遅筆な自分をうらめしく感じる今日この頃です。
1日1アクセスはあるようでUAが500件越えてました。
またお気に入り登録してくださった方、まことにありがとうございます!
また、遅くなるかもですが必ず続けて書いていきます!
では本編です。
天の視点
一番最初に名づけされてから一晩が経った。名づけの時からあたしがメラクという存在だと認識できるようになった。ほかの個体たちもそうだろうと思う。それとお父さんが眠った後、人間という種族の情報が刷り込まれた。この情報からお父さんのことが理解できたような気がしてどこか心地よい気分であたしは目が覚めた。
それにしても、まだ体のほてりが収まらないよー!
それほどに衝撃的な一日だった。見捨てられたのかと思ったら、6体の中からあたしを最初に選んで名づけてくれた。もしかしたらお父さんにとってあたしが特別、見込みのある個体だったのかも!?それどころかあたしが6個体中誰よりも父に好かれているという証明にならないだろうか?
そうだ、きっとそうに違いない!で、あればあたしがお父さんのそばにいていいのは明らか!ほかの個体の事情などはお構いなしにお父さんのそばにいれる。
これは…かなりうれしい!お父さんを独り占めできる!!それどころかこの関係性は人間の情報に基づくともはや『妻』と言っても差し支えないのではないか!?そしてゆくゆくは―――
うふ…うふふ…うふふふふふ。
あーっ!!!妄想が収まらない!いーっぱい甘えてしまおっと!
おっとそんなことをしているとお父さんが起きたみたいだ。さっそく甘えてしまおうかなぁ…と意気込んでいたらお父さんは自分の食事の用意をし始めた。
…うん、仕方ないよね。ちゃんと食事をとらなくちゃいくらお父さんでも死んでしまうもの。そうして朝食をたべた後、あたしたち全員に向き合って体育館に行くようにと指示を下さった。やっぱり指示をしてくださるのはいいなぁ。頼られている、必要とされているという実感がわいてくる。ほかの個体たちもうれしそうだ。でも一番好かれているのはあたしだからね!
しばらく待っているとたくさんの見たことのないモノを連れたお父さんが来た。なんだろう、誰なんだろう?む~、お父さんの周りにばらばらといるから近づけないよ~。あたしは早くお父さんのそばに行きたいに!
そうして待ってると青いヘルメットに真っ白い体をしたヤツがお父さんにすり寄ってきた。そのポジションはあたしのなのに!それから少し話をするとお父さんに頭をなでてもらっていた!!さらにお父さんが周りにやめてもいいという旨を伝えると囲っていたヤツらが嬉しそうに逃げて行った!
ぐぐぐ…なによ。なによ!なんなのよ!あいつらは!!あんなになれなれしくお父さんにすり寄って!なでてもらって!それで逃げるように去っていくなんて!!発言を考えるにあいつらはお父さんの部下なんだろう。でもこれからは従わなくっていいってなによ!いままでお父さんの役に立っておきながらやめていいと言われて何をそんなに嬉しそうにしているのよ!お父さんはなんであいつらになんにも言わないの!!
お父さんに文句を言おうとしたら…顔を両手で覆っていた。手塩にかけた子がひどく反発したような、長年飼っているペットがいなくなったような…泣いているような、そんな反応。
許せない…。許せない。許せない許せない許せない!!お父さんを悲しませるなんて!!お父さんの期待を裏切るなんて!!許せるもんか!!今すぐ全員八つ裂きにしてやる!!お父さんなでるのをやめて!!そいつらの前に立たないで!!お父さんに攻撃が当たっちゃう!悲しませたヤツらを逃がしちゃう!
そうして攻撃しようとしてると――
お父さんに名前を呼ばれた。
フー、フー、危ない危ない。お父さんに呼んでもらったおかげでちょっと冷静になれた。そうだ、私たちは今日お父さんにやってほしいことがあるからと頼まれてここまで来たんだった。自分勝手に動いちゃだめだ。お父さんに怒られちゃう。というよりあたしたちがいるからあいつらは要らなくなったのかも。だとしたら検討違いな怒りをぶつけるとこだった。でもいつか逃げた全員に制裁を加えてやる。
でも、今はお父さんがしてほしいことを聞いて、実行しよう。まずはやるべきことをやらないと!
