◇4 問題児たちが異世界から来るそうですよ?にお気楽転生者が転生《完結》   作:こいし

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サンドラグッズ作りの件

 さて、レティシア、ペストとグッズの為の写真を撮った珱嗄はそれを元に様々なグッズを作りあげた。妙に艶かしく編集されたお風呂ポスター、水着の際どいポーズや幼女という属性を利用したちょっと背伸びしましたという感じの可愛いカード、二人それぞれが普段良く取るポーズを元にしたフィギュアとキーホルダー、そしてついでとばかりに録られた『純潔の吸血姫レティシアちゃんの!ドキドキ添い寝ボイスCD』と『黒死斑の魔王ペストたんを妹に! 甘えん坊の妹ボイスCD』を作りあげた。

 CDの件は本当についでだが、十六夜のDVDを作った際にちょっとハマった様だ。また、少し録音時に照れていた二人も後半ノッてきたのか録り終えた後にまだやりたいと言う始末。結果的に二つのCDはあたかも映画の同時上映の様に、レティシアの方には本人からの罵倒ボイスが、ペストの方にはツンデレでの告白ボイスがそれぞれ同時収録された。

 

 ちなみにCDとフィギュアに関しては未だに発売日が未定である。作者は聞いたぞ(´▽`*)

 

「さって、そういう訳で今度はサンドラちゃんの番だ」

「あ、そうなんですか……」

「止めろサンドラぁああ!! お兄ちゃんお前の裸を撮らせるなんて許さんぞぉぉぉ!!!」

「暴れないでくださいマンドラ様! サンドラ様のアイドルグッズを待ち望んでるファンは大勢いるんです!!」

「煩い! 何処にいるのか言って見ろ! 懲らしめてやる!」

「此処にいます!」

「そうかお前か! 二度とサンドラに近づくな! そして死ねぇぇぇぇ!!」

 

 珱嗄とサンドラの会話の外で煩いガヤが入ったが、どうやらファンは此方の味方の様だ。何故ならサラマンドラのメンバーは全員サンドラの為に命を差し出せる猛者達だ。そのサンドラのグッズが出るとなれば、狂喜狂乱だろう。

 

「それじゃあ仕事の方も一区切り付きましたし、ささっと終わらせましょうか。まずは何を?」

「ああ、まずは―――」

 

 既視感。デジャヴとも呼べるその現象は、一度見たことあるな? といった感じの事が起こる現象である。そして、此処から放たれる珱嗄の言葉は勿論、

 

 

「服を脱げ」

 

 

 これだった。

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

「貴様ぁあああああ!!!!」

「はいはい、邪魔だから消えてねー」

「甘いわァ!!」

「嘘っ!?」

 

 サンドラが一通りレティシアと同じ自爆をした後、赤い水着を持って顔を真っ赤にしたまま部屋を出て行ったのだが、サンドラの姿が消えたと同時にマンドラが襲い掛かって来たのだ。

 珱嗄はそのマンドラを軽く掴んで投げようとしたのだが、なんと普段の実力からは想像も出来ない程の身軽さでマンドラは珱嗄の腕を躱し、空中でくるりと回ったかと思えばその剣を抜いてきた。

 

「おおおおおおお!!!」

「シスコンの力ってのは恐ろしいね―――っと!」

「ぐおっ!!?」

 

 だが、結局は珱嗄の敵では無かった。剣に手を添えてその軌道を変えながらマンドラの勢いを利用してそのまま投げ飛ばした。

 

「ぐ……ここで負けるわけには……行かないのだ……!」

「マンドラ様! 何故分かってくれないのですか! サンドラ様ファンクラブ会長の座に就いておきながら何故!」

「……っ……いいか、私はアイツのファンである前に……アイツの兄なのだ!! 兄として、妹の裸体を公衆の面前に晒すなど、許してはならん!!」

「!?」

 

 なにやらカッコイイ事を言っているマンドラ。だが、そこへ現れたのは赤い水着と来て下半身にはセパレートを着用したサンドラ。挙句の果てには浮輪装備という完全なまでの幼女押しだ。

 

「に、似合ってます……か?」

 

 その言葉に空間は静寂に包まれた。そして、その数秒後――――

 

 

「がはっ……!!!」

 

 

 ―――マンドラは血を吐いて倒れた。

 

「マンドラ様ァアアアア!!!」

「ふ……我が生涯に……一片の……く……い…な……s」

「とっととくたばれや」

「ごふっ!!?」

 

 珱嗄は最後まで言い切る前にマンドラの鳩尾にその足を落とした。そしてマンドラは沈黙した。

 

「さて、始めようか」

「はい♪」

「サンドラが見向きもしない………兄様ちょっと寂しいな」

「サンドラ様もアイドルとして、成長なさっているのです。見守りましょう」

「……ああ」

 

 マンドラは目尻に涙を浮かべて、妹の成長が嬉しいやら離れて行って寂しいやら複雑な表情を浮かべながらも、そう言ったのだった。

 

 

 その後、お風呂撮影時にマンドラが鼻血を吹いて倒れたり、CD録音時にそのシチュエーションの妄想に耽ってしばらく戻って来なかったりしたのだが、最終的になんとか完成を見たのだった。

 結果、サンドラの水着カード、プレミアムブロマイド、お風呂ポスター、キーホルダーにフィギュア、そして『フロアマスターサンドラちゃんの! ラブラブ甘々純愛ボイスCD』が完成し、同じく同時収録として世話焼きお姉ちゃんボイスが録られる事となったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 勿論作者は全部聞いたよ!(*´∀`*)カワイカッター…!

 

 


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