やはり俺の青春ラブコメはあっている。   作:ЖセイキチЖ

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今回はなるべく明るく!
前回は少し暗かったので…


10. 2人はデートする 前編

俺は今遊園地に来ている。何故かって?それはこの前の謝罪を込めてだよ。確かに雪乃は優しいから許してくれた。だが、心の中ではまだ不安だと思う。もし雪乃が葉山となんか一緒に居たら俺は間違いなく捨てられたと思うだろう。このデートは雪乃への気持ちをはっきり伝えて信用を取り戻すという意味もある。ギスギスしたままではいい感じはしないからな。

 

「楽しんでるか?雪乃」

「貴方ね…今来たばかりで何も乗ってないのに楽しいわけないでしょう?」

 

俺の方がテンション上がってるみたい。

この罵倒はいつものように戻った感じがして少しだけ安心した。

俺がMという訳でないぞ?ノーマルだから。

 

「まず何から乗ろうか?」

「そうね、まずはあれかしら」

 

雪乃が指を指した先にあったのはコーヒーカップだった。あれはやばいぞ…何か想像できてしまう…。

 

「お、お前はたくさん回しても大学生なのか?!」

「え、えぇ。何をそんなに焦っているのかしら?」

「あ、焦ってねぇーし」

「そう…」

 

俺が何を考えているのか分かったようだ。こちらを向きながら小悪魔のように笑っている。そんな表情を見ていても美しいの一言です。本人に直接は言えないですけどな。

 

 

雪乃に引っ張られ乗ったが回され過ぎで気持ち悪い。回した本人は何故か乗る前より元気になっている。俺はノーマルだけどあの人は絶対にSだなそれ以外ありえない。

でも楽しそうでよかった。歳相応の笑顔を見せながらめっちゃ楽しそうだった。見ているこっちですら笑顔になるほどだ。

 

「何ニヤニヤしているの?気持ち悪いからやめなさい」

 

ただ雪乃の笑顔を見ていただけなのにこんな事を言われたら結構傷つくが今回は何にも言わなかった。俺を罵倒するその顔も優しい笑顔だったから。

俺は雪乃にやり返そうと思い、ジェットコースターを誘うことにした。あいつは確か苦手だったからな。確かお化け屋敷も…

これは面白くなりそうだ。

 

「変な事考えてないでしょうね?」

「そんなこと考えてないよ」

 

さらっと心を読まれた。

そんな能力あるの?俺も欲しい。

 

「なぁ次はジェットコースター乗らないか?」

「え?いや私は…」

「今空いてそうだし速く行くぞ!」

「わ、わかったからそんなに急がないで」

 

思った通りだ。ジェットコースターに乗ろうと提案した時に顔が少しだけ引きつったし、断ろうとした。これは苦手とみて間違いないだろう。

 

「うぅー…」

「大丈夫か?」

 

今はジェットコースターが上に上がっている途中だ。もう少しすればものすごいスピードで落ちていくだろう。

 

「こ、こわい…」

 

相当怖いのか無意識のうちに俺の袖を掴んでくる。それでも怖いのか顔は強ばったままだ。

その恐怖を和らげるように手を握った。

 

「大丈夫だ。こうしてれば大丈夫だろ?」

「ふっ…貴方もそんな臭いセリフが言えるようになったのね…八幡の手を握ると少し安心できる」

「雪乃と付き合ったおかげだな…」

 

俺が言い終えるとジェットコースターは急降下した。

 

「きゃぁー!」

「い、痛い…」

 

俺の手を握る力が恐怖心に比例してるのかどんどん強くなっていく。痛いので離したいが、隣の雪乃の表情を見るとそんなことは出来ない。ジェットコースターが降りるまで握った手は離さなかった。

ジェットコースターを降りてからすぐにベンチに座った。

 

「き、気持ち悪いわ…」

「すまんな、水買ってくるから待ってろ」

 

俺がベンチから立ち上がろうとすると俺を引き止めようとした。

 

「私も行くわ…」

「気持ち悪いんだろ?俺が買って来るから待ってろ」

「お言葉に甘えてお願いするわ」

 

1人で居るのが不安なのだろうか。すぐ近くにある自動販売機で水を買い走って戻ろうとすると知らない男性数人に囲まれていた。

 

「ねぇねぇー俺らと何か乗らない?」

「私は彼氏と来ているのだから他の人とは行きたくないの」

「彼氏?そんなのほっといていこーぜ」

 

雪乃は体調が悪い影響からなのかいつもより覇気が無い。そのせいで追い払えてない。

男が無理やり手を掴もうとした所で俺は止めに入る。

 

「おい、俺の彼女なんだから辞めてくれよ」

「あ、彼氏来ちまった~。やめとくかぁ~」

 

俺が出てきたことで大人しくどこかへ行ってくれた。このまま実力行使に持ち込まれていたら完璧に負けていた。内心少しほっとした。

俺は雪乃に何かされて無いか心配で声をかける。

 

「大丈夫だったか?」

「えぇ。八幡が来ると分かっていたから大丈夫よ」

「そ、そうか…ほら水買ってきたぞ」

「ありがとう」

目の前でそんな事言われるとさすがの俺でも照れてしまう。いや、他の男であっても素直にこんな可愛い彼女に褒められたら素直に嬉しいだろう。あいつが他の男を褒めることはこれから無いと思うが。

 

「体調は良くなったか?」

「おかげさまでね」

「なら次はどこ行こうか?」

「八幡と一緒ならどこへでも行くわ」

 

雪乃は俺の手を握った。俺はその嬉しさからか自然に恋人つなぎをした。握った手から雪乃の優しさを感じられて心の底から暖かくなった。

 




今回も前後編です!
最近多い気がしますが気にしないでください!

それでは次回もお楽しみに~!

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