不思議な錬金術師と物語師   作:水甲

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久しぶりの更新ですみません。


第12話 どうにかしよう

港に行き、この街で起きている異変についてようやく理解した。

広がる湖。その中心には巨大な竜巻が起きていた。これはどうにかするのは難しいよな

 

「さてどうするんだ?フィリス」

 

「どうするって……どうしよう」

 

「とりあえず宿に戻らない?このまま見つめていてもどうにかなるわけないし」

 

リア姉の言うとおりだな。俺たちは宿に一旦戻り、どうするか話し合うことにするのであった。

そんな最中のことだった。一人の見知らぬ女の子が声をかけてきた。

 

「お姉ちゃんたち、湖を渡りたいの?」

 

「えっと……あなたは?」

 

「私はメア。もし時間があったら今何が起きてるか教えてあげるよ」

 

何が起きているかって、見ただけ以上のことがなにかあるというのか?俺らはメアの後をついていき、彼女の家を尋ねるのであった。

 

「あの竜巻は突然起きたんだよね。そのせいか街から賑わいが消えて、みんなイライラしてるんだよね」

 

「確かに街の人の話を聞く限りじゃそうみたいね」

 

「あれ?竜巻をどうにかしないと私達ここで……」

 

「うん、お姉ちゃんたちはこれ以上進めないよ」

 

「ど、どうにかしないと……」

 

どうにかするって言われてもな。ああいう自然現象に対して俺たちがどうにか出来るっていうのは……

俺はふっと時空の筆を見つめた。もしかしたら……

 

「とりあえずフィリスとリア姉は宿で休んでて、俺はもうしばらく街を見てるよ」

 

俺はそう言って、二人と別れ港へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

港に行き、巨大な竜巻を見つめた。

 

「どうにか出来るかはわからないけど、やって見る価値はあるな」

 

時空の筆を取り出し、『巨大な竜巻』という文字を書き、竜巻に向かってぶつけた。竜巻同士ぶつかりあえば相殺することが出来るはずだ。そう思っていたけど、俺が生み出した竜巻は一瞬で消えた。

 

「くそ、無理か!?だけど……まだまだ」

 

俺はいくつもの竜巻を生み出し、ぶつけていくのであった。

 

 

 

 

 

フィリスSIDE

 

深夜になってもハルカは戻ってこなかった。一体どうしたのだろうと思いながらもう休もうとしたとき、部屋の扉が開く音が聞こえた。

 

「ハルカ、おかえ……きゃあ!?」

 

ハルカを出迎えた瞬間、何故か突然抱きついてきた。ど、どうしたのだろう?一体……

 

「あらら、ハルカったら大胆ね」

 

「り、リア姉……そんなこといってないで……ってハルカ?何だかボロボロだけど……」

 

「ふぃ、フィリス……か?悪い……筆の力を使いすぎたみたいで……身体が……」

 

筆の力を使いすぎたって、一体何に?もしかして……

 

「竜巻を消そうとしたの?」

 

「そ、そんな感じ……でも俺の力じゃ……駄目だった」

 

「ハルカ……」

 

ハルカは眠りにつき、私とリア姉でベッドに寝かせるのであった。

 

「全くハルカは無茶するわね……」

 

「もしかして私のために?」

 

「かもしれないけど、もしかしたら街の人のためでもあったりしてね」

 

もうハルカは頑張り過ぎだよ。でも、ハルカ、今度は私が頑張る番だよね。でも竜巻を消すことができないとしたら……竜巻に負けない船を作るとか……船?

 

「リア姉。私も頑張ってみてもいいかな?」

 

「ハルカみたいに無茶するのか?」

 

「もしかしたらだけど……錬金術で竜巻に負けない船を作ろうと思ってるの」

 

「フィリスちゃん……すごいわ。錬金術で船を作るなんて……」

 

「とりあえずやれることだけのことはやってみる」

 

ハルカが頑張ったんだから、私だって頑張らないと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハルカSIDE

 

目を覚ますと部屋には誰もいなかった。昨日は確か……竜巻を消そうとして力を使い果たしたんだっけ?

 

「フィリスとリア姉は?」

 

どこに行ったのか俺は探すことにした。

 

しばらく町中を探し回っているとテントを見つけた。もしかして錬金術で何かをするつもりなのか?

 

「フィリス、いるか?」

 

テントの中に入るとそこにはフィリスとリア姉だけではなく、ソフィーさんとプラフタさん、それにアラヤ師匠がいた。

 

「あっ、ハルカ。起きて大丈夫なの?」

 

「あ、あぁ……」

 

「聞いたぞ。ハルカ。竜巻を消そうと筆の力を使いすぎたんだってな」

 

「は、はい……でも……」

 

「発想は悪くはないけどな。ハルカ一人じゃ無理だな」

 

師匠はため息をつき、夢想の筆を取り出した。

 

「ソフィー、お前たちは……」

 

「任せて、フィリスちゃんの手伝いだよね。アラヤは無理しないでね」

 

「あぁ、ハルカ。行くぞ」

 

「行くって……」

 

「僕たちに出来ることをするためにな」

 

俺は師匠に連れられ、テントを後にするのであった。

 

 




短めですみません。

なるべく更新続けたいとは思っています

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