こうして、私達は出会う(完結)   作:珍明

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閲覧ありがとうございます。
ドラゴン!ドラゴンだ!

追記:17年3月7日、誤字報告により修正しました。


11.第一の課題

 今回、クラウチの書類が早めに片付いたらしく、1週間ぶりに部活動が再開出来た。

 用具を準備していると、ハリーが思いつめた顔でクローディアとハーマイオニーに相談しに来た。

 嫌な予感に、クローディアは魔法で扉を開けられないようにした。盗聴対策として、教室に『防音の術』もかける。

 昨晩、ハリーはハグリッドに『暗黒の森』に連れて行かれた。そこで、第一の課題の内容を知った。

「第一の課題が……ドラゴン!?」

「それって、倒せってことさ? ハグリッドが悲しむさ」

「僕の身を心配してよ!?」

 不謹慎とは思うがクローディアの意見は最もだと自負している。

「チャーリーが仲間とルーマニアから運んで来たんだ。ハンガリー・ホーンテール、ウェールズ・グリーン種、スウェーデン・ショート・スナウト種、中国火の玉種だ。チャーリーはホーンテールが一番、危険だって」

「チャーリーと話したさ?」

 これにハリーは頭を振る。

「僕は『透明マント』を被っていたよ。ハグリッドに話していたんだ。ハグリッド、マダム・マクシームを連れて来てたよ。城に帰る途中、カルカロフも見かけた。きっと、すぐにクラムとフラーにも伝わる」

「なら、すぐに調べましょう! そうね、私がルーピン先生に聞いてみるわ。授業の質問のようにね。ハリーはハグリッドにでも聞いてみて! 全く、本当は昨日の内に聞くべきだったのに、マダムとイチャイチャしちゃって……。クローディアもバーベッジ先生にそれとなく聞いてみて」

 

 ――3人はすぐに行動した。

 

 クィディッチがないことが本当に幸いだ。バスケ部の勧誘を手助けになる。それに代表選手が決まったことで、ようやく部員も戻って来た。

 ただ、グリフィンドールとハッフルパフの間では見えない火花が散っていた。

 アーミーとシェーマスはゴールひとつに向かい、競うようにボールを投げつける。お互いのボールが邪魔してリングにすら触れられない。挙句、2人のボールがモラグの背を強打した。

「あなたは素敵な禿げ頭だそうね!」

「余計なお世話だ!」

 ケイティとクレメンスがいがみ合いながら、ボールを投げ付け合う。クローディアはボールで突き指したアンドリューを労わりつつも、2人を眺める。

「サマーズの禿げ頭ってなんのことさ?」

「聞いた話だけど、『炎のゴブレッド』を出し抜こうとして爺にされたんだってよ」

 アンドリューはせせら笑っている。

「グリフィンドールのところのフレッドとジョージも立派な髭だったでしょう」

 不機嫌そうにスーザンがアンドリューを見下ろす。わざわざ、グリフィンドールを強調する辺りが対立を物語っている。

「なんか、怖い雰囲気だな……。まるで、クィディッチの試合中みたいだ」

「完全にセドリック派とハリー派に分かれてるって感じだな」

 呆気に取られたバーナードの呟きに、ザヴィアーがげんなりする。2人の足元では、エディーが倒れ伏していた。アンジェリーナとアルフォンスの凄まじいボールのパスに巻き込まれたのだ。

 ルーナはジニーを連れて、とっくに逃げ出した。マンディは様子だけ見に来て、我関せずと逃げ去った。

「ちょっと、痛いじゃない!」

「そんなつもりはないよ」

 デメルサがデレクに怒鳴りつけた。ボールをパスする威力に文句を言っているのだ。 普段は見られない光景、ダフネ達は愉快そうに見物している。

「こらあ! 仲良くしなさい!」

 大事な部室で乱闘まがいを繰り広げる生徒に対し、遂にバーベッジがブチ切れた。

 

 午後になり、他校の生徒が見学に訪れ出す。そうなると流石に生徒達も露骨ないがみ合いは控えた。

 ようやく、真面目な部活動を行える。クローディアは全員を呼び集めてチーム分けを行う。5対5の試合を行わせると自然な応援する声が部室を賑わせた。

 それから、他校の生徒にもボールを体験させる。いつの間にか現れたロジャーがフラーに手取り足取り、バスケの基本を教授する姿が目立った。

「乗り換えたんだわ」

「うわお! ……パドマ、いつ来たさ」

 足音もなく(騒がしくて聞こえなかった)パドマは、クローディアに耳打ちしてきた。

「テリーがおもしろい……じゃなくて、大変なことになっているって教えてくれたの」

 そういえば、最初にいたテリーがいなくなっていた。

「なら、そこで見学しているさ。いまから、フリースローの手本をやるさ」

 スチュワートに声をかけてから、クローディアはゴールに目がけてボールを投げる。ボールは寸分の狂いもなくリングに吸い込まれた。緊張した顔つきで、スチュワートもフリースローに挑戦するが、狙いを大幅にズレて落ちた。

