やはり俺の青春ラブコメはあっている。   作:ЖセイキチЖ

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13. 比企谷八幡は苦労する

俺は逃げられない状況に直面している。本音ではこんな時に由比ヶ浜に会いたくなかったが、いつかこうなることは重々承知していた。解決すべき問題を後回しにしていた俺の落ち度に問題がある。

しかし、どうやって説明したらいいか分からない。昔のように自分を犠牲にするという方法もあるが、今は絶対にそんな事はしない。俺のせいで雪乃が傷つくのは嫌だからだ。自分と雪乃を傷付けず守る方法、今の俺には解決策はない。

 

「どうして一緒に居るの?」

 

俺はどうしたらいいか分からなかった。学生の頃から俺に好意を寄せていることは知っていたが、俺はそれをことごとく遮ってきた。ちゃんとした気持ちを聞かずに。それなのに俺は雪乃から告白され了承し付き合っている。嘘をついてもいいが、その場は解決してもこれからギスギスしっぱなしだろう。俺はそんなのはゴメンだ。一緒の大学で楽しく過ごしたいと思っているし、何より俺と雪乃の親友だ。バラバラになるのは望んじゃいない。

 

「俺と雪乃は付き合ってるんだ。まだ話してなかったか」

「えっ…」

 

途端に由比ヶ浜の顔が曇る。それもそのはずだ。いきなり会って理由を聞いてみれば付き合っているという事実を聞かせれただけだ。相談もなくいきなり。俺が逆の立場だったら間違いなく怒る。

 

「本当よ。私と八幡は付き合っているの。私が卒業式の日に告白して返事をもらったの」

「そう、なんだ…」

 

無理に笑顔を作ろうとするがいつもみたいな元気の良さが欠片も感じられない。

 

「ヒッキー。1つだけ聞いていい?」

「なんだ?」

 

大きく深呼吸してから真面目な顔に切り替え俺の方へと向く。重要なことなんだろう。

 

「ゆきのんの前に…あたしが告白してたらどうなってた?」

「…」

「お願い、答えて…?」

 

俺は答えた方がいいのだろうか。これを口にしてしまったら由比ヶ浜がもっと傷つく。だが、由比ヶ浜本人が望んていることのなら伝えることにする。

 

「俺はお前に…由比ヶ浜に先に告白しても俺は返事をしなかったと思う。あの日、俺が雪乃から告白されなかったら自分から行くつもりだった。俺から気持ちを伝えるはずだった。だから俺は由比ヶ浜と付き合うことは無かったと思う…」

 

俺は雪乃と付き合ってからこいつが本物と認識することが出来だ。本物と理解できてない時に、雪乃に告白される前だったら俺はわからない。でも今は俺が雪乃が好きだ。これからも変わらない。

 

「そっか…告白する前に振られてたのか…」

「そ、その…すまん」

「い、いいよ謝らなくても。あたしも薄々気づいてたから」

「初恋は叶わないってホントなのか~。ぐすっ」

 

由比ヶ浜は耐えきれなくなったのか泣き出してしまった。俺からは手を差しのべることは出来ない。できるとすれば雪乃だけだ。

 

「雪乃、あいつのそばにいてくれ」

「…わかったわ」

「俺は飲み物買ってるから少しの間頼んだぞ」

「はい」

 

俺は由比ヶ浜のことを雪乃に任した。振った相手に俺は何て声をかけたらいいか分からない。ここは雪乃に任せる他に方法がないのだ。

とりあえず俺は自動販売機でお茶や水やら適当に帰りゆっくりと元いた場所に戻ろうとする。

 

「あ、ヒッキー…」

「大丈夫か?」

「うん。ゆきのんからヒッキーに対する素直な気持ちが伝わってきたからね。これなら負けても仕方ないよ」

「ゆ、由比ヶ浜さん!」

「いいじゃーん。あたしには告白する勇気もなかったのにゆきのんは必死に気持ち振り絞って気持ち伝えたんだからさ。ホントすごいよ。でもね私は負けないから。好きな人に彼女がいるからって譲ったりしないから…!」

「そう…。私だって八幡のこと愛してるから譲るつもりは無いわ!隣から離れたくないもの!」

 

本人の前で言うの辞めてもらっていいですかね?好きとか愛してるとか言われるのは嬉しいけど2人っきりの時に言ってほしい。恥ずかしいから。

 

「勝負だねゆきのん!負けないから!」

「望むところよ!」

「もう遅いし帰るね!今度3人で遊ぼうね!」

「そうね。また一緒に遊ぼうかしら」

「おう」

「バイバ~イ!」

 

俺達に背を向けて帰って行った。背を向ける前の由比ヶ浜の顔は笑っていたが、目からは涙が流れていた。




暗い話を書くのは苦手です。
ガハマさんは振られましたが、今後新しいストーリーの中でメインヒロインになるので期待していてください!
雪乃の話が区切り付くまでは書きませんが…

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