はるのんとはちまんくん   作:アルスDQ

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どうもアルスDQです!今回と前回は由比ヶ浜誕生日回です。ではどうぞー。


プレゼント

バスに揺られて俺たちは会場に来ていた。

 

「で、先に東京ワンニャンショーに見にいくのか?それともプレゼント?」

 

「先にプレゼントを見るわ。」

 

「東京ワンニャンショーには先に寄らんで良いのか?」

 

「寄りたいのはやまやまなのだけれども先にプレゼントを探さないと入り浸ってしまうから…」

 

まあ、そのとおりだな。

 

「それにしても何を買おうかしら…。」

 

「実用的なやつが良いだろうな、使われてるのが分かると気分が良いからな。」

 

「そうね、参考書なんてどうかしら?」

 

えー、参考書?由比ヶ浜にはちょっと…。

 

「雪姉それはやめたほうがいいと思うよ…。」

 

「え、ダメだったかしら…。」

 

「ダメだよ、こう言うのは相手が喜んでいる姿を想像して考えるもんだよ、結衣さんが参考書雪姉から貰って喜ばないでしょ。てか、雪姉普通プレゼントに参考書はないよ…。」

 

小町が呆れながら言う。たしかに参考書貰って嬉しいのは東大とか受けるやつぐらいだな…。

 

「なるほど…義兄さんと小町ちゃんがいてくれてよかったわ。」

 

「俺らが居なかったらどえらい物プレゼントしてたかもな。」

 

「喜んでる姿…、なら由比ヶ浜さんの趣味や何か関連付けられそうな物はどうかしら?」

 

「おー、いいんじゃないか。」

 

「そうそう雪姉そういうのだよ!」

 

そういい俺たちは考えるが…。

 

「………………。」

 

「………………。」

 

「………………。」

 

「いや、俺は分からないって」

 

「小町もわかんないー!」

 

「私も詳しくは分からないわ…最近料理を頑張ってるって事ぐらいしか。」

 

「それで良いじゃねぇかよ、その路線で行ってみようぜ。由比ヶ浜の感じだとファンシーでピンク色みたいなのがいっぱいあるような店が良いだろうな。」

 

「そうね、じゃああそこに行ってみましょう!」

 

腕を引かれ店内に入っていく。

 

いろいろ物色していると雪乃がこれはどうかあれはどうかと提案をしていく。 雪乃がそのうちの一つを手に取って試着した。猫のイラストのやつを。

 

「どうかしら?」

 

「雪姉似合ってるよ!」

 

「雪乃、すげー似合っているぞ。」

 

「あ、ありがとう///。けど、私じゃなくて由比ヶ浜はどうかしら?」

 

「由比ヶ浜にはそういう落ち着いた感じの色はあまり似合わないんじゃないか?どちらかと言うともっと派手な感じのアホっぽい色使いのやつが似合っている気がする。」

 

「義兄さんいいすぎよ…、けど同意せざるを得ないわ。じゃあ、これとさっきのやつも自分ように買うわ。」

 

あ、それ買うんだ。まあ、よく似合ってるからいいけど。けどな…

 

「言っちゃ悪いけど個人的には由比ヶ浜には料理を頑張ってほしくないけどな。」

 

「そうね…、私も同意だわ。」

 

「あれ?結衣さんってそんなに料理下手なの?」

 

「小町、4月に俺と材木座がクッキー食って倒れたことあったろ?」

 

「うん、あのとき1日ぐらい寝込んでたね。」

 

「…そのクッキーの製作者が由比ヶ浜だ。」

 

「…あー、それは小町も頑張ってほしくないと思うよ。」

 

「「「はぁー。」」」

 

思わずため息が零れてしまった。雪乃が由比ヶ浜に何回か料理を教えたことがあるんだが全然上達しない。あそこまで上達しないのは、もはや一種の才能ではないかと疑ってしまいたくなるほどだ。

 

いっそテロ組織に流せて大量殺人兵器になるんじゃないか?

 

雪乃がレジで会計している間待っていると…

 

「あ、八幡〜!」ダキッ

 

「あ、八幡君と雪乃ちゃん。」

 

陽乃とめぐりがやってきた。

 

その後レジを済ませた雪乃と合流し、みんなで近くの店へ入って昼食をとった。そこで陽乃が雪乃に聞いてきた。

 

「んで?雪乃ちゃん何買ったの?」

 

「……友達のプレゼントよ…。」

 

「友達のプレゼント…?」

 

「そうよ。」

 

「」ブワッー

 

そう雪乃が言うと陽乃は急に泣きだした。

 

「ね、姉さん!?」

 

「…よかったね。雪乃ちゃんにプレゼントをあげるような友達ができて…。」グスッ

 

「ええ、私も…よ…かった。」グスッ

 

雪乃ももらい泣きしている。

 

本当になー、俺も嬉しいよ。

 

そのとき小町とめぐりはというと…

 

「あ、ミートスパゲティ1つ〜。」

 

「小町はドリアで!」

 

隣で楽しく食べていたとさ。

 

「雪乃ちゃん!」

 

「な、何!?」

 

「頑張ってね」

 

「…!ありがとう姉さん」

 

うん、今日も仲いいですなー、

 

「それじゃお姉ちゃんたちもう行くね」

 

そう言って立ち上がると2人は手を小さく振って颯爽と走り去っていった。

 

「じゃあ義兄さん、小町ちゃん。東京ワンニャンショーに行くわよ!」

 

「「おー!」」

 

・・・・・・・・・・・

 

「お兄ちゃん!ペンギン!ペンギンがたくさん歩いてるよ!可愛い!」パァ

 

「ああ、そういえb」

 

待てよ。ここで俺が『ペンギンの語源はラテン語の肥満』なんて言えば、この笑顔を曇らせる事にならないか......?

