東方鳳凰屋   作:土方

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どうも、土方です。このクロスオーバーも次でラストです。どうぞ。


タチコマの魂 番外編最終回~前編~

妖怪の山の事件から、一夜明けた。鳳凰は永遠亭の庭で刀の手入れを終えた後、こころ達やこいしがいる病室に戻る所だった。

 

 

番外編第9話「タチコマの魂 最終回~前編~」

 

 

鳳凰「今回の戦いで次元刀の調子が悪くなったな。小傘が治ったら次元刀を直してもらおう。・・・ん、あれは、タチコマとにとりと永琳とてゐだ。」

 

 

すると、タチコマが鳳凰に気付いた。

 

 

タチコマ「あっ、鳳凰さん。」

 

 

鳳凰「タチコマ、これからどこに行くんだ?」

 

 

タチコマ「これから、こころちゃん達とこいしちゃんが居る病室に行くんだ。」

 

 

鳳凰「ちょうど私も行く所だったんだ。一緒に行ってもいいか?」

 

 

タチコマ「いいよ。」

 

 

鳳凰「ところで話は変わるんだが、タチコマどこも異常はなかったのか?」

 

 

タチコマ「うん。異常はなかったよ。」

 

 

にとり「それが、何回も調べたけど異常は無かったんです。普通はあれだけの電流浴びればショートするのに?」

 

 

鳳凰「おいおい。あれだけの電気浴びれば、ショートはするはず・・・ん!!?」

 

 

タチコマ「ん、どうかしたの?」

 

 

鳳凰「いや、何でも無い。」

 

 

鳳凰はこっそり永琳に聞いた。

 

 

鳳凰「おい、永琳。もしかしてタチコマは・・・。」ヒソヒソ

 

 

永琳「鳳凰、あなたもわかったみたいね。今、風見さんが小町さんを連れて来るわ。それでわかるはず。」ヒソヒソ

 

 

鳳凰「・・・・・。わかった。」

 

 

てゐ「何、話してるの?」

 

 

鳳凰「別に何でもない。」

 

 

鳳凰とタチコマ達はこころ達とこいしが居る病室に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

タチコマ「みんな!!怪我は治った!?」

 

 

鳳凰「よっ、調子はどうだい!!」

 

 

勇儀「よっ、鳳凰。」

 

 

アリス「あら、鳳凰じゃない。」

 

 

鳳凰「師匠とアリスも来てくれたんだね。」

 

 

鳳凰とタチコマ達は病室に入った。

 

 

こころ「タチコマ・・・!!鳳凰・・・!!」

 

 

メディ「タチコマの方こそ、治ったの?」

 

 

タチコマ「僕はこの通りさ!!」

 

 

小傘「元気そうだね・・・。良かった・・・。」

 

 

タチコマ「小傘ちゃん、大丈夫・・・?」

 

 

小傘「うん・・・。大丈夫だよ・・・。」

 

 

タチコマ「・・・・・。」

 

 

永琳「タチコマ、心配する事は無いわ。暫く安静にしていれば、彼女も直ぐに元気になるでしょう。」

 

 

鳳凰「永琳がそう言ってるなら、大丈夫だな。」

 

 

てゐ「お前は、目を血走りになりながら心配してたけどな。」

 

 

鳳凰「うっ・・・。」

 

 

タチコマ「みんな、ありがとう・・・。僕が動けなかった間、みんなが頑張ってくれたから、こいしちゃんを止める事が出来た・・・。」

 

 

タチコマ「本当にみんなのお陰だよ・・・。」

 

 

こころ「・・・・・。」

 

 

メディスン「友達が困っていたら助ける。それが何でも屋”鳳凰”とツクモガールズの掟よ。」

 

 

タチコマ「メディスンちゃん・・・。」

 

 

こころ「何でも屋”鳳凰”とツクモガールズにはそんな掟があったのね・・・。」

 

 

小傘「わちきも知らなかったな・・・。何時の間にそんな掟が出来ていたの・・・?」

 

 

鳳凰「ん?何でも屋”鳳凰”にそんな掟があったけ?」

 

 

メディ「私が今作った。」

 

 

こころ「・・・・・。」

 

 

鳳凰「今作ったかんかいィィィィ!!」

 

 

タチコマ「でも、良い掟じゃないか。今度から、みんなでその掟を守って行こうよ。」

 

 

小傘「そうだね・・・。」

 

 

鳳凰「やれやれ、まぁいいか。」

 