「あんなにクローディアにご執心だったのに、ロジャーったら、酷いわ」

「私は全く気にしてないさ。ロジャーはいい男さ。良い男には良い女さ」

 大げさに肩を竦め、クローディアはパドマに答える。

「まあ、あなたも他校の生徒と仲がいいしね。ダームストラングの人」

「ペレツのことさ? アイツは知り合いのご家族さ」

 デニスとエマがボールをパスの練習をしていたが、手が滑ってフレッドとジョージのボールに直撃する。そのボールをネビルが必死に受け止めた。

 ボールを失ったフレッドとジョージはリーとジャックの4人でパスを回した。

「そのペレツ、絶対、あなたに気があるわよ。ほら」

 パドマが視線で扉を指す。扉にはスタニスラフが他の生徒と見学していた。

「マグルの競技が珍しいだけさ」

「謙遜しないで、こういうことがきっかけになるのよ。それに3校の親睦を深めるんだから、貴女はその役割を果たしているわ」

 愉快そうなパドマの背に、コリンの投げたボールが誤って飛んできた。パドマは全く気付かないので、クローディアは片手でボールを受け止めた。

 

 時間になれば、それなりに満喫した生徒達はボールを一か所に集めて解散して行く。全員、外に出したことを確認したクローディアは教室に施していた『魔法封じ』と『防音の術』を解く。その作業をスタニスラフは、扉にもたれてた体勢で眺めていた。

「そういった魔法は、お祖父さまから教わったのですか?」

「全部、授業と先輩から習いました。ペレツはいつも船で何をしているのですか?」

 教室の扉を閉めたクローディアは何気なく問いかける。

「授業ですよ。僕も卒業を控えていますので、講師の方も一緒に来ています。もしかして、一日中、呆然とやり過ごしていると思っていましたか?」

「少しだけですが、思っていました」

 素直なクローディアに、スタニスラフは噴出して笑う。

 中庭を抜けようと廊下を進むと『汚いぞポッター』のバッチを着けた生徒が目立ち始めた。それをスタニスラフは、冷ややかな視線で眺める。

「【日刊預言者新聞】のこともあるのでしょうね。あの記事は酷い。カルカロフ校長がお怒りでしたよ。でも、【ザ・クィブラー】は良かった。公平に特集が組めていましたし、何よりフラー=デラクールの紹介文がユニークです」

「その言葉はどうかルーナ=ラブグットにお願いします。あの雑誌は彼女の父が編集長ですから」

 己の父の雑誌が称賛された。ルーナは、さぞ喜ぶに違いない。

「君の父親がどう思おうと知ったことか!」 

 中庭に出ようとした時、ハリーがドラコに向かって怒鳴りつけた。周囲の生徒を注目させるに十分な大声だ。

 ドラコにはお決まりの取り巻きがおり、ハリーは軽蔑の眼差しで彼を睨んだ。

「父親は邪悪で残酷だし、君は卑劣だ!」

 吐き捨てて背を向けたハリーに、屈辱に顔を顰めたドラコが杖を向く。クローディアが声をあげようとしたが、その前にスタニスラフが素早く杖を取り出し、駆け出すのが速かった。

「そうはさせん!」

 スタニスラフの杖がドラコに向かい、光線を放つ。彼の身体が回転しながら縮んでいった。

 ドラコが立っていた場所には、1匹の白鼬がちょこんと座る。衝撃の瞬間に、その場にいた全員が呆気に取られた。

「後ろから襲うとは、卑怯極まりない!」

 白鼬に向かい厳しく言い放つスタニスラフは、手首だけ動かし杖を上下に揺すった。すると白鼬は宙を振り回された。

 その行為にドラコの取り巻き以外の生徒が笑い出し、ハリーもクローディアと顔を見合わせ、その無様な姿に笑いだす。

「何の騒ぎです!?」

 騒動を聞きつけたマクゴナガルが血相を変え、駆け寄ってきた。

「こんにちは」

 それでもスタニスラフは杖を振り回したまま、教頭に挨拶した。

「あなたは何をしているのですか?」

「罰を与えています」

 率直な答えにマクゴナガルは言葉を失い、口をパクパク動かす。

「そ……それは、生徒なのですか?」

「いまは、白鼬ですよ」

 白鼬を空中で回転させ、そのまま地面に下ろした。すぐにマクゴナガルが杖を軽く振るうと、白鼬は風を纏うようにドラコへと変じた。紅潮した顔は荒い息を吐き、髪は乱れきっている。スタニスラフを目にすると、飛び上がって後退りした。