 

「どうしたの?お兄ちゃん。」

 

「......いや、なんでもないぞ。」

 

「どうしたの義兄さん?」ボソッ

 

「あー、ペンギンを見てちょっとな…。」ボソッ

 

「もしかしてペンギンの語源はラテン語で肥満って意味のこと?」ボソッ

 

「ああ。だから言うのやめたんだ。」ボソッ

 

「なるほどね…。」

 

「2人ともどうしたの?」

 

「「なんでもない(わ)」。」

 

と、そこで向こうから犬が此方に全速力で向かってきている。尚2人は気づいてない。

 

「お兄ちゃんどうしたの?」

 

「いや、犬がこっちに走ってきてるからさ」

 

「えっ…?」

 

雪乃もようやく気づいたようで飛び跳ねるように俺に抱きついてくる。 この可愛いやつめ。

 

「義兄さん!犬が!」

 

「どうどう、落ち着け」

 

犬は案の定俺に飛びついてきた。

 

キャンキャンキャン!

 

耳元で鳴きながら顔をベロンベロンに舐め回し満足したのか膝から降りると腹を撫でろと服従のポーズ。 それにしても…

 

「こいつ見たことあるな…どこで見たんだってか…」

 

「ごめんなさーい!うちの犬が迷惑を!」

 

飼い主が来たようだ。 って、

 

「由比ヶ浜さん!?」

 

「あれ?ヒッキー先輩にゆきのん!?それに小町ちゃん!?」

 

「どっかで見た事あると思ったらお前の犬だったか…妙に懐いてると思ったらそういう事か」

 

「何々!?3人でどうしたの!?」

 

「お兄ちゃんとデートだよ!」

 

「ええ、義兄さんとデートよ。」

 

「そ、そうなんだ。ねぇところでゆきのん?それ何買ったの?」

 

「!?え、えと色々よ!色々」

 

ここでバレるわけにはいかないから雪乃が珍しく焦っている。 助け舟をだすか…,。

 

「それよりこんな所に犬連れてきてるって事は美容院にでも行ってたんじゃないのか?」

 

 「あ、ごめん!ゆきのん、ヒッキー先輩、小町ちゃん!またね!」

 

由比ヶ浜はサブレを抱き上げ走って行った。

 

「ふぅ…助かったわ。」

 

「なんとか大丈夫だったね。」

 

「そいじゃ、見回るか。」

 

その後、猫コーナーに行った雪乃は案の定、怒涛の勢いで猫をモフりだした。小町ですらドン引きするほどに......。毎回のことだが。コーナーにいる猫の全てを可愛がった雪乃は満足そうにしていた。......何が彼女をそこまで駆り立てたのか......。猫、だよなぁ。

 

・・・・・・・・・・・

 

翌日 奉仕部部室

 

「やっはろー!」

 

お、今日の主役登場だ。

 

「いらっしゃい、由比ヶ浜さん。待っていたわ。」

 

「待ってた?何で?」

 

「その…」

 

頑張れ雪乃!

 

「これ!」

 

「へ?私に?」

 

「誕生日おめでとう…由比ヶ浜さん。」

 

「っっ!ありがとー!ゆきのーん!」

 

由比ヶ浜が雪に抱きついて頰ずりまでしている。陽乃に写真をメールで送信しとこう。

 

「由比ヶ浜さんくすぐったいわ。」

 

雪乃も表面上は嫌そうだが嬉しそうだ。

 

さっそくエプロンをつけて雪乃とじゃれあっている由比ヶ浜を呼びプレゼントを渡す。

 

「これは俺からな。」

 

「ヒッキー先輩からも!?開けて良い?」

 

「どうぞお好きに。」

 

「わぁ!これチョーカー!?」

 

「いや、犬の首輪だよ。首輪壊れてただろう?だから新しいのをと思ってな」

 

「危な!自分につける所だったよ!」

 

いやいやあきらかに違うだろ…。

 

「く、首輪ならなんだったら私が…。いや、猫耳のほうが…」ボソボソ

 

なんか雪乃がボソボソ言ってるがよく聞こえない。

 

「さて、行きましょうか。」

 

「どこに行くの?」

 

「お前の誕生日を祝うためにパセラ予約してんだよ。もう陽乃と戸塚と小町、材木座や風鈴といろいろ待ってる。」

 

このままあいつらをまたしていたら不埒な輩があいつらにナンパするかもしれんからな。そしたら社会的に抹殺しないと。…その前に陽乃がやると思うけど。

 

「じゃあ、行くぞ。」

 

「あ、待って。ヒッキー先輩、ゆきのん。」

 

「「?」」

 

「ありがとう…。」

 

「「おう(ええ)。」」

 

こうして俺たちは待っているパセラに向かった

 

途中、雪乃の体力が尽きておんぶしたりしたがその後のパーティーは盛り上がり無事、由比ヶ浜の誕生日は終わった。

 


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