はるのんとはちまんくん   作:アルスDQ

48 / 65
どうもアルスDQです!
今回で川崎編終了です。ではではどうぞー!


理由

 

作戦が全て失敗した次の日、俺たちは集まっていた。今日は川崎の働いているバイト先を見つけるためだ。

 

「材木座あったか?」

 

「ふむ、『エンジェル』とつく店は2つあったぞ。1つはメイド喫茶、もう1つはバーだの。」

 

「まあ、メイド喫茶はないね。」

 

「そうね。」

 

「じゃあ、バーに行くか。」

 

と、決まりかけたとき…

 

「あ、あの…。」

 

「「「「「?」」」」」

 

「私、メイド喫茶行ってみたいです…。」

 

「「「「「え?」」」」」

 

「ダメ…ですか?」

 

「まあ、バーは夜だし今から行く分なら大丈夫だけど。念のため行ってみるか。」

 

「はい!」

 

風鈴の意見でメイド喫茶も行ってみることにした。

 

・・・・・

 

「と、ここだの。」

 

「へぇー、ここがメイド喫茶…。」

 

てか疑問に思ったんだけど

 

「材木座、お前メイド喫茶とか行かないのか?」ヒソヒソ

 

「行くわけれなかろうに。我がそこまで勇気はない!それに風鈴殿と2人で来るのもあれだしの…。」ヒソヒソ

 

「八幡さんと義輝さんどうしたんですか?」

 

「「いや、何も。」」

 

「?」

 

と、そこで陽乃が俺の袖をくいくいと引っ張ってきた。可愛い…。

 

「どした?」

 

「なんかメイドの無料体験できるんだって。これでシフト表とか確認できると思うんだけど。」

 

「なるほどな。」

 

そして陽乃、雪乃、由比ヶ浜はメイド体験をすることになった。で、店に入ると…

 

「「「「「「おかえりなさいませ、ご主人様・お嬢様!」」」」」」

 

「これがメイドですか…。」

 

うん、THEメイドだな。陽乃たちはそのまま連れてかれ俺と材木座と風鈴は席に着き適当に注文を頼む。

 

「義輝さん、ここなんかすごいですね!」

 

「ま、まあこれがメイド喫茶だからの!」

 

少し雑談していると

 

「お待たせ八幡!」

 

陽乃たちが着替え終わったようだ。振り向くとそこには…メイド服を着た女神と天使と由比ヶ浜がいた。

 

「八幡どう?」

 

「お、おう。すげー似合ってる。か、可愛いぞ///」

 

「う、うん///ありがとう///」

 

「義兄さん私は?」

 

「雪乃も似合ってるぞ。」

 

「そ、そう///」

 

「ヒッキー先輩、私は?」

 

「うーん、似合ってるんじゃねーの?」

 

「なんか、私だけ雑!?」

 

いや、だって女神と天使とどう比べればいいの?無理でしょ?

 

「私も着てみたいです…。」

 

風鈴も高校生なら大丈夫だったんだけどな…。

それにメイド姿の風鈴を見て材木座が持つかどうかがわからん。いや、絶対持たないな。

 

「あ、でね。シフト表見てきたんだけどやっぱり川崎さんの名前はなかったよ。」

 

「やっぱな。じゃあ行きますか。」

 

そして俺たちはメイド喫茶を出てひとまず解散した。

 

 

・・・・・・・・・・

 

 

今、俺はホテルの前で陽乃たちを待っている。材木座や戸塚とかはドレスコードを突破する服がないので不参加。ここに来る前にみんなでラーメン食ってきたけど。お、きたきた。

 

「八幡おまたせー!」ダキッ

 

「義兄さんお待ちどうさま。」

 

「ゆきのんにドレス貸してもらったんだよ。てかヒッキー先輩いつもと違う!?」

 

いや、眼鏡かけてオールバックしてるだけだけどね。

 

「いつもどおり八幡はカッコいいよ!じゃあ行こうか。八幡エスコートよろしく!」

 

「はいはい。」

 

マナーや女性のエスコートの仕方はいろいろと教えてもらった。そうして俺たちはホテルへと入っていった。

 

店に着くと1人のバーデンダーの女子がいた。あいつが川崎かな?