「父上が黙ってないぞ!」

 泣き声に近い叫びに、スタニスラフは全く動じず、堂々と胸を張った。

「我らダームストラングはグリンデルバルドの一件以来、無抵抗の者への攻撃は、どのような理由があろうと厳しく処罰させる。それが道理というもの!」

 毅然としたスタニスラフは宣誓する選手のように威厳があり、そのままにドラコを睨む。

 羞恥心に染まったドラコは怯みながらも、どうにか睨み返した。

 野次馬は意外な名前にボソボソと囁きあう。

「グリンデルバルドって、確かダンブルドア校長が倒した闇の魔法使いだよな」

 マクゴナガルは咳払いし、スタニスラフとドラコの間に立つ。

「本校では! 懲罰に変身術を使う事は決してありません。あなたの行いはカルカロフ校長先生にお話致します」

「マクゴナガル先生! 彼は僕を助けてくれたんですよ。マルフォイは僕を後ろから襲おうとしていました!」

 口を挟んだハリーをマクゴナガルは視線で黙らせる。

「マクゴナガル先生」

 杖を突く音が廊下から、中庭の芝生へと降り立つ。全員の視線がムーディに釘付けとなる。

「わしの目が全てを見ていた。そこのマルフォイとペレツは、わしがそれぞれの先生に事情を話して引き渡しておく」

「では、アラスター。くれぐれも事を荒立てないように。皆さん、見世物ではありません! お行きなさい!」

 一喝。野次馬の生徒達はドラコの醜態に笑いながら中庭から去っていく。

 ムーディは逃げようとするドラコのローブを引っ張り、スタニスラフの腕を掴んで歩き出す。

 連行されるスタニスラフへクローディアは不安に駆られる。

「ペレツ、ごめんなさい。あなたの立場が……」

「ご心配なく、悪くても国に帰されるだけですから、ハリー=ポッター。試合、頑張ってください」

 穏やかな表情で声をかけられ、ハリーは頷くことしか出来なかった。

 

 その後、クローディアはハリー、ハーマイオニーと誰もいない部室に集合する。

「ルーピン先生は『結膜炎の呪い』が適切じゃないかって言っていたわ。そっちは?」

「うん、ハグリッドが『呼び寄せ呪文』で箒を呼んだらどうかって言ってくれた。僕がシーカーだから」

「こちらは収穫ゼロさ。皆の対立が凄まじかったさ。『結膜炎の呪い』はハリーには難しいさ。『呼び寄せ呪文』なら、授業で習っているさ」

 急にハリーは口ごもる。

「……僕、まだ『呼び寄せ呪文』、うまく出来ないんだ」

「練習あるのみね。アクシオ!(来い!)」

 手本として、ハーマイオニーは『呼び寄せ呪文』で【基本呪文集4年生】を呼び込んだ。

 早速、ハリーは呪文の練習に打ち込んだ。その間、クローディアはハーマイオニーにスタニスラフがドラコに対して魔法を行ったことを話して聞かせた。

「グリンデルバルドか……、凄い名前が出たわね。勿論、ペレツの行動が一番、ビックリしたけど」

 まさか、他校の生徒がドラコを白鼬に変えるなど、誰も想像できない。ましてや、ドラコが入学し損ねたダームストラング生だ。屈辱も大きいだろう。

 段々、クローディアは不安になり、スタニスラフの身を案じる。

「こんな騒ぎを起こして……マルフォイが何もしないといいけどさ」

 杖を下ろし、ハリーも溜息をつく。

「僕のせいでペレツが帰国になったら、どうしよう……。どうやって詫びたらいいんだろ?」

「あなたは『呼び寄せ呪文』を完璧にすることを考えなさい」

 強く言い放ったハーマイオニーに、少しも術が進歩しないハリーは素直に頷いた。

 

 翌朝、太陽の光と共に目を覚ましたクローディアは適当な衣服に着替えて寮を飛び出した。朝露で瑞々しい植物たちが光に反射して眩しいと感じつつ、湖へと赴く。

 湖の畔に人影がある。それは何故か上半身を晒したスタニスラフだ。彼の足元に上着が脱ぎ捨てられている。剥き出しの筋肉は鍛えられ、無駄がない。

「ペレツ、おはようございます」

 クローディアの挨拶に、ペレツは首だけ振り返る。

「これはクロックフォード。おはようございます」

 丁寧に挨拶を返したスタニスラフは散らばった上着を着込んでいく。

「その恰好、どうしました? もしかして……一晩中ここに?」

「よくわかりましたね。一晩、ここで立ち尽くしていたんです」

 簡単に話す態度は、軽い。完全に慣れた様子だ。もしかして罰則かもしれない。自分の責任だとクローディアは、俯き加減になる。心情を察したスタニスラフは、愛想よく微笑んだ。

