嫁度対決の料理編です!
最後は恐ろしい結末が…
ではどうぞー!
小町の提案で嫁度対決をやることになった俺たちは今、家庭科室に来ていた。
「最初の対決は料理でーす!審査員の皆さんよろしくお願いします!」
「何だか分かんないけど、みんな頑張ってね!」
「うむ、左に同じ。」
審査員は俺、戸塚、材木座だ。対する参加者は陽乃、雪乃、由比ヶ浜、平塚先生、風鈴だ。小町もこれには参加するらしい。
あ、ちなみに風鈴は小町と一緒にきたそうです。この学校中学生簡単に入れて大丈夫かな?
てか思ったけど戸塚部活は?
「お兄ちゃんもこっちに座ってね〜。」
小町に引かれ俺も席に着く。
「お題は男子が求めるおふくろの味。トップバッターは雪姉!えっとメニューは?」
「パエリアを。」
そういって雪乃が出してきたのはスペイン料理のパエリアだった。
『パエリア』
パエリア、もしくはパエヤまたはパエージャと呼ぶ。米どころとして知られるスペイン東部バレンシア地方発祥の、米と野菜、魚介類、肉などを炊き込んだ料理。スペインを代表する世界的に人気の料理の一つで、本場バレンシア地方ではパエリアの祭りもあるそうな。
それでは一口…、うん。あれだな。
「美味い。文句もいいようがないな。サイゼのやつとはあきらかに違う。さすがは雪乃だな。」ナデナデ
「あ、ありがとう義兄さん///」
「うん、美味しいねー!」
「ほうこれはなかなか…。」
まあ雪乃だから当然だ。
「続いては風鈴ちゃん!どうぞ!」
「え、えっと…ジャーマンポテトです…。」
『ジャーマンポテト』
ジャガイモを主要な食材として作られる料理の1つである。ジャガイモの他にベーコンや玉ねぎなどが入っておりよく夕食で出る料理らしい。
「そ、その…どうですか?」
「うん、美味いな。」
「なんか夕食に出てそうなやつだね。」
「うむ、いつもどおり美味いぞ!いつも済まんな。」
「ならよかったです///」
風鈴はすでに材木座の家で任されているからな。問題はない。
「さて、次は小町です!はい、肉じゃが〜。」
『肉じゃが』
肉じゃがは、日本の煮込み料理のひとつである。肉、じゃがいも、玉ねぎ、糸こんにゃくなどを油で炒めてから、醤油、砂糖、みりんで甘煮にしたもの。肉は、牛肉、豚肉、鶏肉などが使用される。よくうちで小町が作ってくれる。
「まぁ、あれだな。家で食べてるいつもと変わらない味だな。食べ慣れている分小町の愛情が伝わるな、うん。」
「お兄ちゃん......///」
「まあ王道だの。」
「なんか家庭の味ってかんじがするね。これなら僕、小町ちゃんの料理毎日食べてみたいな。」ニコッ
「ふぇ///か、家庭の味なんて///そ、それに毎日なんて…」ボソボソ
なんか小町が顔を真っ赤にしているけどどうしたんだ?
「そ、それでは次は平塚先生です!」
「ふふふ、私はこれだ!」
平塚先生が自信満々の表情でフタを開けると登場したのは茶色くて肉々しい皿。大量の肉ともやし、そして丼いっぱいの白飯。
「これは…肉ともやしを炒めて焼肉のタレぶっかけただけ!」
「それって料理なの?」
陽乃の言葉に激しく同意。だが平塚先生は気にした様子もなく俺に問う。
「どうだ、比企谷。」
「…美味い、美味すぎる…。」
「ははは!そうだろそうだろ!」
「焼肉のタレすげー…。」
「そこは私を褒めろ…。」
え?だって先生焼肉のタレぶっかけただけじゃん?
「次は陽姉だよ!」
「私はこれかな?」
そういって陽乃が出してきたのは半熟卵のミラノ風ドリアだった。雪乃と同じくサイゼにもあるやつだ。
「どう?」
「あれだな。言うことなしだな。」
「ってことは?」
「美味い。陽乃が作ってくれただけで充分だ。」
「もう八幡たら〜///」
てか…
「俺ちょうど食べたいと思ってたんだけどわかってたの?」
「うん!だって私だよ?」
お…さすがは陽乃だな。
「私の前でイチャイチャするなー!!!」
そして最後は…
「さてさて料理対決も大詰めだよ!最後は結衣さんです!」
やばい、俺の全身がそういっている気がする。
「ふふふ…和風ハンバーグだよ!」
「「「「「「「「え…」」」」」」」」
作った由比ヶ浜以外ドン引きしていた。無理もない。 とりあえず黒色の何かであることは分かる。ただ何を持って和風なのか、何を持ってハンバーグなのか、考えさせられる一品だった。 まぁ簡単に言うと食べられるらしい木炭がそこにはあった。
てか誰かこうなる前に止めろよ…
すると材木座が…
「ごらむごらむ。昔から言うであろう。見た目で判断してはいけないと。おそらくこの料理もその姿の奥に輝きを秘めて…。」
ハンバーグ?を口に運ぶと、材木座は衝撃が走ったが如く目を見開き、
「むっ!ぶへぼっ」
と呻いてから机に突っ伏した。
「よ、義輝さん!?」
「」チーン
御臨終様です…。てか、何これ!?
由比ヶ浜以外全員絶句している。
こ、これ次俺の番か?
わざわざこうなるのを分かってて俺は食べないといけないのか?
隣にいた戸塚に視線を送る。
「八幡?どうしたの?」
俺の唐突な視線を不思議に思ったのか戸塚は小首を捻りにこっと笑った。
俺が食べないと…戸塚がこれを… 。
守りたい、この笑顔…。
俺は箸を取り、皿を掴むと…一気に流し込んだ。
おぐぅお⁉何だこの食感⁉味⁉お口の中がブラックホール!?いや、これは味わったこともない拷問の味か!?
「ヒッキー先輩……。」
由比ヶ浜がちょっと潤んだ瞳でこっちを見ている気がするが、お前に食わせてやりたい。本当に。
口の中の物を飲み込んだ。この世全ての悪と言っても過言ではなかった… 箸を置き、小さく息を一つ吐いた。ゆっくりと口を開く。
やばい…意識が…。
「うん…まぁなんというか、頑張って食えば食えないこともないな、うん。」
「褒め方が微妙過ぎる!」
そして感想を言い終わった俺は静かに意識が落ちる。悪い、陽乃…。死んだかも…。
「え、ちょっと八幡!?ねえ返事してよ!ねえねえ…」
「に、義兄さんしっかり!」
「お兄ちゃん!」
「」チーン
そして俺の意識がなくなった後さらに悲劇が…
「あ、まだ残ってるね。あと少しだし僕が食べよっと。」
「「「「ダメー!!」」」」
「もぐもぐ…。」
「……………。」
バタッ
「」チーン
こうして審査員は全員倒れた。
そのとき思ったことがある。
2度と由比ヶ浜に料理をさせないと
その後しばらく俺たちは意識を失ったままだった。