ハイスクールD×Dの規格外   作:れいとん

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第十五話

あれから数日俺はサーゼクスの観光につきあったりした

冥界にゲーセンを作りたいらしく俺と対戦したり

ファーストフードの店に入ったら全品注文したり(冥界にもチェーン店を作るらしい)

日本の神社に興味があったらしくお参りに行ったり(サーゼクスは自身の魔力で神聖な力場を消し飛ばしてお参りしていた。なんてハタ迷惑な。……つか、魔王がお参りって)

…………サーゼクスの場合仕事と一緒に自分も楽しむんだよなぁ。まぁアザゼルよりか遥かにマシだけど

そんな事を思い出しつつ、俺は今リアスに連行されている

「……で?何がしたんだお前は?」

「私たち全員で遊んだ事って無かったじゃない?

親睦を深めるためにも一緒に遊ぼうと思ってね」

「遊ぶって何するんだよ?」

「それは着いてからのお楽しみ♪」

なぜか嫌な予感しかしない

 

 

駆王学園前

「…………おい」

俺は半眼でリアスを見る

「学園じゃねぇか、こんなところで何して遊ぶんだよ」

「こっちよ」

俺の言葉を無視して先を行くリアス

着いた場所はプールの更衣室だ

それと同時に俺に紙袋を渡してくるリアス

「はい。これ一誠の分の水着。たぶんサイズは合っていると思うわ」

「何故学園のプール? それと何故俺のサイズを知っている?」

「今日は日曜日で誰も居ないから私たちだけで使えるのよ」

その後軽く頬赤らめるリアス

「この前貴方の家にお邪魔した時に貴方の下着のサイズを確認したのよ」

―――――こいつ、変態だ

俺は軽く引く

「ちょっと引かないでよ!仕方ないじゃない!一誠はこうでもしないと絶対に今日来なかったでしょ!?」

逆切れして怒鳴ってくるリアス。サーゼクスの言っていたとおり我儘姫だな

「……はぁ」

俺はため息を出しながら紙袋を受け取る

「――――誘ってくれてありがとな」

俺が礼を言うとリアスは何故か嬉しそうに笑った

 

 

着替え終わってプールに出る

「いらっしゃい一誠さん」

「……どうも」

「一誠さん!」

「こんにちは」

俺に挨拶してくるいつものメンバー

アーシアと搭城は何故かスク水だった

「お前ら朝っぱらから元気だなぁ」

「……年寄りくさいです」

搭城が失礼な事を言ってくる

「……あのお願いしたい事が有るのですが」

搭城が俺に願い事?

「なんだ?」

「……実は私泳げないので練習に付き合ってもらってもいいですか?」

……リアスは親睦を深めるためって言ってたしな。

「いいぞ」

「……ありがとうございます」

少し嬉しそうに笑う搭城

「待たせたわね」

「すまない、着替えるのに時間がかかった」

リアスとゼノヴィアが着替え終ったようだ

「どう?一誠、似合うかしら?」

何故か俺に聞いてくるリアス

「いいんじゃないか?」

不機嫌になるリアス

木場と姫島は苦笑、アーシアと搭城は俺を睨んでいる……・何故だ

 

 

「ほら、息継ぎはしっかりする」

「……プハ」

俺は搭城の腕を引っ張りながら泳ぎの練習に付き合う

「……付き合わせてしまってゴメンなさい」

搭城が俺に謝ってくる

「別に気にすんな」

ミカエルやサーゼクス、アザゼルに比べればかわいいものだ

「―――と端に着いたぞ、さっきの調子で泳げばいいんだよ」

「……一誠さん結構優しいですよね」

――――は?

「……なんだかんだ言いながらも面倒見がいいですし」

「―――俺が?」

「……はい」

俺が優しい?初めて言われたぞ

俺がどう対応していいか迷っていると、リアスの使い魔に引っ張られる

それに付いていくとリアスがシートの上に寝そべっていた

「なんだ?」

「一誠にオイルを塗ってもらいたくって」

―――こいつは痴女なのか?

「普通そういうのって自分でやるか同性の友達にしてもらうものだろ」

俺は少しばかり呆れる

「なによ、私の体にオイルを塗りたくないの?」

「ないな」

――――涙を溜めながら消滅の魔力をこっちに打つな。あと胸見えてんぞ

「……いきなり何をする」

「知らない!!!!」

ブチ切れている―――何故だ?

