はーとふる☆ぷりずむすとーりー   作:ぺちぺち

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 第3話になります。
 今回はあまり修正を加えておりません。


第3話:空戦特訓

--(1)

 

 接界(ジャンプ)すると既に上空では大量の魔法陣を展開した敵さんが\ステンバーイ/していらっしゃった。

 なにこれすっごいデジャヴ、主に青子さん的な意味で。

 「リアル弾幕ゲーとかホント嫌い」などとほざいている間に魔法陣から凄まじい勢いで砲撃が放たれた。

 嫌いって言った瞬間からこのザマだよ。

 対して超反応で障壁を展開するステッキツインズ…コイツ等やっぱ有能だわ、ランクA相当なら安心だね!

 

 甘かった。

 余裕ぶっこいていたら想定以上の威力と弾幕で障壁を抜かれた。

 貫通ダメージが来るとか聞いて無い、熱くて痛いとかホント嫌…あ、服が焦げてる…自力で防いどきゃよかった。

 士郎さんのお下がりで貰ったヤツがオシャカになった瞬間である。

 悲しい…。

 

 

 反撃に魔砲使い直伝のスフィアを撃ち込んだが無傷だった。

 というか砲撃が届かなかった、ほぼ同時に撃ち込まれた美遊の砲撃も同様。

 解説の時計塔ツインズ曰く『魔力指向制御平面』とかいう謎バリアで防がれているらしい。

 ナニソレ聞いて無い。

 

 あと砲撃の際に「やりますねぇ!」とか抜かしたルビーはきっとホモ。

 そして間髪入れずに魔術で竜巻を起こして逃げ場を封じるフードは鬼畜。

 はっきりわかんだね。

 

 「でも少し…この風…泣いています…」

 

 うるせぇぞルビー。

 

 

 

 

 

--(2)

 

 帰って早々ヒスったルヴィアさんがサファイアに当たり始めたがルビーに目を突かれて悶絶してた。

 やりとりの内容は魔法少女は無敵だの慢心だのといった事だった為男の俺は蚊帳の外だったよ。

 仕方ないね(許容の心)

 

 ルビー曰くあの砲撃は魔術を越えているレベル、失われた神代の魔術だと考えるのが妥当らしい。

 ……魔術越えてたかなぁ…?時間軸をズラして回避とか別の時間軸からの同時攻撃とかされない分大分優しいと思うけど…それにあの砲撃の雨だって気合い入れて障壁張れば十分に防げたと思うよ?

 

 何故か時計塔ツインズにドン引かれた。

 引くなら俺じゃなくてミスブルーにすべし。

 

 話を戻し、ルビーが攻撃陣も反射平面も座標固定型だから陣の上まで飛んじゃえば無問題という案を切り出してきた。

 ん?反射平面って何だ?…魔力指向制御平面の略?先に言え。

 

 しかし飛ぶねー…凄い事をさも簡単そうに言ってくれやがりますなーアハハ、それが出来れば俺だって青子さんとの模擬戦(弾幕ごっこ)で三途の川を幻視したりしてないだろうよ。

 "大人しく別の案を考えましょー"と思考を切り替えようとしたところ視界の端でイリヤが浮いてた。

 イリヤが浮いてた。

 浮いてた。

 こわっ。

 

 魔法少女は空を飛ぶもの!と本気で思っていたら飛べたとかなんとか…マジかぁ……。

 ルビーが魔法少女の力の元はイメージ(妄想)、更に言うなら思い込みだとドヤりながら解説。

 アレか、"常識に囚われてはいけないのですね!"ってヤツか…流石はカレイドステッキだぜ、便利どころかいっそ反則の域だわ。

 羨ましい。

 

 ………飛べない俺は大人しく反射平面ブチ抜き計画でも立てますか、丁度明日は休みだし。

 

 

 

 

 

--(3)

 

 午前の全てを反射平面対策の脳内会議に費やすハメになった。

 まぁ対策といっても魔力砲の術式を二十節程の詠唱に拡張+術式が破損しない限界まで魔力を注入し、高威力砲に仕上げて反射平面の処理落ちを狙うという手法だ。

 ゴリ押しにも程があるがコレが一番手っ取り早い筈。

 なにせ魔力の流れる方向を制御しているというなら、アレは魔力を水とした場合の河川の役割をしているワケだ。

 ならば話は単純であり、許容量を超える水…この場合は魔力を一度に捻じ込んで氾濫を起こしてやればいい。

 水害戦法でゴリ押しとか楽でいいわー。

 

 まぁ反射平面は破れてもフードに当たらなきゃ意味無いんだけどね。

 うーん、青子さんとの模擬戦(弾幕ごっこ)の時みたくこの手の砲撃を弾幕にして撃ちまくるとか?