「自主的に立っていただけですよ。立ったまま寝るのが好きなんです。カルカロフ校長も怪我がないのなら、騒ぐ必要がないとおっしゃりましたしね」

「そう……ですか、あの、ありがとうございます。ハリーのこと」

 言葉が終わる前に、スタニスラフが手で制した。

「その話は、もうなしにしましょう。それに、貴女が礼を述べるのは奇妙ですよ」

「なら、私もこの話はしません」

 不安の表情から一転し、クローディアは明るく笑う。昨日のスタニスラフが思い返される。中庭で彼が口にした名、ゲラード=グリンデルバルド。ダンブルドアに一騎打ちにて敗北し、表舞台から姿を消した魔法使い。何故、ダームストラングは彼の魔法使いに拘りを持つのか、疑問だ。

「ペレツは、グリンデルバルドに詳しいのですか?」

 何気ない問いに、スタニスラフは少し驚いた表情で頬を掻く。

「この国では、グリンデルバルドの脅威はあまり伝わっていないようですね。ダンブルドア校長を恐れていたという噂ですが、……『例のあの人』のせいですかね」

 皮肉っぽいスタニスラフは湖の畔に胡坐を掻く。手招きし、座るように誘う。手招き似応じ、彼の隣で体育座りを決め込んだ。やはり、地面は湿っている。

「グリンデルバルドは、ダームストラングの生徒でした。僕の曽祖父も顔を合わせています。その時のことを曽祖父は語りたがりません。でも、ひとつの事件だけ、僕に話してくれました。グリンデルバルドが1人の生徒を殺害しようとした事件です。それによって、奴は学校を追放されました」

 淡々と語るスタニスラフに、クローディアは緊張で手に汗が滲む。グリンデルバルドが彼の校の生徒だったというのも驚きだ。しかも、殺人未遂を起こしているなど、『例のあの人』と行動がほとんど同じだ。

「治療が早かったので、その生徒は命を取り留めました。ですが、同時期にその生徒の後見人が亡くなり、学費を払えなくなったため、学校を去りました。時期が合いすぎたため、その生徒は臆病風に吹かれて学校を辞めたという噂が続いたそうです」

「……その生徒さん、可哀相」

 脳裏を掠めたのは、トム=リドルに殺されたマートル、濡れ衣を着せられたハグリッド。それにより、愛する人と親友を失ったボニフェース。顔も知らぬ相手に、クローディアは同情を禁じえない。

「その生徒さん、どうしたんでしょう?」

 気落ちしたクローディアは心底、哀れんだ気持ちで呟く。その態度を慰めるように、スタニスラフが彼女の肩を叩いた。

「元気でやっていますよ。少なくとも、お優しい心を持ったお孫さんに恵まれています」

 無事に家庭を築いていると知り、クローディアは胸を撫で下ろした。

「その方には、お会いしたことあるのですね?」

 この問いに対し、スタニスラフは頭を振るう。

「僕は面識はありませんが、あなたがよく知っている方ですよ。なんせ、貴女のお祖父さまですから」

 瞬間、スタニスラフが悪戯っぽく微笑んだ。

 クローディアの周囲に、一陣の風が吹く。

「は? わ……私のお祖父ちゃんさ!?」

 素っ頓狂な声が響く空に、トトの満面の笑みが浮かんだ。

 

 睡眠不足と朝から知った衝撃事実、クローディアの脳細胞の働きは悪い。授業の為、頭を切り替えなければならないというのにスタニスラフからの情報が耳に聞こえる。

(お祖父ちゃんは、学校を辞めたんじゃなかったさ。本当は学費が払えなくて……そういえば……。夢のような場所だったとか……、そんな場所を割りに合わないからって辞めたりしないさ。私が追求したから、あんな答え方したさ)

 『数占い』の授業で数字の羅列を読みながら、クローディアは唸り声を上げる。ベクトルが不信な視線で見守った。

 授業が終わり、唸り終わらない。ハーマイオニーが苦笑する。

「そんなに難しい公式だったの?」

「朝、お祖父ちゃんについて衝撃的なあぁ……おう」

 今朝の話をしようとしたが、スネイプが廊下の向こうから歩いてくる。しかも、異様な空気を醸し出している。

 急いで2人は方向転換しようとした。

「待て、ミス・クロックフォード。そう急ぐこともあるまい。話がある。口答えは許さん」

 ハリーの『呼び寄せ呪文』を訓練する約束があったが、仕方ない。クローディアはハーマイオニーと視線で会話し、乱暴に廊下を進むスネイプに従った。

(心当たりが多いさ……。まさか、ペレツのことをマルフォイが……訴えたさ? だとしたら、……でもカルカロフは事を荒立てないって言ってたさ)

 地下教室へ下り、スネイプの研究室に連行された。

 以前もここに来た。あれはクィレルのことを問いつめに来た時だ。

(早く、出たいさ)