 

さとり「タチコマ。」

 

 

タチコマ「さとりさん!!」

 

 

さとり「あの時のダメージはもう大丈夫なの?」

 

 

タチコマ「うん、何故か直っちゃったんだ。」

 

 

にとり「本当、何で直っちゃったのかな・・・?絶対、有り得ないのに・・・。」

 

 

勇儀「河城、此処は幻想郷だぞ。何だって起こり得る事を忘れたのか?」

 

 

にとり「そうは言いますけど・・・。タチコマの場合は違う様な気が・・・。」

 

 

永琳・鳳凰「・・・・・。」

 

 

タチコマ「さとりさん、こいしちゃんは?」

 

 

さとり「こっちよ・・・。」

 

 

タチコマはこいしの所に行った。

 

 

こいし「タチコマ・・・。」

 

 

タチコマ「こいしちゃん・・・。」

 

 

こいし「・・・・・。」

 

 

タチコマ「怪我は無さそうだね。中々目を覚まさないから、少し心配だったんだよ。」

 

 

こいし「タチコマ・・・。」

 

 

タチコマ「何?」

 

 

こいし「私、タチコマやみんなに酷い事しちゃったの・・・?」

 

 

タチコマ「・・・・・。うん・・・、そうだよ・・・。」

 

 

こいし「そっか・・・。」

 

 

タチコマ「・・・・・。(こいしちゃん・・・、やっぱり気にしてるのかな・・・?)」

 

 

さとり「タチコマ、貴方・・・!!」

 

 

タチコマ「ん?さとりさん、どうしたの?」

 

 

さとり「今、こいしの事を心配したわよね・・・!?」

 

 

タチコマ「そうだけど・・・。また、僕が何を考えていたか分かったの?」

 

 

さとり「違うわ・・・!!今のは貴方から声が聞こえて・・・!!」

 

 

タチコマ「えっ!?」

 

 

勇儀「オイオイ、タチコマには心が無いから、覚りの力が効かないんじゃないのか?」

 

 

さとり「あの時の歌と言い・・・!!もしかして、貴方に心が・・・!!」

 

 

鳳凰(まさか・・・!!)

 

 

その時、幽香と小町が来た。

 

 

幽香「失礼するわよ。」

 

 

にとり「あっ、幽香に・・・小町!?」

 

 

鳳凰「小町。オッス。」

 

 

小町「何だ?この集まり?一体、何があったんだ?」

 

 

輝夜「死神さんじゃない。もしかして、私のお迎えに来たのかしら?」

 

 

小町「何を馬鹿な事を言ってんだい。アンタを船に乗せたら、何時まで経っても彼岸に着きやしないよ。」

 

 

輝夜「あら、それは残念ね。」

 

 

勇儀「死神、久しぶりだな。まさか、こんな所までサボりに来たのか?」

 

 

小町「幽香に無理やり連れて来られてって・・・。アンタ、何で此処に居るの・・・?」

 

 

鳳凰「久しぶりですね。小町。」

 

 

小町「何でも屋の鳳凰まで居るし・・・。」

 

 

アリス「幽香から、聞いてないのかしら?」

 

 

小町「アリス・マー・・・なんとかまで居るし・・・。幽香、一体何が・・・。」

 

 

アリス「マーガトロイドよ!!!」

 

 

鳳凰「えっ、アリス・マーボーカレーじゃないの!?」

 

 

アリス「アンタは知ってるのに、ボケにまわるな!!!」

 

 

幽香「小町、貴方に紹介したい子が居るわ。」

 

 

小町「あたいに?」

 

 

幽香「タチコマ、紹介するわね。コイツは小野塚小町、私の友人で彼岸の死神よ。」

 

 

タチコマ「僕はタチコマ。小町さん、よろしくね。」

 

 

小町「おう、よろしくな。」

 

 

にとり「アレ?小町、タチコマが喋れる事に驚かないんだね。」

 

 

小町「驚く?何で驚かなきゃいけないんだ?」

 

 

タチコマ「みんな、僕を置物や乗り物と勘違いする事が多いんだ。てっきり、小町さんも驚くと思ったんだけど・・・。」

 

 

小町「まあ、幻想郷の妖怪は人間の姿になる奴が多いからな。あたいとしては人間の姿にならない付喪神が喋っても特に驚きも無いんだけどね。」

 

 

にとり「小町、タチコマは付喪神じゃなくて思考戦車なんだ。簡単に言えば、喋る事が出来る機械なんだよ。」

 

