未来逃走   作:中2病人間M

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春日部のmissionにてパンドラの箱が設置されていた祠に封印されていたエイリアンロボットが起動し逃走者に襲い掛かる!!


mission7

次の日の朝。

 

 

俺と莉緒は運転席からコンテナの中にいる他の6人と話していた。

 

 

「もうすぐ10日経つぞ、みんな頑張ろうな!!」

「けど、最初に比べるとだいぶ人数減っちゃったね」

「そうだな、健太」

「なぁ見ろよ、これ」

「どうした、小林?」

 

 

小林のスマホを星野が見たのだ。

 

 

「ほら、みんな見ろよ」

 

 

小林はスマホの待ち受けになっている生存者リストを見せたのである。

 

 

「昨日のmissionでBグループは1人も犠牲者出してないんだ」

「本当だ、奇跡だ、な、健太」

「そうだな、海斗」

 

 

その時

 

 

国王メールがきた。

 

 

『通達、今回のmissionはエイリアンロボットの破壊だ、昨日春日部のパンドラの箱の祠にあったエイリアンロボットが起動した。エイリアンロボットは現在は神奈川県に入ったところだ、このエイリアンロボットを日が変わるまでに破壊できなければエイリアンロボットを10体送り込む。諸君の健闘を祈る』

 

 

「エイリアンロボットって?」

「海斗、エイリアンロボットって言うのはな宇宙戦争の時に異星人が使用していたロボットなんだ」

「拓也、強いのか?」

「知らない100年前の話しだし…」

「100年前……」

「「!!」」

 

 

100年前と聞いて健太と莉緒は俺に目線をやったのだ。

 

 

俺は首を横に動かし宇宙戦争のことについて全く知らないと合図を送ったのだった。

 

 

その時

 

 

赤服隊の物より激しい銃声が聞こえたのである。

 

 

俺たちはその方角を確認するとそこにはまさにエイリアンのような恐ろしい姿のロボットが歩いていた。

 

 

「あっ、あのロボットは春日部のパンドラの箱のスイッチを押した時に開いた壁の中にいたロボットだ!!」

「そりゃな国王のメールに春日部の祠にあったってあるじゃん、海斗」

「本当だ、健太……てか、そんなことよりなんとかしようぜ!!」

 

 

エイリアンロボットは手の部分に強力そうなマシンガンが装備されていたのだ。

 

 

「ヤバイぞ、莉緒出して」

「だから、海斗、わかってるわよ!!」

 

 

莉緒がアクセルを踏んで車を出そうとしたのである。

 

 

その時

 

 

エイリアンロボットがマシンガンを乱射した。

 

 

その大量の銃弾は逃走者、近くにいた一般人、赤服隊、敵味方関係なく射殺したのだ。

 

 

あのロボット、敵味方関係無いのか、なんて化物なんだ。

 

 

そしてこちらにも銃弾が飛んできてトラックの運転席とコンテナの屋根が吹き飛ばされたのである。

 

 

「くらえっ!!」

 

 

莉緒が拳銃をエイリアンロボットに発砲した。

 

 

「莉緒、無駄だ、効いてない!!」

「黙ってて!!」

 

 

俺は無駄に銃を発砲する莉緒を止めようとするが莉緒は言うことを聞かなかったのだ。

 

 

その時

 

 

エイリアンロボットの胸の部分が開いたのである。

 

 

「……嫌な予感しかしない」

 

 

俺の予感はあたり開いた所から青い光線が放たれた。

 

 

「みんな逃げるわよっ!!」

 

 

莉緒が急ブレーキでトラックを止め俺達は全員で脱出したのだ。

 

 

そして、トラックは光線を受けて粉々に粉砕されたのであった。

 

 

エイリアンロボットは胸の部分を閉じるとこちらに向けて再びマシンガンを乱射してきたのである。

 

 

俺達は隠れると銃弾は近くにいた赤服隊を射殺した。

 

