投稿が遅れてしまい申し訳ありません。
はい、セプテン兄弟は出ません。
仲魔と主人公の関係性の説明回です。
これで口調合ってるか不安ですが、違和感があれば修正いたします。
主人公視点
「そういえば…」
自分の仲魔たちを丸一日放置していたことに気づき、子どもたちを体育館に移動させてから
「いやいやごめんね、みんな」
『全くだホー!退屈だったホー!!』
『そうだホー!』
『ヒーホッホー!!』
『今回ばかりはオイラも賛成するホー』
うるさく叫んでいるのは雪だるまに青いブーツと長い2本角の付属物を後ろに垂らした形状の青いヘルメットを身に着けているジャックフロストたちだ。その後ろでジャックフロストを集合させ体積を十倍以上に増やした体に真っ赤なマントとステッキ、金髪のカール髪に王冠をしているいかにも王サマな容姿のキングフロストが下々であるジャックフロストに賛同している。
「いや、本当に申し訳ない。かなりうれしいことがあってね」
『………………………………………』
静かに自分のそばにたたずんでいるモノの見た目は鳥の体に爬虫類を彷彿とさせる長い尾、なのに頭はしゃれこうべといったものでキメラを思わせる。私の最初のパートナーであるイツマデである。
「イツマデも何かあれば言ってくれていいんだよ?」
『いえ、何も』
前々から思っていたけど口下手な子だな。少しづつ改善されていけばいいんだけど…事務的な会話しかしないからかな?とりあえず周りを静かにしないとね。仲間全員に謝罪をしてからお願いするとしよう。
「今日君たちを呼んだのはお願いがあるからなんだ」
スッと仲魔たちの雰囲気が引き締まる。みんないい子だということを再認識できるね。
『何でしょうか?我々にできることであれば何なりとお申し付けください』
イツマデは恭しく礼をするように頭を垂れる。
「君は相変わらずいい子だね」
『もったいないお言葉です』
「じゃ、発表しますかね。君たちにはね私の子どもたちの教育に一役かってほしいんだ」
……なんか空気が固まったけど気のせいだよね。
『ご主人ご主人』
「何かな?キジムナー」
質問してきたのは緑色で表面がぶつぶつした果実に短い赤ちゃんの手足と黄色い瞳のような部位を持つ悪魔、キジムナーである。
『ご主人はこの二日の間に嫁見つけて、ゴールインして、子供何人も産ませたの?それとも連れ子?』
「相変わらずストレートだね」
ちなみに子どものような性格ゆえのストレートさと知識があるがゆえの言動がギャップのある萌えキャラの一人だ。
「いやいや、お嫁さんはまだだよ。でも子どもたちはいるんだ」
キジムナーは訳が分からないのか首(?)をかしげる。というより大体の仲魔たちが同じように首をかしげている。
「ジャア、ドウイウコトダ?」
白いゴリラのような見た目にシカの角を頭にくっつけた容姿の悪魔、ウェンディゴ疑問を口にする。
すぐに疑問を口にしてくるから話が進む。こういった場では重宝する子だね。
「子どもたちは君たちも知っている子たちだから仲良く…いやー、仲良、くは、なれ、ない…かな?」
何度か殺されかけているしね。
『どういうことでしょうか主殿。それと愚考しますが我々の容姿では人の子を怖がらせてしまい教育も何もないのではないでしょうか?』
「いやいやいや、大丈夫あの子たちの戦闘能力を引き出してもらうことと力をつけることに一役買ってほしいだけだから。情緒面の教育は私やあの子たち自身が育むものだしね」
『……は、はあ………』
悩んでる悩んでる♪
相変わらず見ごたえのある光景だね。人よりも長く生きていて、伝承として語り継がれている彼らが悩む姿っていうのは。
でも話が進まないから説明をしないとね。
「説明するとね、セプテントリオンたちの父親になったんだよね。それで――」
『待ってくれホー!』
「はい、何かな?」
ジャックフロストが待ったをかけるけどイツマデがそれを制して王サマに話に加わるように言ってる。
疑問があるならとことん答えるんだけどな?
少ししてイツマデが続きを促してきた。
『………いえ、最後まで聞いてから判断いたします』
「あら、そう?それじゃ続きを話すとね、あの子たちを君たちと戦った時よりも強くしてほしいんだよね。もちろん戦いの中でね」
『えーと、それはオイラたちに死ねと言っているのかホー?』
「結果的にはそうなるかもね。でも今のところは死ぬことはないと思うよ?もっとも悪魔全書に君たちのことは記録してあるから死んでもまた召喚…いや、黄泉がえりができる。それにあの子たちは今、縮んで人間でいう赤ちゃんに近い状態…なのかな?君らに危害が加えられるかは怪しいと私はみているんだ。それについては自分たちの目で確かめてね。」
『…了解いたしました』
うん。ほかの子たちもうなずいてくれているし大体の了承を得られたかな。
「ん、あとは例によってできないと思ったら辞退するのもありだよ?