 室内の寒気と不気味さが、肌寒い。そう考えた瞬間、暖炉の炎が燃え上がった。

「こそこそと何を嗅ぎまわっておるのかね?」

 暖炉に意識を取られていたクローディアは、闇色の声で反射的に肩をビクンッと跳ねらせる。だが、スネイプの詰問は予想とは違うので少し安心する。

「何も嗅ぎまわってなどいません」

「嘘をついても無駄だ」

 眼前にスネイプの顔が迫り、クローディアは思わず壁の棚に後ずさった。

「カルカロフとクラウチJrのことを調べ上げたのだろう?」

 何故、知られたかはわからない。しかし、スネイプのご機嫌の悪さは、それが原因のようだ。

「万が一に備えるための情報が必要です。『闇の印』に次いで、4人目の代表者……」

「それを考えるのは! 貴様ではない!!」

 スネイプの腕がクローディアの真横に乱暴に突き出された。衝撃で一瞬、容器達が揺れる。容器と同じで、彼女の心臓も驚いて揺れる。

「貴様は己の力を驕っておるのだ。忘れているようなので、思い出させてやるが、貴様はバジリスクに襲われ石化した! 更にブラックを殺そうとした挙句、人狼に噛まれ死に掛けた! それを助けたのは、誰だ!? 『蘇生薬』を調合したのは、我輩だ! その首に傷を残らぬようにしたのは、貴様の祖父とコンラッドだ! 貴様は己の力で何も成し遂げてはおらん!」

 間違いはない。確かに自分は、いつも誰かの助けがあった。『賢者の石』のときも、1人ではなく、ハリーと2人だった。そして、『解呪薬』だ。自分1人なら、何も出来ていない。

 だが、それを理由に引き下がる気はない。

「だから、何! 友達が危険に晒されたときに、そんなことを言っていられるわけない! それに! 私は自分のしたことに、決着をつけるんだ!」

 クィレルは必ず現れる。この強い確信を持って、敵に備えるのだ。クローディアの視線は、スネイプの向こうに見えないクィレルを捉えていた。

 知ってか知らずか、スネイプの凄みが増す。

「それは自分勝手な自己犠牲だ! 貴様が死んだら、コンラッドはどうなるのだ! ポッターの為に貴様が命を落とすなど、奴は断じて認めんぞ!」

「お父さんとは関係ない! それに私が……」

 研究室に近づく足音に気づき、クローディアは扉を釘付けになる。彼女の様子から、スネイプも扉に注目した。

「「スネイプ先生、罰則を受けに来ましたよ~」」

 張り詰めた空気を壊す呑気な口調はフレッドとジョージだ。ひょっこと研究室に顔を出した双子は、クローディアに迫るスネイプの構図にわざとらしく笑顔を硬直させた。

「「すみませ~ん、お邪魔でしたか?」」

 ヒューヒューとフレッドとジョージは口笛を吹く。

 スネイプの腕を跳ね除けたクローディアは、堂々とした態度で首を振る。スネイプに一礼し、フレッドとジョージの間を通り抜けようとした。

「あ~、昨日のマルフォイのことだろ?」

「見事な白鼬だったんだって?」

 愉快そうに目を細める双子がスネイプを見やる。スネイプは微かに口元を痙攣させた。

「違うさ。2人とも、あんまり口を動かすと罰則が重くなるさ」

「「は~い」」

 何の問題もない軽薄な口調で答える双子に、クローディアは自分の中で鋭くなっていたトゲが抜け落ちておく感覚を覚える。

 気づけば、クローディアの口元が優しく微笑んでいた。

 クローディアが階段を上っていくのを見届けた双子に、スネイプは訝しげな表情を向ける。

「我輩の記憶が確かなら、君たちへの罰則はないが?」

 適当に言い放つスネイプに、フレッドとジョージは恍けたような笑みを見せた。

 スネイプは望み通り、双子に清掃活動を命じた。

 

 待ち焦がれた11月24日。

 午前中の授業を終え、昼食を済ませた観衆の生徒達は会場へと足を運ぶ。会場は、クィディッチ競技場を利用していた。だが、場内は芝生ではなく、ゴツゴツとした岩場に変えられている。そして、何処からともなく、猛獣の吠えが周辺に響き渡った。

 事情を知る者は、それがドラゴンの声だとわかる。

 既に観客席へ腰かけていたクローディアはベッロを頭に置く。興奮と緊張で熱くなる頭を冷まそうとする。本物のドラゴンをこの目に出来る喜びはあるが、胸中の奥底で恐怖する声もある。それはそうだ。自分が体験した試合など、この課題に比べれば小さな点取り合戦に過ぎない。

 

 ――ドラゴンへの畏怖。

 

 見物人である自分でさえ、緊張しすぎて息が詰まる。

 4人の選手は、命の危機感すら感じているに違いない。立候補した3人は覚悟…ドラゴンは予想外であろうが、それなりにあるだろう。だが、巻き込まれたハリーはどれだけの不安に苛まれているか、あまり考えたくはない。