 

小町「機械?何を言ってんだよ。コイツにはちゃんと魂が宿っているから、付喪神だろ。」

 

 

タチコマ「僕にゴーストが!?」

 

 

にとり「ええっ!?」

 

 

にとりとタチコマは驚いた。

 

 

鳳凰「やはりか・・・。」

 

 

幽香「小町、間違いないのね?」

 

 

小町「オイオイ、あたいは死神だよ。魂を見る事に掛けては右に出る者は居ないんだから。と言うか、お前だって魂が宿っているかは見れば分かるだろ?」

 

 

幽香「ごめんなさいね。私は貴方ほど確信を持って、魂を見られる訳じゃないの。」

 

 

鳳凰「私も見れますが、幽香と同じで確信持って言えないんだ。」

 

 

タチコマ「それより、本当に僕の中にゴースト宿ってるの!?」

 

 

小町「ゴースト?魂の事を言ってるのなら、その通りだよ。」

 

 

タチコマ「・・・・・!!」

 

 

さとり「そうか・・・!!だから、私はタチコマの心を読む事が出来たのね・・・!!」

 

 

タチコマ「じゃあ、僕は心も手に入れちゃったの!?」

 

 

小町「心は魂に付隨するものだからな。魂が宿れば、必然的に心も宿る事になるね。」

 

 

永琳「やはり、タチコマの電子回路が修復した理由は魂を手に入れた事だったか・・・。」

 

 

鳳凰「あの時の光はそういう事だったのか・・・。」

 

 

にとり「じゃあ、タチコマが付喪神化した事で自己修復能力が身に付いたって事なの!?」

 

 

幽香「付喪神も妖怪の分類になるから、命の比重が身体から精神に傾く事で体の再生も可能でしょうね。」

 

 

にとり「でも、まさか機械の体でも再生できるなんて・・・!!」

 

 

鳳凰「私も驚いたわ。こんな事は一回も無いからな。」

 

 

小町「しかし、アンタの魂が随分と若いな。もしかして、生まれたばかりか?」

 

 

にとり「小町!!どう言う事か説明してよ!!」

 

 

小町「えっ?何であたいなの?」

 

 

幽香「貴方は魂の選定者である死神よ。魂に関する事柄なら、この場に居る誰よりも詳しい筈でしょ?」

 

 

小町「いや・・・、まあ・・・。」

 

 

にとり「タチコマは作られてから数年しか経っていないんだ!!それがこんなに早く付喪神化するなんて絶対可笑しい!!!」

 

 

鳳凰「確かにそうだな。理論的に。」

 

 

小町「そう言われてもな・・・。説明しようにもそこのタチコマってのに何があったか全然知らない訳だし・・・。」

 

 

幽香「じゃあ、今から説明させるわ。それでタチコマがこれ程までに早く付喪神化した理由を話してちょうだい。」

 

 

タチコマ「なら、僕が幻想郷に来てから何があったか、全部話すね!!!」

 

 

鳳凰「おい。そんなに長く話すのかよ・・・。」

 

 

小町「・・・・・。もしも、話が長いのなら、食べ物や飲み物が欲しいんだけど・・・。」

 

 

永琳「優曇華、飲み物を持って来てあげなさい。」

 

 

鈴仙「はい、只今お持ちします。」

 

 

鳳凰「あっ、ついでに私にもー。」

 

 

アリス「食べ物はこのサンドイッチで良いかしら?」

 

 

アリスは穴が開いたサンドイッチを小町にあげた。

 

 

小町「良いけど・・・。このサンドイッチ、何で真ん中に大きな穴が開いているんだ?」

 

 

勇儀「・・・・・。」

 

 

その時、鳳凰は勇儀の角を見るとちょっとクリームが付いていた

 

 

鳳凰(まさか、師匠・・・。)

 

 

輝夜「まあ、気にせず食べなさい。」

 

 

小町「そ、そうか・・・。」

 

 

鳳凰(・・・・・。知らないで置こう。)

 

 

 

 

 

 

 

 

タチコマ「・・・って事があって、僕は此処に居るんだ。」

 

 

小町「成る程・・・。あたいがサボらず頑張って仕事をしている間、幻想郷でそんな事がね・・・。」

 

 

鳳凰「おい。ギャグで言ってるのか・・・?」

 

 

幽香「はぁ?サボらずとか寝言を言っているんじゃないわよ。」

 

 