…誰もしないの?それじゃあ行こうか」
私は仲魔をつれてあの子たちが待っている体育館に行くことにした。
悪魔の視点 イツマデ
『イツマデ、さすがに今回の案件はオイラたちにはキャパオーバーではないかホー?』
体育館に向かう道中、キングフロストが少し不安そうに聞いてくるが確信をもって伝える。
『大丈夫だ。主殿は決して我々に無理難題を吹っかけはしない』
『でもあいつらとまた戦うなんて冗談じゃないホー!!オイラまだ死にたくないホー!!』
一体のジャックフロストが声を荒げる。やはり不安なのだろう。雪だるまが震えるというどこか矛盾した光景を演出している。
『大丈夫だよー』
するとキジムナーが慰めるようにジャックフロストの背中をなでる。
『ご主人は良くも悪くもはっきりしてるヒトの子。ボクらが死ななきゃいけない時は容赦なく「死ね」っていうはずだよ。今回のお願いは「一役かってほしい」だから死ぬような目には合わないんじゃないかな』
ジャックフロストはまだ不安なのだろう、自身の王に助けを求めるように視線を向ける。しかしキジムナーの言葉に思うところがあったのか覚悟が決まったのか定かではないが王は前を向いておりジャックフロストの視線に気づいてない。
しょうがない、後で主殿に一声かけてもらうとしよう
『そろそろ目的地に着きます。いい加減シャキッとしなさい。ジャックフロスト、ついてから主殿にその不安を隠さずぶつけておきなさい。そうすれば多少は気がまぎれる』
『ヒーホー……。』
「さ、着いたよ。それじゃみんなに紹介するとしよう。私の子どもたちだよ」
中途半端に広い空間にいたのはキジムナーより少し大きいかなと思えるサイズのセプテントリオンたちだった。
それを見てジャックフロストは「な、なんだホ?」と戸惑いを口にした後、もじもじしながら主殿のそばに行き不安を口にする。
『ヒー…ホー…』
「ん、どうかしたかなジャック?」
『オ、オイラたちは大丈夫なのかホー?』
「それはどういったことでかな?命?概念?存在?」
『ぜ、全部になるホー…』
「それなら大丈夫。今回は死ぬような訓練ではないし、死ぬような場合もその可能性が少ない人に頼むから。…後、やっぱり怖いかい?」
『ヒッ、ヒホッ………』
先ほどまでは不安を口にしていたのに途端に口ごもる。
…無理もない。もしこのことで使いものにならないと判断されれば悪魔全書で長い待機か延々と合体の材料にされるかのどちらかであろう。乱舞系のスキルや魔力無効のスキルを持っていた堕天使勢は元気にしているだろうか?
『こ、怖いデスホ』
震えながらもはっきりとした声で主殿の目を見てジャックフロストが答えた。
いいぞ。その対応は主殿好みの返答の仕方だ。
「そっか………………よしよし」
主殿は子どもをあやすように屈んで目を合わせてから頭をなでた。
ほほえましい光景だ。ほかの悪魔たちはあまり関心を持っていないようだが。
ジャックフロストはよほど怖かったのだろうぐずっている。
「それなら君には別の仕事を回すようにするよ。それも受けるかどうかは自由だけどね」
主殿は立ち上がり、仲魔全員に向かって伝える
「みんなも自分には無理だーと思ったらジャックのように言ってくれていいからね。今はサバイバルをしなきゃいけない前みたいな状況じゃない。君らのプライベートにまで口を出さないよ」
『…了解いたしました』
仲魔たちの反応は泣いて喜ぶもの、無表情ながらこぶしを握り締めるもの、いまさらなにをと怒気を強めるもの、その場から逃げ出すように動くもの、様々だったが一部の者は全く反応を示していない。自分たちが必要とされなくなったと虚無感に襲われている者だろう。自分がそう考えられるのは私もその内の一人だからだ。かろうじて一声、了解の旨は伝えることができたがこれからどうすればと延々考える自分を認識できる。
「あ、君らが必要じゃなくなったとかそういうわけじゃないからね。そこは勘違いしないでね。」
…フフ、主殿は本当に我々の欲しい答えをすぐさま用意してくれる。それ故に離れがたい御仁なのだが。
主殿は言葉通り先ほどのジャックフロストとは別のジャックフロストを召喚して訓練に加わるように伝えた。
準備は整ったようだ。
さて、久しぶりの仕事だ。期待にこたえねば!
設定説明
3機の携帯
一番のネックになる設定
おいおい書いていきます。
ぐずっていたジャックフロスト
独自設定でキングフロストの下にいるジャックフロストに喋ってもらいました。
なのである意味キングフロストの不安の代弁者です。
後に召喚したジャックフロストは正規のジャックフロストになります。
一枚岩でない仲魔
3機の携帯に追随する設定です。
仲魔の容姿の説明は初見の方のために書いています。
わかりにくい場合は報告してくれれば訂正します。