 

「探したわ川崎さん。」

 

「雪ノ下か…それに由比ヶ浜。あと雪ノ下先輩と比企谷先輩…。2人はデートですか?」

 

「うん!デートだよ!」

 

「まあある意味デートだな。」

 

「何か飲みます?」

 

「私と雪乃ちゃんはペリエで。」

 

「わ、私もそれで!」

 

「MAXコーヒー。」

 

「はぁー?ヒッキー先輩こんなところにMAXコーヒーがあるわけないじゃん!」

 

「いや、あるんだけどね…。」

 

「あるの!?」

 

さすがMAXコーヒーだ。どこの店にも大抵あるのが当たり前だよね。うん。

 

全員に飲み物が行き渡り話し始める。

 

「川崎、お前最近帰るの遅いらしいな。弟が心配してたぞ。」

 

「最近やけに周りが小うるさいと思ってたらあんたたちのせいか。大志が何言った?どういう繋がりか知らないけど、あたしから大志に言っとくから気にしないでいいよ。……だから、もう大志と関わんないでね。」

 

「川崎さん、あなたバイトをやめる気はないの?」

 

「ん?無いよ。……まあ、ここはやめるにしても他のところで働けばいいし。」

 

「あ、あのさ、なんでここでバイトしてんの?あ、やー、あたしもお金ないときバイトするけど、年誤魔化してまで夜働かないし…。そこまでして欲しいものとかあるの?」

 

「別に、お金が必要なだけだけど。あんたらには関係ないし。」

 

このままではラチがあかないな…。と、思っていると

 

パンパン

 

「うん、もう雪乃ちゃんとガハマちゃんは帰ってていいよ。後は私と八幡でやるから。」

 

「…わかったわ。行きましょう由比ヶ浜さん。あとはよろしくね義兄さん、姉さん。」

 

「えっ?あ、うん。」

 

雪乃と由比ヶ浜が陽乃に言われ帰って行った。

 

「あ、MAXコーヒーおかわり。」

 

「あ、はい。」

 

MAXコーヒーが来て一気飲みする。うん、美味い!

 

「ごちそうさん。で、川崎明日、朝5時30分に駅前のマックに来てくれ。」

 

「なんで?」

 

「いいからいいから。ね?」

 

「わかった…。」

 

「じゃあ、俺たちも帰るわ。はい、会計これでいいか?」

 

「丁度ですね、ありがとうございました…。」

 

「じゃあ行くか陽乃。」

 

「うん、またね川崎さん。」ダキッ

 

そうして俺たちも帰って行った。

 

・・・・・・・・・

 

朝5時30分でマックでMAXコーヒーを飲んでいると、川崎沙希がこちらに歩いてきた。陽乃は俺の肩で眠かったのか寝ている。

 

「話って何?」

 

「まだみんな集まってない。もう少し待ってくれ。」

 

少しすると雪乃、由比ヶ浜、小町。そして大志がやってきた。

 

「大志、あんた、こんな時間に何してるの?」

 

と怒りと驚きを合わせた声で川崎は大志に尋ねる。

 

「姉ちゃんこそこんな時間に何やってんだよ?」

 

「あんたには関係ないじゃん。」

 

「関係なくねえよ。家族じゃん。」

 

そう大志に言われると黙る。

 

「川崎、お前がお金が欲しい理由を当ててやろう。大志、一つ聞くぞ。中三になり変わった事があるか?」

 

「塾に通い始めたくらいっすね。」

 

「じゃあ大志君の学費のため?」

 

「大志が4月から塾に通っている時点で多分大志の学費は解決してるんだ。入学費も教材費もその時点で払っている。もともと川崎の家の中ではその出費は織り込み済みだろう。逆に言えば大志の学費だけが解決している状態なんだよ。」

 

「どういうこと?」

 

「つまり学費が欲しいのは大志だけじゃない。川崎が深夜バイトしてまでお金が欲しかったのは自分の塾の学費が欲しかったからだ。うちは進学校だし1年のうちからもう大学受験考えているやつがいてもおかしくない。」

 

「姉ちゃん俺のせいで…。」

 

「だから、あんたは知らなくていいって言ったじゃん。」

 

