サモンナイト ー生贄の花嫁ー   作:ハヤクラ派

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普通の生活で起こった出来事です、って言ってもメイメイさんは普通じゃないですね
ようは本編外の出来事です。


サブイベント 占い師メイメイさん

バノッサとハヤトの戦いの後、俺たちは改めてフラットのメンバーとして迎えられた

どうやら俺があの戦いで口走ったことが心に来たとかエドスが言っていた。結構恥ずかしいこと言った気がする

クラレットは記憶が戻ってることをしっかりとみんなに伝えた

全員が召喚師の出身だが、差別せずみんなに優しくするクラレットの人柄を知っているため気にしてないようだ

ガゼルは身内に召喚師がいると結構いい気分だなとか言っていた。そのあとリプレに絞られてたが

 

そしてあれから3日ほどの時間が過ぎた・・・

特に何もなく俺は家に引きこもるだけではなく外に買い物の付き合いに出ることにした

 

「ハヤト、荷物持ちましょうか?」

「片手は空いているんだから平気だって、俺を治してくれた人だって少し運動したほうがいいって言ってたんだろ?」

「それはそうですが…」

「クラレット、男の子は意地っ張りなんだからやらせておきなさい」

「誰が意地っ張りだって?」

「ハヤトとガゼルがよ」

「俺は意地っ張りなんかじゃねぇ!!」

「はいはい、いくわよー」

「おい、聞けって!」

 

買い物には俺とクラレット、ガゼルとリプレの4人で行っている

まだオプテュスと会う可能性があるため4人ほどで行動しないと危険だったからだ

今日は危険はなく商店街を歩いていると少し気になる道を見つけた

 

「…なあ、ガゼル。この道ってどこに通じてるんだ?」

「ん?確か南スラムのいろんな所だな。結構入り組んでるからわかりずらいぜ?」

「へぇ~」

「ハヤト…、もしかしてこの道入りたいって思ってませんか?」

「えっ!?いやぁ、ほらさ逃げるときに入り組んでるとこだと便利だろ?だから気になってさ」

「それもそうだな、じゃあちょっくら案内するか。リプレは先に戻っててもいいぞ?」

「私もついてくわ。ちょっと、復習がてらにでもね?」

 

4人は裏路地のほうを歩いてゆく、確かに複雑だが覚えられないわけでもない

 

「キャッ!?」

 

道を歩いて進んでゆくとクラレットが何かにつまづいてコケてしまった

 

「大丈夫か?クラレット」

「は、はい。いま何かにつまづい…た…」

 

クラレットが視線を躓いたモノに目を向けるとそれは人の足だった

すぐさま駆け寄ると赤いチャイナ服?のようなものを来た眼鏡をかけた女性が口をパクパクさせながら倒れていたのだ

 

「だ、大丈夫ですか!?」

「おい、しっかりしろ!」

 

ガゼルとクラレットが女性に話しかけるが「あうあう」としか言わず何やら様子がおかしい様だ

 

「…もしかして脱水症状にかかってるんじゃないの?」

「だ?脱水症状だぁ!?こんな街の真ん中でか」

「路地裏から出れなかったのか…?」

「ハヤト、さすがにそれはないと思いますけど」

 

原因を考えるがとりあえず治療が先だとみてリプレは今日買った荷物を漁っている

 

「うーん、ないわね…あ!ってコレ、エドスに頼まれて買ったお酒じゃない」

「!!!」

 

女性は素早い手口でリプレからお酒をひったくるとその場で開けて飲み始めた

 

「んっ…!うっく、んっ!っく!!」

「ちょっと!それお酒よ!それにそんな飲んだら体に悪いわよ!」

「クラレット。俺、脱水症状でお酒ラッパ飲みする人初めて見たよ」

「ハヤトが初めてなら私も初めてですね」

 

どこかズレたクラレットの言葉を気にしつつその女性はついにお酒を全て飲み干してしまった

 

「ぷ…っはあーーー!生き返ったー!!やっぱり予測通りぎりぎりまで我慢した後のお酒は格別ねぇ」

「「「「え?」」」」

 

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この女性の名前はメイメイさんと言うらしい。どうやらお酒をおいしく飲むために何日もお酒を飲まなかったらしい

つまりこの人ってお酒しか水を飲んでないのか・・・

 

「馬鹿じゃないんですか!お酒我慢して倒れるなんて何考えてるんですか!」

「にゃ…にゃはは、さすがにメイメイさんも我慢しすぎだったと思います、ハイ」

 

