やはり俺の青春ラブコメはあっている。   作:ЖセイキチЖ

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久しぶりです。
この時期は本当に忙しいです。休みたい…


17. 同棲

俺は今、引っ越しするためにダンボールに荷物を詰めている。理由は簡単だ。雪ノ下雪乃、つまり俺の彼女と一緒に暮らすためだ。…何か変な言い方して恥ずかしい。

 

「何でにやけてるのかしら?貴方の荷物なんだから貴方が準備しなさい」

 

今の声は雪乃だ。昔と比べると随分と柔らかくなった。けして部分的な事を言ってる訳では無い。柔らかいどころかこれから育つので張ってくるのではないか?今度確かめてみよう…

 

「何で注意したのに余計にニヤニヤするのかしら?Mなの?ドMなの?」

「これから同棲する事を考えてたら想像が止まらなくて…ま、まぁとにかく幸せなんだよ」

「そ、そう。ならいいわ」

 

雪乃はストレートに気持ちを伝えられると顔を赤くして俯いてしまう。今も照れているので俯いている。照れている時は決まってこの反応をしてくれるので分かりやすい。

 

「確かに私も幸せだけど準備が終わらないと一緒に生活も出来ないわ。早くしなさい」

「そうだな。折角雪乃の母親から許可をもらったのに勿体ないもんな」

「そう思うなら早くしなさい」

「へーい」

 

雪乃の母親に伝わっていることは知っていたがやはり挨拶に行くのは少し怖かった。

目の前にすると雪乃と陽乃さんの母親とだけあって威圧感がとにかく凄かった。…もっと他に言い表したいがそれ以外に表現する言葉がなかった。

とりあえず俺は雪乃の母親に挨拶をして、結婚したいことを伝えると優しい表情になった。

 

「それは全然構いません。雪乃のことを大切にしてあげてください。…それと同棲の事は頭にありませんか?」

 

否定されることは一切なく前向きな事しか言わなかった。最後以外は…

 

「ここまでしたのですから雪乃を傷つけたり、別れたりしたら許しませんよ?」

 

これを見てやはり雪乃はこの人の娘なんだと実感した。昔の雪乃のそっくりな目と雰囲気を思い出させるようなものがあったが雪乃の方がまだ優しかった。あれは怖い…。雪乃と傷つけるつもりも、別れるつもりもないけど何かあったらやばい。何がやばいって俺の命がやばい。

 

とにかく雪乃の母親に正式に認められた俺達は雪乃と同棲する所になった。結婚してから慌てないように練習という意味で。

 

「ほらこっちは終わったけど…貴方まだ終わってないの?」

「あ、あぁ。すまん」

「もう…早くしないと一緒に暮らせないじゃない…」

 

デレた。めっちゃ可愛い。

雪乃がたまにデレると本当に可愛いと思う。抱きしめたくなる。こんな所は他の人には見せたくないという気持ちも自然と湧いてくる。…俺の彼女は本当に可愛い。

 

「きゃ?!」

「わ、わるい」

「八幡ったら…」

 

抱きしめたくなるじゃなくて無意識で抱きしめていたようだ。仕方ないよね!こんなに可愛い彼女をほっとけるわけないよね!

 

「5分でいいからこのままで…」

「5分だけよ…」

 

雪乃と抱き合ってるこの感じがなんとも心地よい。奉仕部の部室を思い出させるいい感じがする。そして雪乃に触れ合ってることにより安心するからだ。

 

「5分経ったわよ。早くどいてちょうだい?」

「あーはいはい。今どきます」

 

充分と雪乃と抱き合った俺は手際よくダンボールに必要なものを詰めていった。黙々と作業したら2時間近くかかっても片付いなかったのに30分程度であっという間に片付いてしまった。

 

「こんなに早く終わるなら最初から何故やらなかったの?」

「…わるい」

 

こうなってしまったら俺は何も言い返せないので素直に謝る。これは今までのぼっち経験から学んだことだ。

 

『厄介事にしたくなければ素直に謝るべし』

 

素晴らしい。この教訓があるからこそ俺は雪乃とは喧嘩はしない。しても一方的に言い負かされるだけなのだが…。

 

「悪いと思ってるなら早く荷物を運んで。今日から新しいマンションに住むつもりだから」

「分かったよ」

 

これ以上怒らせると今日のご飯が無くなってしまうかもしれないので素直に従うことにする。

 

新しいマンションはそこまで遠いわけではなく駅から徒歩3~4分の所にある2LDKの二人暮らしでは少し広い家だ。俺からした広いが雪乃からしたら「こんなの普通じゃない。むしろ少し狭いわ」なんて言っていた。金持ちの感性は俺らとはかけ離れているみたいだ。雪ノ下家の本家があんなにデカイので納得はできるが…。

 

あれこれ考えているうちに2人分の荷物を運び終えた。

改めて見るとこのマンションはとても広い。1人だったら寂しくなってすぐに実家に帰るレベルだ。

 

「お疲れ様。紅茶をいれるから座っておいて」

「おう。わざわざ悪いな」

 

このマンションは冷蔵庫、テレビなど生活に必要なものは元から揃っており、必要なものといえば自分の衣類と食材ぐらいのものだ。本当は何も無いらしいが雪乃の母親が気をきかせてくれたらしい。非常にめんどくさいことを先にやっておいてもらえたのでとてもありがたい。

 

「はい、どうぞ」

「サンキュー。…ふぅ、やっぱり雪乃のいれた紅茶は美味しいな。これからもいれてくれるか?」

「も、もちろんよ!八幡が望むならいつまでもいれてあげるわ!」

「そ、そんな気合い入れなくても」

「あ、え、…嬉しくて舞い上がってしまったわ…」

 

雪乃はストレートに気持ちを伝えた時に2つの反応の仕方がある。1つはさっきみたいな顔を赤くして俯く場合。もう一つは嬉しすぎてテンションが上がる場合だ。レベル的にいえば今の方が雪乃にとったら嬉しいようだ。

 

「…もっと嬉しい気持ちにして?」

 

そう言って雪乃は唇を少しだけ突き出している。おそらくキスをして欲しいのだろう。雪乃の要求に素直に応じることしよう。

 

「うふっ。ありがとう」

「こちらこそ」

 

このキスをきっかけに新しいマンションでの生活が始まったような気がした。




終わり方が最終回みたいな終わりになってますがまだまだ終わりませんよ!雪乃と八幡の子供が少し育つぐらいまでやりたいと思っています!

小説の方がアニメと違って心情が詳しく書いてあるのでわかりやすいですよね。あとカットされてないですし…(まだ4巻ぐらいですけど…)ちゃんと全巻呼んでいいものが書けるようにしますのでこれからも応援よろしくお願いします!

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