毎朝30分だけ書いて何とか完成させました。
「――やと―――ください―勇人」
「ん…ん~?」
ゆっくりと目を開けると俺の目の前にはクラレットがいた。
俺って寝てたのか…? 何時から寝ていたのかよく覚えていない…。
「んーッ! クラレット、おはよう」
「ふふ、おはようございます。と言ってももう日が暮れるまじかなんですけどね」
「どのくらい寝てた?」
「ほんの10分ぐらいですよ。うなされている感じがしたので起こしたんですけど、迷惑でした?」
「いや、うなされていたなら起こしてくれてありがたいよ。ありがとうクラレット」
夢の内容は思い出せない、だけどどこか楽しくて…。
とっても辛い夢だったような気がする、なら思い出さない方がいいよな。
「なんか嫌な感じの夢だったよ。内容は思い出せないけど大切なモノを失う感じがして」
「………」
「でも、心で引っかかる気がするんだ。それを思い出せないのが…」
「だったら……思い出さなくてもいいんですよ?」
クラレットはこっちを見て笑顔で答えてくれる。
その顔を見た瞬間、まるで心に残ったしこりの様なものがスッと取れた気がした。
「思い出して苦しいのなら無理に思い出さなくてもいいんです。思い出した時に考えましょう?」
「そうだな。そうだよな! なんか考え過ぎてたよ。ははは」
「ふふ…」
夕焼けを見ながら俺はクラレットの方に目をやった。
夢のせいじゃないけど、言わなきゃいけない事があったんだよな。
いや、違うよな。俺は伝えたいんだ、クラレットにこの思いを…。
「こんな日だったよな、クラレットに出会ったのってさ」
「そうですね…、こんな夕焼けの日でした」
「クラレット。俺決めたんだ、自分に嘘つかないって前に進むって」
「…勇人?」
俺は立ち上がってクラレットの方を見る、
そして何年も想っていた想いをクラレットに告げた。
「俺、クラレットの事が好きだ」
「………」
「何時から好きだなんて覚えてないけど、でもずっと一緒に居たいって思っている。大人になっても歳をとってもずっと横にいてほしいんだ。だから俺と…俺と一緒にいてください」
「……勇人」
クラレットは少し俯いたが顔を上げると笑顔で俺の手を握ってくれた。
そして俺の顔に近づいてくる、俺も引き寄せられるように近づいてゆき、
やがて二人の影が一つになった。
凄く心地良くて心が満たされるのを感じる、握った手を手放して俺はクラレットを抱きしめた。
クラレットは少し身を動かすがそのまま俺に身を預けてくれた。
やがて夕焼けが消えかけるのと同時に俺達の影は再び二つになる。
「私も……あなたの事が好きです。これからもよろしくお願いします」
目から涙腺を見せつつ笑顔でクラレットは勇人の想いに答えた。
「ッッ―――!!!よっしゃぁーー!!」
「は、勇人?」
「いやぁなんかさ。すっごい嬉しくて、ずっと前から好きだったからやっと言えて安心したっていうか」
「ふふ」
喜ぶ勇人の姿を見てクラレットが小さく微笑む、
勇人がこれからの新しい生活を想いながらクラレットに近づく。
「荷物持つよ。その……恋人になったんだしな」
「はい、ありがとう勇人」
友達からもらった誕生日プレゼントをクラレットから勇人は受け取り立ち上がる。
そして公園の出口に向かって進んでいった。
「………」
クラレットは自身の手の中にあるモノを握っていた。
紫色に輝く石、サプレスのサモナイト石。その幻影だった。
「貴女を迎えに来る人はもう居ません。大丈夫です。私は貴女なんですから、私を望んだ勇人を私は幸せにします……」
シュウゥ…と音を立てるように手の中で消え去るサモナイト石。
勇人が向こうから「クラレット―?」と声をかけてくる、軽く手を振りクラレットはハヤトの下へと走った。
