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第一話から最終決戦です。
(北極)星に願いを
天の視点
「ぅヒュー……ヒュー………あぁ…」
「う……ぁぁ…あ……ゥ」
「くぅ……………がァ」
「えぅ…………く…」
そこには13人の人間が息も絶え絶えに倒れていた。いや、倒れているのは4人だけであり、残りの9人の男女は大人子供を問わず、すでに息絶えていた。
その中で一人だけ異質な人間がいた。ほかのものは深く傷つき、血を大量に流し、物言わぬヒトガタになっているものがほとんどである。それにもかかわらず、そのものだけは五体満足で立っている。よく見ればすり傷や小さなやけど痕はあるがそのものは13人のヒトガタの前で一人だけの生者であった。
『ほう…一人だけではあるが……認めざるを得ないな。』
生者の前には大仏の体だけを固めたような形状の物体が浮かんでいた。頭はなく、本来腕がある場所には薄いが硬質感のある翼のようなものが浮かんでいる。
生者の目の前にいるモノは決まった名を持たない。このモノは言ってしまえば人類の敵である。人間が飽和状態になったのを見計らい、セプテントリオンという7つの剣を人類に向けて7日間をかけて人類を淘汰し続けてきたモノである。
曰く「アカシックレコードの所有者」
曰く「座の保持者」
曰く「
曰く「神」
様々な呼び名を持つが…まぁこの場における絶対者であることは確かである。
「ポラリス様、この場合はどうなるんですか?」
『どう…とは?』
その絶対者に対し敬称を付け、敬語でありながら敬意を感じさせない声で生者は問う。
「いえ、私一人でもこの場にいる全員の願いを叶えられるのかな?と思いまして。」
生者とヒトガタたちは淘汰される人類の中でそれぞれの可能性を開花させて7日間を生き延びた。その際に使った道具…ニカイアという携帯アプリがあり、仲魔という人間に従う悪魔とともに成長していった。
そしてここに来る過程でニカイアを作った製作者を礎にこの場に来た。皆、それぞれの
弱肉強食が全人類に適応された実力主義の世界
弱者を見捨てず人が皆、助け合える平等主義の世界
絶対者を倒し、人が世界の利権をすべて握る自由な世界
飽和状態ではあったが、それぞれの幸せと不確かな人生があった破壊される前の世界
平時であれば何を馬鹿なと一蹴するような荒唐無稽な話ではあるが、7日間を生き残ったヒトガタたちは本気で願いをかなえようとしていた。そして全員が一つに意思を決め「種の意思」を絶対者に告げることで願いはかなう。
しかし自分の
ただ感傷に浸っているだけとポラリスは判断し、質問に答えることにした。
『貴様の仲間たちがかなえようとしたことを代わりに願おうとするなら――』
「あー、違う違う違います。」
自らの口上をさえぎられ少しばかり不機嫌になったが先ほどと変わらない口調で問いかける。
『いったい何が違うというのだ。貴様の仲間はほとんど息絶えた。意思亡き者に「種の意思」は告げることはできない。生きている者も口を満足に動かせず「種の意思」を伝えるには不十分。貴様だけが「種の意思」を伝える権利がある。これは決定事項であるが?』
「あ、それはそれでいいんです。」
この人間の望むことが本格的にわからなくなってきた。だんだん腹立たしくなってきたが「種の意思」を正確に聞くためにはこの人間と会話をしなくてはならない。絶対者は少しだけ、ほんの少しだけ憂鬱になった。
『では、いったい何が望みだ?貴様の願う「種の意思」はなんだ?』
「いやですね。先ほど聞いたばかりではないですか。」
………同意を求められても困る。しかし、考えなくてはならない先ほどこの人間は何と言っていた?「自分一人でもこの場にいる
………全員の願いだと?
願いが告げられるのは原則一人であり、種の意思を統合した一人であるはずだ。では…こいつの言う全員とは誰だ?
