青き炎と巫女と化身使いと【コラボ小説】   作:ゆきまるる

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座右の銘さんに書いて頂きました。


第3話

昼食をとるため、初音の家に招かれた青木、於野兄妹は通されたダイニングで昼食を待っていた。

 

「お腹減ったね〜」

「だな〜」

「お待たせ。出来たよ」

 

初音は両手に皿を持って、紅葉たちの目の前にひとつずつ置いた。

 

「おお〜っ‼︎」

「わぁぁあ! チャーハンだぁ!」

 

紅葉と楓の目がキラキラと輝く。皿に盛られたパラパラのご飯から、ほんのりと食欲をそそるニンニクの香りがする。

初音は子供のように目を輝かせている2人を横目で見て、青木にも同じものを出す。

 

「はい。味は保証しないけど」

「「いただきますっ‼︎」」

「……いただきます」

 

手を合わせたのを皮切りにしたように、チャーハンにがっつく紅葉と楓。

 

「「美味しいっっ‼︎」」

 

一方青木は、スプーンで一口すくってから、恐る恐る口に運ぶ。

その様子に気付いた初音が彼女に声をかけた。

 

「どうしたんだ?」

「いえ……あまり、こういうのを食べたことがないので……」

「ふーん」

「え⁉︎ お姉さん食べたことないの⁉︎ もったいないよ! 人生5割損してるよ!」

「……てことは、私は人生の半分を損しているんですね」

 

紅葉の勢いのいい発言に、青木は冷静なツッコミを返す。

それから青木はゆっくりとチャーハンを口に含んだ。

 

「! ……美味しい」

「でしょ? よかったぁ!」

「作ったのは私だけどな」

「まあまあ、細かいことはいいじゃあないか! ふふっ、こうやって一つの食卓を囲むって、こんなに楽しいんだねぇ」

 

紅葉はふわりと優しい笑みを浮かべ、再びチャーハンを口にする。

青木は彼女を横目に見ながら、チャーハンを再び口に運んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「ごちそうさまでしたー‼︎」」

「……ごちそうさまでした」

「お粗末さまでした」

 

あの後、紅葉と楓は5回ほどおかわりをし、青木の分もつまみ食いする始末だった。

青木も青木でたい焼き以外の食べ物に慣れていないらしく、ほんの少ししか食べなかった。

食器を片付けながら、初音は紅葉たちに問いかける。

 

「で、これからどうするんだ?」

「ん?」

「だから、どうやって元の時代に帰るんだって聞いてるんだよ」

「あー……そうだな。忘れてた」

「美味しいご飯食べたら忘れちゃってたね!」

 

ハッハッハッ! と豪快に笑う於野兄妹に、青木と初音は冷たい視線を送る。

そして、同時に心の中でツッコんだ。

こいつらバカか、と。

 

「まあ、昨日みたいに12時間後に帰れるんじゃね?」

「それで帰れなかったらどーすんだよ」

「その時はその時だよ! ね、楓」

「ああ」

 

なんてテキトーな兄妹なんだ……。青木と初音は、再び心の中で同時にツッコんだ。二人の心がシンクロした瞬間だった。

呆れた青木が、立ち上がる。

 

「貴方方がどうなろうが、私の知ったことではありません。失礼させていただきます」

「何? アンタ帰るの?」

「たい焼きを買いに行きます。日課なんです」

 

青木は初音の問いに振り返ることなく答え、ドアノブを回してさっさと出ていった。


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