主よ。お願を聞いてくださいますか?
どうか、一誠さんをずっとお守りください。
一誠さんが一人ぼっちにならないように。
そして―――。
どうか、これからもずっと一誠さんと一緒に楽しく暮らせますように―――。
<木場視点>
僕たちは一瞬何が起こったかわからなかった
いや、いまでもよくわからない。
ディオドラ・アスタロトと神滅具の装置を一誠さんが打倒し、アーシアさんの救出も無事完了して、僕―――木場祐斗と眷属達はこの場から退避しようとしていた。
その瞬間、アーシアさんがまばゆい光の中に消えていった。
……何が起きた?
「神滅具を創りしもの、神滅具の攻撃で散る、か。霧使いめ、手を抜いたな。計画の再構築が必要だ」
聞き覚えのない声だ。
声のしたほうへ視線を送ると、そこには見知らぬ男性が宙に浮いていた。軽鎧を身につけ、マントも羽織っていた。
……なんだ、この体の芯から冷え込むようなオーラの質は……。
部長がその男性に訊く
「……誰?」
「お初にお目にかかる、忌々しき偽りの魔王の妹よ。私の名前はシャルバ・ベルゼブブ。偉大なる真の魔王ベルゼブブの血を引く、正当なる後継者だ。先ほどの偽りの血族とは違う。ディオドラ・アスタロト、この私が力を貸したというのにこのザマとは。先日のアガレスとの試合でも無断でオーフィスの蛇を使い、計画を敵に予見させた。貴公はあまりにも愚行が過ぎる」
―――旧ベルゼブブ
こんなときに!アザゼル先生がおっしゃっていた今回の首謀者がご登場とは……。
ディオドラ・アスタロトが旧ベルゼブブ―――シャルバに懇願する顔となった
「シャルバ!助けておくれ!キミと一緒なら、赤龍帝を殺せる!旧魔王と現魔王が力を合わせれば―――」
ピッ!
シャルバの手から放射した一撃がディオドラの胸を容赦なく貫いた
「哀れな。あの娘の神器の力まで教えてやったのに、モノにできずじまい。たかが知れいているというもの」
嘲笑い、吐き捨てるようにシャルバは言う。
ディオドラは床に突っ伏すことなく、塵と化して霧散していった。―――光の力?天使、堕天使に近しい能力か?それとも『禍の団』は悪魔が天使や堕天使の力を使える研究、が進んでいるのだろうか?
僕の視界にシャルバの腕に取り付けられた見慣れない機会が映る。……あれが光を生み出す源か?
やはり、アーシアさんは……。皆ももう気づき始めているようだ。
ゼノヴィアは体をわなわなと怒りに打ち震えさせていた。
「さて、サーゼクスの妹君。いきなりだが、貴公には死んでいただく。理由は当然。現魔王の血筋をすべて滅ぼすため」
そう冷淡な声で言うシャルバの瞳は憎悪で染まっている。よほど現魔王に恨みがあるのだろう
「グラシャラボラス、アスタロト、そして私たちグレモリーを殺すというのね」
部長の問いにシャルバは目を細める
「その通りだ。不愉快極まりないのでね。私たち真の血筋が、貴公ら現魔王の血筋に『旧』などと言われるのが耐えられないのだよ」
そう言うとシャルバは嘆息した
「今回の作戦はこれで終了。私たちの負けだ。まさか、神滅具のなかでも中堅クラスのブーステッド・ギアが上位クラスのディメンション・ロストに勝つとは。想定外としか言えない。まあ、今回は今後のテロの実験ケースとして有意義な成果が得られたと納得しよう。クルゼレイが死んだが問題ない。―――私がいればヴァーリがいなくても十分に我々は動ける。真のベルゼブブは偉大なのだからな。さて、去り際ついでだ。―――サーゼクスの妹よ、死んでくれたまえ」
「直接現魔王に決闘も申し込まずにその血筋から殺すだなんで卑怯だわ」
「それでいい。まずは現魔王の家族から殺す。絶望を与えなければ意味がない」
「―――外道っ!なによりもアーシアを殺した罪!絶対に許さないわ!」
部長は激高し、最大限までに紅いオーラを全身から迸らせた。
朱乃さんも顔を怒りに歪め、雷光を身にまとい始めた。
僕も許すつもりはない!アーシアさんは……やっと過去のすべてとケリをつけたんだ!彼女は改めて今の幸せを噛みしめることができるようになったんだ!それなのにこいつはッ!