「ん~、言い方が悪かったみたいですね。」
目の前の人間はこちらをかわいそうなものを見るような目でもう一度自らの意向を告げた。…スーパーノヴァでも放とうかと絶対者は思ったが発言は最後まで聞かねばならないと思い取りやめた。
「この場にいるまだ生きている全員の願いが私の言う種の意思に従ってくれた場合、ほかの人が言ったことも多少はかなうのかなと思いまして。」
『…………………………………』
そういわれてポラリスは考える。確かに一つにまとめた「種の意思」と言っても全員が全く同じ世界を望んでいるわけではない。
実力主義といっても知力か腕力か霊力かそれぞれが重きを置くものは違う。
平等主義といっても福祉に重きを置くか、子どもの教育に重きを置くかで全く違った世界になる。
自由な世界と言っても自由の在り方は個体それぞれが違い、飽和した世界でもささやかな自分の幸せを願うだろう。
ヒトガタたちがかなえようとしていた世界はそれぞれの思い描く世界の上澄みをくみ取って世界に反映させた世界だ。
ゆえに答えは―――
『可能だ。しかしそこに転がっている者たちが意思を伝えられるとは思わないが?』
「シッ」
何やらこぶしを握り、わきを締めたポーズをとっている。確かガッツポーズというのだったか。
「では、少しばかり時間をば頂戴いたします。リリスゥ~」
間延びした声で自らの仲魔を呼んだ。…何をするつもりだ?
「『原初の誘惑』」
自らの仲間に自分の仲魔の技を当てた…。いやいやちょっと待て。
『人間よ、まさか魅了状態の人間の言う意思を反映させろというのか?』
「だって、本人たちの意思を伝える方法はこれしかないんですよ。仕方ないじゃないですか。」
そんなわけがない。転がっている者たちに回復魔法をかけるなり、献身をうけさせるなり手はあるはずだ。
『そんなものは「種の意思」として認められないぞ』
「では頭の中のぞいて、言ってることと意思が同じか確かめてみては?」
そういわれて絶対者はうわごとをつぶやく者たちの思考を読み取る。…確かに言っていることと思考は同じだ。
しかしこのようなものは認められない。なぜなら―――
「『自らの意思を曲げられた者の意思など「種の意思」足りえない』とお思いなのかもしれませんが、間違いですよ?それは。」
――――――――――は?
今この人間は何をした?私の思考を覗いたのか?
―――いや、ない。普通に誰しもが思うことだ。思考を予想したものがたまたま当たっただけだろう。そうに違いない。それよりも先ほどまで虫の息だったモノを回復させているこの者に問わねばならぬ。
『間違いとは、どういうことだ?私の意向に、私の意思に間違いなどあるわけがない』
絶対者は目の前の人間にまくしたてるようにそう論じ、生者を攻撃しようとした。
しかし、生者は「抑えてください」と一言だけ言い反論する。
「間違いですよ。たとえばですが、正常な思考を持った人間がいます。彼はずっと平和主義平和主義と信仰をまき散らすみたいに謡っていましたが、一日の敗北で自分の考えを変えて実力主義万歳と言いますか?逆もまたしかりですよ。」
それは…まずありえないだろう。絶対者は攻撃を一時取りやめ、思考にふける。
願いとは叶えたい志向であり、人間にとっての指針だ。数日、数か月、数年をかけても別の願いを許容する程度だろう。中には人の願いを全て肯定する輩もいるがそれらの人間は見てきた限り、自分の願いを持てなかった人種が多かった。それだけに願いとは重いものなのだ。しかし目の前のヒトガタたちはなぜか心の奥底に願いを隠し、リーダーのような役割の少年の願いに魅かれついて行きた。アルコルが言っていた輝くもの…だったか?
