オメガ&ルビー~マグマ団カガリ隊に配属された件~   作:れべるあっぷ

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エントツ山の決着

「ギャハハハハハッハー!!いけっ、サザンドラ!!全てを破壊しろ!!」

 

 クズキリαは正真正銘最後の切り札を出した。

 

「本当は使う気になんてなかった。こいつを使えば俺様の沽券に関わるからよー!でもそういうワケにもいかないよなー先生!!俺様もソレを望んだんだからよー!!プライドもクソもへったくれもねー!!今この瞬間こそが最後の切り札を使う時ってもんだよなー!!」

 

 ラスト1匹、先生から無理やり持たされたポケモンだ。

 

 ミツルという緑髪の少年と同じく託されたポケモンだ。

 

 今のクズキリαはくだらないプライドなど持ってやしなかった。

 

「いけっ、サザンドラ!!ギャハハハハハハーーーッ!!破壊光線だ!!」

 

「「「ギシャァアアアアアアアアアアアアーーーーッ!!」」」

 

 そいつは三つ頭の邪悪なドラゴンだ。

 

 外国産に疎いルビーだが悪っぽくドラゴンタイプぐらいなら分からなくもないだろう。

 

 名はサザンドラ。

 

 カラーボディは全身ブラックの規格外だ。

 

 右腕、頭、左腕の三つ口を持つドラゴンポケモンから放たれたその光線は絶望を作りあげるため黒く極太で、悪党に放つ手加減した破壊光線とはワケが違うぞ。

 

 地獄に生きる者の手によって育てられたハイブリットモンスターは、トレーナーやその他のポケモン達に容赦なく傷つけ突き放してしまう。

 

 ルビーのゲンガーじゃ効果が無く手も足もでない。

 

 だからこそ、リザードンとバンギラスが防御に回り全力でルビーとハルカをガードした。

 

「ギャハハハハハハハハッハッハッハー!!やっぱテメーらならコレを受け止めてしまうのか!!おもしれーなぁ!!あーチクショウ!!最高に楽しくてしかたがねー!!オラもっとだ!!こそ泥やビッチを守れるもんなら守ってみやがれ!!」

 

「ォォォオオオオオオオオッ!!」

 

「グォォオオオオオオオオッ!!」

 

 クズ男の挑発を受けて怪物はリザードンに指示を出し反撃に出た。

 

 受身だけではいずれ体力を消耗してしまう不本意な幕引きになることをリザードンも本能で知っている。

 

 だからこそのニトロチャージだ。

 

「ォォォオオオオオオオオッ!!」

 

「グルゥァアアアアアアアっ!!」

 

 それと同時にバンギラスにも指示を与えた。

 

 こちらの切れるカードはまだあるのだ。

 

 控えにヤミカラスもいる。ガバイトもいる。

 

 そして、まだルビーにはゲンガーというチート性能なポケモンがいる。

 

 明らかにクソ野郎が不利であった。

 

 が、

 

「ギャーッハッハ!はい想像通りぃ!サザンドラ、リザードンに不意打ちだ!そして、バンギラスに気合玉!!」

 

「な、破壊光線撃っておいて反動無しとか反則だわ!!」 

 

「バカヤロウ!!テメーら万国ビックリショー共にいわれる筋合いわねー!!やれサザンドラ!!」

 

 サザンドラLv100はリザードン達を一蹴できるほどのポテンシャルを発揮した。

 

 不意打ちがリザードンにヒットし反撃を許さない。

 

 不意打ちと共に放たれた気合い球がバンギラスを一撃でノックアウトにしてみせた。効果は4倍でバツグンだ。

 

 だが、本命は……

 

「サザンドラぁ!真下にいるゲンガーに悪の波動だギャッハッハー!!」

 

「がっ、うぅ…………!?」

 

 リザードンとバンギラスの反撃に乗じてゲンガーを繰り出していた。

 

 隙さえあれば影に飲み込んで終了だった。

 