これで家族的には解決かな。

 

「でもバイトはやめられない。あたし、大学行くつもりだし、それで親に迷惑かけたくないから。」

 

と、そこで小町が

 

「ちょっといいですか?」

 

「うちも両親共働きなんですよ。だからいつも家に帰ると誰もいなくて、それが嫌で昔家出したんですよ。」

 

「でもその後雨が降ってきて帰るに帰れなくて泣いてたんですよ。でも、そのあと…。」

 

「お兄ちゃんが、お兄ちゃんが迎えに来てくれたんですよ。外はひどい雨なのに傘もささずにびしょ濡れで。それで小町にカッパを渡すと『帰るぞ…。』と言ってくれたんです。しかも小町を探して疲れているのにおんぶもして…。」

 

「それ以来兄は小町よりも早く帰る様になったんですよ。だから兄には感謝してるんですよ。」

 

いや大したことじゃないと思うけど、感謝されて悪い気はしないが。

 

「結局何がいいたい訳?」

 

川崎が睨むように聞く。俺の天使を睨まないで!

 

「つまりですね、沙希さんが家族に迷惑かけたくないように、大志君も沙希さんに迷惑かけたくないんですよ。その辺わかってもらえると下の子的に嬉しいかなーって。」

 

川崎は目を見開き大志を見る。

 

「まあ、俺もそんな感じ。」

 

大志がそう言うと川崎は柔らかい笑みを浮かべ大志の頭を撫でる。これだよ、これ。姉弟はこれじゃないと。

 

「でも、お金が欲しいのは変わらないよ。それともあんたたちが用意できるの?」

 

「できる。」

 

「え…。」

 

だって春輝さんの手伝いというかバイトしてたらどんどん溜まっていくんだもん。普段そんな使わないし。

 

「けど、それじゃあ奉仕部の理念に反するからなしだな。」

 

俺は雪乃の方へ目線を向けると雪乃はコクンとうなづく。可愛い…。

 

「なあ、川崎。お前スカラシップって知ってるか?」

 

「スク…ラップ?」

 

「スクラップじゃない…。」

 

「スカラシップだよガハマちゃん。成績優秀者などの特別な人の学費を免除する制度のことだよ。」

 

「そんなのがあるんだ…。」

 

「ああ、川崎はもっと人に相談することだな。先生でも先輩でも何なら塾の講師でもいい。うちは進学校だからいろいろ情報持ってるし誰もがお金をもっているわけじゃない。相談してなんぼだ。それに雪乃に教わってもいいしな。な、雪乃。」

 

「ええ。」

 

と、そこで川崎が聞いてきた。

 

「なんで先輩はそこまでしてくれるの…?」

 

え?そりゃ…。

 

「小町に相談されたから。」

 

「え…。」

 

「下が困ってたらできる限り助けてやるのが上の役目だろ?」

 

「そうだね!私も雪乃ちゃんが困ってたらそうするしね!」

 

「そっか…ありがとう。」

 

「ああ、だからこれからはちゃんと相談するんだぞ。な?」ポンポン

 

「う、うん///」

 

こうして大志の依頼は無事に終わった。

 

その後期末テストも終わり職場見学も終わった。戸塚と材木座と適当なところへ行ったがなかなかよかった。

 

ちなみに順位はというと…

 

 

2年 期末テスト

 

1位 雪ノ下陽乃

 

2位 比企谷八幡

 

3位 城廻めぐり

 

4位 材木座義輝

    ・

    ・

    ・

10位 折本かおり

    ・

    ・

    ・

25位 戸塚彩加

    ・

    ・

    ・

 

 

ってかんじだった。今回は陽乃に1点差で負けた。次は勝つ!戸塚も前回よりかなり上がったらしく喜んでいた。ちなみに1年はというと…

 

 

1年 期末テスト

 

1位 雪ノ下雪乃

 

2位 七里ヶ浜七輪

 

3位 倉見空

    ・

    ・

    ・

    ・

24位 川崎沙希

 

25位 葉山隼人

    ・

    ・

    ・

 

 

だったらしい。ちなみに2位から23位は全員ファンクラブらしい。なんでもみんなで勉強会したとか。すげーな…。

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。