「アーシア?」
―――っ。
一誠さんがふらふらと歩きながらアーシアさんを呼んでいた
「アーシア?ほら、帰るぞ?どこに隠れてるんだ?ハハハ、俺でも見つけられねぇや。凄いなアーシアは。でも、降参だ。な?だからでてきてくれよ?アーシア……」
一誠さんはアーシアさんを探すように辺りを見渡しながら、おぼつかない足取りで……。
「アーシア?帰ろう。もう、アーシアをいじめる奴はいなんだ。たとえいたって全て俺が消し飛ばしてやるさ。ほら、帰ろう。約束したじゃないか。皆そろって映画を見ようって……」
―――見ていられなかった。普段の一誠さんなら決してありえないような光景に皆が嗚咽を漏らしている
「リアス、おかしいな。アーシアがいないんだ。やっと、やっと帰れると思ったのに……」
部長はそんな一誠さんを抱きしめ彼の頬を何度もなでていた
「…………許さない。許さないッ!斬るっ!斬り殺してやるっ!」
叫びながらゼノヴィアがデュランダルとアスカロンでシャルバに斬りかかる
「無駄だ」
ギャンッ!
シャルバは聖剣の二刀を光り輝く防御障壁で弾き飛ばし、ゼノヴィアの腹部へ魔力の弾を撃ち込んだ
ドオオンッ!
地に落ちるゼノヴィア。聖剣も放り投げられ、床に突き刺さった
「…………アーシアを返せ……。……私の……友達なんだ……っ!……やさしい友達なんだ……。誰よりも優しかったんだ……ッ!どうして……ッ!」
ゼノヴィアが泣きながらそう言う
シャルバは一誠さんを見て言う
「下劣なる転生悪魔と汚物同然のドラゴン。まったくもって、グレモリーの姫君は趣味が悪い。そこの汚物。あの娘は次元の彼方に消えていった。すでにその身も消失してるだろう―――死んだ、ということだ」
一誠さんの視線が宙に浮かぶシャルバを捉えた。
そのまま、じっと見つめ続ける。その姿は異様に見えた。無表情のまま、ただ、ただ、シャルバを見続ける
『リアス・グレモリー、警告だ。死にたくなければ、今すぐこの場を離れろ』
いつの間にか出現した籠手から声が聞こえてくる。離れろ?どういうことだ?部長も僕同様怪訝な表情をした
籠手から発せられる声は次にシャルバへと向けられる
『そこの悪魔よ。シャルバといったか?』
一誠さんがいきなり立ち上がる
『―――おまえは』
死人のようにおぼつかない足取りで、一誠さんはシャルバのほうへ向かっていく
そして告げられる無感情な一言
『選択を間違えた』
ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッッ!!!
一誠さんの体がものすごい量のオーラが発せられる。それはとどまることを知らず、神殿全体を吹き飛ばしながら、さらに高まっていく。そんな一誠さんの口から一言だけ声が発せられる
「―――禁手化」
『Welsh Dragon Balance Breaker!!!!!!!!』
一誠さんの体を赤い鎧が覆い隠していく。その姿は白龍皇によく似ている。違うと言えば、色は赤く、背中に翼が無こといくらいだ。
「―――シャルバ・ベルゼブブ。…………死ね」
そう言ってシャルバの目の前に現れた一誠さんはシャルバを殴り飛ばす。シャルバは反応できずに地面にたたきつけられ、その衝撃でクレーターができる
「……ガッ!!?」
シャルバは信じられないといった表情をする
そして一誠さんは拳に巨大な魔力を精製すると
『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!!!!!!!』
それが巨大化していき、それはまるで、地上に太陽が出現したかのように見えた
マズイッ!
