高校生編2話目です!
入学式からさっそく事故った八幡。
その次のお話です。
ではどうぞー!
「…ん。」
目が醒めるとそこは知らない天井だった。
うん、人生で2回目だな。
ふと下の方を見ると足がグルグル巻きだった。
骨折だけでよかったぜ…。
コンコン
と、そのときにドアが叩かれた。
「どうぞ。」
「失礼します。あ、八幡、おはよう。」
「おはよう。」
「って!八幡起きたの…?」
「お、おう。」
そう俺が答えると陽乃はしばらく固まり
「…はぢまん〜!」ダキッ
抱きついてきた。うん、当たってるよ、当たってる。しかしいつものことなので慣れた。というか大分前にだけどね。
「よがっだー!よがっだよー!」ウワーン
「心配かけてすまなかったな。俺は大丈夫だ。」ナデナデ
「うん…うん。」
陽乃を撫でながらしばらくするとぞろぞろとみんな入ってきた。
「お兄ちゃんー!」ダキッ
「おう、小町心配かけたな。」ナデナデ
「うん、お兄ちゃんが無事でよかったよ!」
「義兄さんよかったわ。」
「ああ。」
「八幡君大丈夫〜?痛くない?」
「感覚がないから痛くはないな。」
「あはは!マジウケる!入学式から事故るなんて!」
「いや、ウケないから。」
「ははは!お主も運がないの!」
「まったくだ。」
「八幡さん大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だ。」
一通り全員と話した後、冬乃さんが言ってきた。
「八幡君無事でよかったわ。まあ、骨折で無事というわけでもないと思うけど。」
「まあ、たしかに。あ、俺が助けた犬はどうなりましたか?」
「ええ、犬も無事よ。飼い主がお礼を言いに来たわ。それでね?八幡君を引いた車だけど…」
「はい。」
「なんでも陽乃と婚約していた八幡君が気に入らないやつの犯行だったわ。」
マジかよ…。めんどくさくない?
「でも安心して昨日のうちに捕まえて刑務所に放り込んだから。」
「あ、そうなんですか…。」
まあ、材木座が調べたならすぐに見つかるだろうけど。
「というか、八幡君が轢き逃げされたのを知った夫が直接そのまま制裁にいったんだけどね。久しぶりに怒っているのを見て新鮮だったわ。」
えー、春輝さんがキレてるところなんて見たことないんだけど…。一度見てみたいけど…やっぱいいや。
「で、退院はいつぐらいですか?」
「んー、2週間後くらいかしら。でもしばらくはギプスと松葉杖だけどね。」
「まあ、しょうがないか…。」
「大丈夫だよ!私たちがサポートするからね!」
「そうだね〜。」
「我に任せるがよい!」
「うん!お兄ちゃん任せて!」
「わ、私も頑張ります!」
「私も手伝うわ、義兄さん。」
「それあるー!」
「ああ、すまないが任せた。ふ、これで働かなくていい。」
「はは、八幡らしいね。」
「送り迎えは任せておいて。陽乃と一緒に都築に送ってもらうようにするから。よろしくね都築。」
「ええ、もちろんです。」
「えへへ…八幡と登校できる…。」
こうしてその日はそこで終わった。(ちなみに今まで陽乃はずっと八幡に頭をなでられていた。)
数日後
「八幡ー、来たよ!あ、果物買ってきたけど食べる?」
「おう、陽乃。食べる食べる。」
陽乃が器用にリンゴの皮をむき切り分ける。
「八幡あーん!」
「あーん、はむ…美味い。」
「でしょ!あ、次は私も食べさせて。」
「ったく、ほれあーん。」
「あーん、…ん、美味しい。」
「ならいいや。」
「あ、八幡聞いてくれる?実はね…」
そこからは毎度おなじみ陽乃の愚痴が始まった。クラスの男子がしつこいだの、告白されるだの、結構ある。俺は暇つぶしになるので結構きいててよかったりする。で、最後は必ず…
「…ってわけ。私が好きなのは八幡だけなのにね。」
「俺も好きなのは陽乃だけだ。」
「八幡…」
「陽乃…」
チュッ
「えへへ///またしちゃたね///」
と、まあこんなかんじになる。
材木座と風鈴が来たときには原稿とイラストを見せに来て感想を聞いてきたり、小町がきたときは大抵俺に甘えてくる。めぐりと折本は基本雑談だな。
雪乃はというと…
「にゃ〜。」
「………」ゴロゴロ
「ふにゃ〜。」
「………」ゴロゴロ
まあ、うん。猫化したが気にしない。
その後無事退院した。まだギプスがあったため松葉杖だ。学校までの送り迎えは都築さんがやってくれた。
陽乃と登校できてマジ嬉しいー!毎日俺の肩にこてんと頭を乗せてくるのがまた可愛い。
学校では陽乃の他にめぐり、折本、材木座がサポートしてくれた。家では小町を始め母ちゃん、それにあの親父でさえもサポートしてくれた。
それから数ヶ月後ギプスがとれ完全に治った。
そして時は流れていく。