「一誠さん」

俺を呼ぶゼノヴィア

「何だ?」

「頼みたい事があってね」

ゼノヴィアが俺に?珍しいな

俺はこいつが悪魔になってからあまり話した記憶がない

「頼みごと?」

「ああ、私と子作りをしてほしいんだ」

「―――まて、まてまて。いきなり何を言い出すんだお前は!?」

あまりにも不意打ちだった為軽くテンパってしまった

「私は今まで主の為に生きてきたからな。悪魔に成って何をすればいいのかわからなかったんだ。

そしたら部長が『悪魔は欲を持ち、欲を叶え、欲を与え、欲を望む者。好きに生きてみなさい』と教えてくれてな

だから私は今まで感じた事のなかった女の幸せを感じてみたんだ。……ああ、子育ては心配ないぞ?私が一人でするから貴方には迷惑をかけない

ただ、子供が父親の愛情を欲した時に愛を与えてくれないか?子供には両親の愛情が必要だからな」

そう言って俺の手を自分の胸に持っていくゼノヴィア―――柔らかい

まずい、俺だって健全な男子だ。理性にだって限界が……

ドシュゥゥゥンン!!

俺はゼノヴィアを引き離す、その間を消滅の魔力が通り過ぎる。―――今の最上級悪魔クラスの威力があったぞ?

リアスから俺に向かって殺気が放たれる

「ふ~ん。一誠は私には興味がないのにゼノヴィアには興味あるんだ」

リアスから滅びの魔力が放たれる、この前コカビエルに放ったものの二倍は大きいだろう―――何故コカビエル戦でその力を出さないのか……

俺はそれを避ける

「避けないで当たりなさい!!!」

かなり理不尽な事を言いながら魔力を連発してくる

(……俺が一体何をした?)

ドォン!

「いくら何でもやりすぎだろ」

リアスの魔力が校舎の一部に当たったのだ

「……ごめんなさいね」

幾分か冷静になったのだろう。俺に謝ってくる

 

 

その後ソーナが校舎破壊の原因であるリアスに小言を言ってプールは終了となった

俺まで小言を貰うのは納得がいかないが……

俺が適当に校内をうろついていると

「いい学校だね」

声をかけられた

銀髪に整った顔、かなりのイケメンだ

「……何でこんなところにいるんだ?ヴァーリ」

俺が問うと驚いたような顔をする

「俺の名前を知っていたのか?」

「この前アザゼルから聞いた」

俺の答えを聞いて苦笑するヴァーリ

「改めて挨拶しよう。俺は『白龍皇』のヴァーリ。よろしく今代の『赤龍帝』兵藤一誠」

ヴァーリが挨拶代わりに俺に魔力を放とうとした瞬間、ゼノヴィアと木場がヴァーリの首に剣を突きつけていた

「ここで何をするつもりかわからないけど、冗談がすぎるんじゃないかな?」

「ここで赤龍帝との決戦を始めさせるわけにはいかないな、白龍皇」

ドスの利いた声でヴァーリに忠告する二人

「やめておいた方がいい。―――手が震えているじゃないか」

ゼノヴィアと祐斗の手元は震えている

―――まぁコカビエル如きに手も足も出ないこいつらじゃ今の白龍皇には勝てないからな

「誇っていい。相手との実力差がわかるのは、強い証拠だ―――俺と君達との間には決定的な程の差がある。コカビエル如きに勝てなかった君たちでは、俺には勝てないよ」

木場から歯ぎしりの音が聞こえる

「この世界は強い者が多い。『紅髪の魔王』と呼ばれるサーゼクス・ルシファーでさえ、トップ10に入らない」

サーゼクスは本気を出せば十位以内に行きそうだけどな

「いままで一位は決まっていた、決して覆ることのない不動の存在。それを覆した現・世界最強の君を超える事が俺の目標だ」

俺に好戦的な眼を向けてくるヴァーリ

「前にも言ったが、口先だけじゃない事を祈るよ」

俺が一瞬だけ威圧する

それを受けて嬉しそうに笑うヴァーリ

「やはり君は最高だ。――――――貴女は幸運だな、リアス・グレモリー」

ヴァーリが俺の後ろにいるリアスに話しかける

「白龍皇、何のつもりかしら? 貴方が堕天使と繋がりを持っているのなら、必要以上の接触は―――」

「―――『二天龍』と称されたドラゴン。『赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)』と『白い龍(バニシング・ドラゴン)』。過去、関わった者は碌な生き方をしない

――――貴女はどうなるんだろうな?」

「―――ッ!?」

その言葉を聞き言葉を詰まらせるリアス

「今日は別に戦いに来たわけじゃない。先日訪れた学び舎を見てみたかっただけだ。アザゼルの付き添いで来日していてね、ただの退屈しのぎだよ。

―――ここで『赤い龍』と戦わない、今の俺では一方的に殺されるのが眼に見えているしね。それに―――俺もやることが多いからさ」

ヴァーリがその言葉を最後に帰っていった

(よかったじゃないかドライグ、お前のライバルはソコソコ強い様だぞ?)

(ああ、今の相棒は強すぎるかな。『白いの』の宿主が弱くなくてよかったよ)

もっと強くなってくれよ? ヴァーリ。……せめて俺が手傷を負うくらいには

俺はヴァーリが強くなるのが楽しみで仕方がない




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