小町「そこは本当だし!!ここ最近はサボる暇も無いくらい忙しかったんだからな!!!」

 

 

輝夜「それで?何か分かったのかしら?」

 

 

小町「そうだな・・・。まずは・・・。タチコマ、お前は自分の事を説明する時、自分は付喪神の様な者と答えていたんだな?」

 

 

タチコマ「うん、幻想郷の人達に思考戦車と言っても、恐らく分からないだろうと思ったからね。」

 

 

小町「多分、その所為で多くの奴がお前の事を付喪神と認識してしまった。それがお前の付喪神化を促進した可能性が高い。」

 

 

タチコマ「えっ?」

 

 

幽香「成る程、認識による変化か・・・。」

 

 

鳳凰「確かにそうだな。幻想郷の住民は思考戦車を知らないんだもんな。」

 

 

こころ「え~と・・・。それは・・・?」

 

 

永琳「妖怪と言うのは人間に自身を妖怪として認識される事で、その存在を維持できるわ。つまり、妖怪と認識される事で自身の存在を形成されているの。」

 

 

輝夜「じゃあ、タチコマは自分を付喪神の様な者と説明してきたから、自身の存在が付喪神になってしまったと言う事?」

 

 

小町「それが直接の原因じゃないが、タチコマが付喪神化する土壌を作ってしまったと言っても良いだろう。」

 

 

タチコマ「・・・・・。」

 

 

勇儀「じゃあ、何が直接の原因だったんだ?」

 

 

小町「お前等、道具が付喪神化する主な要因が長い年月を得る事で霊性を獲得し、自身を変化させるからなのは知ってるな?」

 

 

アリス「ええ、付喪神に関する常識的な話よね。」

 

 

小町「なら、妖気の影響でより早く付喪神化する事は?」

 

 

にとり「それも知ってるけど、タチコマが幻想郷に来てからは1ヶ月も経ってない!!!幾ら幻想郷の妖気の影響を受けたとしても早過ぎる!!!」

 

 

鳳凰「私もにとりに同意見だ。1ヶ月未満では付喪神にはならない。むしろ早すぎる。」

 

 

小町「じゃあ、何らかの方法でタチコマに妖気が集まったとしたら?」

 

 

にとり「えっ!?」

 

 

小町「にとり、お前はタチコマのバッテリーの問題を解決する為に妖気変換機ってのを取り付けたんだろ?」

 

 

にとり「うん、まあ・・・。・・・・・。ああっ!!!」

 

 

小町「つまり、タチコマはバッテリーを充電する為、常に妖気を体に取り込んでいたと言う事だ。」

 

 

鳳凰「確かに幻想郷は妖気で溢れているからな・・・。」

 

 

にとり「でも、妖気は電気に変換してたんだよ!!」

 

 

永琳「それでも、変換率は100%では無いでしょ?」

 

 

にとり「確かに7~8割くらいの効率だけど・・・。」

 

 

小町「だったら、その残りがタチコマの中に取り込まれたんだろ。」

 

 

アリス「それが原因だとしても、タチコマの付喪神化は早過ぎるわ。にとりの機械を取り付けたとしても、付喪神化するに至る妖気を蓄積するには数年は必要よ。」

 

 

幽香「アリスの言う通りね。通常、妖気は周囲に散り易く、一ヶ所の留めるには時間が掛かるから、道具が付喪神に長い年月が必要になる。」

 

 

永琳「仮にごく短期間で付喪神化させるには、タチコマの中に妖気を蓄積できる物質が必要だわ。」

 

 

小町「そうだ。だから、それがタチコマの中にあったんだよ。」

 

 

勇儀「そんな物がタチコマの中にね・・・。」

 

 

鳳凰は幽香の方を向いた。

 

 

鳳凰(まさか・・・。)

 

 

幽香「・・・・・。まさか・・・!!」

 

 

にとり「幽香、心当たりがあるの!?」

 

 

幽香「小町、私が作った向日葵油がそれだと言うの・・・!?」

 

 

タチコマ「えっ!?あの天然オイルが!?」

 

 

小町「ああ、恐らくな。」

 

 

鳳凰「そういえば、私の次元刀も幽香の天然オイルを使って手入れしてるから、刀の力があがるんだもんな・・・。」

 

 

幽香「流石にそこまで頭が回らなかったわね・・・。」

 

 

アリス「幽香、どう言う事?」

 

 