リプレはカンカンに怒っている軽はずみな行動で命を危険にさらしたのだ、たぶん最近、俺が倒れたのも関係してるかもしれない

 

「とにかく、もうこんな真似はやめてくださいね!」

「はーい、気を付けまぁす」

 

メイメイさんは立ち上がり再び俺たちのほうを見て何か気づいたような顔をした

 

「こりゃ…なんか面白そうな顔をしてるじゃない?」

「…俺が童顔っていうこと?」

「童…にゃはははは!確かに可愛いかおだけども、そういうのじゃないわよ。ちょっと恩返しも兼ねていらっしゃいな」

 

メイメイさんに連れられ路地の奥のほうに入ってゆく、ガゼルも「こんなとこあったのか」と言っていたのでかなり入り組んでるようだ

やがて街の雰囲気に似合わない家が見えてくる

 

「えっと…中国風?仙人?」

「ハヤト、あれはシルターンの風の建築物のはずですよ」

「シルターンって…?」

「鬼妖界シルターン、鬼や龍がいる世界のことよ、旅人さん?」

「旅人さんって俺のこと?」

「そりゃ、異世界から来た人なんだもの。迷い子さんよりましじゃない?ささ、はいったはいった♪」

 

そう伝えるとメイメイさんは笑いながら店の中に入ってゆく。しかし異世界から来たってどうして気づいたんだ?

今着てる服だって上着だけガゼルから借りてるのに、とにかくあの人を追わないと

 

「はぁーい!メイメイさんのお店にようこそ!」

「こんな奥まったとこに店なんかあったなんてな…」

「ホント、こんなとこじゃお客さん。入らないわよ?」

「ホントはね、いつでも、どこでも気軽に利用できちゃう、それがメイメイさんのお店なのよ?」

 

店の中は中国…シルターン風であるようだ、いろいろな物が置かれており、外から見た店よりやや大きい気もする

 

「ちょっと1年ぐらい?お店をお休みにしようと思ってたんだけど、助けてもらったお礼にあなた達にはお礼をしなくちゃね、ちょっとまっててね~♪」

 

そう伝えると店に置いてある棚の中の引き出しを覗き始めた

 

「…なあ、クラレット、この店ってなんかおかしくないか?外より中がでかいし街にあってないだろ?」

「おお、それ俺も気になってたんだよ。これも召喚術なのか?」

「えっと…、召喚術には無機物を召喚するサモンマテリアルという種類がありますけど、さすがに家を召喚するというのは…」

「うーんおっしーわね。まあ、当たらずといえども遠からずってとこかしらね。そこの奥様?これなんかどうかしら?」

 

メイメイさんがリプレに近づき、反物を渡す。リプレはそれを受け取り眺めると驚いた

 

「これ!キルカの反物じゃないですか!?こんな高価なもの受け取れません!」

「いいのいいの、知り合いがツケで置いてったもんだし。どのみち私じゃ有効活用できないしね。使ってやってくださいな」

「そ、それじゃあお言葉に甘えて…、えへへ」

 

両手で抱えるほどの反物を貰ってリプレは嬉しそうだった、人の親切を素直に受け取ることの大切さを知っている

 

「じゃあ、次はあなた達ね。旅人さんから見ましょうかしらねぇ。じゃ手相見るから手を出して」

「手相って…占いできるんですか?」

「そりゃねぇ、メイメイさん。そっちが本業だもん。にゃははは!!」

 

そう答えるとハヤトの手を握り見つめはじめた

 

「なあ、手相ってなんだ?」

「手のシワの形などを見て占う方法です。ただ、メイメイさんはそれ以外にもあるみたいですね…」

「随分苦労してるのねぇ、家族は親二人に妹一人、あとそこのお嬢さんかしら?」

「えっ!わかるんですか!?」

「だから~、本業だって言ってるでしょー、まあ、なんとも男らしい理由でこっちに来たのね。流石のあたしもにやけちゃうわ♪」

「あはは…」

 

そのままメイメイさんは手相を見てたがどうにも難しそうな顔をしていた

 

「う~ん、ダメ、全然わかんない。わからないってより定まってないのかしらこれ?」

「定まってない?」

「運命の流れー、みたいなものを予測して可能性が一番高いのを見るんだけどどの線も全く同じなのよ。幸せにも不幸にも転びやすくて難しいとこね」

「そうなんですか…、そういうのってあるんですか?」

「今までで一人ぐらいかなぁ…、ん?聞きたい?それわねー」

 