 ………疲れるだろうなぁ……あーヤダヤダ。

 

 この先に待ち受けているであろう未来像に若干ブルーになっていると携帯が鳴り出した…知らない番号だが誰だろう…?

 ルヴィアさんだった。

 無論俺は番号を教えた覚えは無い。

 何処で知りやがりましたか貴女。

 

 『企業秘密ですわ!』

 

 通話中に大声を出すとは非常識な。

 

 

 

 

 

--(4)

 

 電話の用件は美遊に空戦特訓を施すから一緒に参加しないかというお誘いだった。

 凜さん側の俺を誘っても良いのだろうかと思ったがソレに関しては「NTRというヤツですわ!」とか言ってたっけ。

 流石はGAIZIN、無知って怖いわー…間違った日本文化とか知ってそう。

 

 エーデルフェルト邸のインターホンを押すと渋い叔父様ボイスで入場を許可された。

 そしてお出迎えしてくれたのはドヤ顔のルヴィアさんとメイド服を纏った美遊。

 因みに美遊は恥ずかしいのか半泣きである、何その羞恥プレイ。

 とりあえず一枚激写、俺の内に秘めた富岳は本日も絶好調の様だ。

 

 スマホを粉砕するのはらめぇ^q^

 

 データ破壊ではなく本体を物理的に粉砕してくるあたりに執念を感じる、しかも魔力砲で精密射撃とか…。

 なんだろ、俺への対応に関して少しずつ美遊から"遠慮"というものが無くなっている気がする。

 例えるとすれば久しぶりに再会した友人、或いは親族への扱いに近い。

 最初はどう接したら良いか分からないから距離を取るが少しだけ時間が経つと元に戻る…みたいな。

 まぁ実質的には初対面から数日しか経っていない為例え話として成立していないのだが。

 

 

 

 

 

--(5)

 

 スマホが\デストローイ/されるという悲しみを背負ったままルヴィアさんの所有するヘリに乗り込む。

 で、高度数百メートル地点から有無を言わさず蹴落とされた。

 青子さん並みにスパルタである。

 この状況でさほど怒りが湧かないのも青子さん的教育の賜物だろう。

 慣れってスゲー。

 

 豪速で落下する間に全魔力を物理保護、衝撃緩和、衝撃拡散、振動伝達率減少、耐熱防御、対摩擦壁、その他諸々に回して着地。

 地上に到達すると同時に轟音と衝撃波が辺り一面に撒き散らされ一帯を荒々しく塗り替える…爆心地みたくクレーターになっててヤベー。

 お陰で俺は無傷だが、全ダメージを母なる大地に押し付けたお陰でノーダメージだが。

 スマンなガイアよ、悪く思え。

 

 クレーターから抜け出すと何処からかイリヤが飛んできた。

 続いて美遊も落ちて来た。

 同じ魔法少女なのにこの差である。

 「しょうがねぇなぁ(悟空)」と落下速度やら摩擦熱やらで凄い事になっている美遊を受け止める体勢に入る。

 女の子が地面に叩き付けられるのを黙って見てるわけ無いでしょ(聖人)

 さぁ!俺の胸に飛び込んでおいで!

 

 

 腕と胸部全般の骨格を纏めて粉砕された^q^

 

 

 

 

 

--(6)

 

 青褪めた表情のまま硬直している美遊を余所にグチャミソなった骨格やら血肉やらを『復元』を用いた回復魔術で直す。

 青子さんの魔術刻印が羨ましくて勉強したのよね、流石に重症+意識不明からのオートリジェネとかは真似出来んが。

 ていうか意識無いのに刻印の力だけで自動回復とかおかしいでしょ。

 やっぱ青子さんってズルいわ。

 ……魔法使いの段階でズルいもへったくれも無かった。

 

 自己完結している間に本格的に治療を開始。

 損傷した部位が巻き戻し感覚で戻る為痛みも凄い。

 どの位痛いかと言うと損傷部位にミキサーを突っ込んで抉りまわす感じ。

 あまりの痛みで泣きそうになるわ。

 麻酔が足りてない証拠だな。

 でもグロさは足りてる、むしろ余ってる。

 お陰でイリヤがゲロった。

 ごめんね。

 

 完全回復を果たした所で美遊の無事を確認。

 怪我が無いようで良かった良かった。

 美遊は俺の負傷に関して気にしている様だがその必要はない。

 むしろ調子に乗って受け止めようとした俺が悪い。

 そして原因を作ったルヴィアさんはもっと悪い。

 だから全部ルヴィアさんが悪い。

 完璧だな!

