ハイスクールD×Dの規格外   作:れいとん

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第二十八話

<木場視点>

シトリー眷属とのゲーム決戦前夜

僕たちは先生の部屋に集まり、最後のミーティングをしていた

部長と小猫ちゃんが『禍の団』のテロリストに襲撃されたらしい。しかも襲撃したのは小猫ちゃんのお姉さんだと言う。一誠さんが撃退したらしいけど、聞いた限りじゃ一誠さんは相当手加減していたらしい

僕は今回の修行でだいぶ強くなった。けど、一誠さんを追いかけるどころか、後姿さえ見えない。

「リアス、ソーナ・シトリーはグレモリー眷属のことをある程度知っているんだろう?」

先生が部長にそう訊く。僕はさっきまで考えていたことをうち消し、話に耳を傾ける

「ええ、おおまかなところは把握されているわね。たとえば、朱乃や祐斗、アーシア、ゼノヴィアの主力武器は認識しているわ。―――フェニックス家との一戦を録画した映像は一部に公開されているもの。さらに言うならギャスパーの神器も小猫の素性も割れているわ」

「ま、ほぼ知られているわけか。で、おまえのほうはどれくらいあちらを把握している?」

「ソーナのこと、副会長のである『女王』のこと、他数名の能力は知っているわ。一部判明していない能力の者もいるけれど」

「不利な面もあると。まあ、その辺はゲームでも実際の戦闘でもよくあることだ。戦闘中に神器が進化、変化する例もある。細心の注意をはらえばいい。相手の数は八名か」

「ええ『王』一、『女王』一、『戦車』一、『騎士』一、『僧侶』二、『兵士』二で八名。まだ全部の駒はそろっていないみたいだけれど、数ではこちらより一人多いわ」

僕たちは全員で七人しかいない。数では少し不利だ

「レーティングゲームは、プレイヤーに細かなタイプをつけて分けている。パワー、テクニック、ウィザード、サポート。このなかでなら、リアスはウィザードタイプ。いわゆる魔力全般に秀でたタイプだ。朱乃も同様。木場はテクニックタイプ。スピードや技で戦う者。ゼノヴィアはスピード方面に秀でたパワータイプ。一撃必殺を狙うプレイヤーだ。アーシアとギャスパーはサポートタイプ。さらに細かく分けるなら、アーシアはウィザードタイプのほうに近く、ギャスパーはテクニックタイプのほうに近い。小猫はパワータイプだ」

僕は少し気になった事があったので先生に質問する

「一誠さんがプレイヤーだとしたら、どれに当てはまるんですか?」

その質問を聞き、皆が興味心身といった感じだ

「一誠か?そうだな……。しいて言うならオールラウンダーだな」

「全てということですか?」

「ああ、あいつはパワー、テクニック、ウィザード、サポート。全てをこなせるからな。まぁ、若干パワーよりな所があるが」

「パワーより?」

一誠さんのどこがパワーよりなのだろう?

「あいつは、魔法、近接。どっちも規格外だ。だが、近接に関しては、あいつより上の奴がいないわけじゃない」

「一誠さんより強い人がいるんですか!?」

僕は思わず訊き返してしまう

「いや、そういうわけじゃない。あくまであいつより技術がある奴がいるってだけだ」

「どういうことだ?」

今度はゼノヴィアが先生に聞き返す

「あいつはまだ16のガキだぞ?いくら才能があろうが、技術ってのはそんな簡単に身につくものじゃないだろう?まぁ、あいつの戦闘技術ってのは超一流だ。だが、剣術一つ取ったって、純粋な剣の勝負なら木場、おまえの師匠のほうが強いぜ?」