僕たちは慌てて神殿から退避する
「バ、バカな……ッ!真なる魔王の血筋である私が!ヴァーリに一泡も噴かせていないのだぞ!?ベルゼブブはルシファーよりも偉大なのだ!おのれ!ドラゴンごときが!赤い龍め!白い龍めぇぇぇっ!」
カッ!
一瞬の閃光。本当の破壊とはここまで何もないものなのか。何も感じられない。音も、光も、何もかも。そしてそれは一瞬のような、それでいて永遠のように感じられた。そして、神殿とフィールドを覆っていた結界はその光の中へ消えていった―――。
「っ……」
僕たちは神殿をでた後聖魔剣を幾重にも創りだし、シェルターみたいなものを形作り、さらに限界まで防御障壁を展開した
少ししてから剣を解放し、外の様子に目を配らせる。
―――なにもなかった。神殿もなにもかも。一誠さんがいるところを中心に見渡す限りの超巨大なクレーターができていた。
「アーシア……」
そう悲しそうに呟く一誠さん
「困っているようだな」
第三者の声?そのとき、空間の裂け目が生まれる!人が潜れるだけの裂け目から現れたのは―――白龍皇ヴァーリ。それと、古代中国の鎧を着た男―――初見だがおそらく孫悟空の美侯だろう。そしてもう一人は背広を着た見知らぬ男性だった。
その男性が手にしている剣は今までで見たこともないほど神々しいオーラを放っていた。すぐにわかった。一誠さんが出会ったという、聖王剣コールブランドの所持者だ。
「ヴァーリ」
部長はヴァーリの登場に驚いていた。―――が、すぐに攻撃の姿勢を作り出す。僕たちも戦闘のかまえを取っていた。けど、彼らからは敵意が感じられなかった
「やるつもりはない。見に来ただけだ―――赤龍帝の『禁手』を。ただの『禁手化』であれほどの力を発揮するか」
そう言うヴァーリの顔には笑顔が張り付いていた
「何しに来たんだ?俺は今機嫌が悪い。冥界ごとてめぇらをぶち殺してやろうか?」
そう言う一誠さんの目はすわっている。
そんな一誠さんの前へ美侯が歩み寄る。―――その腕には見知った少女が抱きかかえられていた。
「ほらよ、おまえらの眷属だろ、この癒しの姉ちゃん」
美侯から一誠さんに渡された少女は―――アーシアさんだった
「……よかった」
そう言ってアーシアさんを抱きかかえて涙を流す一誠さん。それを見て僕たちは皆涙ぐんだ。良かった!本当によかった!
「でも、どうして……」
僕が疑問を口にすると、コールブランドの持ち主が答えた
「私たちがちょうどこの辺りの次元の狭間を探索していましてね。そうしたら、子の少女が次元の狭間に漂っていたのですよ。ヴァーリが見覚えがあるといいまして、ここまで連れてきたのです。その少女の首元にあるネックレスが次元の狭間の『無』から彼女を守っていたのですよ」
なるほど、そう言う理由か。でも、良かった。アーシアさんが無事で
「うわぁぁぁぁぁぁんっ!」
ゼノヴィアがアーシアさんの無事を確認し、安堵のためか、その場に座り込んで泣きじゃくってしまった。一誠さんがアーシアさんをゼノヴィアのもとへおろす。彼女はアーシアさんを大事そうに抱きかかえ、笑顔でうれし涙を流していた
「みんな無事!?」
空から声が聞こえる。そちらのほうへ向くとイリナさんだった。
「さっきものすごい光が辺り一帯を吹き飛ばしたけど、あれは何!?」
そう言って混乱しているイリナさん。僕は彼女に近づき事情を説明する
「……それにしてもよく無事だったね」
僕たちですら、下手したら一緒に死んでいたかもしれないのに
「オーディンさまが守ってくださったの。でも、そのせいで、オーディンさまが負傷されたわ」
あの攻撃を防ぐのは並大抵のことではなかったのだろう。でも聞く限り、軽傷らしいから問題ないだろう
「……あれ?……ゼノヴィアさん?」
どうやら、アーシアさんの意識が戻ったようだ
「アーシア!」
アーシアさんをより一層抱きしめるゼノヴィア
「ゼ、ゼノヴィアさん。どうしたんですか?苦しいです……」
「アーシア!アーシアアーシアアーシアアーシア!私とおまえは友達だ!ずっとずっと友達だ!だから、もう私を置いて行かないでくれ!」
アーシアさんは泣いているゼノヴィアの頭を頬優しくなでる
「……はい、私たちはずっと友達です」
「よかったわぁ」
よこでイリナさんもうんうんとうなずきながら泣いていた。
……一件落着か。僕は安堵の息を漏らした。一誠さんがヴァーリに近づき話しかける
「アーシアを助けてくれてありがとな」
顔を真っ赤にしながらヴァーリにお礼をいう一誠さん
「ま、たまにはいいだろう。それよりもそろそろだ。空中を見ていろ」
「?」
僕はヴァーリの言葉を訝しげに思いながらもフィールドの白い空を見上げる
すると―――。
バチッ!バチッ!
