雪乃との同棲が始まってから早くも1週間が経った。最初はどうなるのか不安だったが雪乃と居れるのはやっぱり幸せだった。
1日中ずっとゴロゴロしたり、静かに読書したりと思う存分同棲の良さを体験した。その反面、少し嫌な体験?もした。どちらが先にお風呂に入るとか…あれ?一つしかないな。それでも少しケンカっぽくなることが少々あった。それを差し引いても充分幸せだった。
幸せ真っ只中だが大学は休みならない。雪乃と1日中一緒に居られないと身体が途端に重たくなるが大学の講義があるので行かなければならない。身体にだるさが残るが大学に行くことにしよう。
とりあえず着いたが講義は午後からなのでまだ時間に余裕がある。昼ごはん前に出てきて食べていないので学食に向かうことにした。
食券を選ぼうとしているが安いので350円。今財布の中は500円。残るのは150円。数学は苦手でも算数ぐらいは俺でもできる。そんなことは置いておいて、150円しか残らないということは500mlのジュースも買えないことになる。講義が終わったあとにお腹が空くことも考えると今は我慢するのがいいかもしれない。いや、講義中にお腹がなったらいくらぼっちの俺でも泣いてしまう自信がある。それだけはあってはならない。
いろいろ考えているうちにかけられた。
「ヒッキー?」
このアホっぽい声は由比ヶ浜だな。ここは仕方ないが力を貸してもらうしかない。ついでにいろいろと報告もしないとな…。
「おう。いきなりで悪いんだが財布忘れちまって飯が食えないんだよ。さすがに講義中になるとまずいから奢ってくれないか?」
「えぇ〜?奢って欲しいの?」
何かうん。小悪魔ですかあなたは?
まるで今の顔は一色さんですよ?その小悪魔みたいな笑い方。
「あぁ。後、由比ヶ浜には言いたいことがあったからな」
「え、あ、うん」
急に俺が真面目な顔になったのがびっくりしたのか小悪魔の笑みは消え俺と同じように真面目な顔つきになっていた。
由比ヶ浜に奢って貰い、隅っこに座ることにした。あまり聞かれたいことではないしな…。
「ヒッキー?話って何?」
「おう。まぁ単刀直入に言うぞ。俺と雪乃は結婚する事になった」
「そう、なんだ」
やはり由比ヶ浜はショックなのだろうか?高校の時から好意を抱いていたことはラノベの主人公みたいな鈍感さは持ち合わせていないので分かっていた。こんなこと伝えるのは残酷だっただろうか?由比ヶ浜には悪いと思っている。でも伝えないと何も始まらないのだ。俺の中の本物は1つは雪乃だ。でもそれだけではない。奉仕部という環境も本物の1つなのだ。俺はそれを出来れば壊したくはない。由比ヶ浜の決断によっては儚く消えてしまうかもしれないが俺は認めたくない。あの場所で3人で過ごした時間は一生忘れることの出来ない俺の本物なのだから。
「ああ。嘘じゃない」
「そっか…。嘘じゃないのか。…でもきっぱり諦められるかも」
「本当か?」
「うん。…でもヒッキーもゆきのんも友達でいてね?2人はあたしのかけがけのない友達だから」
「当たり前だ。雪乃ももちろん俺もずっとそのつもりだ」
「ありがとう…」
「おう」
由比ヶ浜と話していたら講義の時間の5分前となっていた。今から行かなければ間に合わない。すぐに移動することにした。
「もうすぐで講義の時間だ。もう行くな?」
「え、あ、うん。分かったよ」
「あ、あと昼飯ありがとな。また今度お返しするから」
「え?そんなのいいよ気にしなくて」
「まぁ今度なにか奢るから。じゃまたな!」
「またね」
そう言って俺は食堂を後にした。
移動する際に由比ヶ浜の方を見たがやはり暗くなっていた。それでも俺は由比ヶ浜を信じている。それを乗り越えて3人が笑いあって集まれることを。
そして俺は急いで講義が行われる教室へと向かったが10分程度遅刻してしまったので結局サボって雪乃が待つ家に帰ることにした。
今回は雪乃は出てきません!すいません!
あと、短いです!すいません!
相談なのですが新作を書こうと思っています。ヒロインはいろはなのですがこの作品が一区切り付いた後の方がいいですか?それともすぐ書いてもいいですかね?感想のついでにアンケートに答えてもらえると嬉しいです。