あの人間に全員が酔っているかのように私に戦いを挑み、その少年を殺すと途端に全員が体勢を崩し始め、分裂したのだ。それ以降は乱戦である。ある者たちは少年の死体の前に膝を屈し、ある者たちは別の少年に指示を仰ぎ私と戦い、ある青年たちはその少年に向かい何かを叫んでいた。全員の芯にあるものが崩れたのだと確信した。
自分の目の前にいる生者以外は。
つまりそれは―――
この生者が言いたいことは―――
『全員がすでに人間一人に対し魅了に近しい状態であったから、今現在の魅了状態も変わらないというのか』
「はい。その通りです。」
―――なるほど、稚拙な仮説ではあるが無視はできないか。あの少年が願おうとこの生者が願おうと状況はさほど変わらないということならば致し方ない。もはや確かめるすべはないが転がっていた者は乱戦中、間違いなく自分の願いが表層に出かかっていた。それを別の魅了という形で場を整えたのであれば試練の数を生者自ら減らしたということになる。その力量、いやこの場合は欲か?だが人間とは欲深い生き物。この者が特別欲しがりというわけでもないだろう。それに免じてこの場を収めるのも私の裁量一つというわけだ。
――――フフフ、そう考えるとこの生者は、いやこの
いいぞ、実に人間らしい。
『いいだろう、貴様の要求を呑んでやろうではないか』
その言葉に目の前の生者は笑みを深くした。
「では私が望む世界をポラリスに奉る。」
慣れない敬語を用いて話す様をほほえましく聞いてその後の言葉を待つと…なんというか予想の範囲外の言葉が続いた。
「セプテントリオンたちに私を親として扱わせ、最初から育て直させてください」
――――――――――――――――――――――――――――――
主人公Side
まったくこの7日間ひどい目にあいました。
いきなり中国地方から東京のパチモンみたいな都市に飛ばされたと思ったら地震に会って倒れました。そしたらなんか携帯から骸骨顔の鳥が一匹出てきて、とっさに掌底かましたら勝ってしまってサバイバル強要されるとか何ですか。
混乱しながらも目の前の障害何とか排除していたらジプスっていう組織に目ェつけられて協力せいとまたもや強要。そのころには「あ、ここメガテンかと思ったらデビサバ2の世界だ」ってわかって諦めもつきましたよホントに。
そしてジプスに収容されたら自分より年下の主人公君に何度か救われて感謝したら仲間認定されて一日おきにセプテントリオン倒すのをまた強要されるし、心が痛むわ。
なんであんな可愛らしい子たちを痛めつけなきゃならんのか?
そればかりが頭の中リフレインしっぱなしでしたよ全く。途中から周囲の悪魔の梅雨払いばかりやってました。それでもセプテントリオンたちが倒されるときは心が痛んだ。あの人たちにやめろと言ったら頭の中心配されるのは目に見えてますしね。アルコルに相談してみたら「それもまた可能性だね」って達観したようなこと言いよるし、人間好きはもとからやろうけどお前自分の意見はないんかって喧嘩別れみたいになるし。…まぁほかの子らに使えそうな有意義な話もできましたから、そこは感謝してますよ。
あとは攻撃受けるの嫌ですからとにかく無効化、反射、吸収を中心に継承してスキル全部取っとったらほかの連中は何必死になっとるん言うて笑うし。死んでからやと遅いんやで?わかっとんかいなほんまに!
そんで7日目に「ポラリス悪い、ポラリスひどい」みたいな空気になって倒そーって一致団結してさ。勝手にせえやって思ったね。反対しとった奴らも一回負けて主人公君が説得言ったら手のひら返したみたいに全員仲良しこよし始めるし自分の意思はないんかい
…コホン、アルコル倒していく際にもあの人私のほうを見て「君の可能性は…」って意味深なこと言って消えていくしどうしろっていうんですか?どうせこのままポラリス倒して終了でしょと思っていたら、主人公がいつの間にか戦闘不能になって一致団結していたやつらが独断専行という名のカミカゼアタックしまくるし、気づいたら自分一人だけ残っていますし。ポラリスからは『認めざるを得ないな』って言われますしで願いがかなうか聞いたら返答は
『YES』
これはもうあの子たちの死の運命を変えるしかないと思って育てたいと進言したらなんか渋り始めるし。何がいけないのか聞くことにしました。
「ポラリス様、何か不都合でも?」
『いや…不都合というか…不都合しかないというべきか…』
はっきりしないことを言いよるなこの神は。ほかの方々の願いをばっちり聞けばちったぁ重そうなケツ上げますかね?