 

そして、エイリアンロボットは他に車を見つけると胸を開いて光線を放ったのだ。

 

 

「「「「壊れろっ!!」」」」

 

 

莉緒、小林、山本、星野が光線を放った所に発砲していたのである。

 

 

「莉緒、拳銃なんか増えてねぇか?」

「海斗、倒れてる赤服隊から取ったのよ!!」

「よく取れたな、でも攻撃しても無駄だと思うけぞ!!」

「うっさい、海斗も探してきて撃てよっ!!」

「でも……」

 

 

俺はエイリアンロボットを見た。

 

 

すると、

 

 

「あれ……」

 

 

なんか少しエイリアンロボットの動きのろくなってないか。

 

 

「なんか健太、あのロボット動きが鈍くなってないか?」

「えっ……!!本当だ」

 

 

エイリアンロボットはまた胸の部分を閉じたのだ。

 

 

そして、再びエイリアンロボットはマシンガンを乱射してきたのである。

 

 

俺達は一度この場所から逃げることにした。

 

 

「はやく乗りなさい!!」

 

 

いつの間にか莉緒が車にエンジンをかけていたのだ。

 

 

莉緒、いったい何台目の盗難車だろう。

 

 

俺達はその車に乗り込み走り去ったのだった。

 

 

しかし、エイリアンロボットは車の背後から追いかけてきていたのである。

 

 

そして、マシンガンを乱射し銃弾が車の屋根を吹き飛ばした。

 

 

「また、オープンカーになった」

「おい、海斗、のんきなこといってんじゃねぇよ」

 

 

健太は思わず俺に怒ったのだった。

 

 

まずい、このままだと殺られる……

 

 

「おい」

「健太、どうしたんだ!?」

「もうあそこの人混みに隠れるしかない」

「なるほどいい考えね!!」

「莉緒、でもそれじゃ他の人が……」

「海斗、他の人より自分達の命が大事だ」

「拓也……」

 

 

その時

 

 

エイリアンロボットの胸の部分がまた開いていたのだ。

 

 

まずい、また光線が来るっ!!

 

 

俺達は車から降りて人混みに隠れたのである。

 

 

そして、放たれた光線で車は破壊されたのだった。

 

 

エイリアンロボットは胸を閉じてマシンガンを人混みに乱射した。

 

 

俺達がふせると立っていた人々は次々に射殺されていたのだ。

 

 

俺達は人混みを掻き分けバラバラになりながら路地に逃げたのである。

 

 

 

 

俺は拓也と一緒に逃げていた。

 

 

「みんな大丈夫かな」

「海斗、ひとまずはあのロボットを破壊することを考えよう」

「そうだな」

「海斗、気付いたか?あのポンコツロボットの弱点は……」

「光線を放つ場所」

「そうだ、さっき胸を開いた時銃で撃ったら動きが遅くなってた」

「なら、話は早い」

「ああ、光線を撃とうとしてる時にそこに強力な攻撃を仕掛けて一気に破壊する」

 

 

その時

 

 

向こうに赤服隊がいたのだ。

 

 

赤服隊はこちらに気付き拳銃を向けてきたのである。

 

 

その時

 

 

「ぐわっ……」

 

 

赤服隊が大量の銃弾によって射殺された。

 

 

「向こうにエイリアンロボットがいるんだ」

「拓也、行くぞっ」

 

 

俺達は曲がりくねった道の路地に逃げたのだ。

 

 

「ここまで来れば平気だろう」

「………海斗、そうでもないらしいな」

「ん?」

 

 

近くの角からエイリアンロボットのマシンガンが見えたのである。

 

 

「やばいな」

「拓也、隠れろっ!!」

 

 

俺と拓也は近くにあった何かのお店の裏口に逃げ込んだのだった。

 

 

その時

 

 

「誰だお前らは?」

「すいません、俺達は……」

 

