誠に申し訳ありません!
いろいろと環境が変わって不慣れになっていますが確実に続きは書きます!
新しくお気に入り登録してくださった方にはこの場で感謝を!
ありがとうございます!
新しい家族?誰でしょうねぇ?
はぁ…
朝からため息をついている。この行為はすでに3度目であり相当滅入っているようだ。いまだにドゥベがいないことを気にしているのであるとか、朝食の卵焼きを焦がしたとか、そういったことで悩んでいるのではない。教育期間に入り、そろそろ一か月経つか経たないかというここ数日の間に判明したことで悩んでいるのだ。
数週間前に行った模擬戦は素晴らしいものだった。
勝利した子も手も足も出なかった子もいたが、それぞれ自分が知っている知識と体験よりも強化された状態でここに送られたようだった。
メラクについてはもともとの攻撃手段は側面から出てくる棒から生成される
なぜここまで想像できるかというと実際にその現場を見たからだ。主人公君たちに協力してのメラク討伐の際、私がほかの悪魔の梅雨払いをしている間にそれらがばれて予備動作中に射程範囲から逃げられ一方的になぶられるという非道い仕打ちを受けていた。
しかし、私の子どもになったメラクは≪周極の巨砲≫の予備動作が一切なく連射が可能になっていた。最初は「始め」の合図と同時に撃ったため確認ができなかったが、その後の戦闘において予備動作なしで連続して撃っているのを確認できた。何のモーションもなくバカスカ撃っているのを見て敵を制圧する情景が浮かび、かなり興奮した。さらに体側の棒を支柱にして急な方向転換をして体当たりをかますといった応用を見た時には素直に賞賛したくてつい拍手をしてしまった。それ以外の子たちについても特定の攻撃に対する予備動作がなくなっていたり、攻撃範囲が広くなっていたりとある程度の強化が施されていた。
まあそれでもたいていの子は対戦相手にかなわなかったけど実力を知ることができた。
それと模擬戦後の子どもたちの姿勢もまた素晴らしい。
負けた者は、対戦相手になった悪魔に対して毎日のように挑んで自分で考えたであろう対策が有効かどうかを実戦形式で試してリベンジを続けている。それ以外にも私の技を見て新しい攻撃方法、防御方法を模索している者がいれば完全に技を模倣しようと努力をしているような子もいる。
勝ったにしろ負けたにしろ努力を惜しまず次の勝利を目指して前進する。そういった姿勢が全員に見られるため、こちらの教育にも力が入るといった良いサイクルができている。
強化はほぼ確実にポラリスの仕業だろう。育てやすい格好にするとは言っていたけど…同じ轍は踏まないってことなのかね?思わぬ収穫であった。ここまでであれば普通の教育を進められていたのだが、各々の姿勢のことを考えていくと違和感に気づいた。思い返してみるとなぜもっと早く気付かなかったのかと自分を責めた。
気づくきっかけとなった思考は
――――あの子たちの姿勢は、各々の意識が高いのかもしれない。
というものだった。
…………そう、かもしれない…だ。
私にはあの子たちが発している言語、セプテントリオンの言葉を完全に理解できていない。そのため意思、思考の確認ができていないのだ。
指示を出して自分の使えるスキルを実際に見せて回っていたが、あの子たちが言っていることは「я」や「Б」という音で了解の意として私に伝わる。しかし、それが「はい」という言語なのか「かしこまりました」と言っているのかは判別できないのだ。
さらにブリーフィングと称してあの子たちに意見交換を求めたこともあったが、あの子たちも互いの言葉がわかっていない様子だった。
これは由々しき事態である。もともとの教育方針ではそれぞれの
教育内容の大幅変更をしなくては!