「私は…この者が…セプテントリオンと…ともに生きる…ことを…願います」
「ジュンゴ…この人が…セプ・テントリオ、ンの…教育係りとし、て、ポラリス・の力、一部の…支援を受ける…願う」
「わ、わいは…こい、つが…セプテン、ト、リオンの…教育・場所を…整える力を……得ること…ヲ願う。で」
「俺は、こ、イつが教育、のために…悪魔ショ喚アプ、リを持ち続・けるこ…とを願いま・す」
「いかがでしょうか?疑う余地もなく「種の意思」は私がセプテントリオンを育むことを願っていますが?」
『ふむ…。』
まだ弱いかな?一人くらい生き返らせて別のこと願わせたほうがいいのかな?
『確認するがセプテントリオンの教育にともない、貴様の存在を世界を無に帰すさらに前にとばす。これでよいのだな?』
「はい、問題ありません」
あら?となるとこの時代や起こったことも、私からしたらやり直しになるのかな?
―――なんか嫌な予感がしますね。
『では条件がある。それらをのんでほしい』
「チッ…わかりました。」
ここまで来て条件ありかよ!ふっざけんな!と言いたいところですがここは冷静に…。どうやら舌打ちも気づかれなかったようですし。剣呑剣呑。…使い方あってますっけ?
『貴様はあくまでも人間のままにセプテントリオンたちのそばにいること』
「誓います」
それは当然だろう。人外になっても趣味趣向が異なっても困るし。
『寿命、老化による死はないが自殺、殺害による死は許容せよ』
「誓います」
なるほど、まぁポラリスにとっていつ邪魔になるかわかんないわけだしねこれも当然の保険のようなものだろう。
『これが最後になるが私がセプテントリオンを必要とした際は即刻、貴様の任を解き私の駒に戻すこと』
「…………………。」
くそ、くそっ!この野郎!一番目的から乖離していることを!
この条件をのむとあの子たちがまた一方的に虐殺を受けてれてしまう!
『どうした?誓えないなら』
ギリッ!
……唇少し切ったか…。
「…誓います」
『よろしい』
後で覚えてやがれよ…!確実にその鼻あかしてやる!
『では育てやすい格好にした後、貴様の教育場とやらに送ってやろう』
…ん?
「すいません、それはどういう…」
『では必要とするまでさらばだ。ああ、たとえセプテントリオンたちを取り立てても貴様の教育の場は消さないでおいてやろう』
「いえ、質問に…」
『さらばだ』
答えやがれぇぇぇ!!
という言葉は届かなかった。
…なんだろうか体中に重みを感じる…。
気が付くと木造らしき天井と――――――――
「я―…」
「…£」
「Θ!」
「Ψ?」
「@!@!」
「Ω?Δ?」
「$₤€。」
…全長30センチ台ほどの
やべエ…天国じゃねえか……!
周囲からの音と鼻から流れる熱を意識しながら私は意識を手放した。
種の意思やポラリスの性格などは捏造と独自解釈です。
主人公のプロフィールなどはご要望があれば投稿させていただきます。
ポラリス戦においてのレベルは
オリ主lv99
デビサバ2登場人物lv60程度
となっております。
負けた理由ですか?デビサバ2主人公たちの慢心です。
かろうじて生きている人は上から
迫 真琴
鳥居 純吾
和久井 啓太
志島 大地
となっております。
ファンの皆様に不快感を与えてしまった場合はここで謝罪いたします。
申し負けありません。
リリスが敵専用スキルを使っておりますが理由は後の話で追記します。
主人公の特別な力とかではありません。