幽香「太陽の畑の向日葵は妖怪である私が丹念に育てた事で、向日葵は常に妖気を与えられている状態になるわ。そして、向日葵が世代を重ねた結果、太陽の畑の向日葵は妖気を溜め込む性質を得てしまったの。」

 

 

勇儀「じゃあ、その向日葵から作った油も同じ性質を持っていたって事か!?」

 

 

幽香「タチコマが付喪神化したと言う事はそうなのでしょうね。」

 

 

小町「結論を言えば、タチコマの付喪神化の主な原因はにとりの機械で集められた妖気になる。そして、幽香が作った向日葵油が集めた妖気を溜め込む役割を果たしちまったんだ。」

 

 

にとり「しかも、あの油はタチコマのボディ全体に巡らせている・・・。体の隅々まで妖気が行き渡っていたって事か・・・。」

 

 

勇儀「それにタチコマは暫く地底に滞在していた。地底の妖気は地上より濃いから、より付喪神化が早まったのかもしれん。」

 

 

メディ「じゃあ、河童がタチコマのお父さんでユーカがお母さん?」

 

 

鳳凰「ほぅ、メディうまい事言うじゃねぇか。」

 

 

タチコマ「おおっ!!僕はにとりさんと幽香さんの子供になるのか!!」

 

 

にとり「あたし、そっちの趣味は無いんだけど・・・。」

 

 

幽香「頼むから、そんな風に考えるのは止めて。」

 

 

小町「まあ、お前が付喪神化した原因はそれだけじゃないんだけどな。」

 

 

タチコマ「えっ?」

 

 

小町「お前、幻想郷に来てから多くの奴等に会って来ただろ?」

 

 

タチコマ「うん、此処に居るみんな以外にも沢山会ったよ!!」

 

 

小町「なら、お前が出会った多くの奴等から、様々な感情や意思を受け取ったんじゃないか?」

 

 

鳳凰「なるほど。色んな奴等との出会いの縁が重なったて言う感じか!!」

 

 

タチコマ「・・・・・。そうか!!付喪神化の要因の一つにある人間の念の影響か!!」

 

 

小町「お前の場合は人間以外の方が多いだろうがな。」

 

 

にとり「しかも、タチコマのAIは感情を自らに生じさせる事が出来る。それなら、感情をただ受け取るよりも影響が大きいだろうね。」

 

 

幽香「つまり、タチコマは様々な要素が合わさった事で尋常じゃない早さで付喪神化した訳か・・・。」

 

 

タチコマ「・・・・・。」

 

 

小傘「タチコマ・・・、どうしたの・・・?」

 

 

タチコマ「僕、付喪神になってゴーストと心を手に入れたけど・・・。前と余り変わってないなよ思って・・・。」

 

 

こころ「・・・・・。」

 

 

メディ「確かに変わってない。」

 

 

鳳凰「まぁ、外見は変わらないだろうな。あははは。」

 

 

タチコマ「う~ん・・・。やっぱり、実感が沸かないな・・・。」

 

 

輝夜「死神さん、これはどう言う事かしら?」

 

 

小町「あたいも何とも言えないね。思考できる機械が付喪神になるなんて前例が無いからな。」

 

 

鳳凰「確かにそんな事、聞いた事が無いからな・・・。」

 

 

タチコマ「・・・・・。(これで僕の念願だったゴーストと心を手に入れられたけど・・・。それはつまり、僕の中に意識が存在すると言う事だ・・・。これじゃあ、僕はこいしちゃんを見つける事が出来なくなる・・・。)」

 

 

さとり「・・・・・。」

 

 

こいし「お姉ちゃん・・・?」

 

 

さとり「何でも無いわ・・・。気にしないで・・・。」

 

 

こいし「・・・・・。」

 

 

永琳「タチコマ、貴方は付喪神になった訳だけど、これからどうするの?」

 

 

タチコマ「う~ん・・・。取り合えず、異変の解決の協力の事もあるし、橙さんに色々と相談した方が良いかもしれないな。」

 

 

鳳凰「タチコマ、私も最後まで協力するぜ。」

 

 

タチコマ「うん、ありがとう。」

 

 

幽香「ん?この気配は・・・。」

 

 

妖怪兎「姫様、お客様をお連れしました。」

 

 

橙「皆さん、昨日はお疲れ様でした。」

 

 

すると、橙が来た。

 

 

タチコマ「橙さん!!」

 

 

橙「タチコマさん、昨日の戦闘のダメージは何ともない様ですね。良かったです。」

 

 