 

俺は逃走者であることを伝えようとした。

 

 

しかし、

 

 

「あぁ~、犯罪者の逃走者だねぇ~」

 

 

腹立つなこいつ。

 

 

「おい、これは……」

 

 

拓也は何か飴のような物を持っていたのだ。

 

 

「拓也、それはなに?」

「返しやがれっ!!」

 

 

店主が拓也に飛び掛かろうとしたのである。

 

 

「おっと」

 

 

拓也はそれを軽く避けた。

 

 

「ここは何の店だ?」

「………アロマキャンディー店だよ」

「何それ」

「海斗、知らないの?」

「うん」

「……舐めるだけでアロマの香りが広がる飴だよ………でもさ、これはハーブキャンディー、がっつり違法なやつだ」

「!!」

 

 

拓也が持っていた飴は俺が初めてこっちの世界に来たときに商人が売っていた麻薬だった。

 

 

「!!……麻薬」

 

 

その時

 

 

部屋の中に銃弾が入ってきて店主が射殺されその場に転がったのだ。

 

 

「エイリアンロボットが近くに来たか」

「……!!これは」

 

 

しかし、拓也は別の物を見つけたようだった。

 

 

「海斗、ハーブキャンディーだけじゃないぞ」

 

 

拓也の手には黒い球状の物があったのである。

 

 

「拓也、それはなんなの?」

「これは小型プラズマ爆弾だ」

「小型プラズマ爆弾?……どこかで聞いたような」

「とりあえず、エイリアンロボットが近くにいる隠れるか」

 

 

俺達は何とかエイリアンロボットの視界をよけながら移動した。

 

 

プラズマ爆弾、なんか聞き覚えがある………あっ!!思い出した、確か親父と伊達さんが命の玉事件でプラズマ爆弾を使ったって言ってたな。

 

 

「これは2011年に沖縄のアメリカ軍基地の科学者が作り出した兵器らしい、その後、他の科学者がその爆弾を分析してようやく数年前に小型化できたのがこれだ、けど、威力は低くて本来では小型爆弾でも威力は変わらない予定だったが失敗したらしい、でも、これならあのロボットを破壊できるかも」

「よし、それじゃ、どちらかがあの車を使ってエイリアンロボットに胸を開かせるからそこで爆弾を爆発させよう」

 

 

2人で相談して俺が囮をし拓也が爆弾をやることになったのだ。

 

 

 

 

俺は近くにあった車に乗り込み外にいるエイリアンロボットを挑発したのである。

 

 

「おい、クソロボット、悔しかったら光線を撃ってみろっ!!」

 

 

そして、エイリアンロボットは胸を開いた。

 

 

「拓也!!」

「ぶっ壊れろ、エイリアンロボット!!」

 

 

拓也が飛び出して爆弾をエイリアンロボットの胸で爆発させたのだ。

 

 

しかし、

 

 

「ぐわぁぁぁぁ!!」

「拓也!?」

 

 

その爆発に拓也も巻き込まれてしまったのである。

 

 

しかも、

 

 

「アイツ、まだ動いてる……」

 

 

エイリアンロボットは大分ダメージを受け胸が閉じなくなっていたがまだ動いていた。

 

 

「ダメだったのか!?」

 

 

エイリアンロボットは倒れている拓也にマシンガンを向けたのだ。

 

 

「拓也!!やめろぉぉぉ」

 

 

その時

 

 

俺の右手に今まで感じたことのない感覚が走ったのである。

 

 

「なんだ!?」

 

 

そして、俺の右手から黒い閃光が飛び出してエイリアンロボットの胸に直撃した。

 

 

「……なにが起こってるんだ!?」

 

 

エイリアンロボットは目が点滅しだしてそのまま爆発したのだ。

 

 

「拓也!?」

 

 

拓也はエイリアンロボットの爆発にも巻き込まれその残骸に埋もれたのである。

 