「さようなら、私」
誰にも聞こえないその小さな呟きを最後に確かな繋がりはこの世から消え去った。
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新堂勇人と新堂クラレットが恋人同士になった。
周りの人々はやっとかぁ、と思ったりチャンスが完全に消えた!と絶望したりなど色々だろう。
一番喜んだのは新堂春奈だった。だけど彼女はとこか怪訝そうな顔で「二人ともどこか変わった?」と聞いてきた。
見かけは二人なのだがどこか違う感じがするのを春奈は気にしたがやがて気にすることもなくなった。
そこからの高校の3年間は平和だった。
馬鹿をやったり厄介ごとに巻き込まれたりなど結局いつも通りで彼の望んだ平凡な毎日がそこにはあった。
デュウと言う謎の少女の邂逅には少々骨を折ったそうだが結局いつの間にか彼らの輪に入っていた。
望月命はクラレットに向けて「本当に、クラレット先輩?」と失礼な事を言ったため春奈に折檻を受けていた、可愛そうに…。
そんな中、彼は一度たりとも公園に行くことはなかった、何かを失いそうな気がして、言葉に出来ない恐怖があったから。
勇人とクラレットは学校卒業と共に那岐宮を離れる事にした。
妹を中心に多くの人がそれを止めようとしたが、彼は那岐宮から離れる事を選択した。
この大学に行きたい、この仕事をしたい、そういう風に説得したが彼は那岐宮から離れたかったのだ。
理由は言葉には出来なかった、なぜだと言われればなぜだろうと答えてしまうだろう。
それでも彼がその選択をしたからには誰も彼を止められなかった。彼はもう大人になっていたのだから…。
何年かしても二人はずっと一緒にいた。
結婚をしていた訳でもない、ただ一緒に居ただけだった。
それでお互いが満足なら周りも何も言わない、時折仕事の同僚に煽られる。
「なんで新堂は結婚しないんだ?」そんな言葉を気にし始めたのはここ最近だった。
ただどういう訳かこれ以上の先を意識できない、現状で満足してしまっているためか、
もしくは全く別の要因なのか自分ではわからなかった。
そういうのを気にし始めた頃、事件は起きた。
――橋本夏美が行方不明になった
友人である夏美が行方不明になった。
それだけではない、その数は増えてゆき、樋口彩や深崎籐矢もいなくなったそうだ。
それを教えてくれた春奈は泣き声で戻ってきてと言ってきた。
だけどすぐには戻れなかった、仕事もあるし、何より那岐宮になぜか戻りたくなかったんだ。
何かが起こっている那岐宮に今戻れば何かが起きる。そう無意識に理解していた。
そしてその日はやって来てしまった。
――那岐宮市消失
那岐宮が完全に消滅してしまった。
巨大な穴が眼前には広がっている、俺の知っている街はもう存在しなかった。
頭が割れるように痛い、それをクラレットは支えてくれている。
だがその表情をどこかで見たことがあった。
……そうだ、あの日。俺が彼女を守ろうとして最後に守れなかった時の…。
気づいたんだ、自分が逃げ出したことに、俺は思い出してしまったんだ。
「俺は……!俺は……!!」
これは俺が原因なのか、みんながいなくなったのも、那岐宮の街が消えたのも全部。
「俺が逃げだしたから、そのせいで! そのせいで街が!!」
泣き叫びながら俺はクラレットの胸の中で泣き続けた、
彼女は俺を優しく抱きしめながらなだめてくれる、それがとても心地よくそして……。
どこまでも悲しかった……。
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彼が全てを思い出してしまった、私はどうすればいいのだろう。
