やはり俺の青春ラブコメはあっている。   作:ЖセイキチЖ

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この話は八幡と雪乃が付き合う前のお話です。
日付変わった直後に投稿したかったのですが…


Happy-Valentine

俺は今日とういう日は全く意味が無いと思っている。バレンタインデーだから好きな子に渡そ、お世話になってる子に渡そうなどなど…チョコを渡せば感謝の気持ちが伝わると思っている。それは全く間違っている。伝えたいなら直接本人に話せばいい。物を使おうとしている時点で間違っている。そして俺は感謝されることをしていない。それどころか友達が居ない。よって、チョコを貰える訳では無い。

 

「ヒッキー!」

 

どこからか誰かを呼ぶ声がする。俺でないことは分かっているので無視しよう。

 

「何で無視するし?!」

 

俺では無いと確信していたらそれが間違いだった。由比ヶ浜が俺のことを呼んでいた。どうせろくな事ではないだろう。

 

「悪かった。で、どうした?」

「そ、その…」

 

理由はわからないが顔を赤くして俯いてしまった。何にも言ってないのにこんな状態になるとどうしたらいいか分からなくなる。

 

「ぶ、部室で話すね!ゆきのんと一緒に渡したいものがあるから!」

「あ、おい」

 

言いたいことだけ言って走り去ってしまった。渡したいもの?今日は俺の誕生日ではないし…チョコではないだろうし…。全くわからん。今は授業が終わって部活の時間なので特別棟にある奉仕部がある部室へ向う。

渡したいものがあると言われて少しだけ緊張している。ここで忘れてたーとか言って帰ってもいいが、平塚先生が後で怖いので素直に部室に入ることにしよう。

 

「おす」

「こんにちは」

「やっはろー!」

 

俺が部室に入っただけでみんながちゃんと挨拶を返してくれる。他の人からみたら当たり前のことかもしれないが、俺にとってはありえない事なのだ。俺が挨拶をしても返してくれないどころか誰も聞いていない。それならまだいいが、話しているグループの中に参加しようとすると移動して行って俺は1人なる。これが今までの俺は当たり前だったのだ。だが、今は違う。挨拶したら返してくれる部員が居る。雪ノ下は友達になろと言って断られてしまったが、俺は友達だと思っている。無論、由比ヶ浜もだ。あんなに俺に話しかけてくれる子が友達な訳がない。相手がどう思ってるかは別として…

 

「さっき言ってた渡すものってなんだ?」

 

ずっと気になっていたので単刀直入に聞いてみた。けして気になってたからって空見てたとかないからね?本当だからね?

 

「えっとね、そのー…今日って何の日か知ってる?」

「周りを見てれば分かるぞ。バレンタインデーだろ?」

「そうだよ。だからチョコを渡したいんだ」

 

不安になってきた。初めて奉仕部に来た時のあの依頼のことを思い出してしまったからだ。由比ヶ浜の料理の腕は壊滅的だ。最終的には食えるものになっていたがけして上手ではない。まぁ手作りという点では良いと思うが。

 

「ま、まじか?そ、その大丈夫か?」

「ん?もしかして疑ってる?!あの時とは違うんだからね?!」

「お、おぉー信用出来ねぇー」

「そんなことを言ってるとあげないよ?」

 

それは困る。不味くてもいいからチョコレートが欲しいのでここは大人しく引くことにした。

 

「すいませんでした。」

「今日はやけに素直だねぇーほらあげる」

 

そう言って渡されたのはピンク色の袋に入っているチョコだった。見た目はそこそこだが、中に何が入っているかは分からない。てか、信用出来ない。

 

「ありがとな」

「そ、その私も…」

 

今度は雪ノ下が恥ずかしそうにしている。まさかこ、こいつも俺にくれるの?俺喜んじゃうよ?泣いちゃうよ?

 

「由比ヶ浜さんに作ってあまったらあげるわ感謝しなさい」

「それでも嬉しいよありがとな」

「え、えぇ。本当に今日は素直ね。明日は槍でも降るのかしら?それとも雪かしら?」

「せっかく感謝してるんだからお前も素直に受け取っておけ」

「そうね」

 

ふふ、と笑ってからいつものように本を読み始めた。

 

まさかこの俺がチョコを2つも貰えるとは。しかも、そこら辺の女の子ではなく、学年1位とクラスカースト上位にいるやつからチョコが貰えるとは…。本当に泣きそうだ。由比ヶ浜の方はめちゃくちゃ心配だが、雪ノ下の方はお店のと変わらないほど美味しいのだろう。昔、由比ヶ浜の依頼で形が揃ってなくて、手作り感がある方が嬉しいと言ったが少し違う。女の子が作ってくれた物なら形が揃っていてもいなくても男は嬉しいのだ。俺ではなかったら惚れているだろう。だって雪ノ下と由比ヶ浜だからな。俺は惚れないけど。

何はともあれ本当に嬉しい。帰ってありがたく頂戴しよう。

 

家に帰った時に俺の異変に気づいたのか声をかけてきた。

 

「何でそんなにニヤニヤしてるの?キモイよ」

「妹にそんなこと言われるとお兄ちゃん泣いちゃうよ?」

 

小町に言われて気づいたが、俺は心底喜んでいるようだった。この思い出を忘れないようにしよう。

 




1日遅れてしまいました。すいません。
いろいろ忙しくてバタバタしていた為、忘れていました。
遅れてしまいましたが、許してください。w

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