するとお父さんから指示が出された。連れてきた連中も参加するみたいだ。
「君たちには今から模擬戦をしてもらいます。場所というか範囲は体育館中央部にある円の中です。審判は私が勤めるから、さじ加減がわからない場合は私に聞いてね。でも子どもたちには全力を出してもらうよ。今の実力も知りたいし、知らなきゃカリキュラムも組めないからね。」
つまり合法的にさっきの連中の誰かをぼこぼこにできるってことだね…。お父さんはやっぱりすごい。あたしがやりたいことをすぐにやらせてくれるんだ…!ん。俄然やる気が出てきた!お父さんにいいところを見せて、おそばにおいてもらって、なでなでしてもらうんだ~!全力で
「それじゃ一回戦。メラクとジャックフロストにやりあってもらおうか。」
やった!最初に呼んでもらえた!目的が叶うまであと少しね!でもジャックフロスト?さっきの連中の誰かよね。誰なのかしら?
そんなことを考えながら円の中に入っていくと
うふ…うふふ…うふふふふふふふ。
お父さんにすり寄って、なでてもらって、逃げたヤツとうり二つだね。なでてもらってたヤツはさっき逃げるのを確認したけど…。さっき少し冷静になったけどやっぱり駄目だ。八つ当たりっていうんだろうけど、お父さんを悲しませたこととあたしのイライラの解消に役立ってもらう。
「ではお互い、準備はいいかな」
うん。お父さん。任せて、いつでも撃てるよ。
「それじゃあ…始め!」
あたしは全力で目の前の白いヤツに
それに直撃したヤツは…平然と立っていた。
は?
白いヤツは傷ひとつついてない。間違いなく直撃したのになんで凍ってないの!?あたしの≪周極の巨砲≫は並みの相手ならすぐ凍らせるのに!それに今日得た情報なら人間だって一瞬で…
と思考をはしらしていたらあいつが目の前にいた!
ガン!と自分の体が殴られて円の端まで追いやられた。クッソ!自分の武器は≪周極の巨砲≫と≪
思考をはしらせていると体の一部が急に冷える。その部位の確認をすると少量の氷が自分の体に引っ付いていた。まさかあいつも≪周極の巨砲≫みたいな遠距離攻撃を持っている!?理不尽だ!こっちの攻撃は効かないし当たらないのにあいつは攻撃し放題なんて!
いや!
それよりも!
お父さんの目の前で!
あたしに!
恥をかかせた!
ぜぇ~ったいに許さない!
あたしは眼前の敵を見据えて体当たりをした。それが避けられてまた体を殴られそうになったけど今度はそうはいかない!自分の
ドカッ!という音がして白いヤツが吹き飛んだ。
ざまぁみろ!とか考えてたらもう白いヤツは目の前にいてまた殴られた。
そこからは一方的な展開だった。砲撃しても無効化されて
お父さんに見られているのに…。
失望されたりしてないかな…。
体力もなくなってきてフラフラになってもう少しで死んじゃうと思ったところでお父さんが助けてくれた…。
良かった…。見捨てられないってことは失望された訳じゃないんだ…。そこであたしは意識を手放した。
そのあとで意識を取り戻すと白いアイツとお父さんがいた。不甲斐ない姿をさらしたことを謝ろうとしたら手で止められて白いアイツがそばによってきた。
『今日からオイラがお前のタントウキョウカンになるジャックフロストだホー!コンゴトモヨロシクだホー!』
…………………………ん?
混乱するあたしを尻目にお父さんは「他の子とも仲良くねー。」って言って部屋を出ていってしまわれた…。
えーと……。
どうしてこうなったの?
用語説明
周極の巨砲
氷結属性、射程は縦、無限×横3マスのMAP兵器
氷結耐性によってその個体のダメージ量が変わります。
メラクの棒
本来は別の用途がありますが現段階では習得していません。
なんか、ありきたりな展開な気がしますが満足いただけたら幸いです。