桐原静矢になったけどとりあえず最強目指す   作:田中

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サブタイ適当。そして今回短め。さらに桐原くん視点に戻る。
就活が大変で書けなくてすまない…


観戦しました。

「降参します!」

 

『勝者、桐原静矢!』

 

また、戦わずして勝ってしまった。この人達は当たって砕けるという気持ちはないのだろうか。きっとないのだろう。誰だって死ぬのは嫌だ。一輝くんの様に両足を切られたりしたくないのだろう。

 

『三連続降参勝ちです!やはり桐原選手には誰も勝てないのか!?』

 

『可能性あるやつもいるけど大半は無理だろうね』

 

西京先生は相変わらず本音しか言わない。少しは俺を見習って負けた相手への配慮とかもしてあげて欲しい。

 

「すまない桐原。どうしても勝てる自分の姿が見えなかった」

 

「いや、構いませんよ先輩。ギリギリまで模索したんですからナイスファイトですよ」

 

本当は当たってきてほしかったが出てきてくれただけマシだろう。相手の棄権で勝つなんて虚しいから。

 

「そうか。そう言ってもらえれば俺も報われる」

 

当たってきてほしいと言ったが結局、先輩のハンマーでは機動力のある俺に当てることは叶わないんだけどね。そんな余計なことは頭で考えはするが口には出さない。なぜなら大人だからだ。

 

「お疲れ様でした」

 

そう言って会場から離れる。今からならギリギリ第二闘技場で行われる珠雫の試合を見ることができるだろう。今までずっと相手を窒息させて勝ち進んでいるから今回も窒息させるのか気になるところである。そろそろ【水牢弾】も対策させている頃だろう。

 

そう思って会場に着いたのだがそうでもなかった。避けても避けても出される【水牢弾】に追い詰められ、最後には当たる。相手が魔術戦をそれなりにできていれば【水牢弾】を壊すこともできるのだが練度の低い一年生には無理だろう。

もし俺が珠雫と戦うなら、真っ先に縮地で距離を詰めるか【狩人の森】で姿を消して攻撃するかの2つだ。水が張り付くという性質は非常に厄介であるが水自体は脆い。出されても俺の剣撃でなら壊すことも容易いだろう。

 

「見てくださったんですね静矢さん」

 

試合が終わった後珠雫が観客席にまで来た。試合終わって10分くらいだが早すぎるだろ。

 

「珠雫の試合だからね。当たり前だよ」

 

「静矢さんはまた降参で勝ったのですか?」

 

「残念ながらそうだよ。中々戦ってくれる人がいないね。東堂先輩とマッチングしないかな」

 

「【雷切】ですか……」

 

「珠雫も僕と当たったら戦ってくれるだろう?」

 

「当たり前です!昔と違って成長したということを思い知らせます」

 

「それは楽しみだ。珠雫は強くなったからね。俺もとても嬉しいよ」

 

頭を撫でてやると嬉しそうにしてくれる。そこは昔と変わらない。本当に可愛い。彼女というより妹って感じだな。

 

「静矢さん。私、負けません」

 

意思のこもった声だったが誰に負けないのだろう。代表戦で勝ち残るということかな。それとも俺?ま、どちらにしろ

 

「うん。期待しているよ」

 

珠雫には期待をする。強くなる素質はあるのだ。サムライリョーマの血を引いてるというだけで素質はある。王馬くんも素質あるし一輝くんも素質ある。だから2人は強い。珠雫にもあるに決まっている。もっと強くなるに決まってる。というか原作的には強くなる。

ここで原作と違うところを少し発表しようと思う。俺が原作開始前から介入したおかげで珠雫は魔術戦だけでなく剣も上手い。原作から飛び出ないだろうと判断して俺が教えた。一輝くんには届かないだろうが剣技だけならステラさんに完封できると思う。といっても伐刀絶技を使われたらどうなるかわからない。

原作通りいっていたら珠雫は東堂先輩と当たっていたが俺と一輝くんが選抜戦で当たっていない時点で離れている。東堂先輩と今の珠雫が戦うところを見てみたかった。

 

「どうかしましたか?」

 

黙々と考えていたら不思議そうな顔で聞いてきた。

 

「あぁ、珠雫と東堂先輩が当たったら面白い試合になりそうだなって思っただけだよ」

 

「もしそうなったらどちらが勝つと思うんですか?」

 

「珠雫がまだ力を温存してるからわからないな。どちらが勝ってもおかしくないと思うよ。ただ、一度でもクロスレンジに入れば珠雫が負けるということは確かだよ」

 

俺ですらクロスレンジでは数回しか剣を合わせられなかったんだ。あの時は東堂先輩の【雷切】は打ち破れなかった。今はどうなるか分からないが俺が東堂先輩と当たれば弓を使わざるを得ない戦いになるだろう。それほどに強い。

 

「わかりました。当たった時注意します」

 

「そうするといいよ。とりあえず帰ろうか」

 

「はい」

 

珠雫と手を繋ぎ2人で第二闘技場を出た。手を繋いだ時凄い顔を赤くしてたのがとてつもなく可愛かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時が過ぎるのは早く、すでに第8試合が終わっている。今のところ原作と違う点は俺、桐原静矢が勝ち続けていることなのだが大した違いではない。一輝くんもステラさんもオカマも珠雫も1年生の活躍には目を張るものがある。一輝くんの次の試合は前理事長の作った序列では3位(俺は6位だった)であり生徒会役員の兎丸さんとの試合。下馬評では兎丸さんの勝利というのが濃厚であった。確かに彼女のマッハ2の速度は攻略がむずかしいところがあるだろうが剣客からすれば攻略はできる。

ステラさんの相手の砕城さんも生徒会役員であり、彼のフルパワーの10tの斬撃は重い。昨年では俺もそれを体験したが普通に押し返せたのでステラさんも力技で突破できそうだ。

 

そして俺の次の試合だが生徒会会計のカナタ先輩だった。原作ブレイク待った無しの組み合わせに現実逃避したくなるがすでにかなり原作と変わっているのですぐ吹っ切れた。久し振りに降参以外の勝ち方ができそうで嬉しい。

だが、剣で勝つにはどうするかは全く思い浮かばない。彼女の伐刀絶技相手に伐刀絶技無しで勝つにはどうするか決まらないのはかなり痛手だ。この段階から弓を披露するなんてエンターテイナーとしては憚れる。伐刀絶技もまた然り。【星屑の剣】は砕いた霊装の欠片を動かして内部から破壊するエグい伐刀絶技だ。目に見えないなら対応のしようがない。俺の【狩人の森】も見えなくなるから対応できないのだ。少し似ている。

 

なんにせよ俺が木刀のみで勝つには無呼吸でなければならない。この時点でも難しいのにさらに、動き続けて狙いを定められないようにしなければならない。そして、ある程度を目で捉えなければならない。この3つをクリアすれば必然と勝ちを得られる。最悪手札を一枚切る価値はある。舐めてかかれる相手ではないが負ける相手ではない。勝つのは俺だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




サッカーのレスター優勝記念にアスタリスクのレスター憑依物を書こうと思ったけど時間がないからやめた。
一輝くん戦のように第三者視点が今回のように桐原くん視点かどちらの方がいいのかわからない。書きやすさは同じだからどっちでもいいんだよね。

次回はカナタ先輩との試合です。当たり前ですが勝ちます。
1ヶ月以内に更新できるよう頑張ります。

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