未来逃走   作:中2病人間M

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命の玉事件から約3年が過ぎた2014年…1人の少年が100年後の未来にタイムスリップしてしまった。そして、少年を待ち受ける運命とは……


タイムスリップ

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2114年、日本は崩壊していた。

 

 

2019年に民主主義が崩壊し絶対王政に変わってしまったのだ。

 

 

 

 

 

2014年……俺の名は志村 海斗(シムラ カイト)、年齢は17歳である。

 

 

俺には自衛隊隊員の父がいて日本の政府の話もよく聞ける、そして、約3年前に突如起きた命の玉事件…現在、各国(特にアメリカ)、日本を含め様々な事情で命の玉事件はなかったことになっているが事実であることに変わりはない。

 

 

今日、俺は父とその同僚である伊達 隆弘(ダテ タカヒロ)さんに飲みに付き合わされ居酒屋に来ていた。

 

 

なかったことにされてはいるがその時の活躍が認められ父は伊達さんに階級を抜かされてしまったのだ。

 

 

「芋水割りと焼き鳥」

「おっ、伊達准陸尉(ジュンリクイ)、いいね、焼き鳥、じゃ俺も焼き鳥、それと、俺はお湯割り」

「志村さん、その呼び方勘弁してくださいよ、あれこれ3年経ちますよ…」

「すいません、うちの志村一等陸曹(リクソウ)はちょっと性格ネチネチなんで…」

「海斗!!貴様、えぇい、お前は麦茶でも飲んでろ!!ミセーネン!!」

「いや、飲んでるの烏龍茶なんですけど…それより、伊達さん、命の玉事件の話ししてくださいよっ」

「何度目だよ…しかも、口を慎んでくれ立場上な大声では言えないからな…」

「何故、俺には聞かない?えぇ、息子よ!!」

「だって、死んでばっかだったから…」

「……まぁな…」

「まぁ、それはともかく、小渕 麗子(オブチ レイコ)って言う美人の女神がいてな…ん…海斗~、飲まないのか?」

「未成年です…」

 

 

そして、前にも何回も聞いたことがあったが命の玉事件に関する話を色々と聞いたのだった。

 

 

 

 

その後、居酒屋を出て少し歩き川の近くにきたのである。

 

 

その時

 

 

「おい!!伊達、海斗、気を付けろ!!」

 

 

無茶苦茶の走り方をする車がこちら側に迫ってきていた。

 

 

「志村さん、あれ間違いなく酔っ払いか薬物ですよ!!」

「だな、おい、海斗、下がれ!!」

「はい!!…………!!マジか来やがった」

 

 

車が俺の方へと突っ込んで来ようとしていたのだ。

 

 

間に合わねぇ…こうなりゃ…

 

 

俺は避けきれないと思いガードレールを乗り越えたのである。

 

 

「しまっ……」

 

 

しかし、

 

 

俺は滑り川へと落ちた。

 

 

「海斗ぉぉ!!」

「志村さん、あいつ旋回して来ます!!」

 

 

そして、車は旋回し近くの電柱に激突し停止したのであった。

 

 

 

 

川へ落ちた俺は水中で藻掻いていたのだ。

 

 

ヤバい!!

 

 

俺は必死に泳ぎ水面の近くまで上がるも急に周りに渦巻きのような流れが起きたのである。

 

 

「!!…」

 

 

 

 

 

渦巻きが収まった頃…どうゆうわけだか何故か周りの水がだいぶ黒くなっていた。

 

 

そして、俺は浮上しなんとか川から上がったのだ。

 

 

「臭い…」

 

 

川の水は酷く汚れて臭かったのである。

 

 

しかも、何よりも周りが川へ落ちた場所とは全く違う場所で建物も崩壊しているか又は老廃していた。

 

 

そこへ、

 

 

「どうも~」

 

 

1人の男の人が話しかけてきたのだ。

 

 

「何ですか?」

「これいかがですか?」

 

 

商売人のようでその人は黒い飴のような物を薦めてきたのである。

 

 

「何ですか?それ…」

「えっ!?兄ちゃん…知らないの22世紀にもなって」

「知らないな……ん、22世紀っ?今は21世紀だろ」

「えっ、何言ってるの~現在2114年!!」

「イヤ…2014年だろ…てか、どうして街がこんなにメチャクチャなんだ?」

「えっ!?宇宙戦争を知らないの?」

「宇宙戦争!?知らないな」

「ちょっとまって!?……」

「所で今日は何日?」

 

 

男の人は本を取り出した。

 

 

「えっ?あぁ…2114年12月30日だよ」

「あっ、日付は変わってないのか…てか、マジ、2114年!?マジで何だよ宇宙戦争って!!」

 

 

でも、この状況見れば…けど、川に落ちただけだぞ…

 

 