私に出来る事はあまりない、こうして彼をなだめることしか出来なかった。
彼が私に聞いてくる「俺はどうすればよかったんだ?」と……私には答えが出せなかった。
だって私は彼女の残滓と彼の意思から生まれたヒトカタ、どこまで行っても本物に成れないモノ。
そして私では彼が己に抱いた罪を赦すことが出来ない、だって私は……。
――彼女の姿を象った、ただの人形なのだから
カルマED 人形の花嫁
ざっくり終わらせるストーリー。カルマEDとかだいたいこんな感じ、みんな大体1週目はカルマだよなぁ?3とか特に。
2のカルマが特殊すぎるだけの気がするけどさ、うちのハヤトは逃げ出した感じかな。
詳しく説明するとメイメイさんハヤトの記憶操作+逆行→クラレット消える直ぐにヒトカタクラレット配置→ハヤト、ヒトカタクラレットと誤認、こんな感じになってます。
つまり彼らはハヤトが来ないルートが選ばれた訳です。
↓ 以下ハヤトが来なかった場合
ガゼル→クラレットを捕まえようとするが、レイドに見つかり止められる。ミニス編で暗殺者から仲間を庇い死亡する。
エドス→ミニスを助けようと戦うが、力及ばず暗殺者に殺される。
レイド→ラムダと戦闘で死亡。
リプレ→魔王召喚によりその余波に巻き込まれ死亡。
フィズ→ミニス編で誘拐され赤き手袋の工作員として教育を受ける。
アルバ→リプレと同乗。
ラミ→メスクルの眠りにより死亡はしなかったがベットから動けなくなる。のちに魔王召喚に巻き込まれ死亡。
クロ→召喚されなかった。
ジンガ→出会う事がなかった。
スウォン→出会う事がなくガレフの群れに挑み死亡する。
ユエル→トードスの養分にされ死亡する。
ガレフ達→トードスの餌を集めるのを目的にしておりその後もそれを続けさせられ飼い殺しにされた。
メリオール→魔王召喚後もトードスの誓約が続き森が腐りラウスの樹木も腐り異空間に閉じ込められる。
アカネ→クラレットと出会い友達になるが、後にシオンに連れられてサイジェントを離れた。
シオン→サイジェントの危機を感じ取りアカネを連れサイジェントから離れる。
モナティ→カムランに買われペットとして生きる事に、魔王召喚に巻き込まれ死亡する。
ガウム→サーカスの団員として生きる事に、モナティに会いたくて脱走するが出会う事はなかった。
エルカ→カムランに誓約の首輪をつけられペットに後に魔王召喚に巻き込まれ死亡する。
ローカス→暴動で捕まり鉱山送りにされた。
イリアス→無色の派閥から城を守ろうとして死亡する。
サイサリス→イリアスと同乗。
ラムダ→レイドを手にかけた事により迷いが生じる、そしてその瞬間にバノッサの襲撃を受け死亡し、屍兵として使われる。
セシル→屍兵になったラムダを利用されて派閥兵及び慰め者として使われる。
スタウト→赤き手袋の裏切り者として粛清される。
ぺルゴ→殺されて屍兵にされる。
イムラン→クラレットより奪い取ったペンダント(宝鍵)を狙われ無色の派閥に殺された。
キムラン→ミニスを助けようとしてソルに殺される。
カムラン→魔王召喚に巻き込まれ死亡する。
ミニス→フィズと共に捕まりシルヴァーナの誓約を完全に切る為、拷問と凌辱の限りを尽くされ殺される。屍兵として蘇させられファミィを殺す道具にされた。
ファミィ→屍兵と化したミニスに殺されかけるが反撃して倒してしまう。その後、精神を病み議長を引退した。
ギブン→ソルに使われ殺された。
ミント→オプテュスに捕まり凌辱される。心に傷を負ってしまい早々にゼラムへと帰還した。
ギブソン→魅魔の宝玉を取り戻そうと奮闘するが力及ばず敗退する。召喚された魔王とエルゴの守護者との戦いに力を貸した。