空間に巨大な穴が開いていく。そして、そこから何かが姿を現した。
「あれは――」
穴から出現したものを見て、僕は驚愕した。僕だけではなく部長や他の眷属も同様だった。
ヴァーリは口元をゆるくにやけさせながら言う
「あれが俺の見たかったものだよ」
空中をとてつもなく巨大な生物―――真紅のドラゴンが雄大に泳いでいく
でかい!タンニーンさまよりも遥かに大きい!百メートルはゆうに超えているだろう
ヴァーリはこの場にいる全員に語りかけるように言う
「『赤い龍』と呼ばれるドラゴンは二種類いる。ひとつはキミに宿るウェールズの古のドラゴン―――ウェルシュ・ドラゴン。赤龍帝だ。白龍皇もその伝承にでてくる同じ出自のもの。だが、もう一体だけ『赤い龍』がいる。それが『黙示録』に記されし、赤いドラゴンだ」
「黙示録……?」
誰かがそう呟いた。ヴァーリはかまわず続ける
「『真なる赤龍神帝(アポカリュプス・ドラゴン)』グレートレッド。『真龍』とも称される偉大なるドラゴンだ。自ら次元の狭間に住み、永遠にそこを飛び続けている。今回、俺たちはあれを確認するため、ここへ来た。レーティングゲームのフィールドは次元の狭間の一角に結界を張ってそのなかで展開している。今回、オーフィスの本当の目的もあれを確認することだ。シャルバたちの作戦は俺たちにとってどうでもいいことだった」
「懐かしいな……」
「あれがオーフィスの目的であり、俺が倒したい目標でもある」
ヴァーリは真っ直ぐな瞳で言う
「俺が最も戦いたい相手―――『
それがヴァーリの夢なのか
「グレートレッド、久しい」
―――っ!
僕たちのすぐ近くに黒髪黒ワンピースの少女が立っていた。
「誰だ、あの娘……?さっきまでいなかったぞ?」
そんなつぶやきにヴァーリが苦笑し、一誠さんが答える。
「こいつが『
―――っ!これが無限を司る最強のドラゴン。まさか、ここで僕たちを殺すつもりか!?
少女―――オーフィスはグレートレッドに指鉄砲のかまえでバンッと撃ちだす格好をした。
「我、いつか必ず静寂を手にする」
バサッ。
今度は羽ばたき。
ドスンッ!