なるほど、確かに一誠さんは剣術も強い。けど、一誠さんの何倍も長い時を修行してきた師匠のほうが技術的に上なのはしかたがないことだ

「まぁ、あいつはそもそもそんな物が必要ないほどに強いんだけどな」

先生が苦笑しながらそう言う

「アザゼル。あなたは一誠と戦ったことがあるの?」

部長が先生に質問する

「ああ、あるぞ。ボロ負けだったけどな」

「どういう風に負けたの?」

「先に言っておくけどな。負けたのは俺だけじゃねぇぞ?」

「あなた以外にも一誠と戦った堕天使がいるの?」

「ああ、ってか、『神の子を見張る者』の幹部全員をいっぺんに叩き潰しやがったけどな。あいつ」

先生が遠い目をしながらそう言う

「堕天使の幹部って言えば、戦争を経験した者ばっかりじゃない。なのに負けたの?」

「お前ら一誠をあまく見すぎだ。夢幻や無限に勝てるあいつに勝てるわけねぇだろ。っつか、サーゼクスやミカエルだって負けてるからな?」

「そう言えば現魔王さまたちの眷属を含め全員が敗北したことがあるって言っていましたわね」

「だろ?ミカエルの所も似たようなかんじらしいけどな。聞いた限りじゃ、全セラフを一撃で全て戦闘不能にしたらしい」

「一撃!?」

部長が驚いて聞き返す。部長だけではなく皆も驚いている

「ああ、俺の時もそうだった。いきなり強大な力で吹き飛ばされ、気がついたら地面に横たわっていたよ。何をされたか全くわからなかった」

堕天使の総督である先生にすら知覚できない一撃を放った?

「話が脱線したな。ミーティングに戻すぞ」

先生がそう言って仕切り直しをする。そうだ、今は目の前のゲームに集中しよう

「パワータイプが一番気をつけなくてはいけないのは―――カウンターだ。テクニックタイプのなかでも厄介な部類。それがカウンター系能力。神器でもカウンター系があるわけだが、これを身につけている相手と戦う場合、小猫やゼノヴィアのようなパワータイプはカウンター一発で形成が逆転されることもある。カウンターってのはこちらの力をプラス相手の力で自分に返ってくるからな。自分が強ければ強いだけダメージも尋常ではなくなる」

「カウンターならば、力で押し切ってみせる」

ゼノヴィアが勇ましくそう言う。たのむから、もう少しテクニックも覚えてよ!

「それで乗り切れることもできるが、相手がその道の天才ならば話は別だ。できるだけ攻撃を避けろ。カウンター使いは術の朱乃や技の木場、もしくはヴァンパイアの特殊能力を有するギャスパーで受けたほうがいい。何事も相性だ。パワータイプは単純に強い。だが、テクニックタイプと戦うにはリスクがおおきんだよ」

先生のその言葉にゼノヴィアは黙ってしまった

「リアス、ソーナ・シトリーの眷属にカウンター使いがいるとしたら、お前かゼノヴィアにぶつけてくる可能性が高い。十分に気をつけろよ?」

「ええ、私の消滅の魔力もゼノヴィアのデュランダルの聖なるオーラも跳ね返されたら即アウトの可能性が高いものね」

相手がカウンタータイプなら僕か朱乃さんで対処したほうがいいだろう

先生はペンをしまうと最後のまとめを言う。

「おまえたちが今回のゲームで勝利する確率は七十パーセント以上とも言われている。俺もおまえたちが勝つと思っているが―――『絶対』勝てるとは思っていない。それに駒の価値も絶対的なものではない。実際のチェス同様局面によって価値は変動する」

先生は続ける。皆、真剣に聞き入っていた。先生の言葉は効く。心身の根底に

「俺は長く生きてきた。そのなか、多種多様、様々な戦闘を見てきた。だからこそ、言えるんだよ。―――勝てる見込みが一割以下でも勝利してきた連中がいたことを俺は覚えている。一パーセントの可能性を甘くみるなよ。絶対に勝てるとは思うな。だが、絶対に勝ちたいとは思え。これが合宿で俺がおまえたちに伝える最後のアドバイスだ」

それが先生がしてくれた最後のアドバイスだった

その後、先生が抜けたメンバーで決勝の日まで戦術を話しあった。―――僕たちは絶対に勝つ!