 

 イリヤは自分がゲロった事に対して抗議して来た。

 グロさは据え置きでしょ(迫真)

 

 

 

 

 

--(7)

 

 ルビーがイリヤは『魔法少女は飛ぶもの』と考えているという点に着目してイリヤにイメージの元があるのではと推測。

 そこからなんやかんやあってアインツ家で魔法少女アニメの鑑賞会と相成った。

 興味が無い上影響も受けない俺は暇になると思ったが作中のキャラクターに対して一々突っ込みを入れる美遊が存外に面白かった。

 航空力学とか持ち出してきた時には爆笑しそうになるのをキラ様的忍耐力で堪えてたし。

 「だ…駄目だ、まだ笑うな…こらえるんだ…し…しかし…」みたいな。

 今度美遊に空想科学読本でも進めてみようかな?

 

 混乱し続ける美遊を見かねたルビーがイリヤを貶しながら魔法のコツを説明。

 一応アレでも褒めてるらしい、それもベタ褒めで。

 ありえん(ミズチ)

 

 なんかごちゃごちゃ語っていたが、最終的にルビーの『人が空想できること全ては起こり得る魔法事象』とイリヤの『考えるな、空想しろ』という超解釈でFA。

 

 うーんこの名言感。

 

 言われた側は意味不明も良い所のようだが。

 俺も理解出来ないし無理に分かろうとしなくても良いんじゃね。

 

 

 

 

 

--(8)

 

 まあ、なんだ。

 飛ぶとか無理です^q^

 物理的に無理。

 航空力学的にも無理。

 魔術的には可能かもしれんが新しい方面を勉強するとか時間的に無理。

 

 やっべ詰んだかも。

 

 

 

 

 

--(9)

 

 飛べなくても反射平面の上にさえ行ければ良いという前提で美遊と案を出し合う。

 

 魔力放出を利用したジェット噴射で飛ぶという案も出たが単純に距離が届かん。

 そもそも直線移動しか出来ない為弾幕の前では良い的になる。

 全身火傷 or 蜂の巣は決定ですよ(経験談)

 

 もういっそ高度を維持したヘリごと転移すれば良いんじゃないですかね?

 駄目?そっかー。

 

 

 

 

 

--(10)

 

 休憩に格ゲーをしていると美遊が二段ジャンプに注目、真似出来ないかという話になった。

 

 結論から言うと出来た。

 やっぱり航空力学を学んでるやつは違うな。

 発想力とかじゃなく実用性の有無を論点に持ってくるという意味で。

 俺も実際にやってみたが感覚としては空中に足場がある感じ。

 死神にでもなった気分だ。

 瞬歩とかしたい。

 

 

 

 

 

--(11)

 

 空戦問題も解決したので美遊をエーデルフェルト邸まで送ると庭の一角でルヴィアさんを発見。

 のうのうと紅茶飲んでたのがムカついたので砲撃を撃ち込みたくなる衝動に駆られたがグッと堪える。

 だって巻き沿いでエーデルフェルト邸の一角が倒壊して弁償とか言われたら支払えないですもん…。

 庶民にとってお金はプライド以上に大事なんです…。

 

 

 

 ………そういうの気にしなくていい貴族様羨ましい嫌い!!!!!

 

 

 

 

 




 宜しければ感想や評価、誤字報告下さい。リクエストやシナリオ内の疑問なども歓迎です。


●『復元』の魔術:蒼崎家が得意分野とする魔術。
 致命傷を負ってもこの魔術を行使すれば元の状態に回復する事が出来る。
が、麻酔効果は無い為再生の際には受けた痛みを逆再生感覚+スローペースで受ける事になる。
 更に魔砲使いの様に魔術刻印による自動再生能力は無い為意識を飛ばすと回復出来ずに死ぬ。
 いわば蒼崎版復元魔術の贋作兼粗悪品。






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