ミモザ→ギブソンと同乗、心に傷を負ったミントの責任を取りゼラムに帰った後、派閥を辞めた。
グラムス→召喚された魔王と守護者と共に
戦いこれを撃破する。その後ゼラムへと戻った。
ザガルド→一味と共に赤き手袋の戻る。
バノッサ→魔王召喚の儀式で魅魔の宝玉を担当、ソルと共にオルドレイクを殺す。その後、召喚の余波に巻き込まれ行方不明になる。
カノン→バノッサと共に行方不明になる。
オルドレイク→魔王召喚の儀式の最中にバノッサとソル、カノンに殺される。死ぬ間際ソルに更なる呪詛をかけた。
ソル→魔王召喚の儀式で魔剣を担当。オルドレイクを殺すが呪詛をかけられ、死ぬその時まで苦しみ続ける呪いを与えられた。その後魔王召喚の余波に巻き込まれ行方不明となる。
ウィゼル→剣を託す人物に出会えずサイジェントから離れた、その後、誰にも看取られる事なくこの世を去った。
メイメイ→クラレットからサプレスのエルゴを引き剥がす。魔王召喚後、暴走する魔王を守護者たちに討伐させ結界を再構築する。
????→剣竜と呼ばれる竜に会いに行くが魔王との戦いに巻き込まれこれを撃破、再びリィンバウムを巡る旅に戻った。
????→メイトルパのエルゴの守護者として魔王と戦いこれを撃破する。その後再び自分の剣竜の役目へと戻る。
???→シルターンのエルゴの守護者として魔王と戦いこれを撃破する。結界の再構築に力を貸した。
?????→ロレイラルのエルゴの守護者として魔王と戦いこれを撃破する。自分の家族の下へと戻っていった。
????→機械遺跡で家族を待つ。その家族は帰って来ていつもの生活に戻った。
ハヤト→ヒトカタクラレットと共に青春を謳歌するが、どことなく公園を中心に那岐宮の地に恐怖を抱いていた。その後、ヒトカタクラレットと共に離れるが那岐宮消滅を期に那岐宮跡地に戻る。ヒトカタクラレットの辛そうな顔を見て記憶を思い出し悲しみに暮れた。その後、向こうに渡る手段を探すが結局見つかる事がなくその生涯を終える。
ヒトカタクラレット→ハヤトと共に青春を謳歌するが、彼女をよく知る人物には違和感を感じさせる存在だった。ハヤトが記憶を取り戻してから本当に自分の存在がハヤトの為なのか悩み続けるが結局答えが出ることなく、ハヤトの死と共に一枚の紙切れに変わってしまった。
クラレット→来て早々メイメイにサプレスのエルゴを引き剥がされエルエルの杖を渡された。その後、使えるようになった召喚術で元の世界に戻ろうとするが、仲間を守る為にガルマザリアを手放してしまう。召喚術で仲間を守ろうとするが、レイドの死亡から何かが変わり始め、ミニスの誘拐に巻き込まれ無色の派閥に捕らわれる。その後、魔王召喚の生贄にされて生涯を終えた。
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こ れ は ひ ど い
主人公一人いないだけで、ハードすぎるだろ。
フラットはやはりというかミニス編で壊滅します。あそこ難易度高すぎるからな。
スウィンはサブイベキャラなんでスルーすれば妥当な所です。ユエルも同上。
ジンガとクロはそもそも接点がない…。
他の人たちも結局主人公に助けられた人たちがほとんどなんでこんな物でしょう。
ちなみに那岐宮消滅はU:Xの最終巻で起きるらしいです。
ミコト自体こっちにいるから条件は満たしてるからね、色々あったんだよ。
出てこないキャラは??つけてます意味あるかは知らないけど、
とりあえず、これにてサモンナイト―生贄の花嫁―完結です!!
いやぁ~NKT……。
* *
* + うそです!
n ∧_∧ n
+ (ヨ(* ´∀`)E)
Y Y *
ちゃんと本編ルート書きます! 今年中には終わらせたい!(願望