やはり俺の青春ラブコメはあっている。   作:ЖセイキチЖ

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ようやく後編です。
まさか3つにわかれるなんて思ってもいませんでした。


12. 2人はデートする 後編

今はお化け屋敷の入場を待っているがかれこれ1時間程度待っている。まさかこんなに待つとは思っていなかった。俺1人だったら問題無いが、雪乃と一緒なので心配である。あいつは人ごみが苦手だからな。心配だ…

 

「人多いけど大丈夫か?雪乃って人ごみ苦手だろ?」

「えぇ、ちょっと辛いわ。でも八幡が近くにいるから大丈夫」

「そ、そうか。なら良かった」

 

そんな良い笑顔を俺に向けないでくれ。もっと惚れてしまう。

昔だったらこんな笑顔は見せてくれなかったと思う。基本笑顔を見せるようなやつではなかったし、見せても少し冷たい感じがした。今は全く違う。冷たくはなく暖かい。昔と同じように俺のことを罵倒してくる。昔はドSかと思っていたが、今は照れると俺のことを罵倒するので照れ隠しだとすぐに分かる。可愛いとこあるな雪乃も。

まぁとにかく、雪乃は変わった。悪い方向ではなく、いい方向に変わったと思う。なるべくこのままでいてほしい。

 

「後10分ぐらいか…ちょっと長かったな」

「本当よ、八幡が行くって言わなかったらこんな行列並ばないわ」

「悪かったよ。でも雪乃と行ってみたかったんだから仕方ないだろ?他の奴と来てもつまらないし」

「そ、そうかしら…ならいいのだけど…」

 

照れてる照れてる。見ていてほっこりする。

雪乃をいじっていると、もう中に入れそうだ。少し俺も緊張してきた。

 

「行くぞ?」

「えぇ…」

 

少し怖がっている表情をしている。ジェットコースター同様に苦手な気がするが、ここまで来たら引き返せないので行くしかない。

 

「きゃぁー!」

「うおっ!」

 

二人揃って大声出してびっくりしてしまった。普通はここは彼氏が守らないといけないと思うけど少々無理がある。だって俺も怖いし。

 

ぺちょ。

 

「な、何か付いたわ!八幡取ってお願い!」

「付いてないって!多分怖らがせるための仕掛けだって!」

「本当に?」

「ほんとほんと!」

 

雪乃は半泣きである。少しかわいそうになってきた。泣かれたら俺も申し訳ない気持ちになるので勇気を振り絞る事にした。

 

「…ほら」

「ぐすん…何よ?」

「手繋げば少しは安心するだろ?」

「言うのが遅いのよ…」

 

雪乃はいつもよりギュッと力を込めて握ってきた。俺と手を繋いだところで恐怖心が和らぐ訳では無いが。

 

「きゃぁー!」

「痛い痛い!強く握りすぎ!」

 

20分ほどかかってお化け屋敷を抜けることが出来た。

元から体力が無い雪乃が叫び声をあげながらお化け屋敷を20分も歩いていたので相当疲れているだろう。表情からしても疲れが目に見える。

 

「大丈夫か?」

「大丈夫じゃないわ…もう帰りたい」

「俺みたいに帰宅を進めるな…もう一つだけ行きたいところが…見せたいところがあるから」

「…??」

 

この場所に、遊園地に連れてきたのは1つ目的があった。ジェットコースター乗らしたり、お化け屋敷入ったりと雪乃を脅かすというのも目的であったが、それよりも遥かに大切ものだ。

 

「ここだよ」

「…観覧車?」

 

俺が連れてきたのは巷で有名な観覧車だった。これに夕方に乗ると永遠に一緒に居れるとかいう伝説?あるらしい。信じる訳では無いが、雪乃と一緒にいたいのでこの噂を利用することにした。しないよりした方がマシだろ?

 

「綺麗ね…見ていて心が落ち着くわ」

「俺もだよ。こういうのいいな…」

 

観覧車から見える景色は今日居た遊園地が一望出来るほど高い位置から見下ろせる。そしてなんといっても噂以上の夕日だ。雪乃と一緒にこれて本当に良かった。

 

「俺のお願い聞いてくれるか?」

「出来ることなら何でも構わないわ」

「ならキスしよう?」

「…許可を求めずに自然にやって欲しかったわ」

「いきなりやったら殴られそうだから」

「そんなことする訳ないでしょ?…」

 

目を閉じてキスを待つ姿勢になる。夕日の光に反射していつもより雪乃の事が綺麗に見える。

少しずう雪乃との距離を縮めてその距離が0になる。手を繋いだり、抱きしめたりはするがキスはあまりしない。俺達にとったら簡単なことではないということだ。毎日するよりこうやって雰囲気を大事にする方が俺はいいと思う。

 

「…日頃からしてくれればいいのに」

 

前言撤回します。別れ際とかなら俺もしてもいいと思いますよ。てかしたいです。

 

「あぁ、出来たらな」

「お願いするわ」

こんな可愛い彼女にお願いされたら断るわけにはいかない。…断りたい時にも言えないので困るが…

 

「なら帰るか」

「もう良い時間だし、帰りましょうか」

「妹が待ってるからな」

「…シスコン」

「うっせ」

 

高校時代に戻ったような感覚がある。昔こんな会話してた覚えがあるしな。

 

遊園地を出ようとした時に元奉仕部が揃ってしまった。まさかの出来事だった。

 

「…由比ヶ浜?」

「ヒッキー?それにゆきのんまで…」

「由比ヶ浜さん…」

「どうして2人が一緒に居るの?」

 

とてもまずい事になった。ここで由比ヶ浜に会ったら言い訳のしようがない。だが、ここで逃げるわけにもいかない。俺は珍しく男としてこの状況から正面から立ち向かう事にした。




最後はこうなりました。
幸せのまま終わるのも良かったのですが、これも面白いかなぁーと思ってやりました。

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