サキサキ編中編です。
どのようなかんじになるのか?ではどうぞー!
昨日の話し合いで今日の放課後から川崎沙希更生作戦が開始される。ちなみに陽乃は生徒会が忙しいらしく今日はいない。作戦は話し合いの結果3つあがった。ではさっそく作戦に移る。
作戦1:アニマルセラピー
昨日、雪乃がこんな案を出した。
「ではアニマルセラピーはどうかしら?」
「アンニンセリピー?ゆきのんそれ何?」
「アニマルセラピーよ。アニマルセラピーとは動物と触れ合わせることでその人に内在するストレスを軽減させたりあるいは当人に自信を持たせたりといったことを通じて精神的な健康を回復させることができると考えられているわ。今回はこれで川崎さんの優しい一面を取り戻そうと思うのだけど。」
「ふむふむ…、わかんない!」
「ようするに動物を使ってやるってことだろ。」
「なるほどー。」
由比ヶ浜…。こいつこれで総武高によく受かったな。七不思議の1つに入れてもいいんじゃない?
「と、思ったのだけどどうかしら?」
「いいんじゃないか?さすがは雪乃だな。」ナデナデ
「うんうん、さすがは私の妹!よしよし。」ナデナデ
「もうっ!姉さんと義兄さんったら!…えへへ…。」
ということがあり今に至る。
「お兄ちゃんー!持ってきたよー。」
「おー、ありがとな。」ナデナデ
「えへへ…。」
そう、小町に我が家の猫であるカマクラを持ってきてもらったのだ。
「で、小町にカマクラを持ってきてもらったけどうするんだ?」
「校門の近くに置いて様子を見ましょう。それで川崎さんの反応を伺いましょう。」
それから数分後…
「にゃー。」ナデナデ
パシャ
「にゃー、にゃー。」ナデナデ
パシャパシャ
雪乃がカマクラと遊んでいた。うん、可愛い。あとで陽乃に見せよう。と、そのときに小町から電話があった。
「もしもし。」
『もしもし、お兄さん。大志っす。』
「なんで小町の携帯にお前が出てるんだ?」
「あ、今比企谷さんから借りてるっす。」
「まあ、いいか…。で、何のようだ?」
『あ、えっと。言い忘れたんすけど姉ちゃん猫アレルギーなんすよ。だから猫はダメっす。』
「マジかよ…。了解だ。じゃあ切るぞ。」
えー、意味ないじゃん。どうすんの?とりあえず引き上げるか…。
「雪乃ー。なんか川崎猫アレルギーらしいからこの作戦はダメらしい。帰るぞー。」
「にゃー!」ビシッ!
こうして作戦1は失敗に終わった。
作戦2:教育者から一言
戸塚からはこんな案が出た。
「先生に話してみたらどうかな?家族とかだと近すぎていえないこともあるかもしれないし。」
「なるほどね〜。」
「なら静ちゃんでいいんじゃない?生徒指導の先生だし。」
「そうだな。」
と、いうことで俺たちは作戦1の次の日に平塚先生のところに行った。
「お、比企谷に陽乃か。どうかしたのか?」
「実はですね、先生に相談がありまして。1年F組の川崎の事なんですけど……。」
「何だ?言ってみろ。…何かまずい事でもあったのか?」
どうやら雰囲気でシリアスさを感じ取ったらしい。良かった。この人は空気の読めない先生じゃないからな。
「実はね、昨日その弟君から相談を受けてね。なんでも深夜のバイトをしていて帰ってくるのが遅いらしいんだよね。」
「…具体的には何時頃だ?」
「…確か朝の5時頃です。」
「…深刻だな。」
そう確かに深刻だ。深夜のバイトは生活習慣を悪くする。そしてそれは自身の健康や学力に悪影響をもたらす。そして何より、高校生は深夜バイトをしてはいけない。
「分かった。要は、私がそのバイトの理由を聞けば良いんだな?」
「…いえ、そうではなく…。流石に先生でもそう簡単にはいかないでしょう。先生には、川崎が何か最近悩んでいることがないかさりげなく訊いて欲しいんです。両親には相談できなくても先生ならできるかもしれないと思ったので。」
「分かった。取り敢えず聞いてみよう。」
「お願いします。」
そして平塚先生が川崎に接触した。俺たちは見えないところで隠れて聞く。
「川崎、少し待ちたまえ」ザッ
「平塚先生…何か用ですか?」
「川崎、最近何か悩んでいることはないか?悩みがあるなら話した方が楽になるかもしれんぞ。」
「特に何もないですけど。」
「そうか?最近けっこう授業中によく寝ていると聞いているぞ。寝不足な理由とかあるんじゃないか?君は高校生だ。大人をもっと頼りたまえ。ご両親も心配していると思うぞ。」
「先生…。」
お、いいかんじか?
「てか、先生親が心配してるかなんて分かんないはずでしょ?独身だし。」
「ぐはっ!」
「私の心配よりも自分の心配した方がいいんじゃないんですか?結婚とか。」
「ぐふっ!」
平塚先生…。
「静ちゃんさすがに可哀想に見えてきたよ。」
「ああ、まったくだ。」
「今回は平塚先生が傷を負っただけじゃない?」
「それあるー!」
その後平塚先生はというと…
「グスッ…今日はもうお家帰る…。」フラフラ
と行って去っていった。もう誰か貰ってあげて!
作戦2も失敗して残りは作戦3だ。
作戦3:恋
最後は由比ヶ浜の意見
「はいはいー!私考えたよ!」
「なんだ?」
「女の子が変わるとしたら1つしかないじゃん!…恋とか…。」
と、いうことで由比ヶ浜はクソに頼んでやってもらうと言った。俺たちは仕方なく、そう仕方なく容認した。ちなみにすぐに回収できるようにファンクラブのやつらを配置して。
川崎が自転車置き場から自転車を出すタイミングでクソが話しかける。
「お疲れ、眠そうだね。」
「バイトかなんか?あんまり根詰めないほうがいいよ?」
「お気遣いどーも。じゃあ、私帰るから。」
「あのさ……。」
「そんなに強がらなくても、いいんじゃないのか?」
「……あ、そういうのいらないんで。てか、私に話しかけないでくれる?あんたのこと嫌いだから。自分と周りだけ良ければいいなんて奴なんて好きになれるはずもないし、普通にあとは嫌いだから。」
「え…。」
川崎はクソにそう返すと帰って行った。まったく同感だ。よく言った!
「よし、回収よろ。」
「「「「了解です!任せてください!」」」」
「えっ?ちょっと…。」
素早くクソを回収してファンクラブは帰って行った。
作戦3失敗。まあ、元から期待はしてなかったけどな。
「まったく使えないし。」
「最初から期待はしてなかったけどね…八幡あとはどうする?」
「そうだな…あとは店に行くだけだな。」
「そうね。」
「じゃあ明日だね!」
こうして俺たちは明日、川崎のバイト先探しをすることになった。