由比ヶ浜悠斗を含め、奉仕部員はなにかと問題を抱えている。   作:オロナイン斎藤。

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由比ヶ浜悠斗は惰性を糧に生きている。

 

 

授業終了のチャイムが鳴り響いた。ふと周りを見渡すと

それを合図に伸びをする者、いそいそと片付けを始める者や既に帰る支度を済ませている者など様々だ。俺もそのうちの一人であり、同じ姿勢で凝った身体をほぐすために伸びていた。

 

こうしていると某テレビ番組でやっていた「のびーるのびーるストップ!」とかいう魔法の言葉を思い出す。

 

「のびーるのびー...」

 

声に出して言ってみたものの途中でふと我に返り、言い終わる前に動作を止めた。ストレッチパワーってなんなんですかねあれ。

 

「由比ヶ浜、ちょっと来てくれ」

 

軽く後悔していると教卓にいた国語の教科担当兼生活指導担当兼俺が所属している部活の顧問であるところの平塚先生からのお呼びだしがかかった。うん、前置きが長い。

 

というか、あの人が話しかけてくる時は大体面倒事か婚活の話(失敗談)しか持ち込んでこないのでできれば聞きたくないのだが...。

 

「無理です。忙しいです。今ちょっとあれがあれなんで」

 

「冗談はよしたまえ。君は年中暇だろう?」

 

「先生は俺のことをなんだと思ってるんですか...」

 

「なに、安心しろ。ただの業務連絡だ」

 

(俺的にはその業務連絡とやらが嫌なんだけどなぁ...)

 

なんてことを思いながらも渋々と立ち上がった。

 

「んで、なんですか?依頼ですか?」

 

「いや、雪ノ下が今日は休むらしいからその連絡だ」

 

「あぁ、それならさっきメールきましたよ」

 

そう言って俺は先生に携帯の画面を見せると、それを見た先生は「相変わらずだな」と言いながら苦笑いを浮かべた。

 

『件名:なし

本文:本日私用のためお休みさせて頂きます。』

 

といった業務連絡のような文面が書かれていたからである。律儀というか真面目というか...まぁ別にいいんだけど。

 

「それでなんだが雪ノ下は休みだし、生徒会も特になし。抱えてる案件も特にないから部活を休みにしても構わないがどうする?」

 

なんにせよどうするかは決まっていたのだが、俺は少し考えるフリをしてから口を開く。

 

「いや、もしかしたら依頼がくるかもしれないので下校時間まで一応残ってますよ」

 

とりあえずそれっぽい理由もつけておく。

 

「わかった。では少し雑務をしてもらおうか。いい暇つぶしにはなるだろう」

 

「...案件は特にないんじゃないですか?」

 

「まぁいいじゃないか...どうせ暇なんだろう?」

 

先生は嫌みったらしく笑みを浮かべた。この表情から察するにどうやら俺の思考は筒抜けだったらしい。

 

「...はぁ、わかりました。ホームルームが終わったら職員室を伺いますね」

 

「珍しく素直じゃないか」

 

「今どきツンデレなんて流行らないんで」

 

「そ、そうなのか!?...だから前に...」

 

ぶつぶつと何か言っていたが、聞かなかったことにしてあげよう。俺は何も聞いてない。また婚活に失敗したなんて聞こえなかった。

 

「あのー...平塚先生...そろそろホームルームを始めたいのですが...」

 

おずおずと申し訳なさそうに平塚先生に話しかけたのは我らが担任である櫻井美智子先生(通称みっちゃん)である。ちなみに既婚者です!既に人生のパートナーを見つけております!そして平塚先生より年下です!つまり人生の勝(以下省略)

 

「おっと、申し訳ない。では頼んだぞ、由比ヶ浜」

 

「了解っす」

 

「櫻井先生もまた職員室で」

 

「は、はい。お疲れ様です」

 

踵を返して平塚先生は教室を後にした。そういえばあの先生ウチの妹の担任になったとか言ってたな。あとでクラスでどんな感じなのか聞いてみるとしよう。

 

 

 

 





こんな感じでぐだぐだ~っとスタートです。
誤字脱字、間違いなどごさいましたらご指摘ご指導よろしくお願いします。

次回更新予定は3日後ぐらいです。多分


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