「うっ…」
俺は酷く寒い場所で目を覚ました。
「えっ!?」
なんとそこは巨大な檻の中だったのだ。
「嘘でしょ…」
しかも、その檻はなんと野外に設置されていたのである。
「すいません…これから何が起こるんですか?」
「えっ?ああ…逃走ゲームさ」
「逃走ゲーム?」
「知らないのか…犯罪者はこのゲームで裁かれる」
「なんだそりゃ!?」
「知らないの!?……俺は友達に国王関連の施設からの盗品を押し付けられてな、あっ!!俺は
「同い年だ、俺は志村 海斗です。俺は殺人罪の濡れ衣やられて…」
「それはつらいな…」
その時
「全員このスマートフォンを受け取れっ!!」
兵士のような人が檻の中の囚人にスマホを配った。
「俺、スマホ持ってるのに…」
俺は過去の世界から持ち込んだスマホを出したのだ。
「あれ、ネットに繋がんないな?」
「なんだそれ?随分、型の古そうなスマホを持ってるな」
「そうかな」
「なにせ今の電池は改良原子力電池だからな、永久に稼働する」
「改良原子力?」
「万が一事故があっても人体に影響が出ない原子力なんだ」
「すごい…」
その時
「さぁ、ゲームスタートだ」
なんと檻の外に商人を撃ち殺した男…国王がいたのである。
「あっ!!あいつだ、俺に殺人罪擦り付けたの!!」
「あれは国王だぞ」
「久保 直毅?」
「ああ…」
そして、
「ルールは10日間の逃走ゲームだ!!1つのチーム27人から30人で構成されてA~Zまであり
「赤服隊って?」
「逃走者…つまり俺達を殺す奴等だ」
「さぁ、各スマートフォンの電源が入ったらゲームスタートだ!!」
「わっ!?」
檻がクレーンで吊られ宙に浮き俺達は出られるようになった。
さらに、配布されたスマホを見ると電源が入ったのだ。
「ゲームスタート!!」
国王の言葉と共に赤服隊が拳銃を発砲してきたのである。
「海斗!!逃げるぞっ!!」
「健太っ!!」
俺と健太はなんとか赤服隊の隙をくぐり抜け逃げたのだった。
途中、逃げている逃走者が何人か拳銃で撃たれていた。
「やっと振り切ったな」
「健太、檻があった場所はどこなの?」
「お台場の国営久保テレビ局前だ」
「お台場とかまるであのテレビ局だな…」
「海斗…どうしてあんな古いスマホを持ってるんだ」
「えっ…」
俺は迷ったが過去から来たことを健太に話したのだ。
「過去から…それ本当の話か?」
「ああ…これは俺の保険証と学生証だ」
俺は財布から保険証と通っていた高校の学生証を健太に見せたのである。
「……なるほど、信じるよ…」
「本当に!?」
「ああ…それにロマンがあるからな」
「ロマンって……ま、いっか…」
「お前の過去のスマホどこのメーカー?」
「えっと…
KUBOは俺の時代での近年、急に成長してきたスマホやPCを売る会社で最初は小さな電気屋だったと聞いている。
「えっ、そのメーカーは国王が経営してる会社だぞ」
「マジか!?」
「確か久保のスマホは国王の祖先が設立してその後は宇宙戦争で壊れた日本を乗っ取りこんな状況にした」
「じゃあこの配布されたスマホって…」
「ああ、久保の会社は元々安いスマホを作って売っていたけど宇宙戦争の後に他のスマホの会社は潰したんだ」
「ひどい…」
俺は配布されたスマホの画面をつけた。
「なんだこれ…」
「ああ、それは俺達のグループの名簿だ」
待受が名簿になっていたのだ。
「名前の横に生存とか死亡って書かれてるのは?」
「生存者リストだ」
その時
「逃げろっ!!」
向こうの方から大勢の逃走者が逃げてきたのである。
「ヤバい、海斗逃げるぞっ!!」
「ああっ!!」
俺と健太は大勢の逃走者の人混みにのまれそのまま一緒に逃げた。
その時も赤服隊による発砲で何人も倒れていったのだった。
一一一一一Bグループ生存者リスト一一一一一
在籍28名
生存25名
死亡3名
逃走ゲーム、ゲームスタートです。最後のリストは逃走者の死亡生存がわかる仕様になっています。