 だが、それすら見抜かれていた。

 

 ルビーは悲鳴を上げる身体を必死に堪え次の打開策を考えた。

 

「こ、れぐらい……あの痛みにくらべればへっちゃらかもなのよ!!」

 

 怪物のオメガと共闘はできている。

 

 お互いの意図を読み取り、ポケモンに指示も出せている。

 

 あとは隙さえ作ればこちらは勝ちなのだ。

 

 問題なのはあの規格外のサザンドラLv100だ。

 

 頭で破壊光線を放ち反動無しで右腕で不意打ちのジャブ、左腕で気合い玉、また頭で悪の波動と攻撃の手を休めることなく両刀アタッカー型のキチガイなポケモンだ。

 

 この目でオメガという怪物を目の辺りしている手前、規格外でキチガイなポケモンを育成していてもおかしくないとルビーは歯噛みした。

 

「おいおいボサッとしてんじゃねーぞ!!一秒の猶予さえテメーらに与えるかボケ!!サザンドラ、ハイドロポンプッ!!」

 

「グォ………!?」

 

 リザードンの弱点は当然水タイプのワザだ。

 

 覚えさせていないはずがない。

 

 当然、後ろを守るために避けきれない。

 

 右腕が放ったハイドロポンプがリザードンのHPをゴリゴリ削っていく。

 

「ギャーッハッハ!!おらどうした!!自慢のリザードンをメガ進化しねーのか!!Yの特性、日照りに頼ったらどうなんだ!!」

 

「オッォオオオオオオオ!!」

 

「まーできねーわなー!!なんたってテメーは中途半端なバケモノだ!!キーストーンとメガストーンに不具合が生じてもおかしくないだろうよー!!」

 

 メガ進化ができずフルパワーを発揮できないリザードンはついに片膝をついた。

 

 すぐさま、怪物はヤミカラスとガバイトを繰り出した。

 

 2匹の指示は「リザードンに回復の薬を使うからそれまでの間、場を凌いどけ」という無茶振りもいいところだった。

 

「アホーッ!!?」

 

「ギャバンッ!!?」

 

 もちろん、2匹は返り討ちにあった。

 

 ルビーはオメガの意図を読み取りゲンガーの口に手を突っ込んでは回復の薬を引き当てた。

 

「ギャーッハッハ!!こそ泥ぉ、テメー回復の薬とか使ってんじゃねーよ!このボケがぁ!!何回やっても同じだー!!」

 

 クズ男はサザンドラに最悪の命令を出した。

 

「右腕を構えろ!!リザードンにハイドロポンプをもう一度だ!!しかし、さあこれはどう対処してみせるってぇんだ!!頭はカガリに標準を!!破壊光線だ!!ギャーッハッハハ!!」

 

「しまった、カガリ……っ!!?」

 

 カガリはこの最終バトルを1番見える特等席で見守っていた。

 

 そこを狙われた。

 

 リザードンは竜の息吹で対処をし、相殺はできなくても威力を殺すことはできるだろう。まだ攻撃してこない左腕の対処もしなくてはならない。

 

 しかし、攻撃の範囲外と勝手な思い込みが招いた結果、本命への対処に遅れてしまう。

 

 誰一人失ってはいけない局面でもっとも安全にいたはずの彼女に破壊光線が容赦なく襲い掛かった。

 

「チルタリス、カガリを守って!!」

 

「そんなモコモコポケモンじゃ守りきれねーぜ!!ギャハハッハー!!」

 

 クソ野郎の言うとおりだ。

 

 仮にメガチルタリスが破壊光線で迎撃に回ったとしてもレベルが違う。

 

 フルガードしなかった分、カガリの命に危険が迫る。

 

 だからといってフルガードしたとしてもだ……いくら耐久が上がったとしてもレベルが違いすぎる。

 

「チ、チルタリス……ッ!!それに、アンタたちまで!!?」

 

「バクゥ……ッ!!」

 

「ヘル……ッ!!」

 

「ギャーハッハッハー!!ご主人様は僕達で守りまちゅーってか!!泣かせるじゃねーか!!」

 

 カガリのポケモン達がモンスターボールから飛び出しチルタリスと並び破壊光線を受け止めた。

 

 紙一重でカガリを守れた。

 

 しかし、チルタリス達に余力はもう残されていない。

 

 力なく倒れるだけであった。

 

「み、みんな……ボクのため、に…………っ!?」

 

 泣いている暇などなかった。

 

 もうカガリを守るポケモンがいない。

 

「そこからとっとと離れなさいカガリ!!アンタを守っている余裕なんかないわ!!次は守れないわよ!!」

 

 左腕がまだ攻撃してこなかった時点でゲンガーもリザードンもけん制されてしまった。

 

 そして、せめてもの悪足掻きをする奴がいた。

 

「ア、アホー……っ!!」

 

「ギギギギギギギギギギッ!?」

 

 いたずらごころからの電磁波でサザンドラを麻痺にした。

 

 だが、サザンドラはそれでも尚動く。

 

 忘れてはならない。麻痺など気休めにもならない。こいつは規格外だ。

 

「ギャハハハッハーーー!!あとで麻痺治しぐらい塗ってやるよ!!それよりも破壊光線だ!!三点バーストってか!!サザンドラ!!ステージを狙え!!」

 

「マズい……オメガッ!!」

 

「オォオオオオオオオオオオオオオっ!!」

 

 右腕、頭、左腕がそれぞれ破壊光線を解き放つ。

 

 ポケモン技に耐えるように造られたはずの強化クリアステージが破壊され崩壊していく。

 

 クズ男は崩壊していくステージからサザンドラに飛び乗った。

 

 オメガはヤミカラスを戻しリザードンに乗って2人を担ぎ上げ脱出した。

 

 崩壊したステージはマグマへと落ちていく。

 

「ギャーッハッハッハ!!そろそろフィナーレと洒落こもうじゃねーか!!」

 

 夕刻の空に星々が瞬いた。

 

「サザンドラ、流星群!!」

 

 黄昏に染まる戦場に流星群が降り注ぐ。

 

 絶望の雨からは誰も逃れられない。

 

 体力を削って傷ついて死に物狂いで満身創痍になりながら必死に仲間を守る彼らを嘲笑うように、しかし全力で獲物を駆る獅子の如し容赦なく襲い掛かった。

 

 カガリが後ずさりをして走り出すのも遅すぎた。

 

 リザードンは間に合わなかった。

 

 地獄を生きる者が手を施した最凶の必殺は回避すら不可能だ。

 

 地面がえぐられ山の形状が変形し火口からマグマが飛沫を上げ辺りに飛び散る残劇を作るほどだった。

 

「………」

 

 リザードンが背中から落としたであろう者達が横たわっている。

 

 顔が泥だらけになろうとも目を覚まさないハルカが転がっていた。

 

 隕石が直撃しても尚死なない怪物のオメガは、なんとか立ち上がろうと呻き声を洩らしていた。

 

 顔を前に向ければカガリが横たわっているのが見える距離だった。

 

 彼らを守りきれずにしっぽの炎を小さくするリザードンもオメガ同様倒れて起き上がれないでいた。

 

 彼もまたカガリの方を向いていた。

 

「………何故だ」

 

 声の主はクズキリαだった。

 

「何がそこまでテメーをそうさせるんだ……っ!!」

 

 クズキリαは全力を出した。

 

 借りモノの強さも出し惜しみもしなかった。

 

 問いかけの相手はくたばりぞこないのオメガでもリザードンでもカガリでもハルカでもない。

 

 リザードンに守られることを放棄し、いち早くカガリの元へ駆けつけた少女に問いかけた。

 

 ゲンガーを先に回り込ませカガリを守った。

 

 シャドーボール、ヘドロ爆弾、気合い球、シャドーパンチで迎撃を試みた。

 

 迎撃に失敗した流星群は全てゲンガーが受けとめた。

 

 ダメージは計算はしなくても想像ぐらいはできるだろう。

 

 それでも、地面をえぐるほどの威力を誇る流星群をまともに受けても尚、ルビーはまだ生きている。

 

 地に足を付けて立っていた。

 

「アタシは……この世界が憎くてしかたがなかった。アンタ等が暴れる前に古代ポケモンを盗んで復活させて滅ぼそうと機会を窺っていたほどにね。でも、ね……悪くない世界だと思ったの」

 

 やせ我慢だったのだろう。

 

 全身血だらけになりながら、血を吐いては仰向けに倒れこんだ。

 

 カガリが泣きながらルビーの体を抱きかかえた。

 

「オメガがいてマグマ団に身を置いたとしても、カガリやホムホム、他の連中たちとバカやって……それでハルカがいる世界も悪くないと本気で思ったのよ」

 

 ルビーの瞳からも涙が溢れこぼれる。

 

 やせ我慢をしなくて良いと思ったからであろう。

 

「もうパパもママもいないけど、弱虫サファイヤもアタシの知るアオギリも皆死んじゃってアタシ1人だけ取り残されたけども……アタシは一人ぼっちなんかじゃない……ッ!!」

 

 だからルビーは戦うのだ。

 

 身体が悲鳴をあげ意識が吹っ飛びそうになっても、涙をぐしゃぐしゃにして戦うのだ。

 

 地獄を見てきた。

 

 誰も救えなかった世界があった。

 

 大切なヒトを守れる強さが足りなかった。

 

 でも今度こそ大切な人たちを守ってみせる。

 

 腕がもげようとも足で立てなくなっても何度も立ち上がってやる。

 

 何度も食らいついて吼えヅラかかせてやる。

 

 ルビーは力を踏ん張って起き上がろうした。

 

 カガリがルビーの想いを組み込み体を支え立ち上がった。

 

「はっ!!けっきょくテメーも1人で立ち上がれる力も残ってねーじゃねーか!!そんなお前に何ができるってんだ!!」

 

「アンタ馬鹿ぁ?アタシは1人で戦ってんじゃないわよ!!」

 

 この世界は残酷だが、素晴らしい未来を創造していける。

 

 未来を造っていくのは彼ら自身だ。

 

「ッォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」

 

「グォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」

 

 怪物達が雄たけびを上げた。

 

 最後の力を振り絞って立ち上がった。

 

 さらにリザードンのメガストーンが反応した。

 

 オメガのキーストーンが輝きを放つ。

 

「リザードン、メガシンカ……ッ!!」

 

 トレーナーとポケモンの絆がさらなる進化を可能にさせた。

 

 進化を超えた進化がリザードンをさらに強くする。

 

 YではなくXバージョンのメガ進化はなかなかにレアだ。

 

「こんなことが……このタイミングでこんなご都合主義名ことがあっていいのかよ!!?なんでメガ進化できんだよ!!クソガキはバケモノでキーストーンは反応すら……ッ!!?」

 

「でもメガシンカさせた。それが主人公ってもんよ。ねぇ、オメガ?」

 

「あぁ、そうだな………そんなこともわかんないお前、想像力が足りてないな」

 

「な、なんだとぉ……ッ!!」

 

 怪物が人語を喋っていることに驚いている場合ではない。

 

 オメガの挑発に煽られている場合じゃなかった。

 

 余計な考えるな、今は目の前の敵に集中しろ。どうやって理性を取り戻したとかどうでもいい。

 

 ボロボロだった血染めの病的な白い肌は今は健康的な白い肌。あの禍々しい角の先っちょは丸っこく可愛らしい感じにつるつるで牙は抜け落ちていたり何だあのショタコンをさらに虜にさせるマスコットキャラは!?とか見間違えている場合じゃなかった。