 クローディアの隣で、緊張を通り越したハーマイオニーは呼吸困難に陥っている。2人の前に座るロンも、前かがみになり爪の先を噛んでいる。お祭り気分で楽しんでいる生徒もいたが、何処となく表情が固い。

「は~い、賭けて賭けて~♪」

「フラーは十倍ね♪」

 その中で、賭け箱を抱えたフレッドとジョージが威勢良く走り回る。彼らの快活な表情に自然と銭が貯まって行く。その元気が何処にあるのか、もしくは何処から来るのか聞いて見たい。

 クローディアに賭け箱を突き出してくるジョージを見上げ、胸中で自嘲した。双子のやり方を見習ったところで、同じようにはなれない。

(ハグリッドのノーバートは、幼獣だったさ。今度は……成獣、恐がるなってほうが無理さ)

 不意にハーマイオニーがクローディアの腕を掴む。彼女が無意識に指先に力を込めているせいか、爪が服越しに腕へ食い込んでいる。胸中が不安に満ちている証拠だ。

「ねえ、クローディア。一緒に行かない? テントへ」

「OK、いっちょ元気づけてくるさ」

 緊張した笑みでクローディアは、ベッロを後ろの席にいたパドマとパーバティに預けた。

 ダンブルドアが開戦前の演説を始めたらしいが、選手控えテント付近に忍び寄る2人は、ほとんど聞き取れない。

《安全の為に、席を立たないように》

 テントの布へ微かに触れながら、布地の割れ目に到着する。

「ハリーいるさ?」「ハリー、ハリー」

 布地の向こうから、近づいてくる気配がある。

「ハーマイオニー、クローディア?」

 躊躇いながら問いかけてくるハリーに2人は一安心だ。唇を痙攣させたハーマイオニーが言葉を発する前に、クローディアが声をかける。

「まあ、せいぜい頑張れや」

 能天気な口調で声援され、ハリーは返答に困る。

「た、他人事?」

 ハーマイオニーが弁解しようとしたが、クローディアが彼女の口を塞ぐ。

「ハリーの方法は、もう決まってるさ。私から何か言っても混乱するだけさ」

 最高潮に明るい声の後、ハーマイオニーがテントの中へと飛び込んだ。クローディアは驚いて後に続く。

 ハーマイオニーがハリーに抱きついていた。

 瞬間、カメラのフラッシュ音と光が2人を捉える。

「若き恋人達ね」

 特ダネを得た喜びにスキーターが愉快げな足取りでテントへ入ってきた。高飛車な印象を受ける服装に、マルフォイ達とは別の角度で人を見下す人種だと察した。

「もし何かあったら、一面はあなた達よ」

 それが記事を面白くする。

 口には出さないがスキーターの態度はそれを如実に表している。

「ここに、用はないはずだぁ。ここは選手と友人の為のテントだぁ!」

 厳しく咎めたのは、ビクトールだ。何の建前もなく、退室を命じる威圧感に、スキーターは笑いながら戸惑い、余裕を持って肩を竦める。

「いいざんしょ。欲しい写真は撮れたザンス」

 笑う目つきで選手を見渡したスキーターは相棒のカメラマンとテントを後にした。入れ替わりにダンブルドア、マダム・マクシーム、カルカロフ、バクマン、クラウチが現れた。

 流石に場が悪くなり、クローディアはハーマイオニーの肩を抱く。

「私達も行くさ、ハーマイオニー」

「うん、じゃ……ね。ハリー」

 唾を飲み込んだハリーは、2人を見つめて小さく頷いた。

 

 開始の大砲が撃たれ、遂に試合は開始された。会場全体に観衆の吼える声が地面を揺らす。

 蒼白になったハーマイオニーは叫ぶよりもクローディアの腕にしがみ付いてくる。腕の血流が止まりそうだが、自身の体内が興奮で湧き上がっているため、気にならない。

 はずだが、もう片隣にいるルーナまで腕にしがみ付いていれば、流石に痛い。それどころか、クローディアの後ろにいるジニーまで、両肩を掴み耳元で荒い呼吸を繰り返している。

「ルーナ、この課題の内容、よく覚えておくさ」

「うん、パパが自動速記羽根ペンを貸してくれたの。書き逃さないように、大丈夫だもン」

 痙攣するルーナは懐からウネウネと動くペンを取り出したが、書き取るためのメモ用紙がない。しかし、クローディアはそこにツッコミを入れる余裕がない。

 足場の悪い会場に覚悟を決めた表情のセドリックが登場すると、一段と声援が激しくなった。

 

 3人の選手がドラゴンから黄金の卵を奪い取ることに成功した。

 最後の1人、ハリー=ポッターが会場に姿を見せる。これまでのドラゴンとの死闘を目撃した観衆には、ハリーを非難する者は誰1人としていない。

 最早、彼もドラゴンに挑む勇敢な生徒なのだ。

 刹那、空気が止まった。背筋を走るのは、感動と畏怖と恐怖と期待だ。

 風を起こす翼の音が岩場へと舞い降りる。

(4匹中、最強のドラゴン、ハンガリー・ホーンテール……)

