何だかんだあってようやく森の奥へとたどり着いた僕ら。それにしてもここに来るまでの間、木のオバケに道を塞がれ、要求してきた肥料をあげたりもしていたけど……
「所でスール……」
「な、何?」
合流してからずっと僕の腕を掴んでいるスールだけど……うん、呪われてるし怖いっていうのは良く分かるけど…………痛いんだけど……あと
「リディーも何で腕組んでるんだ?」
「気にしない気にしない」
いや、気にするなって言われてもな……絶対にノリで組んできてるだろ。おまけにルーシャは僕の後ろにいて服をつかんでるし…………
「なんとかここまで来たけど……正直動き辛かったんだけど……マティアスさん……助けて……」
「まぁ変に手助けするより諦めた方がいいぞ」
「本音は?」
「少しは今の状況に対して俺への憎しみを感じてくれ」
完全に私怨じゃないか…………
ふと気がつくと墓場の近くに看板が設置されてあった。スールはマティアスに読むようにと頼み、マティアスが読み上げると……
「『よくぞここまで来た。この近くにある井戸から聖水を汲み上げ、墓を綺麗にすれば呪いはとける』だってよ」
「全部って面倒ですわね。一気に出来ませんかしら?」
「こういうのはしっかり一つ一つやらないと痛い目に遭いそうじゃないか?」
「そうだよ!しっかりやらなかったら余計呪われちゃうかもしれないでしょ!」
「仕方ありませんわね」
ルーシャも渋々納得して、お墓を綺麗にすることになった。
なったのだけど……
「あーもう!面倒臭いですわね!一気に撒いてしまえばいいんじゃないですの!」
「いや、ルーシャ……流石にそれは……」
「スール、考えてみなさい。撒くだけなら問題はないはずですわよ!」
「うーん、止めとくよ。やるならルーシャ一人でやりなよ」
「あら、いいですの?後からその話乗ったなんて言っても遅いですわよ!」
ルーシャは聖水を撒き始めると何処からともなくオバケがやって来て、ルーシャにお仕置きをするのであった。
「流石に可哀想だからルーシャへの罰はやめとこう」
リディーはそう呟くのであった。
暫くしてようやくお墓を綺麗に出来、看板の文字が光始めた。
「何々、『私たちと遊んでくれてありがとう。呪いは解いておいたよ。それとこれはお土産にどうぞ』だってよ」
「わぁ~綺麗な石」
何だか不思議な欠片を貰い、こうして絵の中の探索は終わるのであった。
元の世界に戻り、これからはアトリエランクを上げる度に絵の世界に行けるようにしてもらうことになった。因みに絵を手にいれる方法としては、マティアスが頑張るらしいけど…………
「それで何で僕は二人と一緒に寝ないといけないんだ?」
「それは勿論!ルーシャと一緒に行動していたからだよ」
「まぁこれで済むんだからいい方でしょ」
なんと言うか……この二人に対して抜け駆けをしないようにルーシャに言っておく必要があるなと思いつつ、その日は眠りにつくのであった