それから皆から色んな話を聞き、二人の体が段々と完成していく中、僕はあることを調べていた。
「僕達のいる世界とエスカさんがいる世界の繋がりか……」
ディンが言うには世界はつながっているらしいけど……もし繋がっているとしたら一体どこが分岐点なんだろうな
いくら考えても答えにたどり着かない。このまま考え込んでいてもしょうがないな。今はある事を進めないと
僕は夢想の筆であるものを描いていく。もしかしたら人の姿になったディンにはきっと必要になるかもしれない
そして必死に描いていき、完成するのであった。そしてそれと同時にソフィーがやってきた。
「アラヤ、完成したよ」
「完成って、ついにか?」
「うん、エスカさんに教えてもらいながらだったからかな?もっと時間がかかると思ってたんだけどすぐにできたんだよ」
エスカさんに教えてもらいながらって……前にあっちのロジーさんが言ってたけど、エスカさんの教え方は独特だって……ソフィーはそれを理解できたというのか。ある意味すごいな
「それで早速か?」
「うん、アトリエに行こう」
ソフィーは僕の手を掴み、アトリエまで走りだすのであった。
アトリエにたどり着くとプラフタとディンとエスカさんの他にモニカ、オスカー。そして何故か前にあったメクレットとアトミナの二人がいた。
「二人は何でここにいるんだ?」
「ちょっとおもしろそうなことをするって聞いてね」
「私達も見てみたかったから」
「そうか」
そういえばこの二人って錬金術について調べてるって言ってたから、もしかして今回のことに興味があるんだろうな
「それじゃプラフタ、早速」
『はい』
「こっちもディン」
『あぁ』
僕とソフィーの二人は幽世の羅針盤を取り出すと2つの本から光の玉が飛び出し、僕らの目の前にある二対の人形へと入り込んだ。
そして……
「ふぅこれは……」
「プラフタ?大丈夫?変な所無い?」
「はい、大丈夫です」
銀髪の少女の人形、プラフタ。
「ディンは?」
「ふむ、いい感じだ。オートマタを初めて作ったとはいえこれほど腕を上げるなんてな。ソフィーも成長したな。そしてエスカもな」
「ううん、みんなのおかげだよ」
ソフィーは恥ずかしそうに笑うとエスカさんはプラフタにあるものを渡した。
「これなんだけどね。プラフタも外に出る機会が増えるから護身用の武器として……」
それは変わった形をしたガントレットだった。プラフタはそれを受け取ると
「ほう、これはさすがはエスカです。これほどのものをつくり上げるなんて……助かります」
「えへへ、ちょっと前にロジーさんと一緒に考えてたんだ~」
どうやら物凄い武器らしい。そんなものを作れるなんて凄い人だな。
「でアラヤ」
「何だ?ディン」
「俺にはなにか無いのか?」
やっぱり思った通り言うと想っていたよ。僕は一枚の紙を取り出すとそこから一本の剣が出てきた。
「何だ。普通の剣じゃないか?」
「普通の剣じゃないよ。前にシオンさんの武器を見せてもらった時に似たような武器の中に剣もあるって聞いてたから……ちょっと描いてみたんだよ」
「おいおい、錬魔剣を作り上げたというのか?」
「まぁ炎とか風とかそういうのは出ないけど……使ってみればわかるかな?」
「それならばいいのだが……所でソフィーとプラフタは?」
ディンがそう言うと二人の姿がなかった。
「二人なら早速街にでかけたわよ。もうそれは嬉しそうにね」
呆れながらもモニカは嬉しそうにしていた。まぁ仕方ないか。そういえばメクレットとアトミナの姿がないな。何処に行ったんだ?
「やっぱり彼はそうだったみたいだね」
「うん、あの時の人だね」
「でももうこれ以上はどうすることも出来ない」
「あの大釜さえ見つかれば……」
それから更に数日後、エスカさんが元の世界に戻るための装置を完成させることに成功した。
「ありがとうね。ソフィーちゃん」
「いえ、エスカさんには一杯教えてもらいましたから」
「何だかまた会いたいけど大変なことになりそうだからやめとくね」
「そうですね。本来は会わないほうがいいですからね」
プラフタがそう言う中、僕はエスカさんに二枚の紙を渡した。
「これは?」
「一枚は前にエスカさんが話してたフラメウさんの人形。上手く行けばプラフタやディンと同じようにできるから。それともう一つはディンがもしかしたら必要になるかもしれないって書いたものなんだけど……ディン。ほんとうに良いのか?」
「あぁ、いずれ必要になるさ」
そういうディン。何も話してはくれないけどほんとうに必要なんだろうな。
「それじゃエスカさん、今度こそ」
「うんさよならだね。みんなも元気でね」