 

 

決戦日

グレモリーの居城地下にゲーム場へ移動する専用の巨大な魔法陣が存在する

僕たち眷属はその魔法陣に集まり、もうすぐ始まるゲーム場への移動に備えていた

アーシアさんとゼノヴィア以外、駆王学園の夏の制服姿だ。アーシアさんはシスター服、ゼノヴィアはであった当初の頃に着ていた戦闘服だ。二人ともそちらのほうが気合が入るらしい。シトリー眷も駆王学園の制服だ

「リアス、あなたは一度負けているも同然なのだから、今度こそ勝ちなさい」

「次期当主として恥じぬ戦いをしなさい。眷属の皆さんもですよ?」

「がんばって、リアス姉さま!」

「まあ、今回教えられることは教えた。あとは気張れ」

当主様、ヴェネラナさま、ミリキャスさま、アザゼル先生が魔法陣の外から応援をしてくれる。この場にいないのはサーゼクスさまとグレイフィアさんだ。すでに要人専用の観戦会場へ移動されているようだ。先生もこのあとその会場に移動するらしい

部長が一誠さんを見る

「一誠、私は―――私たちは勝つわ。今度こそ!あなたに頼らず自分達の力だけで」

部長が決意を宿らした瞳でそう言う。それは僕たち全員が思っていることだ。僕たちは一誠さんに守らればかりだ。ライザー氏とのレーティングゲーム、聖剣騒動の時のコカビエル。僕たちはどちらも敗北しそうだった。いや、一誠さんがいなければ確実に敗北していただろう。コカビエルの時は最悪殺されていた。もう、そんなのは嫌なんだ。自分の力でなにもできないことが……、今度こそ勝つんだ。自分達の力だけで!

一誠さんは無表情に部長を見るだけだ。一言も声を発しない

緊張感が漂う中、魔法陣が輝きだした。―――ついにゲームが始まる!

 

 

魔法陣でジャンプして到着したのは―――テーブルだらけの場所だった。周囲を見渡してみれば、どうやら飲食フロアらしく、テーブル周辺にファストフードの店が連なっていた。

「駆王学園近くのデパートが舞台とは、予想してなかったわ」

そう、ゲームの舞台は僕たちがよく通うデパートだった。そのとき店内アナウンスが聞こえてくる

『皆さま、このたびはグレモリー家、シトリー家の「レーティングゲーム」の審判役を担うことになりました、ルシファー眷属『女王』のグレイフィアでございます』

アナウンスはフェニックス戦のときとおなじくグレイフィアさんだ

『我が主、サーゼクス・ルシファーの名のもと、ご両家の戦いを見守らせていただきます。どうぞ、よろしくお願い致します。さっそくですが、今回のバトルフィールドはリアスさまとソーナさまの通われる学舎「駆王学園」の近隣に存在するデパートをゲームフィールドとして異空間にご用意し巻いた』

地理的アドバンテージは互いに五分といった感じだ

『両陣営、転移された先が「本陣」でございます。リアスさまの本陣が二階の東側、ソーナさまの「本陣」は一回西側でございます。「兵士」の方は「プロモーション」をする際、相手の「本陣」まで赴いてください』

そして今回のゲームのルールが説明される。

―――フェニックスの涙は両チームひとつずつ

―――バトルフィールドとなるデパートを破壊し尽くさないこと

以上だ。作戦タイムは三十分

「なるほど、私や副部長にとっては不利な戦場だな。効果範囲の広い攻撃ができない」

ゼノヴィアの言うとおりだ。朱乃さんの広範囲に及ぶ雷やゼノヴィアのデュランダルによる聖なる斬戟波動も使えない。

「困りましたわね。大質量による攻撃戦をほぼ封じられたようなものですわ」

朱乃さんが困り顔でそう言う。僕も息を吐きながら意見を言う

「ギャスパ―くんの眼も効果を望めませんね。店内では隠れる場所が多すぎる。商品もそのまま模されるでしょうし、視線を遮る者が溢れています。闇討ちされる可能性もありますし……困りましたね。これは僕らの特性上、不利な戦場です。派手な戦いができるのがリアス・グレモリー眷属の強みですから、丸々封じられる」

部長が僕の言葉に首を横に振った

「いえ、ギャスパーの眼は最初から使えないわ。こちらに規制が入ったの。『ギャスパ―・ヴラディの神器使用を禁ずる』だそうよ。理由は単純明快。まだ完全に使いこなせないからね。眼による暴走でゲームの全てが台無しになったら困るという判断でしょう。しかもアザゼルが開発した神器封印メガネを装着とのことよ。―――本当、用意がいいわね」

