天魔「確かこの辺りのはずなんですけど・・・。」
女は頭にキャップハットの帽子をかぶり、眼鏡をかけ、服装は女性らしい恰好。
変装している女の名は妖怪の山の天狗の指導者「天魔」である。
現在、彼女は鳳凰に依頼しに行く所である。
天魔「ありました。ここが何でも屋”鳳凰”。確か寺小屋の2階にあるて射命丸が言ってましたね。」
天魔は寺小屋の2階に続く階段を上がっていった。
ピンポン!!
天魔「すいません。誰か居ませんでしょうか。」
天魔はインターホンを押した後、誰かがドアを開けた。
小傘「はい。どなたでしょうか・・・。」
天魔「すいません。依頼しに来たんですが。」
小傘「はい。依頼人ですね。鳳凰!!依頼がきたよ。」
鳳凰「わかった。早速入って来てくれ。」
天魔は中へと入っていた。
鳳凰「まさか、お前が依頼しに来るとはな。天魔。」
天魔「しかしよくわかりましたね。私が天魔であるて事を。」
鳳凰「言動でわかった。お前はよくそういう喋り方をしているからな。」
天魔「他の人はわかりませんが、長く知っている人はやっぱりわかりますか。」
鳳凰「それで依頼てのは何だ?」
天魔「・・・・・。危険薬物を知っていますか?」
小傘・こころ・メディ「危険薬物?」
鳳凰「まさか”麻薬”か?」
天魔「その通りです。最近、妖怪の山から人里への流通があったんです。」
鳳凰「その流通を暴いて、誰がそれを売ってるのか調査してくれの依頼か?」
天魔「その通りです。」
鳳凰「もしわかったらその場で退治してもいいんだな?」
天魔「はい。もし天狗が犯人だったら妖怪の山から追放か。粛清にしますので。」
鳳凰「霊夢や八雲の面子にも話したのか?これは?」
天魔「一応、話はしました。博麗の巫女も人里で調査するみたいで、賢者様は八雲藍と橙を使い、幻想郷のあっちこっちで調査するみたいで・・・。」
鳳凰「お前はどうすんだ?」
天魔「それは大丈夫です。あなた共に調査しますので。
天狗の内部の調査は総大将が現在してますので。」
鳳凰「別にいいけど。その代わり報酬はたんまり貰うぞ!!」
天魔「あの忘れていませんか?あなたが書くはずの書類を私が書いてる事を。」
天魔がそれを言った瞬間、鳳凰は目を逸らした。
鳳凰「とりあえず私と天魔も八雲と同様、あっちこっちで調査するから。
報酬は無しでいいから。」
天魔「よろしくお願いします。」
小傘・こころ・メディ(こいつ今まで書くはずの書類を天魔が全部書いてたのか・・・。)
鳳凰達と天魔は人里のあっちこっちで調査した。だが、有力な情報が全く無かった。
天魔「あんまりそういう情報は少ないですね。」
鳳凰「人里はそういう薬物関係の話は、多分無縁かもしれないな・・・。」
メディ「そもそも、薬関係は全部兎と竹林の薬師が管理してるから。こんなに情報が薄いかもしれない・・・。」
小傘「そうだ!!確か鈴仙さんが人里内で薬を売っているから、鈴仙さんに直接聞いて見るのもありかも!!」
鳳凰「なら話してみるか。」
天魔「その方が好都合ですね。」
鳳凰達と天魔は鈴仙を探すことになった。
鳳凰「全然見つかんないな・・・。」
小傘「あっ、居たよ!!」
こころ「あれ?霊夢も居るけど?」
天魔「どうやら考えている事は同じのようですね。」
そこには霊夢が鈴仙の首を掴んでいる姿があった。
霊夢「あなたでしょう!!危険薬物を売っているのは!!」
鈴仙「だから違いますよ!!そういう薬は永遠亭では製造と売るのは禁止しているんですから!!」
鳳凰「おい。何しているんだ霊夢?」
霊夢「あっ、鳳凰じゃない。待ってなさい。こいつを退治して無事に解決してやるから。」
鈴仙「だから製造してないて!!」
鳳凰「待て待て。まず暴力振る前にちゃんと話をしような。」
天魔「やれやれ 。今の博麗の巫女は話す前に暴力ですか?」
霊夢「アンタ誰?」
鳳凰は霊夢の耳元でコソコソ話をした。
鳳凰「あいつは天魔だよ。」こそこそ
霊夢「えっ!?天魔!?でも恰好が違うじゃん?」コソコソ
鳳凰「変装してんだよ。人里の人間にわからないようにな。」コソコソ
霊夢「なるほどね・・・。」コソコソ
天魔「何を話しているんですか?」
鳳凰・霊夢「いえ何でもないです。」
天魔は鈴仙に危険薬物の事を話した。
天魔「最近、あなた以外に薬を売っている人物は居ますか?」
鈴仙「いえ、私しか薬を売っていません。何よりそういう人物は人里で見かけたことはありません。」
鳳凰「そうか。こっちでもわかんないのか・・・。」
鈴仙「でも、今の永遠亭では薬物治療の為に入院している患者がけっこういるんです。もしかしたら犯人の姿を知っている人が居るかもしれません。」
鳳凰「本当か!!鈴仙!!」
鈴仙「何なら行きますか永遠亭に。」
天魔「ぜひ頼みます。こっちも犯人の事は聞きたいので。」
霊夢「私も行くわ。今回の件は結構厄介な事があるかもしれないから。」
こころ「じゃあお願いします。鈴仙さん。」
鈴仙「では私に付いてきてください。」
一方、その頃マヨイガの八雲一家では・・・
紫「では、藍お願いね。」
藍「わかりました。早速、妖怪の山の周辺を探ってみます。」
紫「一応、天魔には妖怪の山の出入りを許可したけど、十分に気を付けるのよ。」
藍「わかりました。十分に気を付けます。行くぞ橙。」
橙「はい。藍様。」
藍と橙は妖怪の山へと向かった。
紫(今回の件は幻想郷にとってヤバいかもしれないわ・・・。危険薬物が出た時点で・・・!!)
紫はこう思いながら藍と橙を見送った。
第54話~前編~終わり
第55話~中編~に続く