 

「拓也、大丈夫か!?」

 

 

俺は残骸をどかして拓也を引きずり出した。

 

 

「拓也!!」

「……………………………………………海斗、もう、ダメみたいだ……」

「諦めるなっ!!」

「無理だ………それよりも海斗」

「どうした」

「このロケットを……」

 

 

拓也は自分が着けていたロケットペンダントを俺に渡したのだ。

 

 

「これは……」

 

 

そのロケットを開けると『秩』という文字が刻まれていたのである。

 

 

「俺のは秩……」

 

 

拓也は血で安、寧、序という文字を書いた。

 

 

「『安』は親父のロケットに……『寧』は兄……『序』は弟のロケットに刻まれてる……」

「!!安寧秩序(アンネイチツジョ)……」

「そうだ……国や社会が落ち着いていて乱れていないこと……平和で不安がなく、秩序が立っていることを意味している………これはレジスタンス……いや、全ての人間の願いだ……海斗に重荷をかけてすまない……けど……たのむ……この国を……」

 

 

拓也は言葉を言いかけて吐血したのだ。

 

 

「拓也!?」

「海斗……生き残ってくれ……そして、終わらせてくれこの地獄を……」

「…………俺は……………………………?拓也……」

 

 

そして、拓也は動かなくなったのだった。

 

 

そこへ、バラバラになっていたみんながやって来たのである。

 

 

「拓也……任せておけ、俺が全て終わらせる」

「海斗……」

「……莉緒」

「エイリアンロボットは?」

「破壊した……けど、その代償に拓也が……」

「…………………」

「……俺、必ずこの地獄を終わらせる」

「ええ、そうね」

 

 

俺は拓也のロケットを強く握り締めた。

 

 

「赤服隊がいるわ」

「……ああ」

 

 

俺は拓也の亡骸の目を閉じさせると莉緒たちが乗っていた車に乗るのだった。

 

 

 

 

 

一一一一一Bグループ生存者リスト一一一一一

 

雨宮 大輝(アマミヤ ダイキ) 【死亡】荒井 太郎(アライ タロウ) 【死亡】

 

飯塚 千穂(イイヅカ チホ) 【死亡】海川 颯真(ウミカワ ソウマ) 【死亡】

 

大内 慶太(オオウチ ケイタ) 【死亡】大久保 夏樹(オオクボ ナツキ)【生存】

 

草薙 壮介(クサナギ ソウスケ) 【死亡】小林 順之助(コバヤシ ジュンノスケ) 【生存】

 

小林 咲夜(コバヤシ サクヤ) 【生存】後藤 謙治(ゴトウ ケンジ) 【生存】

 

清水 真喜子(シミズ マキコ)【死亡】白石 幹保(シライシ ミキヤス) 【死亡】

 

志村 海斗(シムラ カイト) 【生存】品川 俊(シナガワ シュン)  【死亡】

 

鈴木 拓也(スズキ タクヤ) 【死亡】高橋 弘輝(タカハシ コウキ) 【死亡】

 

仲村 幸平(ナカムラ コウヘイ) 【死亡】新田 可憐(ニッタ カレン) 【死亡】

 

支倉 詩織(ハセクラ シオリ) 【死亡】平松 健太(ヒラマツ ケンタ) 【生存】

 

星野 勇馬(ホシノ ユウマ) 【生存】本田 優子(ホンダ ユウコ) 【死亡】

 

宮本 大輔(ミヤモト ダイスケ) 【生存】宮崎 莉緒(ミヤザキ リオ) 【生存】

 

山崎 恵子(ヤマザキ ケイコ) 【死亡】山本 冬馬(ヤマモト トウマ) 【生存】

 

渡辺 真知子(ワタナベ マチコ)【死亡】和田 大介(ワダ ダイスケ) 【死亡】

 

 

 

在籍28名

生存10名

死亡18名


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