先生らしいと僕は思います

「今回は私たちにとって不利なルールかもしれないわ。けれど、これをこなせなければこれからのゲームに勝ち残ることなんてできない。『「兵士」でも「王」をとれる』――これはチェスの基本ルールであり、レーティングゲームの格言よ。つまり、『やり方しだいでは誰でも勝てる可能性がある』ということを示唆しているわ」

朱乃さんも部長の意見に賛同し、うなずいた

「そうですわね。実際の戦場でもこのような屋内戦が今後あるかもしれません。そうなった場合、今日この日のように力が完全に発揮できないこともあるでしょうし。いい機会かもしれませんわね。チームバトルの屋内戦に慣れておくのに今回の戦闘は最適ですわ」

朱乃さんの言うことに頷く。僕たちグレモリー眷属は火力重視のパワータイプだ。室内で十分に戦えるのは僕と小猫ちゃんくらいだろう

「立体駐車場には車も再現されているのかしら?だとしたらやっかいだわ」

その言葉を聞いて僕は進言する

「部長、屋上と立体駐車場を見てきます。近くに階段がありますから、確認してきます」

部長がうなずく

「お願い、祐斗」

僕はその場を早足にあとにする。その後僕は集合時間になるまで車の配置などを調べた

 

 

「部長戻りました」

「ごくろうさま。祐斗」

戻った僕を迎えてくれる

「さっそくだけど、どうだったか教えてくれる?」

「はい」

僕は細かく記されている地図に書き込みをしながら、車の配置など細かく報告していく

 

 

―――定時。

僕たちはフロアに集まり、開始の時間を待っていた。

そして、店内アナウンスが流れる

『開始の時刻となりました。なお、このゲームは制限時間3時間の短期決戦形式を採用しております。それでは、ゲームスタート』

ブリッツということは短時間で決着をつけることになる。長期戦と違い、あまりスタミナに気を配らなくていいのはありがたい

「指示はさっきの通りよ。祐斗と小猫、ゼノヴィアと朱乃で二手に分かれるわ。祐斗と小猫は店内からの進行。朱乃とゼノヴィアは立体駐車場からの進行よ。朱乃達は途中に罠を仕掛けながら屋上に移動。そこで待機ね。場合によってはそこから動いてもらうわ。ギャスパーは複数のコウモリに変化しての店内の監視と報告。進行具合によって、私とアーシアが祐斗側のルートを通って進むわ」

部中の指示を聞き、全員耳に通信用のイヤホンマイクを取り付ける

「さて、かわいい私の下僕悪魔たち!もう負けは見せられないわ!今度こそ、私たちは自分達の力で勝つのよ!」

『はいッ!』

全員、気合が入っていた。当然だ、今度こそ自分達の力で勝つ!

「それじゃ、ゼノヴィアちゃん、行きましょうか」

「ああ、よろしく頼むぞ?副部長」

先に動いたのは朱乃さんとゼノヴィアだ。フロアを飛びだし、立体駐車場へと向かっていく

「小猫ちゃん、行こうか」

「はい」

僕と小猫ちゃんもその場をあとにして進みだす。小猫ちゃんは猫股の力を使うことを皆に言っていた。どうやらイロイロとふっ切れたらしい

こちらの作戦はこうだ。僕たちはなるべく戦闘をこなしながら相手本陣に突入する。その後相手を引き連れながらも後退。敵立体駐車場にある罠へと引き連れ、数名を撃破し、屋上へとおびき出す。おびき出した相手を朱乃さんとゼノヴィアが一網打尽にする。ギャスパ―くんのサポートもあるので、相手を複数名撃破することが肝心だ。ソーナ会長も一網打尽にできればもうけもの、できなければ探し出して袋叩きにすればいい。

