前にアリア…お前に話がある」

 

「何?」

 

あぁ、なんか言う直前だってのに緊張してきた………こんな時あのモードならなぁ………

ってアホか俺!告白は自分自身でやらなきゃ駄目だろうが!んなモンに頼ってどうする!

そう心中で叫んで己を鼓舞する。

そして、意を決し言葉を紡いだ。

「お前が好きだ。俺と…付き合ってくれ」

 

緊張のあまりうっかり声が裏返り掛け、とてもマトモな告白とは言えなかったが、それでも想いは伝えた。

あとはアリアの反応を待つのみ………どうだ?

「……………………………………………………良いわよ」

 

長い沈黙の末のアリアの返答を聞いて、一気に緊張が解け、安堵のあまり体の体勢を崩してしまった。

まったく、我ながら情けない………そう言えば何かを忘れているような気が。

 

そうだ。飯を食うのを忘れていた。最初に告白しようと決めてからついさっきまで完全に意識から消えていたな。

アリアの作る料理は美味いんだし、冷めてしまったら損だ。

そう思って冷めない内に食べようと料理に橋を付け、少し食べた。

やはり今日の夕食はいつもより美味いように感じる。作る相手の想いによってここまで味が変わる物なのか?

まぁ、美味いことに越した事はないが。

「相変わらず美味しそうに食べるわねぇ。作った方としては嬉しい限りよ?」

 

不意にアリアがそんな事を言ってきた。

その時はたまたま飯を口に入れていたので『そりゃどうも』。と視線で返す。

あぁ、これが幸せってやつなんだろうか?

日常を謳歌して、可愛い彼女が居て同居(同棲?)してて食事に困ってない。恵まれてるなぁ。

こんな生活がずっと続けば良いんだ………














今回の後書きはあえて十行隙間を空ける。
ちなみにこの話は個人的分類では『ほのぼのミラクルハッピーエンドヤンデレ』という分類になる。
ほのぼの?まぁ普段のやつに比べマトモだよね。相手方の思考回路が。
ミラクル?まぁ後述の部分で分かるね。
ハッピーエンド………は言うまでもなし。主人公さえ幸せだと感じていればそれはハッピーエンド。
と、いう訳でこの話の微妙なヤンデレ要素を紹介。

・1年も世話を焼く
ヤンデレには何もかも相手に捧げてしまうタイプの献身型が存在する。アリアはそれの初期状態。もちろん引き返せるが他タイプの危険性から考えて引き返さないのが妥当。

・コミュニティが狭い
基本ヤンデレ化するのは他人との関わりが少なく、数少ないそのチャンスを逃がさないようにと独占欲を募らせていくため。という論があるため。

・ツンデレ
メチャクチャ好きなのにどうしても想いを伝えられない、ずっと近くに居るが故にそのモヤモヤが肥大していき変な方向で放出されるとヤンデレになるパターンがある。
今回はそのパターンによるヤンデレ化寸前で主人公側から告白したためある意味凄くミラクル。

この3つがこの作品におけるヤンデレ要素。意外と簡単なことからー人はヤンデレとなるのだ。
ちなみに次回投稿は未定。誰を書くかはいまだに決めかねている。

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