「これこれ…この本の神話だけど2011年に命の玉を巡る争いがあってな…きっと作り話だと思うけどね」

「事実だ…」

「なわけないだろ」

「各国政府が隠しただけだ」

「はいはいっ…なんか、その宇宙戦争もその神話の作り話の命の玉ってのが関係してるとかしてないとか…まぁ、ハッキリとはわからんが…で、2014年の大晦日、つまり…約100年前の明日にとある惑星で宇宙人が内戦を起こしてな、それで宇宙人の反乱軍はこの星を戦場に使用して俺達の先祖はみんな別の星に強制移民させられて…やっと2019年に宇宙人は去ったが今度はこの国の国王を名乗るやつが現れて民主主義から絶対王政に変わってしまったんだ」

「絶対王政!?国王は誰?」

「本当に何にも知らないんだね、久保 直毅(クボ ナオキ)国王だ…かつて日本と言われていたこの国も今は『大日本王国』に改名されてしまった」

「………酷いな…」

 

 

その時

 

 

50代ぐらいの男性が通りかかったのだ。

 

 

「いかがですか?」

 

 

その人はその品物を男性にも薦めたのである。

 

 

「それは麻薬…ハーブキャンディーだな」

「いや~……お目が高い!!」

「はっ!?麻薬…」

「複数の薬物を品種改良して配合し飴にした物だな」

「その通りでごさいます!!」

 

 

その時

 

 

男性は拳銃を取り出して商人に突きつけた。

 

 

「!?」

「だんなぁ~撃つつもりなんてないくせに~」

「私が誰だか分かるか?」

「えっ………………………!!国王様!?」

「えっ…この人が…」

「私は今、趣味で狩猟(シュリョウ)をしている、私は狩猟者…お前たちは動物だ…さて、どちらの動物を撃ち殺すかな?」

 

 

そして、男性は俺に拳銃の矛先を変えたのだ。

 

 

「わっ!?いや!?やめて…ください…」

「そういえばお前は私のことを知らなかったのか?」

「えっ…」

「そうなんです、この男、先程から変なことを申しており、変質者です、撃つならこやつを!!」

「あん!!麻薬売りさばいてるてめぇに言われたくねぇよ!!」

「おい、名前と歳は?」

「あっ、と、名前な志村 海斗、17歳です」

「そうか…何故、私を知らない?」

「すいません!!わからないです!!」

「そうか…それじゃ決まりだな…」

 

 

殺される!!

 

 

そう思った瞬間、銃声が響き隣りの麻薬の商人が倒れていたのである。

 

 

「えっ…」

 

 

商人の頭には銃痕がくっきりとあった。

 

 

「あ…」

 

 

俺は恐怖でガタガタと震えていたのだ。

 

 

「差し上げよう…」

 

 

そして、国王はその拳銃を俺の手に握らせたのである。

 

 

「えっ…」

 

 

その時

 

 

向こうの方からパトカーのようなものが来て中から警官が出てきた。

 

 

「貴様ら何をしている!!」

 

 

国王は別の拳銃を取り出して近寄ってきた警官を射殺したのだ。

 

 

そして、別の警官が数名近寄ってきて国王の顔を見るなり青ざめたのだ。

 

 

「貴様らとは誰のことだ?」

「国王様!!失礼いたしました!!」

「この少年が私の拳銃を奪いこの男を殺したのだ」

 

 

…………今、何て…俺が拳銃を奪い……殺し…た

 

 

「はっ!?違……」

「えぇい、国王様の拳銃を奪うとは!!ここで殺してやる!!」

 

 

警官は拳銃を取り出して俺に向けたのである。

 

 

しかし、俺に拳銃を向けた警官は国王に射殺された。

 

 

「犯罪者は逃走ゲームに参加させるんだよ、忘れたか?」

「はっ!!かしこまりました!!」

「よし、取り押さえろ!!」

 

 

俺は警察に取り押さえられたのだ。

 

 

「やめ…俺じゃない!!」

「抵抗するな!!」

 

 

そして、俺は殴られ持っていた拳銃を地面に落とし俺の意識はそこで途切れたのだった。

 

 

 

 

 

『命の玉事件』

発端は2011年○月、東京都板橋区在住の当時16歳の少年Aが闇の神たちの世界の宝玉、命の玉を手に入れそれが何らかの要因で少年Aとその友人らを除く地球上全ての生物にエネルギーが注がれたことが原因とされている。命の玉には生命活動を停止した生物を蘇生させる効力があるが活動中の生物にその力を使用すると生物の容姿が変貌し通称、化神(バケガミ)と呼ばれる怪人へと変貌する、そのため、地球上は一度化神で覆い尽くされたが少年Aとその友人らは女神、小渕 麗子の力を借り少しずつ化神を排除し人間の数を増やして行き少しずつではあるが地球は機能を取り戻していったのだった。その後は池袋、新宿、秋葉原で決行された「繁華街ローラー作戦」、また、沖縄や中国の上海への遠征をし戦力を増大させ、最後は全ての化神を終結させた超神(チョウジン)戦艦が現れるも少年Aらの活躍により全ての生物が化神から解放され、その後、女神の力により記憶はそのままに地球の状態を事件以前の状態に戻され収束した。また、沖縄決戦の際に米軍の研究員による非合法な兵器開発等もあり沖縄米軍基地の要望により命の玉事件を語ることは禁止となった。

 

一一極秘資料「命の玉事件」より一一




命の玉の続編、未来逃走スタートです。宜しくお願いいたします。

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