 棘が皮膚と一体化した黒い鱗。黄ばんだ目つきは全てに殺意を放ち、唸り声を上げている。このドラゴンへの印象は獰猛だ。

 ハリーが唾を飲み込んだとき、ホーンテールの尾が乱暴に振り降りされた。反射的に彼は岩場の影に逃げる。尻尾は岩場の表面を削りこんだ。

(すごい破壊力、人間に当たったら身体が潰れるさ……。なんか、他のドラゴンに比べて皮膚も硬そうだし、……これが生徒に出す課題さ? 命賭けすぎさ……)

 ホーンテールを観察していたクローディアは、ハリーが杖を突き出すのを見逃した。

「アクシオ!!」

 正しく唱えたとき、ハーマイオニーが指先に力がより入る。

 ホーンテールが翼を広げ、口の中から炎が零れた。必死にハリーが空を見上げる。炎が岩場の影にいるハリーに狙いを定めた瞬間、空気を突っ切る音が会場へ飛び込んできた。

 ファイアボルトが『呼び寄せ呪文』に応じて現れたのだ。

 すぐにハリーは、ファイアボルトへと跳びこんだ。身体がファイアボルトに跨って空高く舞い上がった。

「ハリー!! 頑張れ! 行けえ!」

 馴染んだ声援は、クローディアの前の席……ロンからだ。

 拍手喝采の中、ハリーがホーンテールを出し抜き、黄金の卵を抱え取った。これで、第一の課題は無事、終了した。

 感動と安心で脱力したクローディアは、その場で前かがみに項垂れた。表情が緩みきり、にやける。

(良かったさ、ほんとうに……)

 完全に無防備だったクローディアの服をハーマイオニーが掴んだ。

「ぼーっとしてないで、ハリーのところに行きましょう!」

 余韻に浸る暇さえもらえず、クローディアはハーマイオニーに連行された。ハリーの身を案じているのが、理解できるが少し時間が欲しかった。急ぎ足で人混みを抜けていく中、ロンが着いてくる姿を確認した。

 

 選手控え用テントから、偶然ハリーが出てきたのは、幸いだ。

「ハリー! やったわ!すごい!」

 ハーマイオニーが祝福の叫び声を上げる。それよりも、ハリーはクローディアの後ろにいるロンに驚いていた。

「ハリー……、君の名前をゴブレッドに入れた奴は、君を殺そうとしているんだと思う……」

 深刻な口調で断言するロンは、以前と同じハリーの友達の顔だった。

「今頃、気づいた?」

 冷たい口調だったが、ハリーの目つきが少し穏やかになっている。

「ネビルが君にハグリッドが呼んでること伝えただろ?」

「それはディーンがパーバティから、それに元々はシェーマスだって」

 怒気を含んだ口調にロンは少し慌て出す。

「本当はシェーマスじゃないんだ。僕からの伝言、それで僕の気持ち伝わると思って」

 訴えてくるロンは、謝罪を込めた視線でハリーを見つめた。

「そんな、わかんないよ。だって、意味不明だもん」

 複雑に口元を歪ませるハリーの表情はロンの意思を汲み取り、謝罪を受け入れていた。

 2人の曖昧な表情を交互に見つめ、微かに情況を理解したクローディアとハーマイオニーは喜んでいいものか、それとも長すぎた時間に呆れていいのか、複雑だ。

「男の子って……」

 最後まで言わなかったが、ハーマイオニーは最大級の親しみを込めている。

「おかえりさ! ロン」

 クローディアはロンの肩に腕を回す。

 ロンの背が高いので、クローディアは背伸びした。ロンもハリーの肩に、ハリーもハーマイオニーの肩に、腕を回す。そして、ハーマイオニーはクローディアの肩に腕を回した。ロンが身を屈めて、4人の高度を合わせる。

 やっと、いつもの自分達になれた瞬間だった。

「君達、得点を見に行かないのかい?」

 キョトンとしたチャーリーに声をかけられる。4人は笑いながら、まだ競技中であることを思い出した。

 

