逃走ゲームを終え大事なものと引き換えに自由の身となった海斗は共に戦った友との約束を果たすため春日部を旅立とうとしていた。
「必ず死の収監所を見つけ出してやる……」
「海斗君、もう行くんかい?」
「はい、お世話になりました」
「どこへ行くんだ?」
「僕にもわかりません……でも、必ず収監所を見つけます」
「けどなぁ……」
「莉緒と健太を救いたいんです!!」
「…………そうか……」
「収監所の噂や昔のことを知っている年配の人に聞き込みをして探りたいと思います」
「……気を付けて言ってこい……けど、たまには連絡くんねぇと怒るかんな」
「はい、それではお元気で……」
「俺も兄さんを救うためにがんばるよっ!!」
そこに拓也の弟である武也がやって来たのだ。
話によると拓也と武也の兄である鈴木家の長男も死の収監所に収監されているらしい。
「武也、心配するな、お前の兄さんは俺が助けてやる!!」
「…………」
「だからそれまでは武也がお父さんを支えるんだ」
「わかった!!」
俺は外に出てみんなの墓を拝んだのである。
「みんな、行ってくる」
その時
「海斗君!!」
「……拓也のお父さん」
「お守りだ、持ってきな」
拓也のお父さんは拓也の遺品であるロケットを俺に投げ渡した。
「これは……」
「海斗君がもっててくんねぇかな」
「でも、これは拓也の……」
「拓也だけじゃない、この国を平和にしたい、みんなの想いがそれには詰まってんだ、だから、海斗君に持っててほしいんだよ」
「……………………わかりました」
「んじゃ、頑張れよ」
「はい!!」
そして、俺はそのまま歩き出したのだ。
これが俺の新たなる旅立ちになったのだった。
そして、時は戻り……2011年…正に命の玉事件が終息した直後。
命の玉事件は女神の力で闇の神が命の玉の力を世界に放った直前まで戻されているため人々の記憶には残っているが比較的世界は穏やかだった。
ここは命の玉事件で超神戦艦との激戦が繰り広げられていた場所、そこに近い川で遊んでいる子供たちがいたのである。
「なぁ、あれなんだ?」
「ん?ゴミじゃね」
子供は持っていた木の枝で川に浮いている物体をつついた。
「うわっ、やべぇ」
「きたっねぇ」
「おい……これ人だよ」
「「え!?」」
「やばいよ、お母さん呼んでこよう!!」
「「うん!!」」
その時
「必要ない……」
その人物は突如動き出したのだ。
「「「うわぁぁぁぁぁ!?」」」
その人物はまるでしわくちゃで小汚い老人のようだったのである。
あのとき戦いに敗れ死にかけたが小渕のこの世界を修正した力がうまく結び付いて命拾いした、まぁ、肉体はこのような状態になってしまったがな……
「エクスカリバー……宇宙人が狙っている、駄目だ、それだけは、なんとしても見つけ出さなければ………本物のエクスカリバーを……」
謎の男はその場から歩き出すのだった。