やはり俺の青春ラブコメはあっている。   作:ЖセイキチЖ

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いろんなヒロイン出したいんですけどね~
なかなか難しいです…


5. 比企谷八幡はリア充である 後編

昨夜は5時に寝たので2度寝をしてしまった。いや、夜じゃなくて朝だった。

そろそろ起きようかなと思っているとある異変に気づいた。明らかに毎日使っている枕の心地よさが今は何倍にもなっている。心地よさの理由を探すために枕に目をやった。そこには枕ではなく綺麗にすらっとのびた足があった。

 

「あら、ようやく起きたかしら?」

 

今度は枕ではなく上を向くと俺が知っている人物が目の前にいた。それは紛れもなく雪ノ下雪乃であった。雪乃が家に居るのはありえないのでもう一度目を閉じることにした。

――い、痛い

 

「なぜもう一度寝ようもしてるのかしら?わざわざ可愛い彼女が待ち合わせ場所に来ないから起こしに来てあげたのに」

 

痛いということは夢ではないということ。待ち合わせをしているという事は夢ではなく現実ということ。何が起こっているのか全くわからない。

 

「待ち合わせの時間って2時だよな?今何時だ?」

「もう3時よ。2時半までは駅で待っていたけど来なかったから何かあったんじゃないかって心配になったの。まずは八幡の家に行っていろいろ聞こうと思ったらあなたはデートをほったらかしにして寝ていたの。でもあまりにも気持ちよさそうな顔で寝てたから起こすのはやめて膝枕をしてあげたの」

 

よく今の長いセリフを噛まずに言えたなぁ~と思いつつ1つ疑問に思ったことがあった。

 

「膝まく…ら?」

「えぇ、膝枕よ」

 

その疑問は一瞬にして消え去った。俺はいつの間にか雪乃に膝枕されていた。なぜ今まで気づかなかったんだろうと不思議に思うほど違和感がなかった。

さっきまでは膝枕をされていたという事実は知らなかったから何にも思わなかったが、今は違う。はっきりと俺自身が理解してました。

わかってから異常に顔が赤くなっていくのがわかる。

 

「な、なんで膝枕してるんですかね?」

 

恥ずかしい質問だが理由をとにかく知りたかったので聞いてみることにした。

 

「答えろと言われると難しいけど、強いていうならあなたがデートをすっぽかしたバツかしら?」

 

雪乃はこう言っているが俺にとってはご褒美に近い。他人が周りにいればさすがに嫌がっただろうが今は家の中には小町すら居らず俺と雪乃の2人きりなのである。これ以上に嬉しいことはない。これはチャンスだ…!!

 

「バツか…。俺はこんな可愛い彼女に膝枕なんてしてもらえてるんだからバツじゃなくてご褒美だな!」

「え、えぇ、そうね」

「しかもこの位置からなら雪乃の顔をずっと見てられるからな幸せだよ」

「ししし幸せなら何よりよ」

「"可愛い"彼女の顔が見られて最高だよ」

「あううー…//」

 

雪乃は押しに弱い。しかも可愛いという言葉を連発すると効果てきめんだ。

雪乃は顔を真っ赤にしながら口をぱくぱくさせている。この表情を見るとほんとに照れているとわかる。そして何より愛おしい。

 

「?!」

 

雪乃はびっくりしたような顔を見せた後顔がゆるんだ。

俺が立ち上がり背後から雪乃を抱きしめたからだ。

 

「ど、どうしたの?」

「デートに行けなかったから謝罪の気持ちを込めたのと、さっき膝枕をしてくれたお礼だよ」

「そ、そう。その、ありがとう」

「どういたしまして」

「…」

「…」

 

それっきり2人は無言になってしまったがやはりこの雰囲気は俺は好きだった。無理に話そうとしなくてもいい、会話を続けようとする努力をしなくてもいい。何よりも雪乃を近くで感じられる。俺はこの空間が本当に好きだった。

雪乃といつまで一緒にいられるかは俺にはわからない。こいつの家は厳しいことを俺はわかっている。でも、雪乃が俺から離れていくまで俺はそばに居続けたい。ずっと近くで雪乃を感じていたい。

その気持ちが雪乃を抱きしめる腕に力が入ってしまった。

 

「は、八幡。ちょっと痛い」

「わ、わりぃ」

「でも私のことを大事にしてくれているのはわかるから今回は許してあげるわ」

「ふっ…相変わらず変わらないな」

「そう簡単に人は変わらないって言ったのはあなただったでしょう?」

「そうだっけか?昔のことなんてあんまり覚えてないさ。いや、覚えてることとしては雪乃に罵声を何度も浴びせられたことなら覚えているぞ」

「今もしてほしいのかしら?」

「いいえ、やめてくださいお願いします」

「ふふっ、あなたも昔と変わってないじゃない」

「変わってないよ。いや、これからも変わらないよ」

「そうね。これからもよろしくね?八幡」

「もちろんだ」

 

2人の愛を確かめるようにキスをした。大学生で初キスというのはどうなのだろうか…。

分時間か何時間かわからなくなった時に雪乃は爆弾を投下してきた。

 

「私、今日は八幡の家に泊まるから」

「へ?」

「泊まるから」

「え?でも今日は…」

「親は居ないんでしょう?あと小町さんは友達の家に泊まると言っていたわ」

 

両親が共働きで今日は帰ってこないと言っていた。

それは誰からか聞いたんでしょうか?俺がこんなことをするはずはないので心当たりはひとつしかない。

そいつに情報を聞き出すために電話をしようとしたらメールがそいつから届いた。

 

『今夜はオールナイトだね☆』

 

やかましいわ!

本当にJKですか?いいえ、中学生が言っているようにしか感じません。

 

「小町から聞いたのか…。まぁいいよ」

「本当?!ありがとう!」

 

雪乃は満面の笑みで俺を抱きしめる。

この笑顔を見れるものなら安いものだな…。

 

「じゃあよろしくね?」

「おう」

 

この後いろいろな事件が起こるのだがそれはまた別のお話である。




今回の話の続きは番外編として出すつもりです。
番外編 初めてのお泊り
的な感じで出すと思うので把握してもらえると助かります。

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