 選手への得点が終わり、ハリーはバグマンから次の課題についての説明を受けた。試合の結果を手紙で報らせる為に、4人はフクロウ小屋へ赴く。

 ロンはこれまで集めた情報を聞き、カルカロフを真っ先に疑った。

「汽車でマルフォイが自分の親父はカルカロフと親しいみたいに話していた。絶対、奴の仕業だ」

 ハリーはヘドウィックにシリウスとドリスへの手紙をもたせた。その後ろでクローディアは人工的な感触のする黄金の卵をロンと投げ合う。

「次回は2月24日さ。それまでに卵の謎を解け、か。おもしろそうさ」

「解くのは僕なんだけど……」

 苦笑したハリーは急に口ごもる。同時に彼から、歓喜が消えた。

 気付いたクローディアは黄金の卵をハーマイオニーに投げる。ハリーは深呼吸し、意を決したように口を開く。

「クローディア、ワールド・カップの前に見た夢のことで……君に伝えていないことがあるんだ。その夢に、クィレルがいた。ヴォルデモートに……仕えていた」

 覚悟していたはずだが、実際、耳にすれば少なからず動揺した。悪寒に近い焦燥、失望に近い絶望が背中を駆け巡り、指先が痙攣した。

「そう」

 素っ気無く、それでも自然に吐き出した。

「やっぱり、教えていなかったのね」

「ハリーらしいよ」

 ハーマイオニーとロンは、クローディアの反応を窺う。2人の目から見て、彼女は明らかに沈んでいた。問題は本人が気付いているかだ。彼女は何かを思い返したように目を泳がせる。

「……そういえば、こっちも言い抜かったさ。スネイプ先生に私達が元『死喰い人』の情報を集めていることがバレたさ」

 ロンが「ゲッ」と呻く。

「遂に気付かれたわね。でも、私達には何も言ってこないわ」

「もしかして、僕らじゃなくて、君が調べたことに気付いたんじゃないかな? だって、僕がやったと知れたら、絶対、こっちにもお小言が来るはずだ」

 ハリーの意見に、クローディアは考えを纏める。思い付くは、ひとつの方法だ。

「お父さんがスネイプ先生に話してしまったかもしれないさ。この前のホグズミードでお父さんが来ていたさ。ルーピン先生と知らない『闇払い』と話があるってさ」

「僕、ルーピン先生に聞いてみるよ。きっと何か知っているはずだ」

 嬉しそうにロンが手をあげる。

「皆で聞きに行きましょう。明日は通常授業だから、夕食の後がいいわ。ロン、ピッグウィジョンに手紙を持たせて頂戴」

 ハーマイオニーが鞄から筆記用具と羊皮紙を取り出し、ロンに渡す。ロンは意気揚々と手紙を書き、ピッグウィジョンにもたせた。役目を貰い、ピッグウィジョンは喜んで飛び去った。

「ハリー、談話室に帰ろう! 皆、君にびっくりパーティを用意しているはずだ! クローディアも来いよ!」

「言うと思ったさ。ペネロピーにすぐに帰って来いって言われてるさ。また今度さ」

 残念とロンは肩を竦める。それから、4人は自分達の寮に帰った。

 

 自寮の談話室に戻れば、サリーがクローディアに飛びついて来た。

「ハリーって素敵よね! ドラゴンをあんなふうに蹴散らすなんて! 私! 『ハリー=ポッターを応援しよう』のバッジを作るわ! やっぱり、ハート形がいいと思うの!」

 周囲にハートの花弁を散らしながら、サリーは黄色い声を上げる。

「見て、ドラゴンの剥がれた鱗の一部。こっそり、貰った」

 セシルは収集活動に余念がない。

「セドリックの奴、危ないことするよな。火傷、残らねえといいけど」

「よく避けたよな」

 ロジャーとザヴィアー達は深刻な顔でセドリックの身を案じ、それでも表情が輝いている。他の生徒も誰が一番良い方法でドラゴンから黄金の卵を奪取したか、論議していた。勿論、ハリーのファイアボルトによる飛行を称賛する声が多かった。

 ようやく、レイブンクローはハリーを応援すべき選手と心から認めたのだ。

「クローディア」

 リサに呼ばれ、クローディアは明るい声で振り返る。

「顔色が優れないようですが、何処がお加減に問題でも?」

 心配そうなリサに言われ、クローディアは自分の顔に触れる。興奮する生徒に埋もれた談話室は熱気に包まれている。

 そのはずなのに、クローディアの肌は自分の手で触れているのに氷のように冷たい。それだけ、体温が下がっている。

「……ちょっと、こう……嫌なことというか……よくない報せを聞いたさ」

 クローディアが考えるよりも、クィレルのことで動揺している。全く、自覚していなかった。

「お気の毒に」

 ただ、それだけのリサの声がクローディアの胸に優しく響く。本当にリサには助けられてばかりだと思い知る。何故だが、悔しさはない。喜ばしい気持ちで思わず、笑う。

「いつも、ありがとう」

「いいえ、どういたしまして」

 クローディアは本当に良い友を持った。心からリサに感謝した。

 




閲覧ありがとうございました。
グリフィンドールとハッフルパフが同じ部は、こんな感じに対立していたと思う。
ドラコのイタチシーン、大好きです。

●ゲラード=グリンデルバルド
 ダンブルドアが倒した闇の魔法使い。彼に殺されたかけた学生についての描写がないで、その位置にトトを配置しました。

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