メイメイさんが耳元でつぶやいた

 

「お う さ ま♪ にゃははははは!!」

「王様って…俺は普通の学生ですよ」

「わかってるって、つまりあなたのやること次第でいろいろ変わるってこと。頭に入れときなさい、はいつぎー」

 

俺は次はクラレットのようだ、少しワクワクしてるみたいだった、やっぱり女の子はこういうの好きのようだ

 

「お願いします」

「気を楽にして手を出してー……、えっと、ん~」

 

クラレットの手を覗くと怪訝な顔つきを見せている、そして手相をやめ、ほかの占いを始めた…

 

 

 

ある程度の占いを終えるとメイメイさんは真面目な顔でクラレットに話しかけた

 

「ちらっと見たけどあんまりよくないわねぇ。死相でてるわよ」

「え…!?」

「うそ、じゃあクラレットってもうすぐ死んじゃうの!?」

「うーん、事故ってわけじゃないみたいね。よくは読めないんだけど」

「なんとかできねぇのかよ、あんた占い師だろ!」

「占い師は忠告するのがお仕事なんだって…、まあ方法はあるけどね」

「方法があるんですか?」

「そうよ、どうゆうわけかそこの彼との相性は抜群なのよね。それに彼の運命は定まってないでしょ?それに乗っかれば、まあ大体は行けるでしょ」

「…ふう、少し驚いちゃいました」

「ありゃ、随分落ち着いてるわね」

「はい、約束しましたから、それにその方法なら問題はありませんから」

「ああ、クラレットは俺が守るからな」

 

そう伝えるとクラレットの頬が少しばかり赤くなる、その姿を見てメイメイさんの先ほどの調子に戻ったようだ

 

「そっかそっか、メイメイさん安心だわ。じゃあ恋する乙女に秘蔵の品をプレゼント!」

 

店の端っこにおいてある壺から布で巻かれた棒を持ってくる、その布を取ると先端に宝石のついた杖が出てきた

 

「昔、流れに流れて何時の間にかうちにあった曰くの品よ。まあメイメイさんは占い師だから杖使わないのよね」

「サモナイト石が付いてる…誓約済みだけど、封印もかかってる…」

「そして、旅人さんにこれをプレゼント。きっと役に立つわよ♪」

 

取り出したのは大きなケースとクーラーボックス、なんで…なんでこれがここにあるんだ!?

 

「これって、ロッドにルアー、それにクーラーボックスまであるじゃないですか!?」

「ロッド…?なんだそりゃ?」

「私たちの世界の釣り道具一式ですよ。これも、召喚術で?」

「詳しくは知らないんだけどね。これもツケで貰ったのよ、メイメイさんはそういうの結構あるからね。にゃははははは!!」

 

上機嫌なメイメイさん、その姿を見るとなんか死相とかどうでも良くなりそうだった

 

「なあ、俺にはないのか?」

「んにゃ?女難の相(幼馴染)が出てる君もなにか欲しいの?」

「な、なんだよ!その限定的なのわよ!」

「ガゼル、もういっぱい貰ったんだからいいでしょ!じゃあメイメイさんありがとうございます」

「なんだよそれ…とほほ」

「メイメイさん、こんな杖をいただきありがとうございます」

「じゃあ、俺たちはこれで…」

「あー、待って待って。これ、持ってきなさい」

 

メイメイさんから何かを渡される、小さな袋、その中には丸薬が入っていた

 

「ちょーっと苦いけど効き目抜群のお薬よ。飲めばすぐにでも治るわ」

「何から何までありがとうございます!」

「じゃあ、ばいばーい」

 

俺たちが店から出て行ったあとメイメイさんは椅子に座りお酒を取り出し、一杯飲む

 

「あれが今代の王様候補…、他とは全く違うわね。メイメイさんも見つかっちゃうし。まあ、見つかったからには影響がないぐらいにはサポートしましょうかね」

 

そして思い出に浸りながら彼女はお酒を飲んでいた、ちなみにエドスは酒が無くてちょっとションボリしてた

あと薬、苦かったです…

 

 




メイメイさんはサモンナイトには出てないんですけど、
個人的には覗いていたんじゃないかなぁって思ってます
まあ、後々の設定上ね、定まってないハヤト君の仕業で見つかってしまいました

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