僕と小猫ちゃんが進むこと数分………。小猫ちゃんが猫股モードになって、その場にとどまる

「……敵かい?」

「……はい。動いています。真っ直ぐに向かってきているものが二人」

「詳細はわかるかい?」

僕がそう訊くと、首を横に振るう

「いいえ。……気の流れでそこそこ把握できますが詳細までは……」

「そう……。あとどのぐらいで接触するのかな?」

「……このままのペースなら、おそらく十分以内です」

あと十分。罠を仕掛ける時間もないし、近くに隠れられるようなところもない

「―――ッ!」

僕と小猫ちゃんは咄嗟にその場から後退する

「―――木場か!まずは一撃」

前方はブラフ!匙君が自身の神器のラインを使いターザンみたいに降りてきて攻撃を仕掛けてくる

膝蹴りの体制のまま仕掛けてきた攻撃を僕は剣の腹を遣い受け止める

ドゴンッ!

ものすごい衝撃が僕を襲う

「よー、木場」

現れたのは匙君。その隣には背中に乗っていた少女。生徒会のメンバーで、確か仁村さん

匙君の右腕には黒い蛇が何匹もとぐろを巻いている状態だった。以前と形がちがう!?

「まあ、俺も修行をしたってことさ。おかげでこれだ。で、天井から店内の様子を見ようとラインを天井に引っ付けて上がってみたら、お前らが見えたんだ。使い魔を使って前方をおとりにし、後ろからターザンごっこで奇襲さ」

匙君がそう言ってくる。僕は剣を出しかまえる

『リアス・グレモリーさまの「僧侶」一名、リタイヤ』

アナウンスが聞こえてくる。そのアナウンスを聞き匙君がにやける

「……祐斗先輩、やられたのはおそらくギャスパ―くんです」

小猫ちゃんが僕にそう言ってくる。僕はその言葉に頷く

「たぶんそうだろうね。ギャスパ―くんは神器を使うことを禁止されている。きっと囮を使ってギャスパ―くんをおびき出したんだろう」

僕たちの会話を聞き匙君が語る

「そうだ。神器が封じられていることはこちらにも連絡があった。そうなると、必然的に使ってくる能力はヴァンパイアの力。コウモリに変化して店内の様子をうかがうだろうってさ。会長が一つ案をだし、それを実行したのさ」

案?

「まずはシトリー本陣で一部の眷属が怪しい行動にでる。そうすると気になってギャスパ―くんは追いかけてくるだろう?より不審な行動をすれば他に飛ばしていたコウモリを集めて監視を強化する。そうすればこっちのもんだ。集まったところに大量に集めたニンニクを使う。吸血鬼の苦手なニンニクにやられているところを捉えるなんてたやすいことだよ」

匙君はそう言いながら僕らに突っ込んでくる。僕と小猫ちゃんは戦闘に入る

 

 

<一誠視点>

ソーナVSリアス

結果を言えばリアスが勝った。匙が根性を見せ、木場を撃破した。そこまでは良かったが、ソーナは眷属に特殊な結界を張らせ、自分の幻影を作り出し、それを使いリアスを罠へと誘導しようとした。本体のソーナと『女王』や屋上で指揮をおこなっており、それを隠れて見ていた朱乃とゼノヴィアの不意打ちを食らってゲーム終了となった。時間にして約三十分。随分あっけなく終わってしまった

「サーゼクスよ」

オーディンがサーゼクスに話しかける

「あの神器をもつ小僧じゃが」

「木場祐斗くんですか?聖魔剣の」

その言葉を聞き、オーディンは首を振る

「いや、シトリー家の『兵士』のほうじゃよ」

匙のほうに目をつけたか

「いい悪魔じゃ、大切にするがいいぞ。ああいうのが強くなる」

匙は神器の能力を使い少量の血液を木場から奪い続けた。その結果失血を起こし木場はリタイアさせられたのだ。

「アザゼル。お前の提案匙にも言ったのか?」

俺がアザゼルに訊く

「いいや、まだだ。あれはおまえの協力が必要だからな」

「そうか。なら言っておけ、今回は俺も協力してやるよ」

「珍しいじゃねぇか。どういった風の吹きまわしだ?」

「暇つぶし」

俺はそう答えてその場をあとにする。木場もそうだが匙も強くなるだろう。そのきっかけ位は作ってやろうじゃないか

 




申し訳ない。これが作者の限界です

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