 

 オメガはすでにOパワーというチートを使っていた。

 

―――Oパワー発動―――

 

 すばやさパワーの効果により、リザードンXの素早さが3段回上がった。

 

「ウサギちゃん達が頑張っているのに寝惚けてられねーんだわ。リザードン、いくぞ!フレアドライブ!!」

 

「こなくそっ、サザンドラ!破壊光線で蹴散らしてしまえ!!」

 

 クズキリαは痛恨のミスを犯したのかもしれない。

 

 ワザの選択ミスではない。狙う相手を間違ったわけでもない。

 

「だからちょっと待てぇえええええ!?このタイミングは狙いすぎだろぉッ!?どこまで主人公補正かかってんだ!??」

 

「ギギギギギギギッ!?」

 

 サザンドラは痺れて動けない。

 

 クズキリαは麻痺直しを怠った痛恨のミスをしてしまったのだ。

 

 すでに運命の神様はクズキリαを見放し、勝利の女神はオメガ達に微笑んでくれている。

 

―――Oパワー発動―――

 

 すばやさパワーの効果により、リザードンXの素早さが3段回上がった。

 

 加速してさらにパワーを上乗せしたリザードンがクズキリαたちを捉えた。

 

 フレアドライブが決まった。

 

「「ゴゲーーーッ!??」」

 

 そして、まだ終わらない。

 

 リザードンXの身に纏う炎はさらに燃え上がりフレアドライブを加速させる。

 

―――Oパワー発動―――

 

 すばやさパワーの効果により、リザードンXの素早さが3段回上がり、サザンドラをがっちりと掴み急上昇する。

 

 吹き飛ばすだけの幕引きなんてこの残酷な世界にはなかった。

 

「ちょ、ま……てっ、本気が!?ごごごごんな高い所がらああああああああああああああああ俺様を殺ぜばぎざまばびどごろじじじじじじじじじじじ!??」

 

 十分な高度まで上昇したフレアドライブが旋回し急降下した。

 

 サザンドラがもがこうとするが体が痺れて動けない。

 

「ギャ、ギャーッッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!」

 

 クズキリαはまた笑っていた。

 

 奇声を上げ最高にハイになって、というか笑うしかなかった。

 

 お手上げ状態なのだから笑いもだろう。

 

 彼はいつも大声を出して下品に笑っている。

 

 そうやって生きてきたのだから。

 

 虎の威を借り、辺りに威張り散らし、弱者を威嚇し、弱者に舐められないよう、弱者と思われないように、負け犬負け組みにならないように、もう2度と弱者に戻らないように、常に強者で勝ち組になりたいがために笑って人生を歩んできた。

 

 ネジ1本飛んだジャンキー野郎の笑いをすると大抵の大人しい奴らは怯んだ。異常者だと決めつけ勝手に脅えてくれたのだ。

 

 それがクズキリの処世術であった。

 

 いつ何時どんな場面に出くわそうとも笑う。

 

 強がりでいい。やせ我慢でも構わない。敵が怯んでくれるかもしれない。だから笑う。

 

 最悪な状況でも彼はもう笑うしかない。

 

 たとえ諦めて敗北を認めようとも笑ってやろう。

 

 クズキリαは虎の威を借り悪知恵と残虐性を兼ね備えそれなりの才能があったとしても、オメガに遠く及ばなかったから盛大に笑おう。

 

 クソガキなのにクレイジーで多くの仲間がいて絆があって愛されて……

 

 そして、なにより主人公には敵わない。

 

 だから……

 

「ギャハハッ、だからテメーみたいなクソガキが大嫌いなんだよ、俺様は……」

 

「オレもお前が大っ嫌いだよ。あばよ」

 

 リザードンXのフレアドライブがこのクソタレなゲームに終止符を打つ。

 

 リザードンのレベルが97に上がった。

 

 戦いが終わった。


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