と思ったがそのまえに
本来あるはずのプルルという音が鳴らずに、目的の相手が出た。
『順調かね?』
…第一声がそれかよ…。
「ええ、まぁ。それなりにではありますが。」
『それは重畳だ。そのまま続けたまえ。』
そう言って通話を切りそうな雰囲気が出ていたので慌てて引き留める。
「ちょ、ちょちょっとお待ちください!」
『なんだ?』
「質問をしてもよろしいでしょうか?」
『…構わないが…』
すっごい嫌そうですねぇ…ですが切らないでいてくれたのはよかった。さっさと質問をして切るとしますかね。
「あの子たちの…セプテントリオンたち言語をあなたは理解していますか?」
『…どういう意味でだ?』
「そのままの意味ですよ。あの子たちが発しているのは言語…というよりも音に近い。あのままでも言葉を解し、会話をすることができるのでしょうか?」
『不可能だ』
………………やっぱりねぇ
「理由をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
『知れたこと。質問してくる以上はお前にもわかっているのではないか?』
それを認めたくないから質問したんですがね。
ですが、ああ、やっぱり…
「そうですか」
『ふん。私の前であれだけの啖呵を切って自分のモノにしたのだ。今更できませんでしたでは済まされんぞ』
「ご安心ください。確実に以前よりも強くなっていますよ。あなたがした以外の面でも強くして見せます。」
それを言うと電話はブツッと嫌な音を立てて切れた。
またため息が出てくる。悩みの種が増えるとは思えなかった。まさか全く母親としての自覚がないとは…。いや、この予想はセプテントリオンを譲り受ける際の質問でしていたが。実感するとこれが意外にも重い。毎度毎度、身に降りかかってからでなければそれが実感できないとは自分の鈍感さにも嫌気が出ますね。
ちっくしょう。
廊下で話していたためか、声が大きかったのかはわからないが子どもたちが何人か寄ってきていた。心配ないことを伝えるために一人ずつ撫でていく。
悟られてはならない。
君たちの母親は、
君たちのことを、
子どもとしてではなく、
便利な道具としてしか見ていないなど。
そして紫の体を撫でたとたんに
そうだ。ドゥベ以外にもまだお迎えしていない家族がいたね。
今頃は地上に降り立っていろんなものの布教中かな?それともどんな効果が表れるかを見学しているところかな?
とりあえずどうやって探すかだよね。と言っても取れる手段は実に少ない。一応子ども達に彼の呼びかけを頼んだけどそんな簡単に捕まるのかね?私もお願いしておくかね。一番関係の深そうなミザールを膝の上に置いて「おいでおいで」と念じておく。効果があるかどうかわわからない。あったとしても雀の涙程度かもしれないし、全くないかもしれない。それでもやるしかないんだよねぇ。手がかりが全くと言ってもいいほどにないんだもの。
以外にもそれから一週間後くらいに効果も目的の
「いったい誰…!? なぜこんなところに空間が…それにここは建造物の中か!?」
現れたのは黒いチノパン(?)に胸元と手首にファーのついた赤と黒のV模様が交互に入った服を着た白髪の青年。
結構盛大に驚いてくれている。これは予期せぬサプライズだ。何度か会話をしたこともあるけど…あの時とは関係性がかなり変わってしまったし、受け入れてもらえるかな。さてサプライズもそこそこに盛大に歓迎してあげないとね。おっと、こちらに気付いたようだ。子どもたちが私の周りにいることが信じられないのか目を見開いている。
「それに……君は?」
「お久しぶり。そして歓迎するよ!新しい家族である………」
ここでためにためて相手の名前を言う!
「ウレタン!」
……………あれ?なんか違うか?
絶対者は思考にふける。教育係がなぜあのような電話をよこしてきたのかがわからなかった。
『あ奴らはお前のモノであると同時に私の所有物だ。私が行うことにいちいち疑問をはさんだり、勝手に思考して動かれてはこちらにとっては迷惑でしかない。』
それゆえに言葉なぞは必要がない
そんなことはだいぶ前に言っていたように思うが、冗談か何かだとでも思ったのだろうか?
だとすれば愚かだ。私はヒトの尺度では測れるようなものではない。嘘や遊びをはさむ必要性など全くないのだ。ただやりたいといっていたからやらせているだけなのに何を生意気を言っているのだろうか?あのヒトは。
それにしてもと、もう一つの疑問についても同時に考える。
『私が行ったことなど育てやすくするために背格好を縮めたくらいなのだがな』
絶対者の疑問は晴れることなく思考は続く。しかし答えは見つからない。自分のみが真実であるがゆえに。自分が行ったことが絶対であるがゆえに。ヒトの可能性に目を向けないために。
はい!新しい家族は憂う者ことウレタンでした。
ドゥベだと思った方には申し訳ありません。
さて、ポラリスに対してヘイトがたまる主人公。
アルコルに何させるつもりなんでしょうか?
口調おかしいなどあればご指摘お願いします。
次か次の話あたりから原作に入ります。
投げる石の準備をお願いします(ガクガクブルブル