にとり「まぁ、何とも無かった訳じゃないんだけどね・・・。」

 

 

橙「えっ?」

 

 

タチコマ「実は斯く斯く然々でさ。」

 

 

鳳凰「それ、流行ってんのか・・・。」

 

 

橙「付喪神化!?本当なんですか!?」

 

 

小町「うわ~、凄い便利。」

 

 

幽香「流石、魔法の言葉よね。」

 

 

鳳凰「えっ!!マジで流行ってんの!!!」

 

 

タチコマ「橙さん、僕が付喪神になった事もそうなんだけど、これからの事について話がしたいんだ。」

 

 

橙「実はその事で貴方に伝えたい事があります。」

 

 

タチコマ「僕に伝えたい事?」

 

 

橙「先程、紫様がお目覚めになったのです。」

 

 

タチコマ「紫?」

 

 

鳳凰「えっ!?紫が起きたのか!!!」

 

 

幽香「あの女、ようやく起きたのか。長い冬眠だったわね。」

 

 

永琳「でも、ほぼ力を使い切った状態からの冬眠だと考えると早い方じゃないかしら?」

 

 

輝夜「私も冬眠したいわ~」

 

 

鳳凰(いつもぐうたらしてる人が何言ってるのやら・・・。)

 

 

タチコマ「あっ、紫って幻想郷の管理者の人の事か。」

 

 

鳳凰「正解!!イグザクトリー!!!」

 

 

こころ「何でカタカナなの・・・?」

 

 

橙「タチコマさん、紫様にこれまでの事をお話したら貴方にお会いしたいそうです。なので、明日の夕刻頃に紫様の快気祝いの宴会を行いますので、博麗神社に来て頂けますか?」

 

 

タチコマ「宴会か・・・。面白そうだし、紫って人にも会いたいから行くよ。」

 

 

橙「他の皆さんも是非来て下さい。この宴会は今回の件の労をねぎらう目的もありますので。」

 

 

勇儀「そう言う事なら、参加させてもらおうかな!!」

 

 

輝夜「鬼は本当に宴会好きね。まあ、私も嫌いでは無いけど。」

 

 

鳳凰「師匠はお酒が好きだもんな。まぁ、私も好きだけど。」

 

 

幽香「その宴会、狐も居るんでしょ?どうしようかしら?」

 

 

にとり「幽香、行こうよ!!折角の宴会なんだよ!!」

 

 

小町「そうだぜ!!酒の席に嫌いな奴が居ても気にするなよ!!」

 

 

幽香「えっ?小町、無関係なのに来るつもりなの?」

 

 

小町「えっ!?行っちゃ駄目なの!?」

 

 

小傘「わちきも行きたかったな・・・。」

 

 

鳳凰・こころ「小傘・・・。」

 

 

永琳「なら、行ける様にして上げるわよ。」

 

 

小傘「本当・・・!?」

 

 

永琳「これでも、薬師だけではなく医者としての名も通っているの。だから、明日の宴会に間に合う様に治療してあげるわ。」

 

 

メディ「エーリン、凄い!!!」

 

 

鳳凰「永琳、ありがとう!!良かったな小傘!!!」

 

 

てゐ「まあ、偶にしくじるけどね。」

 

 

永琳「てゐ、余計な事を言わない。」

 

 

鳳凰「何か心配になってきた・・・。」

 

 

さとりとこいしは難しい顔してた。

 

 

さとり・こいし「・・・・・。」

 

 

タチコマ「さとりさんとこいしちゃんも来るよね?」

 

 

さとり「いえ、私達は・・・。」

 

 

勇儀「来いよ。宴会に来る奴等はお前達の事は気にもしないさ。」

 

 

鳳凰「もし、さとりやこいしを差別したり、差別発言をしたら花火の弾になってやる。フフフ・・・。」

 

 

勇儀「鳳凰、それはやめてくれ・・・。」

 

 

さとり「・・・・・。こいし、どうする・・・?」

 

 

こいし「・・・・・。お姉ちゃんと一緒に居る・・・。」

 

 

さとり「じゃあ、一緒に来ましょうか・・・。」

 

 

タチコマ「決まりだね!!!」

 

 

橙「では、明日の夕刻に博麗神社でお待ちしております。」

 

 

鳳凰「ヒャッハー、久々の酒だァァァァ!!」

 

 

鳳凰とタチコマ達は宴会に行く事になった。

 

 

                          番外編最終回~前編~終わり

                          番外編最終回~後編~に続く


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