巨大なものも降ってきたようだった。みればタンニーンさまとアザゼル先生だ
「アザゼルとタンニーンか」
「おー、一誠か。ずいぶん派手にやったな?こっちまで巻き込まれそうで危なかったんだぞ?―――と、オーフィスをおってきたらとんでもないものが出ているな」
先生とタンニーンさまも空飛ぶグレートレッドに視線を向ける
「懐かしい、グレートレッドか」
「タンニーンさまも戦ったことがあるのですか?」
僕の問いかけにタンニーンさまは首を横に振る。
「いや、俺なぞ歯牙にもかけてくれなかったさ」
元龍王であるタンニーンさまでも相手にならなかったということか。噂には聞いていたけどずいぶん規格外だ
「久しぶりだな、アザゼル」
ヴァーリが先生に話しかける
「クルゼレイ・アスモデウスは倒したのか?」
「ああ、旧アスモデウスはサーゼクスが片付けた。……まとめていた奴らが取られれば配下も逃げ出す。まあ、大体は一誠の攻撃で消し飛んだんだけどな」
「お兄さまは?」
部長が先生に訊く
「結界が崩壊したからな、観戦ルームに戻ったよ」
その先生がオーフィスに言う
「オーフィス。各地で暴れ回った旧魔王派の連中は退却及び降伏した。―――事実上、まとめていた末裔どもを失った旧魔王派壊滅状態だ」
「そう。それもまたひとつの結末」
オーフィスは驚く様子もなく平然としている。ひとつの派閥が消えても痛くもかゆくもないのだろうか。
「おまえらのなかであとヴァーリ以外に大きな勢力は人間や勇者の末裔、神器所有者で集まった『英雄派』だけか」
英雄派?『禍の団』にはまだ勢力があるのか?
「さーて、オーフィス。やるか?」
先生が光の槍の矛先をオーフィスに向ける。
するとオーフィスは先生を無視して一誠さんのほうを向く
「一誠、もう一度頼む。グレートレッドを倒すのを協力してほしい」
―――っ!
まさか一誠さんを『禍の団』に誘うなんて!もし、一誠さんが『禍の団』に入ったら、僕たちに勝ち目はなくなる
「オーフィス。俺はいま、てめぇの冗談に付き合ってやれるほど心にゆとりがねぇんだ。今回は見逃してやるから失せろ」
「冗談じゃない。一誠にはグレートレッドを倒すのを協力してほしい」
カッ! キイィィィィィィィィィン
一誠さんから砲撃とも言うべきものが放たれ、それはオーフィスの横を通り過ぎ、空へと消えていった
「さっさと失せろ!さもねぇとてめぇを吹き飛ばすぞ、オーフィス!!」
そう言ってオーフィスを睨む一誠さん。そのあまりの迫力に僕たちはその場に座り込んでしまった。酸素を求めて口をなんどもパクパクと動かしてしまう
「……わかった」
そう言って踵を返すオーフィスは心なしか寂しそうだった
「待て、オーフィス!」
タンニーンさまがオーフィスを呼びとめる。するとオーフィスは不気味な笑みを浮かべる
「タンニーン。龍王が再び集まりつつある。―――楽しくなるぞ」
ヒュッ!
一瞬、空気が振動したかと思ったらオーフィスが消え去っていた。
「俺も帰る」
そう言って一誠さんの姿がかき消える。たぶん転移をして人間界に戻ったのだろう。
僕らはその後、アザゼル先生たちに救助され、一通りの検査を終えた後人間界に戻った。その間にサーゼクスさまから連絡があった次に僕たちグレモリー眷属が戦うのはサイラオーグ・バアル。バアル家の次期当主だ。
……今回も僕たちはなにも出来なかった。結局一誠さんの足を引っ張っただけだ。もっと強くなる!せめて、一誠さんの足を引っ張らないように。僕はそう決意を新たにする。
<一誠視点>
あの騒動から三日後、俺はアーシアとの約束通り、全員と映画を見ている。隣でアーシアが嬉しそうにしている
「たのしいか?アーシア」
「はい、皆さんと一緒に映画が見れて、とっても嬉しいです」
そう言うとアーシアは俺にキスをしてくる
「一誠さん。大好きです。ずっとおそばにいますから」
―――っ!俺は顔が赤くなるのが止められなかった。まったく、敵わないな。
俺は恥ずかしさをごまかすために映画に視線を向ける。映画はちょうど終わりでハッピーエンドを迎えていた
投稿です。なんか、この一誠が結構人気だった。
たぶんそのうち、ネギまとリリカルなのはも書くと思います(たぶん)
ちなみに今回一誠が『覇龍』じゃなくて『禁手化』なのは、そうしないとリアルで冥界が滅びそうだからです^^: